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刑務所のトイレ事情(3)・・・雑居房でのオシッコお作法 [便所]

刑務所の「トイレ・排泄」事情について、続けてお話ししています。

汚い話ですが、非常識・トラブルが多くて「刑務所らしい」話が多いんです。

前回は独居房における「便所のお作法」についてご紹介しました。
(「刑務所のトイレ事情(2)・・・立ちションはダメです」をご覧ください)


独居は他人に気をつかわず、小便・大便ができてラク!と思いきや・・・

「立ちション厳禁」と、音のトラブルが多く、気が抜けないんですよ。

さらに「せまい部屋で便器と一緒の生活」はキツイです。


「ひょっとして、雑居の方が生活しやすいんじゃね?」

・・・と、便所がカベとトビラで別の空間にある雑居房に魅力を感じます。

が、メンドくさい雑居房。そんなに甘くはないワケで・・・


1.雑居はお作法が細かすぎる
今回は「雑居房の便所のお作法」について、ご紹介させてください。

雑居房は、せまい部屋で何人ものオッサンが暮らす共同生活。

そんなストレス満タンの生活。いつもイライラ、ちょっとしたことですぐにモメます。


とくにクサい、汚い「便所」に関しては、毎日のようにモメます

モメないために「お作法」「ルール」があるハズなんですが・・・

この「お作法」がやたらと細かく、うっとうしい!


モメるのは、そんな「細かすぎるお作法」を守れないコトが原因のほとんど。

とくにサラ(新入り)は「お作法」が覚えられず、怒鳴られっぱなし!

ケンカ、イジメ、部屋から追い出し・・・何度見たことでしょうか・・・


便所はサラ(新入り)だろうと、初日からゼッタイに使うので困るんですよ。

そんな雑居の細かすぎる「便所のお作法」を教える教育係の先輩はもっと大変です。

サラが覚えられずモタつけば、セットで怒鳴られ、イジメられますからねぇ。


教育係としては、メシの食い方、布団のたたみ方などなど、教えることは数あれど・・・

「失敗はゼッタイに許されない」便所のお作法を教えることが最優先なんです。

それでは、サラと教育係の先輩のやり取りで、便所のお作法をご紹介しましょう。
(略⇒サラ(新入り):  教育係の先輩:


2.メモは取るんじゃねぇ!
「この部屋での生活の仕方、ルールを教えていくから。やる気はあるよね?」

「しっかりやりますので、お願いします」

「食事、点検、フトン、用務…覚えることは大盛りだから、気合入れろよ」

「ガンバって、できるだけ早く覚えます

「イヤ、それじゃダメだ。死ぬ気で覚えろ

「ハ、ハイ…」

「とくに便所の行き方は、すぐに覚えろ」

便所の行き方なんて、あるんですか?」

「当たり前だろ!ここは雑居だ。失敗は許されないから」

「ちょっと待ってもらっていいですか…えーっと」

「オメェ、メモなんか取ってんじゃねぇよ!頭にたたき込めっ!

「す、すみません」


うーん、なかなか便所のお作法にたどり着かない(泣)

シャバであればメモを取るのは常識、むしろホメられることだが、刑務所は違う

メモを取るのは厳禁!

どうしてだよ・・・これもイジメか?



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刑務所のトイレ事情(2)・・・立ちションはダメです [便所]

前回より話題を変えて「刑務所のトイレ・排泄」の話をしています。

便所に限って言えば、雑居よりも独居の方がキビシイ!

何せ「部屋の中にロコツに便器」ですから。


「便器のすぐ目の前で、メシを食う」

「ただようニオイに悩まされながら、メシを食う」

まさに刑務所。便所に関しては、独居の方が懲役らしいと言えます。


あれ?ひょっとして、雑居の方がいいのかしら?

いえ、甘いです。そんなコトはありません。

雑居は便所に関する「お作法」がやたらと細かく、うるさいですから…


便器がロコツにあり、クサいけれど、割と自由に排泄できる独居

便所は別の空間で気にならないけれど、先輩とお作法がうるさい雑居

雑居がいいのか?独居がいいのか?何回かに渡って考えてみたいと思います。


1.必ずモメる「立ちション問題」
集団生活の雑居房と違い、独居房は他人に気をつかわなくていい・・・

うるさい先輩もいないし、こりゃラクだ!

便所だって、好きな時に、好きなだけ、ブリブリ・・・


と思いきや、独居だろうとそうはいかないんです。

やはり刑務所。懲役はキビシイ。

独居でも「便所のお作法」があるんです。


その「便所のお作法」を守らないと、必ず翌日にモメることになります。

懲役になってこのやり取り、何度聞いたことでしょうか・・・


「オメェ、便所うるせぇんだよ!」

―――はぁ?

「昨日、立ちションしてただろ?」

―――えっ?

ジョボジョボ音立てんじゃねぇよ

―――すみませんでした…

舎房では立ちション禁止って聞いてんだろ?」

―――は、はい…

「そんなコトもできねぇのかよ」

―――忘れていました…

「オメェ、うちの工場から出てけよ


たった一度の立ちションで、先輩から出てけ!」と怒鳴られる

うーん、刑務所らしいけれど、メンドくせぇ…

が、しかし、実はコレ、「便所のお作法」の基本中の基本なんです。


サラ(新入り)の際、先輩受刑者から必ず注意されることでもあります。

おとなしく守ってりゃいいのに、気を抜くのか、ナメてるのか・・・

それにしても、どーしてそこまでキビシイんでしょう?



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刑務所のトイレ事情(1)・・・ムショにトイレは存在しない!? [便所]

今回からガラリと話題を変えて、刑務所生活のお話をしようかと思います。

そこで選んだのが「トイレ・排泄」の話

汚い?くだらない?・・・他では詳しく書かれていない話こそ、ご紹介したいのです。


さて「トイレ・排泄」は、なくてはならないモノですが、ちとキタナイ。

ゆえに集団生活の刑務所では、たびたびトラブルの元になるのです。

だからこそ「非常識」な決まり、お作法が多くて、メンドくさい!


1.刑務所にはトイレはない!?
刑務所にブチ込まれて、まず驚いたのが「トイレの呼び方」

「ハァ?トイレはトイレだろうが!」と思うでしょう?

刑務所では「トイレ」が通用しないんです。


ある日の新入訓練工場にて、作業中の出来事・・・

どうしても尿意をガマンできなくなった受刑者が、刑務官様に申し出ました。

「先生、すみません。トイレに行きたいのですが・・・」

―――あぁん?今、何て言った?

「すみません。どうしてもガマンできないので、トイレに行かせてくださいっ」

―――オメェ、そんなのねぇから!

「作業中にトイレはダメなのはわかっています。すみません、お願いしますっ」

―――だからよぉ、ココにはそんなモノ、ねぇから!

「やはりトイレは行かせてもらえないのでしょうか?」

―――刑務所にトイレは存在しねぇんだよっ!

「は、はい?」

―――刑務所は「便所」って呼ぶんだっ、覚えとけっ!


く、くだらねぇ・・・刑務所ではトイレと呼んではいけない

懲役たち同士の勝手な「ルール」でトイレと呼ばず、便所と言うのかと思いきや

刑務官様直々に「便所と言え!」


なんと「便所」と呼ぶのは公式ルールだった…

それだけではない。まだある

トイレ、お手洗いに行く、用を足す…コレも言わない。ダメ


「用便」と言うのが公式ルール!

つまり先ほどの正解はこうなる。

「先生、申し訳ございませんが、用便お願いします


公式の呼び方ではないが、その他にも「便所に関するムショ用語」はある。

大便⇒しゃがむ

トイレ掃除⇒便掃(べんそう)

トイレでオ◯ニー(自慰)⇒便ズリ


うーん、くだらないけれど、こう言わないと怒られるんです。

「オメェ、刑務所ではそんな言葉はないから」

ちゃんと使わないと、便所に行かせてもらえず、漏らすハメになりますので注意。


受刑者になったら、まず覚えることはイロイロあるけれど・・・

「便所に関するムショ用語」を覚えること、コレは大事です。



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どこの刑務所に送られる(12)・・・イヤな刑務所を回避するワザ [移送(拘置所→刑務所)]

取り調べであがき、公判であがき、アレコレやってみたものの、実刑

公判(裁判)で実刑を喰らえば、もうどうしようもありません

いよいよ受刑者。懲役として刑務所に送られます


が、しかし、何としても最後の悪あがきをしたい!(という人もいます)

「刑務所は、自分で選べないのか?」

なんてことを考えるワケです。


ハイ、実刑喰らった人ならば、一度は考えることですよね。

結論から言うと、自分では選べません

それでは今回の記事が終わってしまうので、もう少し考えてみたいと思います。


1.刑務所は平等でも公平でもない!
「何か裏ワザで、刑務所を選ぶことはできないの?」

あきらめが悪い「実刑確定・懲役なりたて」の者は、アレコレと考えます

実は、送られる刑務所というのは、その人の条件でかなり予想がつきます
(「どこの刑務所に送られる(1)・・・ヤバい刑務所もあります」をご覧ください)


①初犯か再犯か、で送られる刑務所が違う。

初犯はA級刑務所、再犯はB級刑務所、と分けられています。

さらに初犯は民間刑務所(PFI刑務所)もありますが、期待薄ですし、別の機会に。


②短期刑か長期刑か、で送られる刑務所が違う。

短期刑は懲役10年未満、長期刑は懲役10年以上。短期刑は長期刑務所に行かない。

長期刑は専用の「L級刑務所」があるけれど、必ずココではないのがややこしい


③どの地方で判決が確定したか、で送られる刑務所が違う。

⇒全国を8つのエリアで分け、そのエリア内の刑務所に送られるのが基本

例えば、大阪で判決が確定すれば、送られる刑務所は近畿地方が濃厚なんです。


これら①~③を組み合わせると、かなり予想が立つんです。

どの立場の受刑者でも、送られる刑務所が3つくらいに絞られます

もうコレは、懲役たちの常識中の常識。お近くの元受刑者に訊けばわかります。


「うへぇ~!あの刑務所にブチ込まれるかもしれないのかっ!」

そうなんです。ウラを返せば、イヤな現実がわかってきちゃうんですね。

前回も書いたように、刑務所によっては「ヒドイ」「キビシイ」所があります


A.「面会、手紙などの制限がやたらとキビシイ刑務所」

身元が明らかな人であれば、原則誰でも面会・手紙がOKな刑務所もあります。

一方で、親族以外の面会は原則禁止という、理不尽な刑務所もあります。


B.「生活する環境がやたらとキビシイ刑務所」

食事がマズい、イジメがヒドイ…適応するのに苦労し、出所後の準備などできません

建物が古い所もキビシイ。冬が寒い、フロが不便…身体を壊す可能性があります


C.「前向きな努力にやたらとキビシイ刑務所」

本の差し入れ制限がキビシく、知識・情報を入れたくても、ロクに本を読めません。

職業訓練、通信教育…出所後の就労のための努力に消極的で、許可してくれません


このように刑務所によって制限、条件が違うのです。

うーん、できるだけマシな刑務所に行きたい、と思うのが人情でしょう。

すべてを満たすことはできないけれど、とくにイヤな所は避けたい・・・


「受刑者のくせに、つべこべ言わず刑務所行けよ!」って、思いますか?

いえ、刑務所がキビシイことに文句を言っているワケじゃないんです。

刑務所によって処遇が違うのが問題。どーして施設間で公平・平等じゃないのか?


実は「刑務所は選べないけれど、避ける方法はあるのです。

まぁ、懲役たちの間では常識中の常識なんですが・・・



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どこの刑務所に送られる?(11)・・・厳罰化の影響でさまよう長期受刑者 [拘置所]

刑務所の話ばかりしてきましたが、たまには違うお話をさせてください。

今回は拘置所。懲役の入口に戻ってみます。

「とばっちりを受ける長期受刑者」というマニアックで、たまにはマジメな話です。


まず、拘置所は「裁判で起訴された人がブチ込まれる所」のイメージが強いハズ。

が、裁判で判決が出て、刑が確定するのは刑務所ではなく「拘置所」

つまり受刑者のスタートは拘置所で迎えることになるんです。


1.はじめての懲役作業
裁判で刑が確定しても、いきなり刑務所に送られるワケではありません。

まずは拘置所にて、刑務所に送られるまで待機するコトになります。

これを「移送待ち」と呼びますが、何とも中途ハンパな立場でして・・・
(「はじめての懲役(6)・・・早く刑務所に行きたい?」をご覧ください)


刑務所ではないけれど、懲役は始まっているから懲役作業はアリ

けれども刑務所ではないから、懲役作業をする工場はナシ

食う、寝る、作業まですべて、一日中同じ舎房の中に閉じこもりっきりです。


そして、懲役の作業が刑務所と違って、ひたすら単純・地味

一番ムズカシイ作業が、「紙袋折り」というレベルですから!

紙袋折りとは、お店で入れてくれるあのヒモ付きの袋を作ること。うーん、地味。


他の定番作業をご紹介しますと・・・

レジ袋にチラシを入れる

ハンガーに貼り付いたシールをはがす


うーん、単純。こんなのでホントに懲役作業と言えるのか?

仕事と言うより、老人の痴呆防止の治療じゃないかと疑います。

もう、誰でもできる作業なワケです。


が、コレすらできない受刑者もいるので、別メニューも用意されています。

短いヒモを結ぶ、それだけの作業

お利口なチンパンジーならできるだろ?というレベルだけに笑えません。


作業はノルマがあるワケでもなく、恐ろしい懲役の先輩がいるワケでもない。

ココは刑務所ではなく、まだ拘置所。作業はラクラクです。

こりゃいい、気楽だな~と思っていたら、甘かった


あまりの単純作業で、2~3日で飽きてしまうのです。

一日が長くてたまらん!

なるほどコレが「懲役」という意味か! 必ずや退屈地獄に苦しめられます。


「移送待ち」がいつまで、とわかっていれば、まだラクなんですが・・・

移送待ちが2週間も過ぎると「これが永遠に続くんじゃないか」と不安になり・・・

いつの間にか「さっさと刑務所に行って落ち着きたい」と思うようになります。


あれだけ「絶対に行きたくない!」と思っていた刑務所なのに、行きたいなんて…

そしてこの「移送待ち」にも、受刑者によって大きな差が出ます

まぁ、長期受刑者はこの点でもツイてないんです。



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刑務所の夏(11)・・・イライラMAX!ムショで過ごす夏休み [刑務所生活]

1.刑務所にも夏休みはある
皆さまは今年の夏はいかがでしたか?夏休みは取れましたか?

社会人になると、夏休みもそんなに長い期間は取れませんよね。

それでも「夏休み」と聞くと、ワクワクしませんか?


が、刑務所にブチ込まれて「夏休み」が大キライになりました。

ちなみに受刑者にも夏休みはあるんです。

8月に3日間続けて休日。コレが夏休み


毎年、お盆の週、8月15日前後に3日間続けて休みとなります。

「懲役に夏休みなんていらねーだろ!」って、怒らないでください。

「刑務官様が休みを取るために」懲役たちも休みにするそうですから…


「おぉ!懲役作業をサボれて、うれしい」かと思いきや、甘かった…

この真夏のクソ暑い時期、3連休は「拷問」です。

連休中、せまくて異常に暑い舎房の中に閉じ込められっ放しですから!


暑くて冷房がないのは、舎房も工場も一緒なのですが・・・

工場は扇風機があり、フロがあったり、水浴びがあったり、多少涼しいのです

それに対して舎房は、モロに当たる西日、カーテンなし、風通し最悪の温室のよう


全然うれしくない。休息どころか、苦行

「工場の方が全然マシ。お願いだから舎房から出してくれっ!」

コレがほとんどの懲役たちの本音です。


2.懲役たちの夏のスタイル
この「苦行」な暑さの夏休みを、懲役たちはどうやって過ごしているか?

人それぞれですから、共通するモノをご紹介しておきましょう。

まずは服装。コレがみっともない


上:白のランニングか半袖シャツ

ちなみにTシャツではなく、下着のシャツなのでオシャレ感はゼロ。

今どきジジイしか着ていないようなグ◯ゼの白い下着を1枚着ます。


下:夏用の半ズボン

実は、囚人服(舎房着)にも半ズボンはあるんです。

夏季処遇中だけに限り、半ズボン(もちろんエメラルドグリーンの官物)着用OK!


白い下着シャツに半ズボン

昔の小学生が虫取りに出かけるスタイルである。

コレをオッサンがやるんだから、もうヒドイ、きたない!


ちなみに舎房ではハダシで過ごしてOKだが、雑居では許されない者もいます。

それは「水虫」のヤツ

真夏でもくつ下を常に着用。ハダシは一切許されません。


「ふざけんなっ!水虫ヤローはずっとくつ下はいてろよ」との命令。

「雑居の他の懲役たちに水虫をうつさないため」だから、もっともだが・・・

水虫受刑者はますます悪化。肩身は狭いわ、散々な夏休みなワケです。



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刑務所の夏(10)・・・刑務官様とモメる夏 [刑務官]

もう9月ですね。とは言え、まだまだ暑い日が続きます。

そんなワケで、少し遅いですが「夏ネタ」をお話させてください。

夏ネタは去年「刑務所の夏」シリーズで、暑さにヤラれる懲役たちをご紹介しました。
(「刑務所の夏(1)・・・ムショでの夏の過ごし方」)


今年も1つ、2つは夏のネタをご紹介したい! 

で、思い出したのが「タオル」の話

たかがタオルですが、刑務所ではお作法がうるさかったり、刑務官様とモメるんですよ…


1.刑務所流「タオルのお作法」
刑務所は雑居だろうと独居だろうと、寝食する舎房が暑いことを以前お話ししました。
(「刑務所の夏(2)・・・どうして刑務所の部屋は暑いのか?」)

西日をモロに浴び、カーテンもなく、風も抜けず、まさに温室

休日はそんな舎房に一日中閉じ込められっぱなし夏の休日はツラいです。


ホントに気をつけていないと、熱中症でブッ倒れます

舎房で座っているだけなのに、汗がダラダラ流れ落ちてくる始末。

こまめにタオルで汗を拭かないと、服やタタミがビショビショになってしまいます。


タオルで汗を拭かなくちゃ!となりますが、あわてて拭いちゃあ、ダメ

雑居ではタオルにも「タオルのお作法」があるんです。メンドくせぇ。

まずは「刑務所での決まり」から。コチラは守らないと、懲罰です。


①タオルは首にかけてはダメ

②タオルを頭に巻いてもダメ

③濡れタオルにして涼んでもダメ


また、汗で汚れたからと言って、勝手に水洗いしてもダメ。懲罰です。

なんだこりゃ、流れ落ちる汗もその都度に拭くのかよ?

首にも頭にもタオルはダメ。じゃあ、手元にタオルを置いておくか・・・


が、しかし、今度は「雑居ごとのローカルルール」がうるさいんです。

何の拘束力もないんですが、雑居で生活する以上、絶対に守らないとダメ

守れなければ雑居を追い出されてしまいます


この「お作法」が細かくて、やり過ぎのモノばかりなんですよ・・・

試しにタオルを手に取り、タタミの上にでも置いてみましょう


「オイっ!タオルを置くんじゃねぇ」

―――えっ?ダメなんですか!?

「タタミの上に置いたら、タタミが汚くなるだろ

―――はぁ…(タオルよりタタミの方が汚いと思うけれど…)

「あぁん?小机の上に置くなよ!」

―――小机の上もダメなんですか?

「小机の上でみんながメシ食うんだ。そんな所にオメェの汚いタオルを置くな」

―――す、すみませんでした。(言われてみれば、その通りかも)


タオルは気安くどこかに置いてはいけない。

折りたたんでポケットに入れておくか、タオル掛けに提げておくか、どちらか。

うーん、タオル一つでも「お作法」が細かいのです。


うるさい「お作法」ですが、しょせん雑居だけの「ローカルルール」

懲役たちの「勝手な決めごと」ですから、嫌々でも守っていればいいんです。

ところが、刑務官様だと「守っていても、懲罰にアゲられる」ことがありまして…

またまた刑務官様にまつわる「理不尽なお話」ですよぉ~



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刑務所の夏(9)・・・グラウンドで素っ裸になる [入浴]

まだまだ暑い日が続きますね。

刑務所にいると冷房・暖房がないので、イヤでも季節の移り変わりに敏感になります

思うのが「夏と冬はこんなに長かったっけ?」で、「どちらがツラいんだろう?」


暑さでメシも食えず、夜はロクに眠れず、夏バテでヘロヘロになる方か

寒さで震えてかじかみ、冷えでロクに眠れず、しもやけで痛い目にあう方か

どちらがツラいのかは、いまだに答えが出ません。どちらもイヤです


さて今回お話しするのは「夏の運動時間」の話題。

真夏の強烈な暑さの中、毎日グラウンドで運動をするのですが・・・

当然、汗びっしょりになりますが、何とシャワーを浴びられる?らしいのです。


1.グラウンドにシャワーがある!?
懲役作業のある平日は、毎日「運動時間」が30分与えられています。

運動時間については、今後の記事で詳しく書く予定ですが、なかなか貴重な時間です。

「塀の中」とは言え、外にでられる唯一のチャンスですから!


広々としたグラウンドに出て、身体を動かし、気分もスッキリ。

うーん、何と気持ちがいい・・・と言うのは春や秋の話。

夏場の運動時間は、それはもう返上したいほどクソ暑くて、やられます


何せ、グラウンドはさえぎるモノがなく、キョーレツな日光を浴びまくり。

もう、動かなくても汗がしたたり落ちてきます

こんなクソ暑い中で運動なんかできるかっ!


実は「運動時間」と言っても、成人刑務所では運動を強制されません

座り込んでいようが、立ち話をしていようが、何していても構いません

が、少年刑務所(27歳未満)は、運動を強制されますからご注意ください(笑)。


閲覧用の新聞を読んだり、備え付けの囲碁・将棋に打ち込む者もいます。

クソ暑い中、筋肉バカは黙々と筋トレをしています。

無邪気にグループで「ダッシュ」や「ランニング」をしている者もいます。


懲役なりたての者が、張り切ってランニングして、熱中症で倒れるのはお約束

誘いを断れないのか、見栄を張るのか、ブッ倒れるのは「夏の風物詩」です。

慣れないクセに、調子をコイてはいけません。


刑務所にブチ込まれているのに、みなさん気力充実、楽しんでいますよ・・・

ちなみに私は、気力が湧かず、運動なんかほとんどしませんでした。

毎回、気の合う仲間とグラウンドをチンタラ歩きながら、雑談です。


「こんなクソ暑い日だと、運動しなくても汗ダラダラですよ」

―――今日はフロもない日だから、最悪だわな。

「せめてシャワーでも浴びられたら、助かるんですがね」

―――あ、シャワーなら浴びられるよ

「えぇっ!? どこで浴びられるんですかっ?」

―――知らなかったの?ほら、あそこ・・・


いや、建物とか小屋は見当たりませんけれど・・・

まさか、あれじゃないですよね?



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刑務所の風呂・入浴(16)・・・毎回フロが憂うつなんです [入浴]

まだまだ暑い日が続きますが、夏バテされていませんか?

夏は毎日、フロやシャワーで汗を流し、サッパリしたいものです。

が、刑務所では真夏でも2日に1回のペースでしかフロに入れません。


汗をかいてもフロに入れない、夏は懲役たちにとって「憂うつ」な季節です。

しかし、「フロに入れる=幸せ」とはいかないのが、刑務所という所。

今回は「フロに入るたび憂うつ」という矛盾した話をさせてください。


あれ?前回でフロネタは終わりじゃなかったのか!?

はい、そうです。すみません。m(_ _)m

この暑さで、忘れていたフロのエピソードを思い出したので、お許しください。


1.恐怖の「タオル洗い」
夏場のフロあがりは涼しい部屋でビールでも飲んで、ゴロゴロしたいモンです。

当然ですが、刑務所ではそんなコト、全然できません

くつろぐどころか、2回に1回は、入浴後に再び工場に戻って作業です。
(施設によって異なります)


が、一日の懲役作業を終え、最後にフロに入り、舎房に戻るパターンもあります。

この日残すは「メシ食って寝るだけ」の良い流れのハズなのですが・・・

コレは独居か、ベテラン受刑者の話。


雑居はそんなに甘くなかった

下っ端のうちは、そうはいかないんですよ…

むしろ、テンパってしまう憂うつな時間なんです。


それは「タオル洗い」が待っているから。

たかが入浴で使ったタオルを洗うだけの作業かと思ったら、やたらとキビシイ

時間はない、失敗は許されない、と懲役らしいメンドくさい「お仕事」でして…


そもそも「タオル洗い」とは何なのか、説明しないと全然わかりませんね。

どーしてタオルを洗うのがメンドウで、テンパってしまうのか?

作業そのものは「タオルを石けんで洗って、絞って、干す」だけのこと。


ですが、この作業一つ一つに、懲役らしい「理不尽」なワナが!

それは「やたらと潔癖」を求められるんです。

テキトーに洗うと「潔癖症のセンパイ」からムチャクチャ怒られます


場合によっては、その後イジメられたり、雑居から追い出されるので、大変です!

「そんなヤツ、たまたまだろ?」と思ったら、コレも甘かった

どこの雑居にも必ず1人くらいは「潔癖症のセンパイ」がいるから厄介!


ボウズに無精ヒゲ、そんなゴツいオッサンたちが「潔癖症」だって!?

ろくにフロも入れないヤツらが潔癖症だって!?

オイ、冗談だろ?と思いましたが、潔癖症は割と多くて、うるさいんです。


刑務所での共同生活は「お互いがある程度ガマンする」なんて大間違い!

「一番気にする先輩の基準に合わせる」のがルール

どんなに理不尽でも、先輩がダメ出しをすれば、それに従わないといけません


先輩が「音がうるさい」と言えば、それ以上の音は出さない。

先輩が「舎房が汚い」と言えば、OK出るまで掃除の繰り返し。

先輩が「潔癖症」ならば、潔癖症がガマンできるやり方でタオル洗いをするんです。


この「潔癖症のセンパイ」が要求してくる「タオル洗いのルール」がキビシくて・・・

ヤツらの「清潔・不潔のルール」は理解できません!

たかがタオル洗いごときで、振り回され、気が抜けないなんて。


後半では、実際のタオル洗いを実況中継でご説明しましょう。

私きりたんぽが、懲役なりたてのFくんにタオル洗いを指導します。

モタつくFくんに、イラつく私、ブチ切れる先輩・・・あぁ誰か助けて。



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刑務所の風呂・入浴(15)・・・昔のムショのフロの「都市伝説」 [入浴]

「刑務所のフロ事情」について、長々とご紹介してきました。

今回でひとまず、フロネタは終了させていただきます。

飽きずにご覧くださり、本当にありがとうございます。m(__)m


では、最後のフロネタとして、何をご紹介するべきか?

シャバでチラホラ耳にする「フロでは親指を立てる」ウワサを検証しておきたい!

元受刑者としては、誤解されたままでいるのがガマンならんのです。


1.昔の刑務所は血まみれだった!?
本題に入る前に、ヒゲ剃りのお話を一つ。

「昔の刑務所はこうだった!」

と、刑務官様や服役経験のある受刑者が、自慢げに語ることは多いんです。


刑務所など初めての経験の私にとっては

「ふーん、だから何? ホントかよ」

と、彼らが熱く語れば語るほど、シラケるんですが…確かめられないしねぇ。


「昔は、突然ヒゲ剃りを振り回すヤツがいて、大変なことになった」

そんな信じがたい話を、刑務官様がしてくれたことがありました。

確かにフロ場でT字カミソリを振り回されたら、そりゃあ恐ろしい・・・


が、「どれほどのケガで、どれだけの被害者が出た」という肝心の話はしない

「どうせ刑務官様のホラ話だろう」なんて思ってしまうのです。

実際、刃物の管理はキビシく、刃物でのトラブルは一度もお目にかかれませんでした


血まみれどころか「現在はこんなモン」というお話をしておきましょう。

ある日、刑務所でも美容に気をつかう、20代のイケメンYくんのフロ場での話。

その日の作業を終え、工場の全員でフロに入っていました。


Yくんは官物のT字カミソリで、ヒゲを剃っていた時のことです。

監視の刑務官様が、突然怒鳴り出したのです。

な、何があったの?


「オイッ!20番に座っているヤツ!」

―――(・・・)

「20番に座ってるヤツ、聞こえないのかっ!」

―――は、はい?自分ですか?

「今すぐコッチに来い!」

―――は、はい…

「オメェ、今ヒゲ剃りでどこを剃ってた?」

―――モミアゲを剃ってました。

ウソつくんじゃねぇよ!まゆ毛を剃ってただろうが!」

―――えぇっ??


そうなんです。疑わしい動きをすると、すぐに呼び出し

刃物の管理・チェックがキビシいからこそ、平和に生活できるのですが・・・

Yくんはフ◯チンで説教された後、連行されてしまいました。トホホ。


現実の刑務所なんて、マンガのような威勢のいい話は起きません。

ただ、昔の方が規則やお作法がキビシく、オカシなモノが多かったのは事実のよう。

後半にて、都市伝説になっている「昔のフロのお作法」をご紹介します。



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