「刑務所の食事のよくあるウワサ」についてホントかウソかお話ししています。
前回は「ムショでもカツ丼は出る」お話でしたが、まぁカツ丼とは呼べないモノ。
シャバで見たカツ丼とは、あまりにもかけ離れていて、食べる前から心が折れます。
もしよろしければ、前回の「カツ丼」話
「
刑務所の食事のウワサ②・・・ムショめしの「カツ丼」とは?」
を、ぜひご覧ください。「看板に偽りあり」です。
「ココは刑務所だ」ということを忘れる自分がバカなのか、ダマす方が巧妙なのか
「これはオレの知っているカツ丼じゃ、ない!」
「また、ダマされたよ!」このセリフを懲りずに毎回叫んでいます。
と、まぁ、なんだかムショめしのヒドイ話しかしていない気がするんですよね。
オイシイとか、これはスゴイとか、良い記憶がないから仕方ないんですけれど・・・
これではお読みいただくみなさまに、ガッカリさせてしまうと思います。
そこで今回は、記憶をひねり出して、
刑務所の「名物メニュー」をお話しします。
独特で、かつ結構ウマかったメニューもありました。
1.名物メニュー、ってなんだ?
食事はそれぞれの刑務所で独自に作っているので、良くも悪くも特徴が出ます。
そして、
その刑務所独特のメニューがあります。
何年も受け継がれ、懲役たちは、それを
「◯△刑務所の名物」と言いますが、
名物にウマい物なし!
その地域の特産物を使ったメニューが多いですが、あんまりウマくないです。
しかし普段が粗末なメシなので、珍しかったり、ウマかったりすると大騒ぎ。
勝手に「◯△刑務所の名物」とか言われちゃうんですよね。
実際シャバに出て、冷静に振り返ってみると、喜んで食べていたのが恥ずかしい。
一部の刑務所しか、わかりませんが
「名物メニュー」思い出してみました。
名物というだけあって、斬新なものですよ~
①関東K刑務所:マカロニきな粉
これはウマい!というよりは、
その手で来たか!と意表を突かれたメニュー。
固ゆでされたマカロニに
甘ーいきな粉をまぶし、
なぜか青のりをかけてある一品。
この組み合わせはカルチャーショックを受けましたよ。
甘ーいきな粉なので、
甘いモノに飢えている懲役たちには、大人気メニューでした。
が、頭の固い、そして甘シャリに興味のない私にはまったく理解できず・・・
そもそもマカロニを甘ーい味で食べるというのが、気に喰わない!
そして、
刑務所らしい「食材の強引な組み合わせ」に腹が立つ!
マカロニにきな粉をまぶして、さらに青のりをかけるなんて!
どんだけ日本風にアレンジしているんだよ!
ていうか、限られた予算、材料となるとこういう発想になるのか?
どうして、そこに青のりをかけるのか? 担当者に説明を求めたい!
どちらにしろ、挑戦的なメニューだよな、と思いましたよ。
この「マカロニきな粉」を本場のイタリア人が見たらどう思うのだろうか?
イタリア人が見たら絶句し、怒り狂うだろうな、と妄想して、食べていました。
出るたびに
「やっていいことと悪いことがある」というコトバを思い出します。
さらに特徴はあり、
なぜか毎回「固ゆで」で、アゴがホントに疲れるんです。
そして「きな粉」のせいで、
口中の水分が持っていかれ、飲み込めない。
アゴが疲れるわ、飲み込めないわ、「やっかいでアブナイ」メニューですよ。
たしかに、他の刑務所ではない、シャバでも聞いたことがないメニューです。
そういう意味では立派な「K刑務所の名物」なんでしょうね。
きな粉好きの方はマネして食べてみてください。
評価:★★
後半まだまだ続きますよ・・・
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②関東K刑務所:小江戸シチュー
これは
「シチュー」というのに液体じゃないのが、不思議な一品。
あんこのようにボテッとしています。
どうしてこれをシチューというのか、不信感のかたまりになります。
最初は
「失敗作を食わされているんじゃないのか?」と思いました。
しかし、何度出ても、同じようにボテッとしています。
具はなぜか、大豆とサツマイモで占められています。
この刑務所がある街は
「小江戸」を観光のウリにしていて、
特産物がサツマイモ
だから小江戸シチュー=サツマイモ、というわかりにくいメニューです。
シチューなら多少マズくても、食べやすいので、ありがたいメニューのハズなんです。
麦メシをブチ込んで、カレーのようにサラサラと食べられるワケですから。
ところが、
このシチューはボテッとしているので、メシが進まない。
大豆とサツマイモが大量に入っているので、
ノドにつっかえるんですよね。
サツマイモの甘さと、ルーの味が合わず、甘いのかしょっぱいのかわからない。
それでも
「K刑務所の名物」と呼ばれていました。もうちょっとがんばれ!
評価:★★★
③N刑務所:タケノコ汁
これは豪華でもなく、絶品でもないが、
しみじみウマい郷土料理。
刑務所で
数少ない「これはウマいな、また食べたいな」という一品である。
この地域で6月に食べられるお約束の料理らしく、そして独特である。
この地域で採れる
「ネマガリダケ」のタケノコを使い、フツーのタケノコとは違う。
そして、
具にはなぜか「サバの水煮」缶詰を使うという、超ローカル料理だ。
内陸で新鮮な魚が手に入らなかった歴史の名残からだろうか?
サバの独特の臭みと、ネマガリダケのコリコリした食感が、
妙にクセになる。
みそ汁だからなのか、
しみじみと落ち着くウマさなのである。
ネマガリダケは近年採れず、地元でも高価らしいのだが、
なぜか年に1回出る。
これは週に1回は食べたくなる優秀な一品。年に1回が残念でならない。
ぜひシャバの皆さんにも味わってほしいと思う、唯一のムショめしである。
これは
「N刑務所の名物」と呼ぶにふさわしい、保護したい一品です。
評価:★★★★★
④N刑務所:小豆飯(あずきゴハン)
これは、限られた材料で工夫された、
官側の泣ける配慮を感じるメニュー
N刑務所では、
月に一回、月末の日曜日の昼食に必ず出る一品。
イメージとしては
「赤飯」を思い浮かべていただきたい。
赤飯はモチ米に、あずきが入り、おいしい「ハレの日」のメニュー
でも、ココは刑務所。
モチ米なんか出るワケない。麦メシだ。
その麦メシにあずきをブチ込んで「赤飯風」に作った、苦心作だ。
悪い方に取れば「赤飯」とは言ってない「小豆飯」だと言い訳している感じだ。
「私はウソはついていません。赤飯とはまったく別物です」と刑務所が言いそうだ。
ネーミングにやや疑惑?悪意?を感じるが、中身はなかなかのものだ。
実物は
「使える材料で工夫して、何とか祝おうじゃないか」と感じて、ウレシイ。
やはり麦メシなので、ウマくはないのだが、その心づかいがウレシイのだ。
ちゃんと
「ごま塩」も付いてくるところが、誠実さを感じさせ、好感が持てる。
「受刑者を食事で苦しめているのか?」というメニューが多い中、ホッとする。
決してシャバでは再現して食べようとは思わないが、ちょっと楽しみだった。
来る日も来る日も「ただの麦メシ」を食わされる中、
こうした変化球はありがたい。
これが出ると
「あぁ、ようやく今月も終わったなぁ」と時間の流れも確認できる。
これを食べれば、また一歩シャバが近づく、といった思い入れを感じてしまう。
味はともかく
配慮と品の良さを感じる一品にて「N刑務所の名物」と言っていい。
コレもなくならず、保護されるメニューだといいな。
評価:★★★★
いかがでしょうか?
次回はムショのヘビーローテーションのメニューとNo.1メニューをお話しします。
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2015-09-03 17:00
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共通テーマ:日記・雑感
ブログ拝見させてもらってます
自分わ交通出身ですがあまりにも違いが大き過ぎて驚きを隠せません
逆にそちらが交通刑務所の実態を知ったら発狂するかもしれませんね笑っ
機会があればお話したいですね
by 交通受刑者 (2015-09-03 22:10)
交通受刑者さん、はじめまして
ブログをお読みくださり、ありがとうございます。
コメントまでいただきまして、本当に感謝です。m(__)m
風のウワサでは交通刑務所と一般の刑務所はだいぶ違うと聞いておりました。
やはり、違うんですかっ!?(笑)
近頃の方針なのかわかりませんが、交通の人も我々がいた一般の刑務所で懲役やっていましたね。
刑期が3か月とかのエライ短い人か、危険運転致死傷罪で十数年なんて言う重い人か、どちらかしかいませんでしたが・・・
交通で運悪く?一般の刑務所に送られちゃった人達は「どーしてオレは交通刑務所じゃねーんだよ!」って、文句タラタラでしたね(笑)。
そりゃ、文句も言いたくなるようなメンドくさい世界です。
ぜひ一席設けて(笑)交通刑務所のお話を伺いたいです。
またコメントをいただければ、幸いです。
今後ともお引き立てのほど、よろしくお願いいたします。
by きりたんぽ (2015-09-03 23:28)
HNがきなこなのは一番嫌いなおかずだったからです。
わらびもちについてるきなこ、ご飯にかけてもおいしくない。
毎回残飯にしてました。
数少ないおかずなので、きなこが出た日はがっかりでした。
by きなこ (2016-03-16 22:20)
きなこさん、コメントをくださりありがとうございます。
私も最初、きな粉を麦メシにかけて食うことは、面喰いました。カルチャーショックです。
メシを甘くして食べることが、どうしても慣れませんでした。
しかし不思議なモノで、ずっと生活していれば「コレもアリかな」「そこそこウマいかも」と思うようになりました。甘味に飢えているからでしょうね。
懲役たちには、きな粉は大人気メニューでした。
by きりたんぽ (2016-03-16 23:40)