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刑務所は雑居と独居、どちらがいいのか(9)・・・軟禁される昼夜間独居 [刑務所生活]

刑務所は、独居がゼッタイにラクだ、と思っていました

わずらわしい人間関係はないし、気づかいもいらない。

便所だって好きな時に行けるし、クシャミ・ゲップ・オナラも遠慮いらない。


しかし、刑務所で生活すると「実はキツい独居房がある」ということを知りました。

それが「昼夜間独居」という、少し変わった独居

「懲罰房」ではないのに、環境は懲罰房とほぼ一緒。つまりツラい。


そんな懲罰房にかなり近い「昼夜間独居」で、毎日生活させられる受刑者がいます。

そんな所は「問題児」しかブチ込まれるハズがない、と思っていたら、それも違う!

なんと、マジメにやっていても、移送時や調査時にブチ込まれることが判明


ココは不自由過ぎて、長期間になると、相当しんどい!!

私も合わせて2ヶ月ほど経験しましたが、頭がオカシクなるかと思いました!

今回は、この「昼夜間独居」のツラい環境についてお話しします。

(前回「刑務所は雑居と独居、どちらがいいのか(8)・・・昼夜間独居という所
にて、昼夜間独居は誰がブチ込まれるかお話ししました。こちらもご覧ください)


4.軟禁生活の「昼夜間独居」
昼夜間独居、現在は昼夜間単独室と言うようですが、文字通り一日中独居での生活

つまり、昼夜間独居は作業も舎房なので、ずーっと閉じこもりっぱなし!

ほぼ「軟禁状態」なんです!


繰り返しますが、懲罰房ではないんですよ。悪いことをしなくても入れられる!

悪さをしたとチクられた、ケンカに巻き込まれた、これだけで「昼夜間独居」行き

その疑いが晴れるまでの数週間、退屈で、恐ろしいところに、強制的に引きこもり


いくら刑務所がキビシイ所だとは言っても、フツーはこんな生活はしません。

ふつう、懲役受刑者は日中、「工場」と呼ばれる作業所に出て、集団生活をします

夜間・休日は「雑居房」か「独居房」に別れるワケです。


これが「懲役囚・受刑者」のあるべき姿、スタンダード。

人間、作業と寝食の場が分かれるというのは、大事。精神的に違います。

わずらわしいことも多いですが、人と接していると時間が経つのも速くて良い!


また、塀の中は自由がないとはいえ、廊下を数百mは歩いて「通勤」もあります。

そして平日は30分ほど、グラウンドに出て運動ができます。

ところが「昼夜間独居」は、これらがまったくありません。ほぼ舎房内で完結。


メシを食うのも独居、寝るのも独居、作業も独居、ほぼ24時間引きこもりです。

独居から出られるのは、平日の運動時間と週2回の入浴時間だけ

これらもほとんど建物の中で済むので、外に出たとは言えないんです。


運動はだだっ広いグラウンドではなく、独居に隣接する「鳥かご」

「鳥かご」とはコンクリのカベと金網で囲まれた、六畳くらいの「個別運動場」

運動ですら、せまい場所に閉じ込められ、独りぼっち。そして外には出られません。


入浴はもっとキビシイ! こちらも一人用のせまーいフロに独りぼっち

フロ場の多くは、同じフロアか同じ建物内にあり、まったく外に出ることナシ

徒歩10秒程度なので、気分転換にもなりません。


ホントに青空の下、外に出る、歩くというチャンスがないんです。

何とか建物の外に出たい!と考えても、チャンスは面会か医務くらいしかない!

面会に来る人がいない、健康で診察の必要がない、これではチャンスも消滅。


冗談じゃなく「軟禁状態」なんですよ!

さらに舎房の中では、作業中はもちろん余暇時間も、立って歩き回るのは禁止。

舎房に閉じ込められた上に、じっと座っていなければならない条件付き


「舎房からほとんど出られない」「舎房の中ではほぼ座りっぱなし」

こんな軟禁状態の「昼夜間独居」はツラいんですが、もう一つ強烈なのが

「ずっと独りの生活で、しゃべる機会もない」ということなんです。


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5.昼夜間独居は日本語を忘れる!?
「昼夜間独居」がツラいもう一つの理由は、人との接触がないこと

一日中舎房にこもりっぱなし、作業も食事も舎房の中で独りぼっち。

運動もフロも独りぼっち。徹底的に他人と接触をしないようにされるんです。


決まって話すのは、朝夕2回の点検の時だけ

それも「594番!」と自分の称呼番号を言って終了

会話じゃないです。たった一言


会話の機会があるとすれば、刑務官様と「昼夜間独居」のフロア担当の衛生係だけ

刑務官様は週に2回ほど「願い事」を訊くために、各舎房を回ってきます。

手紙の発信、私物の廃棄、医務の依頼…すべてのことをココで申し出ます。


衛生係とは同じ受刑者で、昼夜間独居フロアの雑用を一手に引き受けています。

彼らは朝と夕、作業の材料をそれぞれの舎房に集配してくれるのです。

その時、あいさつ位はできますが、雑談はダメ。懲罰になってしまいます。


刑務官様も衛生係も、少ないチャンスで、許可を得ないと話すことすらできません。

とは言っても、これらは所詮、事務連絡。会話ではありません。

まったく日本語を会話する場がない!


この「昼夜間独居」にいる限り、日本語を話さなくても生きていける・・・

しかし、日本語を話さないので、思わぬ「後遺症」に気づかされます。

久しぶりに他人と会話すると、コトバが出てこないんです!


言いたいことはあるんですが、単語が出てこなくなり、会話がつまってしまう・・・

「あ、あれ、そうそう、だから、それ・・・」ボケたジイさんみたいな口調です。

やたら指示語が多く、「あー」だの「うー」だの、つっかえる


ずっと使ってきた日本語でも、会話で使わなくなるとヘタになることが判明

昼夜間独居にいると、大げさでなく日本語を忘れかけます・・・

普通の独居にいた受刑者でも、出所後はスムーズな会話ができなくて困りますから。


6.昼夜間独居は懲罰房と同じ?
まだまだ「昼夜間独居」のツラい点はあります。

まずTVがなく、TVが見られません。ラジオのみ

作業は誰でもできる単純作業。ガンバっても、昇給もキビシく、やりがいはナシ。


懲役たちの最大の楽しみ、月に1~2回ある「集会」にも参加できません

刑務所で最大の行事「運動会」にも出られません

たまに来る「慰問」にも出られません


どーして、懲罰房ではないのに、ここまで何もかもキビシくするのか?

それは刑務所では「工場に出て、懲役作業をやるのが当然」と考えているからです。

「昼夜間独居」はこのコンセプトに真っ向から反するので、待遇も悪くしているんです。


受刑者には「人に関わりたくない」と言って、工場での作業を拒否する者がいます。

そんなワガママなヤツに「昼夜間独居、ラクだね」と思われたら困るワケで・・・

工場で作業したくないから「昼夜間独居に逃げ込む」ことを許さない考えなんです。


ましてや、ココに来たいがために、わざと悪さをされたり、ゴネられたら困る。

「昼夜間独居だけは行きたくない!」

受刑者にそう思わせたいので、制約、制限をキビシくしています。


そう考えると、懲罰房との違いがあまりない!

懲罰房では、外との接触ができません。面会ダメ、手紙もダメ。

懲罰房では、余暇時間を持て余します。私物の持ち込みもダメ、ラジオや本もダメ。


しかし、違いはこんなモンです。

その他の制限・制約は「昼夜間独居」と一緒。8割方同じなんです。

懲罰房の生活とあまり変わりがなく、人との接触もナシ。こんな所、耐えられません。


フツーの人間は、2~3週間が限界。1年以上は精神が破壊されます

出所後の職やカネのあてがあり、希望を持てる人間なら耐えられますが、フツーはムリ。

まさに絶望、生き地獄の感覚を味わえる「刑務所らしい空間」だと言えます。



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コメント 7

V(-¥-)V ごとう さとき

軟禁状態が続くと、「拘禁症」になる思いますが大丈夫でしたか?
ちなみに拘禁症状が出ると、
・狭い室内を歩き回る(動物園のクマなんか、拘禁症になることがあるとか・・・)
・血圧が上がる
そうです。
by V(-¥-)V ごとう さとき (2015-11-11 17:22) 

じじ

基本「独居」の方は 鳥かご の中で運動になるのでしょうか?
by じじ (2015-11-11 17:25) 

マーチン・ターシロ・マサシ

めんどな人間関係を回避できる最大のオアシスと思われた昼夜間独居房ですが、思わぬ弊害もあるのでしょうね。

かってオウムの上祐が出所した時にあの二百枚舌とも言われた弁舌が失われた様から想像するに難しくないです。

きりたんぽさんの言うように、刑務所サイドは懲役様たちに「絶対に昼夜間独居だけは行きたくない」といった生き地獄を築きたかったのでしょうね。

影響力があろうかとの理由でおそらく山口組六代目の司忍(篠田健市)は昼夜間独居房にぶちこまれていたのでしょうが、このブログにも登場していてた怒羅権の幹部は雑居房との区分ですが、刑務所様の分類法もどこまでの基準で行っていたのか非常に興味深いですね。

by マーチン・ターシロ・マサシ (2015-11-11 22:13) 

きりたんぽ

ごとうさん、こんばんは(^o^)

いつもお読みくださり、ありがとうございますm(__)m。
コメントもくださり、とてもうれしいです。

拘禁症状と言うほどのモノは出ませんでしたが、とにかく独り言が多くなりました。
ブツブツブツ・・・
独り言で怒ったり、ニヤけたり、落ち込んだり、そんなヤバい感じでしたね。

ウロウロと歩き回りたくて仕方がなかったのですが、巡回の刑務官様に怒られるので、できませんでした(笑)。

広いところで、思いっきり息を吸い、自由に歩ける、それだけで幸せを感じます。

またコメントをお待ちしております。
by きりたんぽ (2015-11-12 01:53) 

きりたんぽ

じじさん、こんばんは(^^♪

コメントをくださり、ありがとうございますm(__)m。

「鳥かご」で運動するのは、昼夜間独居の受刑者だけです。
フツーの受刑者は、移送待ち、反則行為疑いで調査中、そんな時くらいしか、昼夜間独居に行くことはありませんから、ご心配なく。

工場に出役している独居の受刑者は、「夜間独居」と言いまして、まったく別物です。
平日は工場に出ていますから、外のグラウンドに出て運動できます。
休日は全員、舎房から出られませんので、室内で運動時間の時に、勝手に運動です。

「鳥かご」も短期間であれば、そんなに悪くはない気もしますが、冷静に考えるとヒドイもんです(笑)。

またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2015-11-12 01:59) 

きりたんぽ

マーチンさん、こんばんは(^o^)

コメントをくださり、ありがとうございますm(__)m。
あまりに冷静で鋭い分析に、驚いております。

フツーの感覚の人間にとっては、昼夜間独居はツラいです。
あまりにも孤独で、外界の刺激がなく、上祐さんのように「日本語がヘタ」になるんですよね。
たった2~3週間でも、ウマく言葉が出てこなかったので、ゾッとしました。

ただ、人とのコミュニケーションが苦手、誰とも関わりたくない、という人にとっては、願ったりの場所になってしまうんでしょうか。
「工場に出て、受刑者たちと関わるよりはマシ」という、比較の問題で喜ぶ人がいるのかもしれませんが。
そんな人にとって、TVが見られない、集会に出られない、仮釈放がもらえない、なんてことは全然問題ナシなんでしょうね。

刑務所の分類は、ホントにアヤシイもので、A級(初犯)刑務所に、自称ヤクザというチンピラはゴロゴロいます。
どういう仕組みかわかりません。
分類の目が節穴なのか、自称ヤクザがウソなのか、どちらにしても、問題だらけです。

鋭いコメントにて、大いに考えさせられました。
貴重なご意見をありがとうございます。
またコメントをお待ちしております。

ブログも細かいところまで、お読みいただき、恐縮、そして感謝です。
by きりたんぽ (2015-11-12 02:09) 

心配

何も知らず 手紙に独房になったときた時に
よかったね周りに気を使わずにと
何の疑いもなく喜んだ返事をしてしまい
今頃、きりたんぽさんのブログを読んで
辛い思いをしているのでは鬱になっていかいかと心配でたまりません、、、
今日手紙に知らなかったとはいえ自由な時間ができてよかったねと喜んでしまいごめん
鬱などは大丈夫ですかと手紙を書きました
強がっていつも手紙をくれていたんだなと
わかり その気持ちさえも理解ができずに
いた自分が情けないです、、、
by 心配 (2017-12-11 21:56) 

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