1．工場担当の刑務官様は「神」
刑務所は罰を受ける所ですから、規律、制約でキビシイのは当たり前です。
そして、懲役なりたての慣れない受刑者にとって、
キツイのは「刑務官様」
なんでも
「刑務官様の言うことはゼッタイ！」なワケで…
毎日、懲役作業をする
「工場」という50人前後の閉鎖空間の生活が続きます。
その
閉鎖空間を仕切るのが「工場担当の刑務官様」
彼一人が工場の中をすべて仕切るので、特に絶大な権力を握ります。
工場担当の刑務官様の
ゴキゲン一つで「懲罰」にアゲられてしまうという！
気に入らないヤツは、
不正行為を「でっち上げ」てトバシてしまうことも！
他の刑務官様は「見ていない」ので、事実認定されてしまうワケです。
懲罰の疑いをかけられると、連行され「取り調べ」を受けることになります。
まったく別の刑務官様が取り調べますが、
「それは違う！」と言っても、ムダ。
「担当の刑務官様の声＝神の声」・・・受刑者の言い分など、聞いちゃくれません。
…つまり、工場担当の刑務官様に嫌われると、トンデモなくメンドくさい。
実際の刑務所は、マンガのようなロコツな拷問、虐待は
めったにありません。
しかし、このような
ゴキゲン次第の「嫌がらせ」は日常茶飯事。
刑務官様に嫌われれば、ささいなことでも懲罰にアゲられてしまいます。
だから懲役たちは刑務官様に対し、おとなしくしたり、ゴマをすったりするワケで。
・・・「常に理不尽」なのが刑務官様、そして刑務所。
では受刑者は「ヒドイ仕打ち」を受けても、泣き寝入りするしかないのでしょうか？
実は
法律上、苦情を申し立てる制度は意外と整備されているんです。
が、制度があったとしても、
実際に運用されていなければ、何の意味もナシ！
世の中、本音と建前は違うモノ。それは刑務所も同じこと。
「建前」で制度は整備されていても、
「本音」は受刑者ごときに人権なんかナシ！
現実は、ヒドイ目にあったと言って、マトモに苦情申し立てしてもダメ。ムダ。
録音、録画など「物的証拠」の残らない刑務所は、受刑者にとって圧倒的に不利。
大ケガなど
「誰の目にも明らかな」物的証拠のない限り、申し立てても却下です。
それどころか「苦情申し立て」して、
ますます肩身が狭くなることもあります！
今回は法律上の「苦情申し立て制度」を詳しくご紹介するワケではありません。
「苦情申し立てをすると、どうなるか」の実情をお話しします。
そして「ヒドイ目にあった時」に傷口を広げない方法を、考えてみたいと思います。
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2．身近に訴えてはイケナイ
「もし刑務官様に理不尽なコトをされたら」・・・
どこに訴えればいいのか？
一番良いのは「黙ってガマンする」
でも、これでは話が終わってしまうので、もう少しアレコレ考えましょう。
正直、
早い仮釈放のためには、こらえて出所までおとなしく待つのがベスト。
ヘタに「訴えてやる！」なんて騒ぐと、出所が遅れる恐れがありますので注意。
ハッキリ言って、
苦情申し立ての「裏ワザ」は、ないのが現実なんですよ・・・
まず、文句を言うには「訴える先」がなければ、聞いてもらえません。
そもそも、
慣れない懲役たちは「訴える先」を間違えるのです。コレ重要。
先に
「訴えてはいけない相手、ムダな方法」をご紹介しましょう。
【ダメ・ムダな訴え方】
a．家族などに手紙で密告する
b．面会に来てくれた人にグチる
c．担当の刑務官様にチクる
どれもダメ・ムダなのですが、おわかりでしょうか？
家族、面会人、担当の刑務官様、と
懲役たちにとって一番身近な人たちなんですが…
人間、ピンチになると身近な人に助けを求めますが、
刑務所では逆。ダメなんです！
a.の手紙は、必ず検閲が入るので、相手に届く前に呼び出され、問い詰められます。
受刑者から出す手紙は、けっこう念入りにチェックされており、即、呼び出し(笑)。
その場で説教の後、
手紙を黒塗りにするか、破り捨てるか、強制的に選ばされます。
b.の面会は、
途中で止められるか、面会後に説教を受けることになります。
立会いの刑務官様に
「面会の規則に違反した」と言われ、面会を強制終了ですよ。
強制終了は少ないですが、面会後の説教は「よくある光景」です。
「たかが面会で、文句やグチも言えないのか？」と思うのですが、規則なんです。
手紙も面会も
「刑務所内部の話を外部の人にしてはいけない」に引っかかるからダメ。
説教後
「次回からはそんな話しません」と誓約書を書かされ、口封じをさせられます。
訴えようにも「刑務所の規則」の方に先に触れ、ハネ返されちゃうんですよ・・・
つまり
シャバでの「自分の身近な人」に助けを求めるのはダメ！
まったくウマいこと情報が外に漏れないようになっているんです。
c.は相談する相手がそもそも間違い。自分にヒドイことをした刑務官様とは
「身内」
いくら説明しても
「オメェにも非があるんだろ！」と相手にしてもらえません。
刑務官様は「ムショでの身近な人」ですが、
助けを求めるのはムダ！
さらには「訴えようとしている」情報を知らせてしまい、
敵に塩を送るようなモン。
証拠隠滅、口裏合わせが行われるのは明白です。
こんなサルでもわかることが、追い詰められるとわからなくなるのが懲役なんです。
シャバと刑務所で大きく違う点が、お分かりになりましたでしょうか？
刑務所では身近な人に相談してもダメ
そして、
深刻な内容ほど、うかつに話してはダメ。
理不尽のケースに合った相手に訴えることが必要になります。
次回
「刑務官様から理不尽なコトをされたらどこに訴えるのか？」をお話しします。
一回ではとても書ききれず、次回に長引くことをお許しください。
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2016-06-12 15:00
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共通テーマ：日記・雑感
こんばんは〜(^-^)/『沈黙は金、雄弁は銀』って云うのは、刑務所の中でも通用する話みたいですね。
言う相手と言い方次第では、黒も白になってしまうようですね。
人間性の矯正も刑務所での目的の一つだと思いますが、こんな理不尽を繰り返されたら、矯正どころか、更に、歪んでしまいますよね。
by ちい (2016-06-12 22:27)
ちいさん、こんばんは(^^)/
コメントをくださり、ありがとうございます。m(_ _)m
ショボい話と言うか、せこい話ですが、刑務官様に嫌われたらダメなんですよ。
シャバでも先生や上司に嫌われると、ツラい毎日になるのと同じです。
刑務官様も様々で、中には懲役より悪どい奴もいますから、嫌われるとホントに厄介になります。
懲役たちは海千山千なので「信用できない」と疑ってかかるのも仕方ないですが、刑務官様ともなると…
矯正のハズが人間不信が深まり、「性悪説」を確信してしまい、おっしゃる通り入所時よりも歪んでしまう部分もありますね。
二度と関わりたくない人間関係です(笑)。
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-06-12 23:39)
理不尽な懲役生活の不満をどうやって解消するか、はたまた意を決して訴えるか、あるいは割り切ってガマン侍に徹して忍耐で仮釈放まで耐えるか、、、懲役様各人の腹づもりひとつでしょうが、極めてシビアな受刑生活のキモ中のキモですね。
またまた今後ネタのリクエストで恐縮ですが、、、、、、、、、、、
警察官の不祥事や検察官の逮捕等のいわゆる権力側の不祥事で収監された馬鹿者が少なからず存在するのは報道等でよく目にします。
そんな天国から地獄へ転落したヤカラとの出会いがありましたでしょうか？おそらく初犯刑務所にぶち込まれる可能性が大だと思います。
立場が１８０度逆転した人間の生き様等が非常に気になります。もしそんなネタがあればこの先アップして下されば幸いでございます。
by マーチン・ターシロ・マサシ (2016-06-13 22:44)
確かに、所長に対する苦情の申し出。遣っても無駄やしなー。その決定に対する、矯正管区長へ対する...その後決定に対する、法務大臣への...まず、何時もの通りになる。
その後、法務大臣の決定に対する....
いやー。最後は内閣府からの、同じ一連の決定に...
まあー法務省の人権委員会、弁護士の人権委員会、よっぽどの事がなきゃ、覆らんしなー。
まあー。時間つぶしには持ってこいやけどな。
これから、懲役行く予定のかた、六法全書並びに広辞苑は、最新版を持って行きなよ。
官公庁に対する、情報公開請求は、毎月の発信外で、何通でも出せるから
金無い奴には、無理だが、
それでは、これから懲役に行く予定の皆様、楽しんで来て下さいね。
困った時の六法全書ですよ。
by 矯正管区長 (2016-06-13 23:25)
マーチンさん、こんばんは。
コメントをくださり、ありがとうございます。m(_ _)m
確かに、理不尽な処遇を受けたらどうするのか？は「受刑生活のキモ中のキモ」ですね。
本で調べても、弁護士に尋ねても、正解は出ていないので、とても悩ましい問題です。
さて、リクエストくださった件についてです。
私もブチ込まれていた時は「官の人間が、自分たちの刑務所に落ちてこないかなぁ」と祈るように期待したものです。
新聞でも報道され、一躍時の人だった某特捜検事は、刑務所にブチ込まれたものの、工場には落ちませんでした。
ココが官の配慮というか、特別扱いでズルいんです！
「一般受刑者と同じ工場で作業をさせたら混乱をきたす」という理由で、出所まで昼夜間独居にて懲役作業だったようです（つまり他の受刑者とは関わらない）。
確かに一緒にしたら、一般受刑者は全精力を注ぎこんでイジメるのは間違いありません。(笑)
大物受刑者や公務員とは一緒になりましたが、残念ながら、元警察官や元検察官とは一緒になれませんでしたね。
その上、この人種は「一般人なら実刑となる事件」でも、大甘判決が下るのが常で、執行猶予でパイ、刑務所まで来ないことが多いんですよ。
それは日頃の報道をご覧になっていれば、誰でも感じるハズです。
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-06-13 23:30)
きりたんぽさんへ、
これは有効にならないのですか？
ここの
http://www.moj.go.jp/kyousei1/kyousei08_00055.html
一番下の2つのPDFです。
>委員会の提出意見及び刑事施設の長が講じた措置等の概要[PDF：313KB]
>各刑事施設視察委員会の意見に対する措置等報告一覧表[PDF：778KB]
見る限りでは要望は出せるようですが。
by あ (2016-06-14 14:08)
視察委員会に対する申し出は、個人の処遇に関することは受け付けないと刑務所では言われますし、内部の文書にも書かれています。
また、このような文書では「受け付ける」「検討する」と言っても、実際の運用は異なります。あくまでも建前の部分があるのです。
要望は出せるでしょうが、何も変わらない、つまりムダということになってしまいます。
そこら辺の建前と現実の差を書こうと思っているのです。
by きりたんぽ (2016-06-14 14:19)
きりたんぽさん、こんにちは。
以前はお返事、ありがとうございました。
些細な疑問なのですが、留置所への差し入れの本の内容で警察官の暴露本みたいな内容の本は受け取って貰えるのでしょうか？
それと、なにか彼が不利になるような事はありますか？
今は、差し入れしか出来ないので、なるべく色々な種類の本を差し入れして、少しでも退屈しのぎになればと考えています。
by まりあ (2016-06-14 18:57)
まりあさん、こんばんは
コメントをくださり、ありがとうございます。m(_ _)m
警察署の留置場の段階では、それほど厳しい規制や検閲はないハズですよ。
ただ表紙カバーや付録は本人の手に渡らないと思います。
またホチキス止めの雑誌は、ホチキスが外され、改めて綴じ直されます。
そうされちゃうのがイヤな本であれば、控えた方がいいです。
留置場は、差し入れの本で何か不利益を被ることはないので、とりあえず差し入れしてみてください。
本の差し入れは、ホントにうれしいです。
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-06-14 22:02)