せっかく刑務所にブチ込まれていたので、皆さんに
ムショめしを紹介したい。
それも、ウソ、大げさではなく、
リアルにお伝えしたい。
そんな考えから
「刑務所の食事」についてシリーズでお話ししております。
前回は、懲役を乗り切るための
「食事に関するムショの知恵」をお話しました。
いかに限られたメニューをおいしく
マズいオカズをおいしく食べるか？
そんな、
「シャバではまずやらないだろう」刑務所ならではの方法をご紹介しました。
「
刑務所の食事⑨・・・シャバではやってはいけない「まぜメシ」の話」
にて、詳しくお話ししましたので、ぜひあわせてご覧ください。m(__)m
麦メシとデザートをグチャグチャに混ぜる
この発想は、ギョッとしますが
持て余す麦メシを、オイシク食べるための「懲役たちのワザ」でした。
今回は、別にやらなくてもいいのに・・・というモノをご紹介しましょう。
「まぜメシ」の続編。
キワモノかゲテモノか？(笑)
「マネしないでね」と言っても「マネなんかしねーよ！」と怒られそうです。
10．刑務所発、奇跡のコラボレシピ
シャンパンにイチゴ、メロンに生ハム・・・
世の中には組み合わせの妙、一緒に食べるとウマさ倍増のコンビがあります。
たしかに、刑務所で出るメニューの中でも、組み合わせるとウマいモノがあります。
しかし、今回はそんな成功例ではなく、
やっちまった系の話です。
あまりにも貧しい食事に長い間慣らされて、頭オカシクなったとしか思えない？
そんな
ゲスな「まぜメシ」をご紹介したいのです。
そのまま素直に食っとけばいいのに、退屈なのか、チャレンジしたくなるのか？
もう、この辺から、「食事をする」という正規のルートを外れています。
私には
「実験」とか「ウケ狙い」にしか思えませんでしたが、本人達は大マジメ。
混ぜたらひょっとしてウマくなるんじゃないか？
コラボにより劇的な化学反応が起き、スバラシイ味になるんじゃないか？
そう思いつき、果敢にチャレンジしていくのでしょうか？
中でも一番シンプルかつ、笑えたのは
「いちごミルク」レシピでしょう
何を組み合わせると思いますか？
牛乳と・・・ここまでは分かると思います。
しかし、いちごミルクにするのに、加えるモノがわからないだろうな、と。
もし一発で当てたら、その人は絶対に懲役の経験者でしょう(笑)。
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刑務所発の「いちごミルク」とは何なのか？
それは、「桜でんぶ」です。
桜でんぶは、
朝食のオカズの一品として、月に1～2回は出る、常連メニューです。
そして、桜でんぶが出る時は、
なぜか牛乳も一緒に出るのです。
朝食ですから、麦メシ＋みそ汁＋桜でんぶ＋もう一品オカズ、のメニューです。
まず、若い人たちには
「桜でんぶ」がわからないかもしれませんので、説明を。
桜でんぶとは、ちらし寿司や太巻きにある具材で、ピンク色した粉です。
色がきれいで、甘ーい味がします。
今の食事で、桜でんぶが出てくるメニューと言えば、こんなもんでしょう。
まぁ、今どきはかなりの脇役で、別に一生食べなくても後悔しないです。
ピンク色で、甘いので、イチゴっぽい印象はなくもない・・・
で、懲役たちは考えた・・・
桜でんぶは、ピンク色で甘いんだから
これを牛乳に溶かせば、いちごミルク
どうですか、そう思いますか？
なお、程よく溶け、薄ピンク色になり
見た目だけは、いちごミルクっぽい
ちょっと待ってください・・・
桜でんぶって、何からできているかご存知ですか？
タラなどの白身魚を粉状にして、そこに砂糖と食紅を加えたもの
つまり、
思いっきり魚臭い、生臭いんです。
見た目はカワイイが、味は甘いふりかけ、という感じですよ。
しかし、そんな桜でんぶも牛乳に混ぜると、実はいちごミルクに！
なるワケないじゃないですか！
魚は魚。
見た目だけはいちごミルクだが、
生臭い味のする甘い牛乳に過ぎません
当たり前の結果で、ホント申し訳ございません。
しかし、恐るべしは懲役たち・・・
結構な割合の人数が、
大マジメな顔をして、毎回実践しているんです。
「おっ！今朝は桜でんぶだ！」
「牛乳出てるから、いちごミルクできるね！」
「ホントだ！いちごミルクだ！ウマいね！」
こんな会話をお互いにしながら、喜んで牛乳に桜でんぶを混ぜて溶かします。
はい、本気でやっています。
ウケ狙いとか、やせガマンではなく、
喜んで毎回やっているんですよ。
ムショ暮らしが長すぎて、あまりの味オンチになってしまったか？
ムショめしばかりで、いちごミルクの味を忘れたのか？
ムショ暮らしでアタマがオカシクなり、理解不能のコトバを発しているのか？
もう、何でも「甘ければいい」というのが懲役たちには大いにあります。
そして
「思い込めば、ホントにそんな味がする」ということなんでしょうかね。
そもそも、どうしてこんなことをやるようになったのか？
退屈な懲役生活を少しでも楽しく、おいしく過ごすための工夫なんでしょうか。
ちなみに私は、桜でんぶが大キライでした。
子どもの頃の貧しい、そしてマズい記憶がよみがえるからです。
子どもの頃、貧しかったので、寿司と言えば、おいなりさんか太巻きでした。
太巻きには必ず「桜でんぶ」が入っていて、怪しいピンク色を放っていました。
甘いだけで、ウマくない、ホントは握り寿司が食べたいのに！と思っていました。
だから、桜でんぶはキライだし、見下しています。
実際に牛乳に混ぜても、いちごミルクの味などするワケもなく
ただただ、生臭い、でも甘い牛乳となるだけで、全く同意できません。
と、私は全否定しましたが、興味を持たれた方はぜひお試しください。
「いちごミルクだよ！」と言って、ダマして飲ませるという
罰ゲームや芸としてはオモシロいかと思います。
さて、いちごミルクの話だけで終わってしましました。
まだあるんです、「まぜメシ」の話。
次回、もう一度お付き合いくださいませ。
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