刑務所の夏は暑いです。シャバにいた時よりも暑いんです。
思い込みとか、作り話ではなく、「ホントに暑いんだ」と納得してもらいたくて
シリーズで
「刑務所での夏の過ごし方」をお話ししております。
前回は、舎房の暑さにガマンできなくて、水をブチまく「打ち水」をご紹介しました。
「
刑務所の夏⑥・・・舎房で「打ち水」をして涼しくなる!?」
にて、くだらねぇ話を詳しく書いてありますので、ぜひご覧ください。
今回は、だいぶ変化球。
「マニアックな夏のしのぎ方」をご紹介します。
私はこの話を知った時、とても感心してマネしようとしましたが、どうでしょう?
ホントの話、切羽詰まった話ですので、みなさん怒らずに聞いてくださいね(;´Д`)
13.打ち水だけじゃモッタイナイ
前回、舎房であまりの暑さに耐えられず、バルコニーに打ち水することを話しました。
しかし、これは珍しいことではなく、懲役たちなら誰でも思いつくことでした。
洗面器に水をくみ、それを網戸越しにブチまくのは「懲役のシロウト」
半分くらいが跳ね返って、床がビショビショ、大惨事。
掃除をせねばならず、
頭に血がのぼり、カッカして、余計暑くなるという逆効果。
懲役の達人は、シャンプーの空き容器に水を入れ、そこからピューッとまくんです。
これなら網戸越しに水をブチまいても跳ね返りもなく、広範囲に打ち水できます。
「打ち水」をして実際に涼しくなったか?と思い出してみると、かなりアヤシイ。
でも、クソ暑くて、何かしないではいられないんですよ!
しかし、この
シャンプー空き容器での打ち水、上級者はこれだけじゃないんです。
もっと
驚きの使い方をして、夏をしのごうとしていました・・・
ある夏の日、
Sくんという、ちょっと変わったヤツが、
反則行為で連行されました。
Sくんは20代で、窃盗で2年の懲役になったらしい・・・と情報がないのも
周りとも話さず、いつもブツブツと独り言をつぶやく危ないヤツと思われていました。
Sくんは
独居房で、今回捜検(定期的なガサ入れ、荷物チェック)に
引っ掛かりました。
それは、部屋の中に食事で出た、ジャムやマーガリンの小袋を隠していたからでした。
ここまでは、よくある反則行為で、おそらく
5日程度の懲罰になるでしょう。
Sくんがフツーでなかったのは、ココからの話。
部屋の中に隠し持っていたので、その他の荷物も徹底的にチェックを受けました。
他に明らかに違反していることはなかったのですが、
やたらシャンプーが出てきました。
シャンプーは自費で購入でき、カバンや棚に収まれば、何本も持つことは可能です。
ところが、
便器や洗面台まわりに何本もシャンプーが置いてあり、怪しまれました。
なぜかと言うと、
シャンプーで便器や洗面台を掃除する懲役たちが多いからです。
懲役たちは、薄めた洗剤と、粉のクレンザーしか与えられないので、不満なんです。
与えられる洗剤とクレンザーは
ロクに落ちない上に、ニオイがまったくナシ。
そこで、
シャンプーを使って掃除して、良いニオイで部屋を満たそうとするのです。
「そのくらい、自費で買っているシャンプーだし、いいじゃないか」と思うのですが
刑務所では反則行為、ニオイがプンプンしていると刑務官様から問い詰められます。
というワケで、
Sくん、シャンプーの不正使用の疑いがかけられました。
捜検というガサ入れで反則行為が見つかると、Sくんはもう部屋には戻れません。
Sくんの荷物はまとめられ、ひとまず工場にすべて送られます。
刑務官様立会いのもと、衛生係の懲役が持ち物リストを作って、本人に送ります。
そこで、
刑務官様と衛生係の懲役が、もう一つ気づいたことがありました。
Sくん、シャンプーの容器をトンデモナイことに使っていたんです。
後になってからわかった時の、刑務官様の怒りっぷりはスゴかった!
本人はいないのに、一人で怒鳴っていましたから・・・
カンカンにさせたって、どんなこと?
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