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刑務所の夏(10)・・・刑務官様とモメる夏 [刑務官]

もう9月ですね。とは言え、まだまだ暑い日が続きます。

そんなワケで、少し遅いですが「夏ネタ」をお話させてください。

夏ネタは去年「刑務所の夏」シリーズで、暑さにヤラれる懲役たちをご紹介しました。
(「刑務所の夏(1)・・・ムショでの夏の過ごし方」)


今年も1つ、2つは夏のネタをご紹介したい! 

で、思い出したのが「タオル」の話

たかがタオルですが、刑務所ではお作法がうるさかったり、刑務官様とモメるんですよ…


1.刑務所流「タオルのお作法」
刑務所は雑居だろうと独居だろうと、寝食する舎房が暑いことを以前お話ししました。
(「刑務所の夏(2)・・・どうして刑務所の部屋は暑いのか?」)

西日をモロに浴び、カーテンもなく、風も抜けず、まさに温室

休日はそんな舎房に一日中閉じ込められっぱなし夏の休日はツラいです。


ホントに気をつけていないと、熱中症でブッ倒れます

舎房で座っているだけなのに、汗がダラダラ流れ落ちてくる始末。

こまめにタオルで汗を拭かないと、服やタタミがビショビショになってしまいます。


タオルで汗を拭かなくちゃ!となりますが、あわてて拭いちゃあ、ダメ

雑居ではタオルにも「タオルのお作法」があるんです。メンドくせぇ。

まずは「刑務所での決まり」から。コチラは守らないと、懲罰です。


①タオルは首にかけてはダメ

②タオルを頭に巻いてもダメ

③濡れタオルにして涼んでもダメ


また、汗で汚れたからと言って、勝手に水洗いしてもダメ。懲罰です。

なんだこりゃ、流れ落ちる汗もその都度に拭くのかよ?

首にも頭にもタオルはダメ。じゃあ、手元にタオルを置いておくか・・・


が、しかし、今度は「雑居ごとのローカルルール」がうるさいんです。

何の拘束力もないんですが、雑居で生活する以上、絶対に守らないとダメ

守れなければ雑居を追い出されてしまいます


この「お作法」が細かくて、やり過ぎのモノばかりなんですよ・・・

試しにタオルを手に取り、タタミの上にでも置いてみましょう


「オイっ!タオルを置くんじゃねぇ」

―――えっ?ダメなんですか!?

「タタミの上に置いたら、タタミが汚くなるだろ

―――はぁ…(タオルよりタタミの方が汚いと思うけれど…)

「あぁん?小机の上に置くなよ!」

―――小机の上もダメなんですか?

「小机の上でみんながメシ食うんだ。そんな所にオメェの汚いタオルを置くな」

―――す、すみませんでした。(言われてみれば、その通りかも)


タオルは気安くどこかに置いてはいけない。

折りたたんでポケットに入れておくか、タオル掛けに提げておくか、どちらか。

うーん、タオル一つでも「お作法」が細かいのです。


うるさい「お作法」ですが、しょせん雑居だけの「ローカルルール」

懲役たちの「勝手な決めごと」ですから、嫌々でも守っていればいいんです。

ところが、刑務官様だと「守っていても、懲罰にアゲられる」ことがありまして…

またまた刑務官様にまつわる「理不尽なお話」ですよぉ~



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2.タオルでメンツを潰された!
タオルに関して、ある夏、あまりの猛暑で刑務所側から「緊急対策」が発表されました。

「舎房において、タオルを濡らして使用することを許可する」

単に濡れタオルにしてもいいよ、とのことだが、刑務所では画期的な事でして…


「オメェら、濡らしたタオルで拭いたりして、熱中症にならないように」

―――先生、起きている時間は使っていいんですね?

「オゥ、そうだ。濡らしたタオルを首や額に置いてもいいぞ」

―――ホントですか!? そりゃ助かりますよ。結構違いますよね。

「あぁ、タオルを首に巻いたり、頭に巻いたりするのは今まで通りダメだぞ」

―――さっそくやりますよ~


担当の刑務官様から、そんな「細かいお達し」があって、懲役たちは大喜び。

舎房に戻ると、雑居ではすぐに「濡れタオル」を実行

全員が首に、おでこに「濡れタオル」を置いて、ショボい「涼み方」を堪能。


「いやぁ、濡れタオル、気持ちイイですね」

「冷たくはないけれど、ないよりは全然いいよね」

「いやぁ、このくらい許可してくれないと、熱中症で死んじゃいますよ」

「だーかーらー、今年は他の施設で死人が出たから、コレが許可されたんだって」

「じゃあ、もう一人くらい死ねば、また何か許可されるんですかね?」


懲役たちが、そんな「中身がスカスカ」の会話をしていたところ・・・

「オイッ!オメェら、タオルを勝手に使ってるんじゃねぇ」

突然、巡回の刑務官様が通りがかりに文句を言ってきた。


「なんでタオルを首とか額に置いているんだ?」

―――えぇっ!? 今日、担当から「許可」の説明がありましたけれど…

「そんなコト、聞いてないぞ!」

―――ホントですって!確認してもらっていいですよ。

「オメェら、ウソついていたらタダじゃおかねぇぞ

―――濡れタオルも、首やおでこに置くことも、OKって言われましたよっ

「そんな使い方いいワケねぇだろ! 全員連行してやっから

―――えぇっ!? 懲罰にアゲられるんですかっ?


巡回の刑務官様は、その場で当直の幹部に電話で相談。

が、当然懲役たちの言っていることが正しく、巡回の刑務官様の確認不足と判明

懲役たちは「懲罰送りをまぬがれた」とホッとしていたのだが・・・


「受刑者の前で恥をかかされた」形の刑務官様は、怒りが収まらないのがアリアリ。

そうだった。この人たち「メンツを潰される」のを何よりもイヤがるんだった。

「フンっ!オメェら、担当に報告しておくからな」と、捨てゼリフで撤収。


その翌日、予想通り、担当の刑務官様に呼び出されまして・・・

「オメェ、昨日の夜、巡回の職員とやり合ったらしいじゃねぇか?」

―――いえいえ、タオルを注意されたので、説明しただけですよ。

「そうなのか?職員はオメェが『ふざけんなっ』って言ってきたと…」

―――そんなコト、言うワケないじゃないですかっ。一発で懲罰ですよ。

「そうだよな。オメェが生意気な口をたたいたという報告だったんだわ」

―――カンベンしてくださいよ~ 確認したらコチラが正しかっただけのことで…

「そんなコトかよ。巡回の職員はメンツ潰されたってワケだな」

―――刑務所側のお達しですから、巡回の前に確認しておいて下さいよ

「まぁ、あんまり職員を責めるなよ

―――言い方も気をつけてますし、責められていたのはコチラですから!

「わかった。これからは気をつけろや

―――気をつけろって!? 自分たちは「懲罰送り」になるところでしたよ!


そう、タオルに限らず、こんなコトは日常茶飯事。

ルールを変えるのは構わないが、現場の職員が把握していないのがしょっちゅう

ちゃんと確認してから現場に出てきてくださいよ・・・


注意したら「刑務官様の方が間違っていた」で、ご本人は大ハジをかく。

受刑者の前で「メンツを潰された」ワケ。

だからといって逆ギレ、腹いせに「連行⇒懲罰」にしようとするのはやめてくれ!


刑務官様なんて、こんなモンですよ・・・

たかがタオルですが、アブナイ、アブナイ。

刑務官様には「自分が正しくても、あやまりながら話す」ことが必要です。


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忍者福島

9月10日(昨日ですね)に金沢刑務所で矯正展が有ったので行って見ました。
刑務所内を見学できたんですが、中は本当に暑いんですね!
窓から風が入ってきても、無いよりは涼しいかなというレベルでしたので、盛夏では熱風にしか感じられなさそうでした。
あと、設備が古くて、昭和を感じる年期の入った施設だなと思いました。
完全に壊れる、使えなくなるギリギリまで使いたおして、必要最小限の経費しか掛けてないのかな?まだまだ暑いので大変ですね(苦笑)
他に、復帰寮というような仮釈放前の人がいるところがあって、釈放前に嫌がらせを受けないようにするのかな?と思いました。
イベント会場では刑務所のレシピで作られた、外食業者のカレーが売られてまして、ちゃんとした料理人が作る刑務所レシピのカレーが美味しいのかなと思いました。
刑務所には、調理免許持ってる人などはいないんですかね?
よろしければ、きりたんぽさんにこの辺のお話をしていただけると嬉しく思います!
by 忍者福島 (2016-09-11 23:44) 

ローズ猫

信じられない刑務官ですね。メンツを潰されただけで嘘をついても人を苦しめようとするとは。
自分が悪いことをするのを見せながら、人に対してもう悪いことをするなよと教えることはできないんですがね。
自らが悪いことをしながら人の矯正と称するとは恥を知りませんね。
by ローズ猫 (2016-09-13 06:53) 

きりたんぽ

忍者福島さん、コメントをくださり、ありがとうございます。m(__)m

スゴいですねぇ!金沢刑務所に現地調査、フィールドワークに行かれたんですかっ!
詳細にレポートしていただいたので、金沢刑務所の様子がよくわかりました。

「窓から風が入ってきても、中は本当に暑い」とか、ひどい話なんですが、まさにその通り、わかっていただけましたか、とうれしくなりました(笑)。
釈放前の「復帰寮」は、仮釈放の2週間前に入るところと思われます。制限がかなり緩和され、舎房と便所が別のスペースにあるという懲役たちにとっては「シャバっぽい」部屋で過ごせます。
おっしゃる通り、最後の最後で嫌がらせを受けないように「隔離する」意味もあると思いますね。

刑務所のレシピで作られた、外食業者のカレーは似ているようで似ていない味でしょう。
何せ「ホンモノの刑務所のカレー」は粉っぽいんですよ。
確認はできていませんが、かさ増しするために片栗粉、葛粉で引き延ばしていると聞きました。
そんなコト、一般向けのカレーにするワケないし…

受刑者の中には、シャバの頃から「調理師免許」を持っている人はいると思います。
ただ、資格を持っているからと言ってウマい料理を作る料理人とは限らないそうですし…
刑務所の炊場では職業訓練も兼ねているところも多く、ごくわずかですが調理師免許についても取らせるところがあるようです。

またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。

by きりたんぽ (2016-09-13 07:51) 

きりたんぽ

ローズ猫さん、コメントをくださりありがとうございます。m(_ _)m

刑務官様が受刑者たちの更生を何よりも考え、真っ当な指導、公平・公正な言動をすると思うのは、コチラの勝手な幻想・妄想に過ぎません。

しょせん彼らも人間です。
自分の仕事がメンドくさくなることはイヤだし、自分のことがまずは一番です。
そんなコト、当たり前なんですが「刑務官は何よりも受刑者のことを考えるハズだ」と、のんきな一般人が勝手に期待しているだけのこと。

仕事はできるだけラクをしたいし、エラそうにしていたいし、そう考える刑務官様はけっこう多いです。
好き嫌い、感情を思いっきり前面に出してくる刑務官様もいますし・・・
記事にも書きましたが「受刑者にナメられてはイカン!」と刷り込まれていますし、何よりもメンツを大事にする人たちですから、残念ながらこんなコトは日常茶飯事。
まぁ、刑務所らしい出来事なんですよ。

またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-09-13 08:03) 

元156番

面白くて一気読みさせていただきました♪
分かりやすくそれでいてなりより文才が凄い!!笑
私の経験談も交えてですが、初犯でほぼ弁当がつくであろう時は留置所で終わりまで過ごすことが多いみたいです。拘置所がかなり定員オーバーらしく、裁判が終わるまで拘置所に移送されないベテランさんも数多くいらっしゃいましたしσ(^_^;)
私の場合は、3年前くらいですがショボい事で逮捕となり判決が出るまでの約90日間ひたすら留置所でした。予想通り判決は1年6カ月(執行猶予3年)で懲役にはなりませんでしたけど、ハズレの国選弁護士に当たってしまったせいでヒヤヒヤしっ放しでしたよ…笑。
完全禁煙になってすぐという事もあり…ヘビースモーカーの私にとってあれほどしんどい3カ月はありませんでした(T ^ T)
留置所のメシなんですが、予算がなぜか1食あたり700円も取ってくれてる当たりの所だったらしく毎食かなり豪華で汁物が欲しいという以外はいう事なかったです(笑)

きりたんぽさんのブログは面白いし分かりやすいんで無理のない程度に是非続けていってもらえればと思っていますm(_ _)m
by 元156番 (2016-09-14 05:20) 

やぎこ

刑務官様、やりたい放題ですね。
恨まれそうな職業……

彼も刑務所に無事行きました(^_^;)
そんな刑務官様の仕打ちを受けている
かと思うと(泣)
雑居のいらんルールって何の為に
あるんでしょうか?
すごく不思議⁈です
by やぎこ (2016-09-14 19:52) 

きりたんぽ

元156番さん、はじめまして。
コメントをくださりありがとうございます。m(_ _)m

拘置所が混み合っていて、留置場からなかなか移送されないのは相変わらずなんですね~
日々の生活に関しては、留置場の環境が一番悪いと思います。あそこに半年、一年はツラい・・・
「ブタ箱」と呼ばれている意味を身をもって理解しました。

ブログはいつまで続けられるか、そもそもニーズがあるのか(笑)、わかりません。
チマチマとやっていきます。
またコメントをお待ちしております。
今後ともお引き立てのほどよろしくお願いいたします。

by きりたんぽ (2016-09-14 21:32) 

きりたんぽ

やぎこさん、こんばんは。
コメントをくださりありがとうございます。m(_ _)m

そうです、誰も注意する人もなく、ノルマのある世界でもないので、工場担当の刑務官様はノビノビとオレ様・王様生活を送っております(笑)。
怒ってはいけません。一日もこの理不尽に慣れ「こんなモンだろ」と平然と過ごす心を持たねばやっていけません。

雑居のルールは「必要悪」です。
世の中にはトンデモナイ人がいるので、部屋での生活のルールを決めないととても一緒には暮らせません。
が、そこは刑務所。
徐々にそのルールがエスカレートし、イジメの道具と化すワケです。だって、人間だもの。

彼氏さんがウマくやって、無事でいることを祈ります。
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-09-14 21:37) 

ひろ

きりたんぽさん、お久しぶりです(*^_^*)
お元気ですか?

入浴、夏とブログの内容だったので旦那からの手紙でお風呂に関してきたのでコメントしてみました。
旦那のいる所では夏の間おそらく7.8月は週二回の通常の入浴プラス週三回の三分入浴というのがあったみたいです。
9月いっぱいは週三回の三分入浴は無くなってしまったけど拭身できる時間があるらしいのですが、10月からはそれも無くなるから辛いなと言ってました。

きりたんぽさんのブログでお風呂に入るのも大変なのを読んでいたので、三分入浴ってすごく慌ただしいんだろうなと旦那が慌てている姿を想像して笑ってしまいました。
by ひろ (2016-09-15 22:08) 

きりたんぽ

ひろさん、こんばんは。
コメントをくださりありがとうございます。m(_ _)m

ダンナさんは無事に夏を乗り切れそうですかね?
暑くて体力を奪われ、グッタリしていなければいいのですが・・・
3分入浴はおそらく、入浴の名は付いていますが、入浴ではない代物です(笑)。
①フロ場に行くものの、浴槽に入るのは禁止。
②シャンプー、石けんの使用は禁止。
という、シャワーで身体を流すだけの「エセ入浴」だと思われます。

ご想像の通り、3分間ですから気合を入れていかないと、あっという間に終わってしまいます。
石けんも使えないので、何だかサッパリしません。
ないよりはマシという感じですね。

10月もまだまだ暑い日がありますから、週2回のフロではホントツラいです。

またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-09-15 23:44) 

みほ

いつも楽しく拝見しています。
刑務官様の横暴ぶり。。。
執行猶予で、刑務所行きほ免れました。
刑務所は、やっぱり怖そう。
by みほ (2016-10-20 17:53) 

きりたんぽ

みほさん、こんばんは。
コメントをくださりありがとうございます。m(_ _)m

刑務所は怖いところではなく、メンドくさくて理不尽な場所です。
イメージするほど怖くないですが、行くところじゃあありません。
執行猶予で刑務所行きを免れたとのこと、ホントに良かったと思います。
執行猶予期間に気を抜かず、無事終えてくださいね。
やらかすと「弁当持ち」となり、長~くブチ込まれることになっちゃいますので…

またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-10-21 23:56) 

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