刑務所ならではの
「本・雑誌にまつわる話」をしております。
前回は、本に必ず貼られる、本の名札
「閲覧票」をめぐるモメごとをご紹介しました。
本をめぐって、受刑者だけでなく、外の面会人まで因縁をつける、メンドくさい世界。
今回は、前回話しきれなかった
「本をめぐる刑務官様のイチャモン」理不尽な話と
そんな刑務官様が
「セクハラでクビになる話」について、お話させてください。
大変申し訳ございませんが、
長くなるので2回に分けてご紹介します。
1.セクハラ刑務官様のイチャモン
そう言えば、刑務所に長い間いると、必ず不思議な感覚におそわれます。
「オレたちは、刑務所に人でなしのヒドイ扱いを受けている」
受刑者のくせに
「被害者」のように感じ、刑務所が許せなくなってくるんです。
「オレたちを苦しめる刑務所に、好き勝手はさせねぇ。やり返してやる!」
いつの間にか恨みとなり、揚げ足取りのプロである受刑者は、目を光らせます。
刑務官様に人間扱いされていないので、
仕返ししたいと思っちゃうんですよねぇ。
しかし、暴言・罵倒・恫喝は
「言った・言わない」の世界で、証拠にならない。
非を認めさせ、謝罪させるには、明らかな
「物的証拠」がなければ、ダメ。
となると、
差し入れ・宅下げの本は、因縁をつける絶好の「物的証拠」に、なります。
本のキズ、折れ、汚れ、めくれは動かぬ「物的証拠」!
「オレの大事な本に、刑務所がキズモノにしやがった!」
そんなイチャモンをつけようとする受刑者と、そうはさせまいとする刑務所。
そこで前回ご紹介した
「閲覧票」という紙キレが出てくるワケなんです。
因縁つけさせないように
「閲覧票」に、キズ・折れ・汚れ・めくれをいちいち記録。
まさか、
本・雑誌が、刑務所と受刑者のモメごとの最前線であるとは!
しかし、本の「閲覧票」は、刑務所がイチャモンをつけられないため、だけじゃない。
むしろ、
刑務所が受刑者にイチャモンをつけて、懲罰にする恐ろしいモノなんです。
そんなアホすぎる、刑務官様の理不尽話をちょっと聞いて下さい。
K刑務官様は、50代の大ベテラン。
この道30年、受刑者と接する最前線にいて、工場担当をつとめていました。
しっかし、
典型的な「悪い見本」の現場の刑務官でしたねぇ。
悪い見本とは、単純で、傲慢で、横柄で、感情的(笑)。
すぐに怒鳴り散らし、その日の気分で仕事をし、オレ様の言うことは絶対の王様。
ゴマすりにめっぽう弱く、悪しきを助け、弱気をくじく、悪代官様そのもの。
キライだからと、悪口を言っているのではなく、ホントにこんな感じなんです。
「受刑者を服従させるために、ワザと悪い人を演技しているのか?」
そう勘ぐった時期もありましたが、間違い。
ホントに悪い人でした。
そんな絶対君主のK刑務官様、
本の宅下げもキビシかった!
(注:宅下げとは、外部の人に私物を引き取ってもらうこと)
ある日、Sくんが本を10冊ほど宅下げしようと、工場に持ち込んで来ました。
どうしても一度、
担当の刑務官様のチェックを受けないといけないんです。
チェックとは、宅下げの
「願せん」と、持ち込んだ本が一致しているか?
そして
「閲覧票」がちゃんと貼られているか?
フツーの刑務官様は、せいぜいここまでしかチェックしません。
ところが、
K刑務官様は違いました。
1冊ずつ「閲覧票」の内容までチェックし始めたのです。
こんなコトは、本を扱う窓口(会計課)の刑務官様が、後でやることなんですが・・・
「閲覧票」には、トラブル防止のため、
本の最初の状態がメモされています。
キズ、汚れ、折れ、めくれ、書き込みアリ・・・前回お話しした通りです。
実は
「しおり付き」というメモもあるんですね。
本には元からしおりが挟まっているのも多いですから、当たり前のこと。
しおりなんて、ただの紙っぺラだから、受刑者も大して気にしません。
読んでいるうちに失くしたり、捨ててしまったり、わからなくなることが多い。
ところが、
K刑務官様はココに目を付けた。
揚げ足取りのプロであるチンピラ受刑者も、あぜんとするイチャモンの始まり。
まさかの
「しおり」で、Sくんは連行、懲罰の危機になるのです。
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