「刑務所の食事」についてシリーズでお話しています。
前回は、刑務所の食事のウワサについて、検証してみたうえで、
「ムショめし、ここが残念なところ」
について、お話ししました。
出所した有名人に、好き勝手にしゃべられているのはガマンならん!のです。
「なんだ!犯罪者にイイもん食わせる必要はない!」と怒りを買っても困るし
「へぇ~結構イイもん食べてるじゃん。いいなぁ」と入りたがっても困ります。
なるべく
「ムショめし」についてホントのところをお伝えしたいと思います。
今回は
刑務所の食事のこまかーい仕分けについて、お話しします。
3.刑務所の食事のクラス分けって?
刑務所にブチ込まれたら、好き勝手な時間に、好き勝手なモノを食べられなくなります。
それは当たり前。
7時の朝食、12時の昼食、17時の夕食、この3回だけです。
悲しいことに、
休日は16時に夕食が早まります。
今どき、早寝のジイさんでも16時にはメシは食わないだろう?
午後のおやつの時間、と言ってもオカシクない時間です。
もちろん、刑務所は間食などできません。
規則にきびしく、いちいち細かいところまでうるさい刑務所ですから
徹底的に制限され、徹底的に平等か?
と言うとそうではありません。
全員がそっくり同じものを食べていると、思っていませんか?
全員がそっくり同じものはオカズだけ
これって、刑務所に入った当初は意外でした。
まぁ、刑務官様の目を盗んで、自分だけ多く食べているヤツもいますが・・・
主食(麦メシ、パン)に関しては、人によって量が違います。
それは単純に
2つのパターンです。
1つは、
身体の大きさによって、主食の量が多くなるパターン
もう1つは、
作業の種類によって、主食の量が多くなるパターンです。
作業の激しさの分や、体の大きい分を、
主食を増やすことで
カロリーを調節するという、まぁオモシロくもない方法で
帳尻合わせをしているだけです。
【作業による食事の分類】
A食:立ち作業→2600kcal/日
B食:座り作業→2300kcal/日
C食:昼夜舎房→2200kcal/日
となりますが、シャバにいたら、明らかに物足りないダイエット食のレベルです。
ちなみにA食:立ち作業は、洗濯、炊場、内掃などの経理作業、各工場の指導補助役
B食:座り作業は、ほとんどの懲役が当てはまります。工場で作業はコレに当たります。
C食:昼夜舎房とは、調査・懲罰中や、何かの理由で部屋内で作業の人がコレです。
主食の量で差を調整するのではなく、オカズも増やして欲しいところですが・・・
前述の通り、その内
オカズは全員同じ1020kcal/日です。
A食は、牛丼大盛りの丼くらいの大きさで、それなりに食べ応えがあります。
が、C食は明らかに少なくて、ホント、空腹との闘いとなります。
一日400kcalというわずかな差ですが、この差は大きいと、身体が実感します。
フツーの工場に入ると、フツーの懲役たちは、座作業、つまりB食になります。
フツーの工場では、A食を食べられるのは、限られた人数だけ。
計算係・衛生係・各作業の班長・指導補助役の数名から、せいぜい十数名です。
A食とB食の差は一食当たり、
たった「一口分の麦飯」ほどの差
しかありません。
しかし、刑務所にて飢えていると、
その「たった」を求めて、しのぎを削ります。
どいつもこいつも、少しでも多くメシを食いたい、その一心です。
信じられないでしょうが、人間食うに困ると、真剣に争うようになるんです。怖えぇ
日々刑務官様にゴマをすり、班長にゴマをすり、計算・衛生係にゴマをすります。
すべては「A食が食べられるポジションに引き上げてもらう」ため、です。
そこまでして、ムショのマズいメシを食いたいか?ですが、食いたいんです(笑)
運よくスルスルっと、A食を食べられるポジションになってしまうと大変です。
「人を差し置いてA食を食うな!」
と、
「飢えた」嫉妬のかたまりのオッサンらから、嫌がらせをされます。
私も実際、うっかり先輩方を差し置いて、A食を食べられるポジションになったため
「おめぇよ!まだA食は早えぇんだよ!」と露骨に恫喝されたり
「A食もらってんだから、やれよ」と掃除や雑用を余計にさせられましたね(笑)。
雑居房や工場の食堂でメシを食う時、A食だと周りに気を遣います。
「おめぇはいいよなぁ!A食食いやがってよ!」と自然に言葉が出てきますから。
「食べ物の恨みは恐ろしい」
それはどういうことか、というのを、実感できるのが刑務所です。
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【身長による食事の分類】
特(80):身長180cm以上
特々(85):身長185cm以上
特々特(90):身長190cm以上
身長によって、主食の量に差をつけます。
こちらもオカズの量は同じ。
180cm以上は、5㎝刻みで、主食の麦飯・パンの量が変わります。
「特」になると、麦飯の量で100g/日ほど増えるとのことです。
作業による分類と、慎重による分類の組み合わせで、食事のクラス分けがされるのです。
ですから、作業がAで、身長が181㎝の懲役ならば
「特A」に当たるワケです。
「特A」にもなると、
モッソウ(物相:どんぶりのこと)も大きくなりまして、
立ち食いそばのどんぶりと同じ大きさくらい、というデカさになります。
しかし、
何でも主食の量で帳尻合わせをしようとするのが、問題なんです。
もう、
特々Aなんて、メシの量がハンパなく多いです。
そんなに量があれば、さぞかしお腹いっぱいで満足では?と思いますし、
いつも
「少ないなぁ、物足りない」と感じている懲役からすれば、羨ましいのですが
食べている本人から言わせると、
「メシばっかり、いい加減にしろ!」
オカズは変わらず少ないのに、麦飯が多く、
メシを食い切るのに苦労する!そうです。
子どもの頃、先にオカズばかり食べてしまって、ゴハンを大量に残してしまうと
「だから言ったでしょ!オカズばっかり食べないでゴハンも食べなさい!」
と、親から怒られた経験が一度はあると思います。
そのピンチが、毎回気をつけているにもかかわらず、起こってしまうワケです。
それは、食事のたび、結構なストレスかもしれません。
それでも、ない者にとっては、そんな麦飯でもうらやましいようで・・・
「食事療法」との命令で、な、なんと
1/2食という主食半分に減らされた
嫌がらせ?懲罰のような食事に制限されている人もいました。
それは、
糖尿病が持病のオッサンで、その上、入所前は130kgもあるメタボでした。
当然、糖尿病のコントロールも悪く、具合も良くなかったので
医務から
「おめぇ、食事も制限だからな」とひどい仕打ちをされたのです。
「食べ物の恨みは恐ろしい」でして、
毎日ヒマさえあれば
「あんたらはいいよなぁ!自分はメシ半分だよ!」
と、説教のように聴かされ、いつかこのオッサン引っぱたいてやろうと思いました。
この1/2食のオッサンは特殊な例ですが、
食事は主食の量で調節しています。
刑務所の麦飯にウンザリさせられるのは、量ばかりではありません。
自宅の炊飯器でコメを炊くのとは違って、
炊きあがりの状態が一定じゃない!
かなり
ベチャベチャしている時もあれば(これは、よりマズく感じる)
芯が残っているような固さで、パサパサの時もある(顎が疲れて、飲み込むの大変)
シャバでフツーにおいしいお米にあまりにも慣れてしまったため、
最初の頃は、炊きあがりが不安定でマズい麦メシに、毎回アタマに来ていました。
「コメさえ(正確にはコメ・麦)
ウマければ、食が進むのに!」
さて、
刑務所のメシは「くさいメシ」なんて、よく言われますが、
ホントのところはどうなのか?
次回、麦飯とパンという主食についてお話しします。
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2015-07-27 17:00
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共通テーマ:日記・雑感
きりたんぽ様、ご返信ありがとうございました。
刑務所での食事についてなのですが、
水戸刑務所での説明で、1日当たりのカロリーは1200kcal~1600Kcalとありましたが、刑務所が違うだけでこんなに差がでるものなのでしょうか?
(ちなみに副食は1020kcalが最低ラインというのは同じでした)
あと、食事の説明では誕生日にも副食を増菜させるというのもありましたが、これは、その月に誕生日がある受刑者達を別に集めて、特食やお菓子を振る舞うということでしょうか?
(鈴木宗男氏が服役していた時はそうだったようです)
そのまま誕生日の受刑者だけにポンと増菜すると、簡単にシャリ上げされてしまいそうですが。
by hynos (2016-08-13 14:27)
hynosさん、こんばんは。
コメントをくださり、ありがとうございます。m(_ _)m
今回も詳細なご報告をしていただき、うれしいです。
刑務所の食事は、副食が全員同じ量(カロリ―)で、主食の量で調整しています。
1200~1600kcalというのは主食(麦メシ)の量のことを指しています。
主食の熱量がC食は1200、A食は1600という具合です。
誕生日の説明は、誤解しやすいですね(笑)。
やはり刑務所、そんなに甘くありません。
これも施設によって違うと思いますが「誕生会」が開かれます。と言っても、パーティーなどではなく、大したことではありません。
誕生月に該当する受刑者は全員、休日に講堂に集められます。篤志面接委員の方の説教、いや講話を聴いた後、TVドラマの録画1回分を見ながら「誕生会の特食」を食べます。
特食とは、小っちゃな菓子パン1個です。3口でなくなります(笑)。
施設によっては、自家製ドーナツ、冷凍モノのケーキ、などがあるようです。
ですから、舎房で配られるワケではないので、先輩が「オレによこせ」的のシャリあげはムズカシイです。
誕生会があって、パンが1個食べられるだけで十分ですよ。誕生会とはめでたい行事なんでしょうが、私は「またムショでひとつ歳を食ってしまった…」と、毎回落ち込んでいました。
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-08-13 20:04)