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刑務所での本・雑誌にまつわる話(4)・・・気に入らないヤツは懲罰だ! [刑務官]

刑務所ならではの「本・雑誌にまつわる話」をしております。

前回は、本に必ず貼られる、本の名札「閲覧票」をめぐるモメごとをご紹介しました。

本をめぐって、受刑者だけでなく、外の面会人まで因縁をつける、メンドくさい世界。


今回は、前回話しきれなかった「本をめぐる刑務官様のイチャモン」理不尽な話と

そんな刑務官様が「セクハラでクビになる話」について、お話させてください。

大変申し訳ございませんが、長くなるので2回に分けてご紹介します。


1.セクハラ刑務官様のイチャモン
そう言えば、刑務所に長い間いると、必ず不思議な感覚におそわれます。

「オレたちは、刑務所に人でなしのヒドイ扱いを受けている」

受刑者のくせに「被害者」のように感じ、刑務所が許せなくなってくるんです。


「オレたちを苦しめる刑務所に、好き勝手はさせねぇ。やり返してやる!」

いつの間にか恨みとなり、揚げ足取りのプロである受刑者は、目を光らせます。

刑務官様に人間扱いされていないので、仕返ししたいと思っちゃうんですよねぇ。


しかし、暴言・罵倒・恫喝は「言った・言わない」の世界で、証拠にならない

非を認めさせ、謝罪させるには、明らかな「物的証拠」がなければ、ダメ。

となると、差し入れ・宅下げの本は、因縁をつける絶好の「物的証拠」に、なります。


本のキズ、折れ、汚れ、めくれは動かぬ「物的証拠」

「オレの大事な本に、刑務所がキズモノにしやがった!」

そんなイチャモンをつけようとする受刑者と、そうはさせまいとする刑務所。


そこで前回ご紹介した閲覧票」という紙キレが出てくるワケなんです。

因縁つけさせないように「閲覧票」に、キズ・折れ・汚れ・めくれをいちいち記録

まさか、本・雑誌が、刑務所と受刑者のモメごとの最前線であるとは!


しかし、本の「閲覧票」は、刑務所がイチャモンをつけられないため、だけじゃない。

むしろ、刑務所が受刑者にイチャモンをつけて、懲罰にする恐ろしいモノなんです。

そんなアホすぎる、刑務官様の理不尽話をちょっと聞いて下さい。


K刑務官様は、50代の大ベテラン

この道30年、受刑者と接する最前線にいて、工場担当をつとめていました。

しっかし、典型的な「悪い見本」の現場の刑務官でしたねぇ。


悪い見本とは、単純で、傲慢で、横柄で、感情的(笑)。

すぐに怒鳴り散らし、その日の気分で仕事をし、オレ様の言うことは絶対の王様

ゴマすりにめっぽう弱く、悪しきを助け、弱気をくじく、悪代官様そのもの


キライだからと、悪口を言っているのではなく、ホントにこんな感じなんです。

「受刑者を服従させるために、ワザと悪い人を演技しているのか?」

そう勘ぐった時期もありましたが、間違い。ホントに悪い人でした


そんな絶対君主のK刑務官様、本の宅下げもキビシかった!
(注:宅下げとは、外部の人に私物を引き取ってもらうこと)

ある日、Sくんが本を10冊ほど宅下げしようと、工場に持ち込んで来ました。

どうしても一度、担当の刑務官様のチェックを受けないといけないんです。


チェックとは、宅下げの「願せん」と、持ち込んだ本が一致しているか?

そして「閲覧票」がちゃんと貼られているか?

フツーの刑務官様は、せいぜいここまでしかチェックしません。


ところが、K刑務官様は違いました

1冊ずつ「閲覧票」の内容までチェックし始めたのです。

こんなコトは、本を扱う窓口(会計課)の刑務官様が、後でやることなんですが・・・


「閲覧票」には、トラブル防止のため、本の最初の状態がメモされています。

キズ、汚れ、折れ、めくれ、書き込みアリ・・・前回お話しした通りです。

実は「しおり付き」というメモもあるんですね。


本には元からしおりが挟まっているのも多いですから、当たり前のこと。

しおりなんて、ただの紙っぺラだから、受刑者も大して気にしません。

読んでいるうちに失くしたり、捨ててしまったり、わからなくなることが多い


ところが、K刑務官様はココに目を付けた

揚げ足取りのプロであるチンピラ受刑者も、あぜんとするイチャモンの始まり。

まさかの「しおり」で、Sくんは連行、懲罰の危機になるのです。


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2.しおり1枚で懲罰?
「オイ!893番S!ちょっと来い!」

S「ハ、ハイっ」

「オメェ、宅下げの本のしおりはどうした?」

S「しおり・・・ですか?」

「あぁん?しおりはどこにやったんだ、と訊いているんだ!」

S「いや、ちょっと覚えてないです。はさんであったと思うんですが」

「あぁん?ないから訊いているんだ!閲覧票には「しおり付き」って書いてあるだろ」

S「すみません。しおりなんか、全然気にしていませんでした」

「オメェ、自分の持ち物のこともわからねぇのか?バカにしてるのか?」

S「すみません。ホントに覚えてないです」

「あぁん?どこにやったんだ!答えろ!」

S「わかりません。捨ててしまったかもしれません」

「あぁん?宅下げするってのに、わからないってアヤシイな」

S「いえ、そんなコトはありません」

「あぁん?じゃあ、故意に失くしたのか?不正だろ

S「えっ?不正なんかしていませんよ!」

「あぁん?しおりを本来の目的とは違う使い方をしたと疑われて当然だろ!」

S「先生、しおりで悪さなんかできないですよ。考えたこともないです」

「あぁん?ちゃんとオレの質問に答えろ!抗弁する気か!

S「先生、不注意でした。舎房に帰って探してみます」

「あぁん?やはり故意にやったということだろ?連行だな

S「えぇっ!?」


まさかの「宅下げする本に、しおりがはさまってなかったから、不正でアウト」

そして「ワザとしおりをなくした」「しおりを悪さに不正使用」の疑いで連行!

なんと、しおり1枚がなかっただけで、懲罰のピンチ!


しおり1枚で悪さができるかっつーの!!

どうやってしおりを悪さに使うか考えてみた・・・

わいろ(プレゼント)、不正な連絡手段、脱獄するための道具・・・どれもあり得ない。


コレを懲罰にこじつけるって、どこまで暴君なんだ!?

実はSくん、数日前に雑居でちょっとしたモメごとを起こし、K刑務官様を怒らせていた

そのせいで、Sくんに因縁つけて、懲罰送りにしてやろうとしているのか?


「オレの気に入らないヤツは、ガッチリやってやるからな」

「オレに逆らうヤツは、即、懲罰送り。痛い目にあわす」

まぁ、K刑務官様の信念はコレでした。わかりやすい。


ちなみに刑務所はキビシイとは言え、しおりがないから懲罰とは聞いたことがない。

そんな聞いたこともない「理不尽な仕打ち」をK刑務官はやっちゃうんですよ。

Sくんは連行され、すぐ取り調べとなったものの、さすがに「やり過ぎ


取り調べの刑務官様に「厳重注意」だけを受け、1時間もしないで戻ってきました。

もちろん、実質的なおとがめはナシ

まぁ、懲罰にならなかったから良いものの、理不尽過ぎて、周りもドン引き


「誰か、あのクソオヤジをボコボコにしてくれねぇかなぁ」

「3年はこの工場の担当だろうから、それまでガマンするしかねぇのか…」

この暴君のやりたい放題かと思いきや、事態は意外な展開となるのです。


K刑務官様は、ひどい腰痛を訴えて、まず工場担当から外れるのです。

「オレたちの呪いが通じた!」

工場の懲役たちは、こう言って喜んだとか(笑)。


その後、K刑務官様は懲役たちと直には接しない部署に異動してしまい・・・

「Kのオヤジ、どこに行ったんだろうな?」とウワサしていたある日

NHKのニュースで「K刑務官、懲戒免職」を知ることとなるのです

(K刑務官様の「セクハラでクビ」のお話は次回!)



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あーちゃん

きりちゃん 年の瀬 元気そうで何より(^-^)

本の話!待ってましたーー笑


さて 日々きりちゃんに教えてもらいながら 愛方と成長の毎日のうちらですが

先日の手紙で

「きりさんに 篤志面接について詳しく聞いて!」との事(^_^;)


おいらのみならず お前も頼るなよ(^_^;)と 嬉しさ半分 情けなさ半分…

図々しくてごめんなさい…

実は 愛方 今 海技士の職業訓練を目指し 奮起してまして。
きっかけは もちろんおいらなんだけどね まんまと(^-^)。

多分 それに関係しているようです。

暇なときに教えて下さい。


多分 コメは今年最後かしら。


どうか 良いお年をお迎え下さい 心からお祈りしています…いつもありがとう。
by あーちゃん (2015-12-27 09:47) 

きりたんぽ

あーちゃんさん、こんにちは(^o^)

コメントをくださり、ありがとうございますm(__)m。
彼氏さんもお元気そうで、なによりです。

「篤志面接」ですが、基本的に自分から希望しないと実現しません。
悩みや専門的な相談に関して、刑務官を通さない方が良い(通さなくてもOKな)ものについて、受けるものです。

何を尋ねたいのでしょうか?
それがわからないと、何とも言えないです・・・
職業訓練について、訊くんですかね?
正直、あまり役に立たないというのが、私の印象です。
教誨師や保護司あたりが篤志面接委員となっており、相談にもざっくりとしか答えてもらえないと思います(笑)。

なんとも、まぁ、イマイチな答えで申し訳ありません。

またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2015-12-27 10:33) 

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