仮釈放には何がキクのか⑦・・・職業訓練で仮釈放ボーナスを狙え

刑務所に入ることになってしまったが、

なんとかその後の自分たちの努力や工夫をすることで、

一日も早く出所することができないか？


懲役の本人はもちろん、家族の方も、そう考えるはずです。

そんな切実な思いに役立てようと、このところは、懲役たちが試す

「刑務所から早く出所する方法」

つまりは「どうやって仮釈放を多くもらうか」の試行錯誤をご紹介してきました。


が、まだ皆さんを納得させられるような

実績が確認された「確かな方法」というモノをご紹介できていません。(笑)

今回こそ、マシな、いえ、マトモな方法をご紹介しますね。


これまで、懲役たちが信じて疑わない仮釈放への方法、というか都市伝説を３つ

①寄付金 ②教誨 ③行事参加とご紹介しました。

今回はその④をご紹介いたします。


2．職業訓練は仮釈放にはおトク？
今いる刑務所がイヤになり、他の刑務所に移籍するにはどうすればいいか？

その方法で、最も確実な方法が

「職業訓練」である、というのは

「刑務所には当たり・ハズレがある？⑥・・・別の刑務所に移籍するには？」で

お話ししました。


でも、職業訓練に応募する一番の理由というのは、

他の刑務所に移籍したいからではない。

資格を取りたいからではない。


それは、やはり、懲役たちの唯一無二の関心事

「仮釈放が多くもらえる」

有利な条件になるからに他ならないのです。


現実は、職業訓練を受けることで、劇的に仮釈放が多くもらえることにはなりません。

ただ、考えつく方法で、出所を早くするには一番確実な優遇条件といえます。

見送って来た数々の出所者を見ても、明らかにフツーより早くシャバに出ている！


ハッキリしたデータでもなく、経験則にすぎないのですが、

フツーの人より仮釈放を多くもらえるその割合は

刑期の5～10％分


「なんだよ！消費税分くらいじゃねぇかよ」と

ガッカリするでしょう？


ところが、日数に直すと、刑期がそこそこあれば、

数ヶ月～半年、長い人なら一年は

早くシャバに出られる。


仮に懲役７年の受刑者が、無事懲役を勤め、フツーなら６年で出所

つまり仮釈放の期間１年のところが、職業訓練が考慮されて

仮釈放・増量！で、１年６か月くらいに増えるとなると、


こりゃあ、大きい。

となると、刑期の長い懲役たちは、血眼になって職業訓練の応募をします。


出所後の就職を考えて、とか、資格を取りたいとか、二の次

「そんなのどーでもいい」ことで

とにかく何かしら職業訓練にもぐりこんで、仮釈放を多くゲットするのが目標(笑)


しっかし、どういう選考基準なんだか、最後まで掴めなかったのですが、

実際、刑期の長い者は、成人刑務所だとかなり受かりにくい。

同じ刑務所内でやっている職業訓練なら通りやすいが、ヨソの刑務所となると

一年に各工場から一人いるかいないかという、狭き門！


そして、ガッカリすることに

生産工場にいる者、つまり7～8割はこの「フツーの懲役」に当たるのだが、

生産工場だと、職業訓練に通りにくいという差別があるんですよ。


炊場工場や洗濯工場、図書工場なんかを「経理工場」と言いますが、

彼らは明らかに職業訓練も通りやすい。

彼らからの応募に空き枠があったら、応募できるんじゃないか、というくらい差別。


さらに、どういうワケか、10年以上の長期刑はさらに通りにくい。

10年以上の長期刑で、他の刑務所に職業訓練に行った人は1人しか見たことがない。

その貴重なんだけども、マヌケな、その1人の例をご紹介します。


一言で言うと「自作自演で人生を潰すヤツ」・・・それでは、どうぞ。


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おとなしくしてりゃあいいのに、自分からチャンスを潰すヤツ、

これから紹介するTくんは、まさにダメな懲役、自作自演ヤロウです。


Tくんは20代後半の色白でぽっちゃり、気弱そうな青年です。

見た目からはどう見ても、フリーター？ニート？引きこもり？なんですが、

自称「エリートサラリーマン」


なんとゼネコンの「カシマ建設」にお勤めだったそうで、ん？オカシイ！

「カシマ」じゃなくて「カジマ」だろ？読み方は！

というワケで、いきなりウソがめくれるTくん。


何やって刑務所にブチ込まれたか、というと

自称「ナニワのタタキ王子」

とのことで、華麗に窃盗を繰り返していたが、ヘタ打って捕まったとのこと。


オイオイ、実在の人物なのに自称の設定がヒドすぎて信じてもらえるか不安だよ！？

書いている私まで、「自作自演」と疑われそうでイヤだわ(笑)。


そんなTくんですが、自称「不当逮捕」、自称「違法取り調べ」により

強盗罪になってしまい、懲役13年の刑を打たれたらしい。

「オレは冤罪だ」が彼の口ぐせ。


罪名もウソをつき、冤罪だと主張するのは、もう腐るほどの「懲役あるある」。

エリートサラリーマンがなぜ窃盗を繰り返すのか、理解に苦しむが

そもそも、ちょっとのことでビビる、ヘコむ、Tくんに強盗などできっこない。


何度も申し上げていますが、刑務所で懲役たちが言うことは

80％以上がウソ、ハッタリ

訊いてもいないのに、自分からペラペラしゃべる場合は100％近くウソ(笑)。


Tくんも自分を大きく見せたくて、こんなすぐにめくれるウソを言う一人。

「もうちょっとウソ、ハッタリを研究してから言おうよ」

と、横で聴かされる私をイライラさせていました。


そのTくんが職業訓練に応募し、見事合格！

別の刑務所に行くんですから、何が基準、要件なんだかわかりません。

ところが、刑務所でそんなにウマい話があるワケがない。


Tくん、お得意の「自作自演」をやらかして、トンデモナイことになってしまいます。

すみません。長くなったので、次回、Tくんの職業訓練ドキュメントをお話しします。



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タグ：長期刑 職業訓練 仮釈放 出所