前回、懲役のバイブル 「生活のしおり」 について、ご紹介しました。
泣く子も黙る、「絶対的」なルールブックなんですが、限界もあります。
当たり前ですが、「細かすぎてよく伝わらない」ことまでは文章にしていません。
例えば・・・
「
室内での座り方」 とか、
「
ゴミの捨て方」 とか、
「
刑務官様への口のきき方」 とか、
『常識の範囲でやればいいだろ!』
という、
くだらないことまで、暗黙の了解のうちに、決められています。
「お作法」として、先輩から教えられ、指導され、覚えさせられます。
刑務官様は、その「お作法」を
知っていることを前提に、接してきます。
だから、「お作法」を守れていないと、
烈火のごとくブチ切れます。
どこにも書かれていない、説明もされていない、そんな決まりがあるなんて・・・
「地雷かよ・・・」
刑務官様が、懲役たちを管理しやすくするためなのか、ストレス解消のためなのか?
どちらにせよ、「刑務所の常識は、世間の非常識」 満載な感じでして。
何よりも、まるで当たり前、習慣のように、
懲役たちが従っているのが、怖い・・・
それでは、その「お作法」の数々を、お話しさせてください。
我々懲役たちが成仏?できるよう(笑)、せめて笑ってやってください。
では続きから、どうぞ。
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①カベとフトンは触れるな!
懲役なりたては、拘置所にて、刑務所に送られるのを待機している状態です。
ですから、まだ「工場」と呼ばれる作業場には出て行きません。
寝るのも、メシ食うのも、作業も、すべて雑居房の中で完結します。
作業していても、すぐ横には他人がいて、すぐ後ろにはフトンがあります。
作業中も余暇時間も、カベ、フトンに寄りかかりは厳禁という「お作法」があります。
作業に目途がつき、一息つこうと、楽な姿勢をとることは誰だってありますよね?
しかし、懲役にとっては、これが大きな油断!
「
おい!おめぇは、何でフトンに寄りかかっているんだ!」
刑務官様が、怒鳴っております。
まったく、どこで見ていたのか、すかさず窓越しからです。
「
はいっ。すみませんでした」
「
おめぇ、フトンに寄りかかっていいと思っているのか?あぁん?」
「
はいっ。すみませんでした」
「
誰が、フトンに寄りかかっていいって言ったんだよ?あぁん?」
「
はいっ。すみませんでした」
ホントは、寄りかかりではなく、フトンに背中が触れているかの程度なんですよ!
「寄りかかってないですよ!」 と、反論したいところですが、
ワナなんです。
ここで万が一、刑務官様からの注意に「言い訳」したり、「反論」したら、大変。
刑務官は、フトンに寄りかかっていた行為自体を注意するよりもむしろ、
「
それを口実に、挑発して、言い訳・反論してくるのを待ち構えている」 んです。
ワナなんですよ、ワナ!
一時の感情に流されて、言い返したりした日には、
「
向こうの思うツボ」、なんです。
最初の段階で、懲役のキビシさを身体で思い知らせてやろう、という意図です。
ま、そうでもしないと、懲役の者たちを管理しきれなくなりますからね。
懲役なりたての者には、刑務官もキビシク当たるので、即、連行です。
「抗弁した」と言う理由で、調査→懲罰 です。ガクッ。
実際、上に書いた、コントのようなバカバカしいやり取りが、
これで正解!
というわけで、すぐには納得できない 「お作法」 だと思います。
「こんな環境、やっていけるのかよ!」 と心配な方もいらっしゃるはずです。
対策はただ一つ。
慣れること。気を抜かないこと。
理想は「お地蔵さん」です。 地蔵の心・・・合掌。
それでは次回も引き続き、拘置所の「お作法」についてお話しします。
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2015-04-03 17:00
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共通テーマ:日記・雑感
「抗弁」というのは見沢知廉の刑務所小説「調律の帝国」でよく出てきました。
刑務所(拘置所)なんだから当たり前なのかもしれませんが、他のもだいたい同じ。
未読ならお勧めですよ。
読後の感想伺いたいです。
ちなみに千葉刑務所の話だったかな?
by 塩おにぎり (2016-09-30 04:05)