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刑務所で具合が悪くなったら(5)・・・刑務所で死にそうになったら? [医務・診察]

もしも「刑務所で具合が悪くなったら」という最悪な状況の話を続けています。

具合が悪くなったら「医務回診」で訴えて、診てもらうしか方法はないんです……

自分では勝手に休むことも、病院に行くことも、クスリを飲むことすらできず。


医療に関しては、完全に「命令通り」で「自由が利かない」のが刑務所

とにかく出所するまで「健康でいることが何より大事」なのです。

前回まで、カゼひいたり、持病が悪化したり「よくあるパターン」をご紹介しました。


今回は「深刻に具合が悪くなった時」本当にヤバい状況では、どうされてしまうのか?

重病・急病…放っておいたら死んでしまう状況で、すぐに病院に運んでもらえるのか?

そもそも刑務官様が、具合が悪いという話を信じてくれるのか?というお話です。


1.夜中に具合が悪くなったら…
Hさんは、60歳を過ぎたオッサン(ジジイ?)。

夜間に急に具合が悪くなり、病院に送られ、しばらく入院していました。

久しぶりに刑務所に戻ってきて、いつも通り作業をしています。


「Hさん、おかえりなさい!元気そうで良かった」

H「いやぁ、まいったよ。ホント、死ぬかと思ったわ」

「救急車で運ばれて、入院したんでしょ?大丈夫ですか?」

H「大丈夫じゃなかったよ、カテーテルで手術したから!」

「えぇっ!?手術したの?重病でしょ!何の病気ですか?」

H心筋梗塞ってヤツよ。心臓の血管が詰まってさあ…」

「はぁっ?心筋梗塞って死んじゃう病気じゃないですか!」

H「血管の詰まりがもう少しひどくて、放置されていたら、死んでいたらしいわ」

「じゃあ、急いで救急車に運ばれたんですね?」

H「具合悪いって言っても、刑務所がすぐ救急車を呼ぶと思う?」

「というコトは、なかなか病院に連れて行ってもらえなかったんですか?」

H「具合悪いのに、放置されてさぁ・・・なかなか病院に運んでくれなかったね」

Hさんは、死ぬような重病だったが、すぐには病院に連れて行ってもらえなかったのだ。

夜間だから仕方がない、刑務所の中だから仕方がない、と言えばそれまでだが・・・

もう少し病院へ行くのが遅れていれば「獄死」したと言うのだ!


「何が獄死だよ!どうせ懲役たちお得意の『ウソ・ハッタリ』だろ?」

そもそもHさんは、年下の人間を小バカにするところがある「くせ者」だ。

どうせ今回も、ホラを吹いているに違いないと思ったら、そうではなかった!


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2.具合が悪いのに放置される!?
元々血圧が高く、普段から薬を飲んでいたHさんだったが、それ以外は元気な人

ところがある日の夜中に、急に胸が苦しくなり、あわてて刑務官様に申し出た

と言っても、電話があるワケでもないので巡回の刑務官様が来るのをじっと待つ。


夜間は巡回の刑務官様が15分に1回しか回って来ない。

普段なら、懲役たちの反則行為をおさえてやろうと、しつこく回ってくるのに!

こういう時に限って、なかなか来ない!


「ハイ、報知器。どうしたぁ?こんな夜中に」

H「うぅ…594番、Hです。急に苦しくなりまして・・・」

「まぁな、長い懲役生活、苦しくなることもあるよな。寝られないのか?」

H「い、いえ。そういうのじゃなくて、ホントに具合悪いんですっ」

「まぁ、もう少しで朝だ。とりあえず寝てろ

H「いや、尋常じゃない胸の苦しさと痛みなんです。お願いしますよ」

「オメェ、今何時だと思っているんだ?ガマンできねぇのか?

H「どうしてもガマンできなくなって、申し出をしたんです」

「明日の朝、担当に申し出てくれ」

H「うぅ…朝までもちません。医務に何とか連絡とってもらえませんか?」

「うーん、しょうがねぇなぁ。ちょっと待ってろ」


刑務官様は夜間当直中のトラブルをとてもイヤがる

「明日の朝、担当に申し出ろ」と、翌日に丸投げするのはお約束だ

しかし、Hさんが必死に説得して、医務の刑務官様を呼んでもらえることになり…


これでもう大丈夫、かと思ったら、甘かった!


「尋常じゃない苦しさ」を伝え、何とか医務に連絡してもらったHさん。

ひとまず診察や治療が受けられるだろうと思いきや、そうはいかなかった!

しばらくして、医務の刑務官様が来たのだが・・・


「オイ、H!どうしたんだ?こんな夜中に…」

H「急に苦しくなりまして、どんどん悪くなってるんですよ」

「そんな気がするんだろ?刑務所にずっといたら、不安になるさ」

H「そういう精神的なツラい、ではないんです。ホントに苦しい・・・」


医務の刑務官様はメンドくさそうに、Hさんの血圧を測り始めた

「オメェ、血圧はいつも低いのか?」

H「うぅ…いえ、高血圧で、クスリ飲んでいます」

「ん?オカシイな…血圧が80台しかねぇな

H「こんな苦しいのは、初めてなんです。これはヤバいと思って、申し出たんです」

「うーん、朝の4時か。あと2時間もすれば、起床だ。様子見るか

H「いや、ホント苦しいです。お願いします」

「今日の午前中に診察入れてやるから、それでいいだろ?

H「うぅ・・・」

「オイ、H!それでいいだろ?様子見て、ダメならまた言って来い」

H「・・・・・・」

「オイ!H!返事しろや!」


Hさんはホントに具合が悪く、そのまま意識がなくなってしまったのだ。

オイオイ、まさかこのまま獄死かよ~?

刑務所でいきなり死ぬなんて、悲惨すぎる人生じゃないかい!


長くなってしまうので、申し訳ないですが、続きは次回。

刑務所はすぐに病院に連れて行ってくれるのか?

それともHさんが「気合」で治して、奇跡を起こすのか?



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コメント 7

まろん

きりたんぽさん、こんばんは(^^)
Hさん、とりあえず運よく生きて戻ってこれたのですね!
そういった急病は、刑務官が来るの遅くてお亡くなりになったケースもあるとどこかで聞きました(>_<)
ちなみにHさんが具合が悪くなった時は、雑居だったのでしょうか?
続き気になります。
by まろん (2016-03-08 19:02) 

きりたんぽ

まろんさん、こんばんは(^^)/

コメントをくださり、ありがとうございます。m(__)m
Hさんは死んでいませんので、ご安心ください。
戻ってきてから、すっかり老けちゃいましたけれど……

刑務官様の対応が遅くて、急死するケースは年に1回くらいは耳にしますね。
Hさんは当時、独居にいました。助けも自力で呼ぶしかなく、心細かったでしょうね。
Hさんのように具合悪くなる可能性は低いとはいえ、話を聞いてゾッとしました。
イロイロと思うところはあるけれど、とりあえず元気に無事出所したい!と思いましたね。

またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-03-09 00:53) 

亀仙人 タカヨシ

獄死したとしても刑務官には何の責任も無いですから、顔色変えず態度もふてぶてしいまま。
自分が目撃したのでは(年少)、寮内で喧嘩があり、両方とも仮退院を控えた”一級の上生。
寮内は鍵の無い開放寮なので起きた事なのですが、やられた方が顎の骨の複雑骨折で即病院行きでした。
そんな時でないと刑務官的には何もしないですよね。
その当時の自分はしら~っと仮退院させて頂きましたが。(笑)
ちなみに小田原での出来事です。

あ、そう言えば自分も医務室にお世話になった事がありました。
両足の膝に水がたまり、注射器で抜かないと処置が出来ないと言う事で。
しかし、処置までには2週間くらい放置プレイだったような覚えがあります。
by 亀仙人 タカヨシ (2016-03-09 02:57) 

きりたんぽ

タカヨシさん、こんばんは(^^)/
コメントをくださり、ありがとうございます。m(__)m
そうなんですよね。「何の責任もない」って、言えますからね。証拠もないし、受刑者に不利になるように虚偽の事実をでっち上げることもできる、まさに刑務官様は「神」の存在です。

それにしても、やはり年少は血気盛んで激しいですね。
巻き込まれなくて、ホントに良かったです!
巻き添え喰って、(懲罰に)アガってしまい、出所が遅れるのが一番バカバカしいですから・・・

膝の処置まで2週間とは、ホントにお疲れさまでした。
官の権力を思い知らせるため?イヤがらせのため?の放置プレイとしか思えませんが、まったく笑えないです。
何よりも健康で出所したい!という当時の記憶を思い出しました。

またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-03-09 03:15) 

夏炉冬扇

つくづくと読まされました。
刑務所は3食ついてるし…などとのんきな考えてたの、反省します。
by 夏炉冬扇 (2016-03-09 10:44) 

きりたんぽ

夏炉冬扇さん、こんにちは
入ってしまったのは自業自得ですが、何をするにも健康が第一だとこれほど痛感させられる場所もありません。自分で通院や治療に行くことができないのは恐ろしいです……
またコメントをお待ちしております。
いつもありがとうございます。
by きりたんぽ (2016-03-09 11:58) 

なんだかなぁ〜!! 横 濱男

ご訪問とniceありがとうございます。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2016-03-09 22:39) 

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