やっと刑務所に来られた、と思ったら、まだ刑務所ではなく、
「調査センター」という、懲役たちを調べ上げる
前座の刑務所だったお話しを前回にしました。
「これ以上、何を調べるんだよ!」
取り調べ、裁判でさんざん調べられ、おおっぴらにされたのです。
ナイショの借金から、恥ずかしいエロDVD、浮気相手まで、
隠しているモノなど、もうないワケですから、
何をいまさら、「調査センター」でしょうか?
「
どうせ役所が、犯罪者はどんな人間なのか、データが欲しいからやるんだろ」
この考えは、当時も、出所した現在も、変わりません。
正直1ヶ月以上もかけ、懲役たちを調べ直すことに意味があるのか、理解できないです。
3.こんなに懲役が楽チンだなんて!
調査センターでは、まず独居房での生活でした。
ここでも拘置所と同じく、24時間ほぼ部屋に引きこもりです。
作業をするのも、メシを食うのも、寝るのも、
3畳一間の独居房。
食事は、上げ膳据え膳
作業はシールはがしの超・単純作業
刑務官様も、さほどうるさくない
1日9時間以上の睡眠
運動とは名ばかりの30分の日光浴
独居房に来たからと、
掃除はサボり、チンタラ動き、屁こき・鼻ほじりはお構いなし。
どうですか、この待遇。
「モノなし、自由なし、名誉なし、女なし」
ないもの尽くしの不自由な生活ですが、
「こんなものだよ」 と割り切れば、
意外と一日一日は楽に生きられます。
もちろん、出所後の将来など、先を考えれば絶望し、具合は悪くなります。
しかし、どうでしょう。
ノルマに追われることもなく、
わずらわしい人間関係もない
お金や家族、生活の心配もしなくていい
あれっ?あんなに恐怖だった孤独も悪くないのか?
そんな錯覚に陥ります。
マッタリとした時が流れ、ノンビリとくつろいでいる自分がいます。
「
この時間が続くのなら、懲役も悪くない。ていうか、楽勝じゃね?」
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4.自分が間違っていました!
あまりにマッタリした調査センター序盤での生活に、緩みきっていました。
作業の説明に来たベテランの衛生係に、思わず
「
調査センターって、楽勝じゃないっすか?」
(注:衛生係→ここに配置された懲役。掃除、配膳、作業指導、刑務官の補助を行う)
と尋ねたところ、
「いやいや、これからがヤバいっす」
「懲役で一番キツイかもしれない」
「腹立つけど、とにかくすぐ謝って」
「とにかくこの4週間のガマンです」
はぁ?何言っちゃってんの?
「ヤバい」とか、「キツイ」とか、「とにかくガマン」だとか、
なんだ、その脅し文句は!
「
ははん。ビビらせて、その様子見て、楽しんでるんだな」
衛生係は、
明日からが本番だと説明をするのです。
「
明日から、『センター工場』に出て、本格的に分類・調査が始まります」
「4週間なんとか頑張ってください。
どうかご無事で」
おい!あんまりビビらせるのもやめてくれよ・・・
翌朝、センター工場の担当の刑務官様が直々にお出迎え。
「全員、出房!」
「出ます!!」・・・(部屋を出るのに、わざわざ断らなければならない)
「声が小せぇんだよ! 戻れ、やり直せ!」
「出ます!!」
「出るまでが遅えんだよ! ダメだ、やり直せ!」
「出ます!!」
「バタバタ音を立ててるんじゃねえ! 何度でもやり直すぞ!」
こんな感じで、
15回はやり直しです。
独居房から出て、並ぶまで15分はかかりました。
一つ一つがこんな感じで、進まず、怒鳴られっぱなしです。
正常な判断力はなくなり、
刑務官様に怒鳴られたくない、
やり直しを喰らいたくない、
周りに迷惑を掛けることで、目を付けられたくない
とにかくこの場をやり過ごしたい、この一心になります。
小学生の時以来の感覚ですよ!
ただただ、ロボットのように従順に従うだけの
クサレ人間が出来上がります。
「すげぇな。長年培ってきた刑務所の
『匠の技』だな・・・」
「
調査センターが、楽勝だなんて言って、すみませんでした」
まだ15分も経っていない、工場にもたどり着いていない、
この時点で、もう、泣きが入っていました(笑)。
次回からは、「センター工場」の内情のお話しをします。
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2015-04-24 17:00
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