刑務所の医療とはどの程度のモノか?というマニアックな話を続けています。
刑務所は
「診察や治療にこぎつけるまでが長い!」ことを何度もご紹介しました。
前回は、診察の「待合室」に来る受刑者の特徴、クレーマーのお話をしました。
今回は
「ホントに具合が悪くて」診察の
「待合室」に来る人の話をさせてください。
とは言っても、
ただ具合が悪いのではなく、いかにも懲役らしいキ◯ガイな話。
「こんな廃人?になってしまうのか」と刑務所に行きたくなくなること間違いなし!?
1.ゾンビ受刑者が現れた!
その日、私は
6ヶ月も待たされた歯科治療に呼ばれて、診察の「待合室」にいました。
待合室まで、懲役作業をする工場ごとに、刑務官様に連行されてやって来ます。
ですから、受刑者たちは工場着か舎房着の
「囚人服」を着ているのですが・・・
「ガラガラガラッ・・・」点滴をつるす棒を引きずる男が現れて、ビックリ!
白っぽい「ゆかた」を着ているんです。
なんじゃこりゃ?
刑務所に
工場着、舎房着、パジャマ以外の衣類が存在していたなんて!!
「フゥフゥフゥ…」ゆかたを着た男は、呼吸するのも苦しそうにしています。
ヨロヨロと歩くのもやっと、
点滴棒をつえ代わりにする、具合の悪そうな男です。
驚いたのは、ゆかただけでなく、
風貌そのものも。
身体は骨と皮のガリガリ
歩いただけで息は切れ、青白い顔
こけた頬に、ギョロリとした目
まるでゾンビ。少し暗い所で見たら、幽霊か?と思うほどの
生気のなさ。
そして
「病衣」と呼ぶ浴衣を着ているのが、
さらに不気味さ倍増!
恐らく彼は「病棟」にいる、
シャバで言う入院患者。病棟からやって来たのでしょう。
どれだけ重症なんだ?と見た目に圧倒されていたら、
会話もヘンだったのです。
(受:具合の悪いゾンビ受刑者 刑:医務の刑務官様)
受
「先生、座っているのがツラいんですけど・・・」
刑
「あ~わかった、わかった。オメェは先に診察してもらうから、待ってろ」
受
「先生、やっぱりねぇ、自分は末期ガンなんですよ」
刑
「そんなコトねぇだろ。待合室では黙って待ってろ」
受
「いや、ガンなんです。その証拠に、こんなにヤセたじゃないですか」
刑
「それはオメェがメシ食わねぇからだろっ!」
受
「あんなマズいメシ、食えないっすよ」
刑
「メシに文句言うんじゃねぇ!食えばいいんだよ」
ん?末期ガン?メシが食えない?
何やら重症、命に関わる
ヤバい話の雰囲気だが、刑務官様は冷たい対応。
ガンでメシ食えないヤツにも、文句言わずに食えと言うのか?とイラッとしていたら…
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2.自称「末期ガン受刑者」の病状
「刑務所でガンになってしまったか、それも末期!」私は衝撃を受けました。
こんなにガリガリだし、メシ食えないって言うし、
もうダメかもしれないな。
ひょっとしたら、この人は生きて出所できないかもしれない。あぁ獄死か…
「獄死だけは、なりたくない」 そんな恐怖を感じ、同情しかけていたところ、
やはり刑務所。
甘かった・・・
受
「先生は食えって言いますが、出ないのに食えませんよ」
刑
「それとこれは別だろ。まぁ、医者に言って、何とかしてもらえ」
受
「そうやってカンタンに言いますが、私の苦しみがわかりますかっ!?」
刑
「わかった、わかった。診察の時その苦しさも、医者に詳しく話してくれ」
受
「もう2週間ですよっ!ツラいんですよっ!」
ゾンビ受刑者は必死に訴えていたが、診察に呼ばれて行ってしまった。
20分くらい経った頃、彼がまたヨロヨロと戻ってきた。
刑
「オメェ、もう便所に行って、準備しておけよ」
受
「いや、まだ全然ダメなんです」
刑
「急に来るかもしれねぇだろ? 汚したらイヤだろ?」
受
「先生、手伝ってくださいよ」
刑
「バカヤロウ!それは一人でやってくれ」
受
「お願いしますよ、しゃがむのツラいんですよ」
そう言いながら、ゾンビ受刑者は
待合室のハジにある便所に向かった。
待合室の便所で検尿や検便を済ますのだが、ここも
上半身は丸見え。イヤなこった。
せめて便所くらい、待合室の外に設置して欲しい。
ニオイがクサくてたまらない。
それにしても、
便所で準備?手伝う?って、どういうことだろう・・・
治療してきたんじゃないのか?どうして便所に行くのか?
受
「んぁ、むぅっ…あ゛ぁっ」
刑
「オイ、大丈夫か?」
受
「出ないんです。力が入らないんですっ」
刑
「ガンバれよ。もうちょっとだろ」
受
「腹が痛くて、しんどい…」
刑
「オメェ、元気になりたいだろ?ガンバれ!」
受
「んぁっ、うっ・・・で、出たっ!」
刑
「何?出たか?そうか、そうか、良かった!」
受
「先生、とうとう出ました、見てくださいよ!」
刑
「そうか、2週間ぶりだもんな」
えぇっ!? 便秘、宿便ってことか!
フン詰まりなので、浣腸したのかよ!
末期ガンじゃなかったのか?
一緒になって、いきんで、出たら喜んだ、あの感動を返してくれ!
メシ食えないというのも、
フン詰まりで腹が張って食えなかっただけか・・・
ガリガリにやせているのも、
どうやらガンではないらしい。
ただ単にメシが食えない、ウンコが出ない、身体的にはそれだけのようだ。
ていうか、
このゾンビ受刑者、肉体的には問題ないだろ!?
問題なのは、メンタル、アタマだ。精神的にかなり病んでいるのだ。
それが
便秘などの「身体症状」として出ていることで説明できる。
ガリガリにやせているのも、メンタルがオカシイからだろう。
うつ病など病気でメシが食えない者もいるし、拒食症になる場合もあろう。
中には懲役作業をしたくないので「精神病」のフリをするツワモノもいるらしい。
どちらにせよ、
病棟に長期にわたって「入院」するのは、実は精神疾患の者が多い。
元々病んでいる者、刑務所でオカシクなってしまった者、少数だが両方存在する。
シャバでも治療は時間がかかるが、刑務所で治すなんて、よりムズカシイだろう。
刑務所に来て、メンタルまでダメになってしまうなんて・・・
しかし、同じ受刑者として刑務所にいる時は、
恐怖に感じるものの、同情できない。
「病んでいるヒマあったら、作業しろよ!」そう思ってしまうのだ。
問題は出所後だ。これでは社会復帰はおろか、生きていくのもやっとの廃人だろう。
しかし出所すれば、解放されすっかり良くなり、フツーに生活するかもしれない。
彼らには悪いが、
刑務所では自分の身は自分で守らなければダメ。
人生どん底の刑務所で、他人の心配する余裕なんかないのである。
珍しく小難しい話をしてしまいました。
とりあえず
ニオイがクサいから、便所を流してくれ。
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2016-05-16 17:00
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共通テーマ:日記・雑感
こんばんは。お世話になります。
先日、刑務所から書類が届いて記入して送り返してくれとのことだったんで記入して、同封されていた封筒に入れようと思ったら、書類が封筒に入らない?書類の大きさより封筒が明らかに小さい、何かね。もうね。笑ってしまいました。刑務所って所は中に入っている当人だけじゃなく、家族にまで不自由と面倒を掛けるのか…って思うと地味な嫌がらせをされた気分です。
えぇ。だからこちらも頑張って折りたたんで封筒に入るように折りましたよ。
ただちょっとだけ開くのが面倒くさい折り方になりましたけどね。
改めて、刑務所って所のおかしさを実感しました。
by ちい (2016-05-18 00:16)
ちいさん、こんばんは(^^)/
コメントをくださり、ありがとうございます。
封筒のお話、ありありと目に浮かびます(笑)。
A4の書類なのにB5用の封筒を送りつけてくる、そんなところでしょうか?
まさに刑務所っぽいですが、嫌がらせではないんですよ。
ホント、お役所仕事の極みみたいなところですから、こちらに対する配慮がゼロなんです。
フツーの態度が上から目線ですから、あきらめてください…
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-05-18 01:06)