前回まで
「刑務所の食事」について、続けてお話ししていました。
まだまだ聞いていただきたい「ムショめし」のネタはあるんです。
食事のマナー、イジメ、メシをめぐるもめ事、ケンカ・・・などなど
しかし前回、「正月の食事」について、おせちやモチをご紹介しました。
となると、
正月ネタに「特食」の話を避けては通れないのです。
懲役たちの正月の「三大楽しみ」と言えば、おせち、モチ、特食ですので・・・
正月の食事については、前回までの記事
おせち料理:「
刑務所の食事のウワサ⑨・・・ムショでまさかの「おせち料理」」
モチ:「
刑務所の食事のウワサ⑩・・・正月のモチにまつわる話」
銀シャリ:「
刑務所の食事のウワサ⑪・・・正月は銀シャリ出るけれど、不人気なワケ」
にて、詳しく書きましたので、ぜひご覧ください。
今回は「特食」という、刑務所で出るお菓子についての話です。
1.「特食」のために懲役やってます
刑務所では、
年に十数日ある祝日に「祝日菜」というモノが、食事と別に出ます。
これを懲役たちは
「特食(とくしょく)」と、呼んでいます。
刑務所のありがたい配慮で
「お菓子が1品」支給されるのです。
少し前の話では、
祝日1回につき1人60円の予算がとられているとのこと。
イメージは「100円のお菓子が1袋出る」という感じです。
まさかの刑務所サプライズ!
腹を空かせ、甘いモノに飢えた懲役たちが喜ばないワケがありません。
そしてこの
「特食」のスバラシイ点は、収容者には誰でも支給されるということ。
(あっ!懲罰を受けている最中の受刑者は例外ですが・・・)
懲役なりたてだろうが、懲罰を何度も受けている者だろうが、全員もらえる。
「集会でお菓子が食える」のもホントですが、これは優遇区分が上がってからの話。
懲役をマジメに勤めて、最低でも半年過ぎないと、この権利は得られません。
素行が悪くて懲罰を繰り返しているヤツは、
永久に集会で菓子は食えません(笑)。
だから、
新入りや懲罰クンにとっては、お菓子が食える唯一のチャンスなんです。
「いいオッサンたちが、たかがお菓子にみっともない」
私も最初は思いましたが、
制限され、飢えた生活だと、死ぬほどお菓子を食いたい!
その月に出る
「特食のお菓子」のことで、2~3週前から頭が一杯になるのです。
出所後の今、あんなに食いたかったお菓子を見ても、何も思わない・・・
「なんであれほど、お菓子に執着していたんだろう?」恥ずかしい思い出です。
全員にタダで配られる「特食」は退屈な懲役生活において、希望の星です。
「やったよ!来月の特食はクッキーだよ!」
月末に配られる翌月のメニュー表を見て、
オッサンたちが無邪気にはしゃぎます。
オッサンが「お菓子」ではしゃぐのは不気味ですが、ポイントを突いているんです。
それは
「特食」にも、アタリ・ハズレがあるということなんです。
次に「特食」とは、どんなものが出るか、ざっとご紹介しましょう。
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2.「特食」のアタリ・ハズレ
予算は約60円と限られている特食なので、出てくるモノはたかが知れています。
しかし、
ハッキリとアタリ・ハズレが分かれるというのも事実。
常に空腹で、甘いモノに飢えた懲役たちは、
その基準がちょっとズレています。
シャバで何か1品出た時、アタリの基準とは何でしょうか?
高級感? 味が良いモノ? 作り立てのモノ? レア度? そんなところでしょうか?
刑務所ではその常識が根底からくつがえされます。
飢えって恐ろしい!
「特食」のアタリの基準
①質より量
②しょっぱいより甘いモノ
③時間を掛けて食えるモノ
この3条件で、間違いないハズです。
①はわかりやすいと思います。一流メーカーの上品なお菓子は、量が少なくてダメ。
歓迎されるのは、100均で売っていそうな無名メーカーの「量だけは多い」お菓子。
その証拠に、シャバなら「粉っぽくてマズい」と不評のハズのビスケットが大人気。
見たこともないパッケージに、聞いたこともないメーカーが製造の代物です。
しかし、それは
「お得パック」と書いてある、量だけは多い一品でした。
また、見たこともない箱のクッキーが出た時も、懲役たちは狂喜乱舞しました。
今までの2倍の数は入っており、味もやたら甘く、懲役たちにはドストライク。
が、
箱を見ると、シンガポール製で、どこで仕入れてきたのか不安になりました。
②は懲役たちは、
とにかく甘いモノを欲しがり、ありがたがるんです。
人間飢えると「甘さとアブラ」がウマさの元だと実感しますが、甘いモノに弱い!
私は甘党ではないのに、やはりチョコレートなどは死ぬほどウマいと思いました。
「特食」は刑務所側が勝手に決めるので、何が出るかはわかりません。
だから
「しょっぱいスナック菓子」や「せんべい」が出た時のガッカリと言ったら!
シャバならビールのつまみにピッタリでも、刑務所ではブーイングなんです。
③はわかりにくいかもしれません。
「特食」は朝食後か昼食前に配られて、その日の夕食後までに食べればOK
だから、
大きいモノ1個よりも、枚数・個数がたくさん入っている方が好まれます。
予算60円の菓子ですから、多い時もあるものの、量の差はたかが知れています。
だったら
「枚数・個数」が多ければ、何度も食べるので、たくさん食べた気になる!
何度も食べれば、食べる時間もかかって、
何だか腹も一杯になった気がする!
まぁ、単なるカン違いですけど・・・
ちなみに「人気」の特食とは
クッキー(甘くて、腹にたまり、枚数あるから食べた気になれる)
かりんとう(こんな年寄りくさいモノが、甘くて量があるから人気なんです)
板チョコ(チョコレートには甘さの他に、中毒性の何かが入ってますね)
ついでに「不人気」の特食
ゼリー、シュークリーム(ウマいが、腹にたまらなくてダメ。瞬殺で終わっちゃう)
せんべい、ポテチ(しょっぱいだけの菓子は懲役たちには魅力ナシ)
ビ◯ノやおさつスナック(健康的なモノはまったくの不人気。ジャンクフード万歳!)
なんだか、ワガママでゼイタクな悩みのようですがね・・・
というワケで、
人気No.1の特食は、①~③の条件をすべて満たしている
「チョコチップクッキー」と「ココナッツサブレ」でした。
長くなりましたので、「正月の特食」については次回お話しします。
そして、特食にまつわる
「ムチャな食い方」や「イジメ」もご紹介します。
「食い物あるところにイジメあり」が、刑務所ですから!
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2015-09-12 15:00
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