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刑務所は雑居と独居、どちらがいいのか⑦・・・雑居で恐喝に遭う [刑務所生活]

ホントに、刑務所って所は、雑居の方がいいのだろうか・・・?

雑居房は根強い人気があり、メリットも多い。

雑居房にいる懲役たちは、刑務官様に気に入られ、「格上」に見られる。


このところ、雑居の良い部分ばかりをご紹介し、「雑居バンザイ」になっていますが

ホントに、雑居は煩わしさをガマンするだけの価値があるのでしょうかね?


そして、「雑居が大変で、独居はラク。懲役たるものキツイ雑居で生活すべきだ」

という、世間一般でのイメージを裏切る話ばかりで、ガッカリされそうです。

このままでは、イカン!


というわけで、今回は「雑居での、信じられないようなホントの話」をご紹介します。

「雑居にいるとロクなことがない」

そうなんです。雑居にいると悪い事をするヤツがいるんです。


一人だと何にもできないヤツでも、群れると凶悪になる、というのは常識。

「雑居だとロクなことが起きないから、独居を増やしている」

刑務所では独居が増えているこの現状に、少しは理解してもらえるでしょうか?


A.雑居房で100万円の恐喝に遭う
Kさんは、30代後半のショボくれたオッサン。

事件の詳細を言うと、誰かわかってしまうほどの有名人なんですが、

ホント、気が弱くて、口下手、見ている者をイライラさせる頼りない人です。


飲酒で爆走、死亡事故を起こし、懲役1◯年を打たれ、新聞を賑わせました

いや、ホント、懲役年数を明かしてしまうとバレてしまうくらい有名なんです。


世間では、ムチャクチャな凶悪犯とのイメージが持たれているようですが

実際はまったく逆で、まるでイメージが湧きません。

ただ、彼はネジが抜けちゃっているようで、何もかもぶっ飛んでいまして、

この先も何度も話に出てきます。お楽しみに。


Kさんは、初日から刑務官様に「雑居ムリなんで、独居にして下さい」

空気も読めず、ズケズケと申し出て、刑務官様を激怒させた人・・・

もちろん、そんなワガママは認められず、おしおきとして雑居に入りました。


フツーは、雑居の方が最初のうちはあれこれ教えてもらえてラクなんですが。

そこは、海千山千の強者たちが揃う刑務所であります。

コイツはチョロいな、と悟られてしまうと、やられてしまうのです。


Kさん、10歳も年下の若造二人から毎日イジメを受けることになる。

まず、「シャリあげ」・・・揚げ物と甘い物はすべて没収。彼らの胃袋に。

次に、購入・・・日用品と書籍の購入を、彼らの代わりに買わされるハメに。


何かと「おめぇ、誰が面倒見てやっていると思ってんだ」と脅されて

メシは取り上げられ、金は払わされ、エスカレートしていった。

でも、こんなものでは許してくれないのが刑務所の悪いヤツら・・・


舎房では、刑務官様の目を盗んで「サンドバック」として腹を殴られ

工場では、鉄板の入った安全靴で「気合注入」としてスネを蹴られ

それでもKさん、あきらめてしまって、ほとんど誰にも言わなかった。


が、ある朝出役し、工場の更衣室で着替えているとKさんの様子がオカシイ

着替えを監視している刑務官様に、シャツ・パンツ姿で話しかけている。

刑務官様に話しかける時は許可が必要で、ましてこんな姿では怒られる。


オカシイな・・・と思っていたら、そのまま連行されてしまった。

「えっ?Kさん、何かやらかしたか?懲罰になっちゃう?」

朝からコソコソと目を盗んで話していると、同室の者の話ではこうだ。


「100万円取られたらしい」

はぁ?刑務所でお金を取られるとか、ワケわかんねーよ!


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現金を所持していない刑務所の中で、100万円取られたとか意味がわからない。

よーく話を聞いてみると、Kさんは恐喝に遭っていたのだ

同室の若造二人のイジメがエスカレートし、とうとう高額の恐喝までされていた。


「おい、K!おめぇ、誰のおかげで、工場でやっていけているんだ?」

「は、はい。お二人のおかげです」

「そうだよな!だったら、感謝してるよな?」

「は、はい。とても感謝しています」

「だったら、誠意見せろよ」

「あ、あの・・・誠意とはどうすればいいんでしょうか?」

「納めるモノ、納めるんじゃないのか?」

「おカネ、ということでしょうか?」

「わかっているんだったら、さっさとやれよ!」


オイオイ・・・Kさん、若造二人にたかられているのに、まだ払えと脅される。

実家の住所も、親の名前も、手紙を覗かれて、控えられてしまっている


「お前の誠意とやら、お礼は、まあ100万で手を打っておいてやるよ

「オレたちの方が早く出所するから、実家に受け取りに行ってやるから


そうなのである。Kさんは懲役1〇年と、出所はまだ10年以上先なのだ。

それにしても、100万円とは!

そして、周到に実家の情報を盗み取り、現金を受け取る手はずを整えるとは!


さすが、刑務所に来るだけのことはある、悪いヤツらである。

まぁ、私も同じく刑務所に来ているので、他人のことは言えませんが・・・

それにしても、このゲス、チンピラっぷり。スゲエな。


彼らはKさんに、便せんに「念書」を書かせる徹底ぶりだった。

「私はお世話になったお二人にお礼として金100万円を支払います」

こんなものを本気にするのがオカシイが、追い詰められると書いてしまうのだ。


しかし、ちょっと考えて欲しい。彼らは大失敗をしているのだ。

シャバでは有効かもしれないが、「念書」を書かせたのはマズかった

刑務所では、この紙が反則行為の動かぬ「物的証拠」となってしまい、懲罰だ。


場合によっては、金額が高額で、イジメもひどいので、懲罰では済まない。

事件送致でもおかしくない

つまりは、裁判所に送って裁判、間違いなく増し刑で、懲役が増えることになる。

しかし、刑務所では騒いだからといって、一方的に話を聴いてくれるわけではない


刑務官様にきちんと説明をし、証拠を見せ、納得してもらわないとダメだ。

Kさん、これができない。日本人なのに、日本語で説明するのがヘタなのだ。

自分の身は自分で守らなければならないのが、刑務所なのに、これは致命傷だ。


周りの不安は的中し、Kさんと若造二人は連行、調査となったものの

Kさん、まさかの「恐喝されたことを、うまく伝えることができず」

「おめぇの言っていることは、よくわからん」と却下されてしまった。


100万円の念書まで提出したのに、これもまさかの却下!

「おめぇが自作自演で書いたんじゃねぇのか?」と、逆に怒られたらしい

どうしてここまで、ひどい仕打ちなんだ!と思うだろう・・・


それは、刑務官様は懲役たちに対して、平等には扱わないということだ。

チンピラの若造二人は、普段から担当の刑務官様に、ゴマをすって気に入られていた。

一方のKさんは、初日からワガママを言い、刑務官様に怒鳴られ、目を付けられていた


だから、Kさんが必死に訴えようとも、最初からKさんの方が不利なのだ。

「Kはまた面倒をかけやがって!」と刑務官様をイライラさせ

「若い二人はカワイイ奴らだから、悪いハズがない!」と刑務官様を味方にする。


そんなわけで、イジメ、暴行、恐喝とやられたい放題のKさんだったが

きちんと説明できず、刑務官様もハナから敵に回していたため

なんと証拠不十分でおとがめナシ!

という結論になった。


雑居はズルいヤツ、強いヤツにとっては居心地が良く、また悪さをする場所で、

弱いヤツにとっては、骨までしゃぶられる、恐ろしいところであると言える。


これだけ悪さして、許されて、それでもまだ、

「懲役たちは、雑居にブチ込んで生活させろ!」と言えますか?

ちょっと考えてしまいますよねぇ~



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タグ:舎房 懲罰 恐喝
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miffy

待つ身として一番気になることは、出所後に社会人としてちゃんと生活出来るのだろうかという点です。

他の元受刑者の方のブログとか見てると、出所してもなかなか職につけずに、1ヶ月、2ヶ月と過ぎていってる方を何人かみかけたのですが…

刑務所に長くいると、就職も厳しい以前に、外の世界で普通に生活できるようになるのに時間がかかったりするのでしょうか?

出所後の他の方の統計とかは取ることが出来ないかと思いますし、個人差もあると思うので、きりたんぽさんの経験など、教えて頂ける範囲で構いません。
コメ返もらえると嬉しいです。
by miffy (2015-07-08 21:49) 

きりたんぽ

miffyさん、コメントありがとうございます。

はい。出所後の就職は、最大にて深刻な問題です。
軽々しく答えることはできませんが、お話ししたいと思います。

まずmiffyさんのご指摘の通り、刑務所にいた期間が長ければ長いほど、刑務所の非常識な世界に染まってしまっていて、外の世界へ適応するためのリハビリが必要です。

ちょっとしたことでカッとなりますし、平気で説教、恫喝してしまうんですよ、刑務所でのやり方が抜けなくて・・・
女性への距離の取り方をはじめ、人と自然な感じで接するのにも苦労しますね。
これは自分だけでなく、同じく出所した者を見ていても、そうですね。

1~2ヶ月で就職できるというのは、元々の勤務先でまた雇ってくれるとか、自営業にて家業を手伝うとか、恵まれた条件の人でしょう。
半年くらいは、就職への猶予期間として見てあげないとキビシイと思いますよ。最低でもこれくらいはリハビリ期間として必要です。人と接するような仕事で、悪さをするのではなく真っ当な仕事であれば、なおさらです。出てからすぐに、ハイっとできないと思います。

仕事をすぐに始めたからと言って、それが犯罪スレスレの仕事でいいのか?、本人が納得していないからすぐに辞めてしまうような仕事でいいのか?といった問題もあると思います。
また、カンタンに見つかる、前科者なのにホイホイと雇ってくれる、そんな仕事には、やはりそれなりのワケが必ずあります。

私の周りでは、まずはアルバイトから始めて、心身を慣らしている者、とにかく面接を受けまくってガツガツ就職活動している者、といました。
1年2年の刑務所生活ならば、就職活動の際にも「空白期間」をごまかして面接を受け、そのまま働くこともできます。
ただ、必ずインターネットで検索されますし、「空白期間」が長いと、ごまかせなくなり、就職が難しくなります。
マトモな会社、大きな会社の就職は、よほどのコネでもない限りムリだと思ってください。
ただ、いい仕事や有名な会社が正面突破ではムリ、と言っているだけです。

自分にできることは何かある、と思いますし、自分もそれを信じて日々あれこれやっております(笑)。
まだまだお話しできることはあるのですが、長すぎるのでこの辺でやめておきます。

ちょうどこの後すぐ、ブログで仮釈放や保護司の話をしますので、そちらも参考にして下さい。

こうして考えてみますと、外で待っている人も大変ですよね。
生活していけるのか?不安です。
この重くて、答えはすぐに出ないお話ですが、よろしければまたしますので、お気軽にどうぞ。

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。m(__)m
by きりたんぽ (2015-07-09 11:27) 

NO NAME

Kさんに関してはそれも含めて罰と考えるのが一番収まりがいいのではないでしょうか
by NO NAME (2015-09-08 01:54) 

きりたんぽ

コメントありがとうございます。

そうですね・・・それも含めて罰と考えると、このKさん、あまりにも悲惨ですね。
同じ罪名の受刑者と比較してみても、ずいぶん厳罰にされた感じが否めません。

同情するつもりはありませんが、それにしてもロクなことがない・・・
by きりたんぽ (2015-09-08 03:20) 

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