1．刑務所でも給料はもらえる！？
刑務所では
「カネは一切かからない」という建前になっています。
食事は与えられるし、衣服は与えられたモノしか着られません。
最低限の日用品も支給され、
「官物」ですべてが事足りてしまいそうです。
現金など要らないようにも思えますが・・・
しかし、
現実はカネを一切使わないというのは、相当キビシイ話を前回しました。
（「
刑務所でのカネにまつわる話(2)・・・「官物」で済ませて０円生活」をどうぞ）
そのため、実は
刑務所にも「給料」にあたるカネが支給されます。
これを
「作業報奨金」と呼んでいます。
毎日の懲役作業への「給料」として、刑務所からカネがもらえるんです。
まさか、刑務所に来てカネがもらえるとは思わなかった！
「どうして犯罪者にカネ（給料）をやる必要があるんだ！」
「税金で食わせてもらっているクセに、さらにカネなんて生意気だ！」
そんな善良な市民からのお怒りの声が聞こえてきそうです。
たしかにおっしゃることはごもっとも、お怒りも当然かもしれません。
しかし、懲役作業に対し、一円の報酬も与えず、そのまま出所させたらどうでしょう？
手持ちのカネ、貯えがある者なら、何とか生きていけますが・・・
受け入れる家族も住居もなければ、
その日のうちに、たちまち孤立です。
カネがなければ、素っ裸で放り出されたのと同じ。
今の日本では何もできません。
たった一日でホームレス決定
仕事に就くにも、仕事先までの
交通費が必要です。
マトモな仕事に就こうと思ったら、
住所、連絡先、スーツの１着くらい必要ですし
採用うんぬんで連絡のための
「ケータイ」も持たないとダメです。
とりあえず仕事をさがすにも、結構なカネが必要だというのに、所持金ゼロでは・・・
カネも身寄りも知識もなければ、就職など夢の話、生活保護もムリ、とたんにピンチ！
取るべき道は３つに追い詰められちゃうと思うんですよね・・・
①ホームレス
②飢えて死ぬ
③犯罪してカネや食い物を得る
③は最悪です。でも、
追い詰められたらこう考えるからこそ、再犯が起きるワケで。
世の中のためにも、追い詰められての再犯は、ゼッタイに避けたいところ！
ですから
「作業報奨金」で、少しのカネを与えることを大目に見て欲しいのです。
他人に迷惑を掛けないためにも、出所者に仕事を与え、働かせるのは大事です。
社会復帰、就職までの間のわずかなのカネを、懲役作業で稼がせてやってください。
とは言っても、
この「作業報奨金」、ビックリするくらい激安です。
後半、どのくらいもらえるのか、作業報奨金に関してお話しします。
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2．驚くほど少ない作業報奨金
毎日の懲役作業に対して、給料的なおカネ
「作業報奨金」
これは毎月１カ月分を本人に告知され、
出所時に渡されます。
作業やランクで、時給が決まっており、計算は分単位と細かいです。
かなり細かいので、ざっくり言うと、
作業報奨金のランクは１０あります。
これを
「等工」と呼びますが、
全員10等工から始まり、1等工が最上級。
この等工によって、作業の時給が決まるんです。
スタートの10等工は、時給６円ちょい。
１ヶ月働いて、８００円くらいです。
800円って、時給じゃないですよ。月給800円です(笑)。
苦労に苦労を重ね、無事故で出世した
１等工でさえ、時給は約４４円。
こちらは
１ヶ月働いて、6,000円程度です。
（詳しい方はご存知でしょうが、割増の「ヅケ」については次回話します）
そして、この
「等工」がそんなにポンポンと上がるもんじゃあ、ないワケで。
等工が上がる目安があり、参考までにちょっと書きますと・・・
10等工⇒９等工：１ヶ月 ９等工⇒８等工：１ヶ月 ８等工⇒７等工：２ヶ月
７等工⇒６等工：３ヶ月 ６等工⇒５等工：４ヶ月 ５等工⇒４等工：５ヶ月
４等工⇒３等工：６ヶ月 ３等工⇒２等工：７ヶ月 ２等工⇒１等工：８ヶ月
もちろん、これは懲罰にアガることなく、無事故無違反で順調に行った場合のこと。
そして、あくまで目安であり、
早く上がることもあれば、なかなか上がらないことも。
「等工が上がる」のは、工場の担当の刑務官様が決めているんです。
つまり、
好かれればポンポン上がっていくことも可能。
しかし、
嫌われてしまえば、ホントになかなか上がらないんです。
担当の刑務官様が
「絶対的な権力者」である証拠は、こんなところにもあるんです。
「アイツ、目つきといい、口のきき方といい、キライなんだよな」
クソ刑務官様ですと、こんなことを平気でつぶやきます(笑)。
こう思われてしまうと、最悪。
刑務官様の気分や印象の問題で「作業報奨金」を決められちゃうワケですから・・・
ガンバって黙々と懲役作業をしても、
刑務官様に嫌われたら、給料上がらない！
コレって、ホントに精神的にやられるし、イラつきます。
目安を参考に計算すると、
１等工に上がるまで３年以上はかかります。
途中で懲罰を喰らったりすると、10等工に逆戻りや、等工を格下げです。
刑務所の中で「高給取り」になるのも、維持するのも、けっこうムズカシイ！
作業報奨金にまったく手を付けず、ガマンして貯め続けると、どうなるか？
１年間で約２万円
２年間で約６万円
３年間で約１１万円です。
どうですか？少ないでしょう？
実際、まったく手を付けないで貯め続ける人はほとんどいないので、もっと少ない。
作業報奨金から、石けん・ハブラシの日用品を買ったりしますので・・・
みなさんの予想より、もらっていると思いますか？
しかし
３年間働いても、シャバの１カ月の月収にも満たないショボい額なんですよ。
これじゃあ、ケータイを買うのが精一杯。
とても家を借りるほどの金額にはなりません。
きちんと、マトモな就職活動ができるワケがありません。
手持ちのカネがなく、短い刑期の人はあっという間に、スッカラカン。
これじゃあ、身寄りのない人はホームレスになっても仕方ない・・・
追いつめられた人によっては、犯罪をしてでもカネや食い物を！となるんでしょう。
ホントにこれだけは、やめて欲しいですが、
私も明日は我が身です。
次回も「作業報奨金」など、収入に関するカネの話を続けます。
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2015-11-23 15:00
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コメント(5)
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共通テーマ：日記・雑感
作業報奨金 すごい安いんですね!!一般社会と同じ仕事量ですよね？
最低賃金もなにも無い世界にビックリです!!
by blue-sky (2015-11-23 22:15)
blue-skyさん、こんばんは(^o^)
コメントをくださり、ありがとうございますm(__)m。
作業報奨金、安いんですよね～
「刑務所は、受刑者にカネ払ってます」という世間へのアピールにやっているんじゃないかと勘ぐります(笑)。
一言で言えば、シャバの給料のケタが２つ少ない額です。
1/100では、何年働いても社会復帰のためには額が足りないんですよね。
ここでも今までの貯え、生活がモノを言う、カネ次第になってしまいます。
刑務所にいる以上仕方ないのですが、手持ちのカネがあっという間になくなって、就職する前に再犯してしまう人がいるのは切なすぎます。
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2015-11-23 23:26)
まあ刑務所という住処の
家賃と光熱費と食費と
教育訓練の受講料が
差し引かれているという解釈が
出来なくもないですが
それにしても相当安いですよね…
by ひろ (2015-11-25 11:47)
ひろさん、こんにちは(^o^)
コメントをくださり、ありがとうございますm(__)m。
「差し引かれているという解釈ができる」おっしゃる通りです。
そもそも刑務所から給料にあたるカネをもらおうというのが間違いかもしれませんし、考えてもいませんでした。
しかし、再犯防止という観点から考えると、まったくカネを払わないというのは問題が多そうです。
ある程度のカネを持たせずに出所させると、身寄りのない者はあっという間に路頭に迷い、生活できなくなり、犯罪に走ることにつながってきます。
懲役と社会復帰、再犯という矛盾したことをバランスを取るのはとても難しい問題です。
またコメントをお待ちしております。
ブログをお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2015-11-25 15:58)
いや、それ給料じゃなくて税金だからw
善良な国民様にお情けで小銭貰っといて金額が安いって、、そんな頭だから犯罪者になるんやぞwww
by お名前（必須） (2021-10-17 09:28)