出所した有名人に、好き勝手にしゃべられているのはガマンならん！
そんな気持ちから、
「刑務所の食事」についてシリーズでお話ししております。
前回は、刑務所の食事は、作業や身長で量が変わるお話をしました。
「
刑務所の食事③・・・刑務所の食事は平等ではない？「クラス分け」の話」
にて、「男の嫉妬」「食べ物の恨みは恐ろしい」エピソードを紹介しています。
さて、今回は刑務所の食事にまつわる話と言えば、有名すぎるくらいの
「ムショのメシはクサい」という
都市伝説について、まずは検証したいと思います。
4．ムショのクサいメシは本当か？
昔から、そして色々な所で、ウワサされているこの話、本当なのか？
私も拘置所・刑務所にブチ込まれるまで、わからずドキドキしていました。
結論から言うと、
「やっぱり、クサい」です。（笑）
昔の情報では「クサい」、最近の情報では「いや、むしろウマい」と書いてあります。
それは
「麦メシ」に関する勝手なイメージだと思います。
「麦メシ」というのが、あまりに粗末で食えたものではないと勝手に思い込んでいる。
実際はどうかと言いますと
①米７：麦３の割合である
②思いの外、食えるがウマくはない
③古いコメを使っているからクサい
④色が古い畳の色のようで汚い
⑤クサいは便所のせいが大きい
⑥実はアレをすると同じくクサい
と、まとめることができます。
ちょっと説明をさせてください。
②思いの外、食えるがウマくはない
これは、麦が相当マズいんじゃないか、と恐れますが、
実際食べてみるとそうでもない。
プチっとした食感でそれほど悪くなく、良い意味で裏切られます。
麦自体はそれほど「味」というのがしないモノです。
ただ、
別にウマくはない。
やっぱり、白米オンリーの方がウマいに決まっています。
③古いコメを使っているからクサい
麦メシだから、クサいのではなくて、
使っているコメが古いからクサいんです。
古米のあのツンとくる、ヌカの独特のニオイが鼻につくんですよ。
香ばしい、なんて持ち上げている人もいましたが、どれだけ味オンチなんでしょ？
刑務所に入る前は「豪華な食事」をしていた人が言うのであれば、なおさらオカシイ。
出所したら絶対に食べるワケがないのに、目立ちたいからと言って
「麦メシはウマい」なんて言うのは、受刑者たちに失礼ですよ。
④色が古い畳の色のようで汚い
古米を使っているから、どうしても
ツヤはないですよね。
さらに精米にて、
胚芽を残すような精米をしているので、先っぽが茶色い。
そうすると
全体として見た時に、どうしても茶色がかった色になる。
それに麦の粒は真ん中が茶色の部分があるので、混ぜ合わさると、
全体的に畳の色になり、どんよりとするんです。
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⑤クサいは便所のせいが大きい
古い建物ならば、この傾向は強いです。
まず
雑居房で考えてみましょう。
雑居房は室内にトビラで仕切られた便所があります。
と言っても、古い建物なんで、すきま風が入り放題なんです。
気密性がないから、便所のニオイが常に部屋を漂う。
さらに悪いのが、コンクリむき出し、和式の便所です。
こまめに掃除をするのですが、飛び散り？跳ね返り？染み込み？なのか、
１日２日すれば、もうあっという間に
小便のニオイが漂ってしまうんですね。
では
独居房はどうでしょう？
実は、
独居房の方がこの問題は深刻です。
なんせ、３畳一間の狭い所に、
仕切りもなく、むき出しで
便器がありますから・・・
ということは、
便器からのニオイが常に漂っているワケです。
古い建物ですと、便器のスキマなどに染み込んだモノが掃除をしても取れない！
特に夏場は、もう、プンプンとニオイが強烈に漂います。
「ムショのメシはクサい」と言うのは、便所からのニオイが最大の理由だと思います。
「慣れてしまえばこんなもん」となれば、しめたものですが
それでも風向きが悪い日や、夏場の湿気の多い日は、クサいんです。
その便所からの強烈なニオイを嗅ぎながら、メシを食うワケですから
「ムショのメシはクサい」となるワケです。
シャバでは絶対に、便所のニオイがする所ではメシは食わないですから・・・
⑥実はアレをすると同じくクサい
これは言及している人を見たことがないのですが、確信を持っています。
麦メシはヘルシーで体に良く、お通じも良くなる、と言われています。
たしかに、そうなんでしょう。便秘はしませんでしたから・・・
ところが、なんなんでしょう。
麦メシは大便がとてもクサくなるんです。
自分だけでなく、さすが同じものを食べているだけあって、全員同じニオイ（笑）
食べる時もクサいですが、
実は「出す時もクサい」んです。
ニオイは「馬糞のニオイ」に近い、と思いますが、表現がとてもムズカシイ。
自分の大便のニオイでもクサいんですが、自分のだと思うと多少ガマンできる。
しかし、刑務所にブチ込まれて、麦メシを食い、大便をすると、
自分自身のウ◯コのニオイに怒りが湧いてきます。
「誰だ！こんなクサいウ◯コして！」
ホントに、クサい話ばかりで失礼しました。
クサい話と言っても、演技しているとか、そういう意味ではないですよ。
次回はパン食や「食べてもやせてしまう」刑務所のメシについてお話しします。
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2015-07-28 17:00
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共通テーマ：日記・雑感
>出所したら絶対に食べるワケがないのに
短いながらもこの一文が綺麗に本質を突いてるような気がします。
刑務所の飯がおいしいと褒めてる人達も、出所した現在は他のものを食べている。自分からそれら食材を確保して刑務所の食事を再現して食べてる人はまずいない。おいしかったと言っていたはずなのに何故？
ってことはやっぱり、普通の食事のほうがおいしいって認めてるわけで、刑務所という極限状態の中で味覚が麻痺しちゃってただけだと思うんですよね。「刑務所の飯」そのものが純粋においしいというわけじゃないと私も思います。
私は刑務所に入ったことがなく、「刑務所に入った事がないのに、よくまずいなんてわかるな！」って言われたら身も蓋もないので反論できませんが･･･
by ポテト (2017-04-10 18:33)
ポテトさん、コメントをくださりありがとうございます。
このような駄文を解説してくださり光栄です。
刑務所のメシがウマいワケはないんですよ。
思いの外、マズくはなかったとか…
刑務所の中にいた時はウマく感じたとか…
その状況だから、そう思っただけのこと。
シャバでは絶対に食わないくせに、カッコつけて言っているワケです。
私は毎日毎日うんざり、泣きそうでしたし、できることなら「こんなまずいモン食えるか！」ってブン投げたい気持ちでした。しかし食わなければ生きていけないし、それも含めての「懲役」です。
本気で「ウマい」と言っているならば、シャバでどんな食生活を送っていたんだよ！と笑ってしまいますよ。
人生には知らなくていいこともある、その1つが刑務所・刑務所のメシだと思います。
by きりたんぽ (2017-04-11 02:06)
もう時間は経ちますが川越で炊場でした。
個人的には麦シャリは好きでした(笑)
和食には合いますし、いまでも食べますよー
逆に正月の白米が嫌いでしたね
普段白米を炊かないので水の分量が合わないんですよね、麦感覚で作るから毎年べしゃ飯気味で…
麦も市販のビタバァレーを使用していたので古米よりもお金かかってますしそんな悪いものでもないと思いますよー
環境的に臭いしそんな場所で食って美味いわけないっていうのは同感ですね
所詮はただの給食ですから、どっかの有名人さんの話は、小学校の給食を懐かしんで美味いって言ってるのと同じ感覚なのかと思ってます。
でもおかずは微妙だったなーｗ 外じゃ絶対食べたくないですねーアレは
by ＡＨ (2017-07-31 21:04)
AHさん、コメントをくださり、ありがとうございます。
m(__)m
炊場だったのですか！ハードワークお疲れさまでした。
体力的にも人間関係的にも大変な工場だと伺っております。
人によっては「役得があったよ～」なんてお気楽なことを言っていましたが、それこそ夏場なんて厳しかったのではないでしょうか？
たしかに正月の白米は人気がイマイチでしたね。
おっしゃる通り、ベチャめしでした。普段やらないから水の分量がわからない、とは予想通りでした(笑)。
麦メシに罪はないのですが「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」といったところで、刑務所＝麦メシにてキライなのだと思います。
オカズはキビシイものばかりでしたが、そのおかげでシャバでは何を食ってもウマい。
でも今はそれを通り越して、あれだけマズいものを食い続けたのだから、残り少ない人生はウマいものを食うんだ、と考えて行動しています。
シャバに出てからも食への執念は強いままです。
またコメントをお待ちしております。
by きりたんぽ (2017-07-31 23:42)
刑務所は3年前とかの玄米を精米して使っているので、精米が悪いとヌカが混ざって臭いかも知れません。
そういった事情は刑務所ごとに違うのでしょうね。
自分が行ってたとこは炊場が微妙に麦の分量を多くして、ある程度減らしたら麦の比率を2や1にして米を多くしたりしてました。
1ヶ月の砂糖の量も決まっているので、普段節約してコーヒーに大量投入したりしてましたよ。
こういったことは炊場に機転が利く人が居るタイミングかどうかで全然違うんでしょうね。
by お名前（必須） (2020-06-25 10:23)