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刑務所の「細かすぎる」食事マナー⑩・・・メンはすすってはいけない [食事]

刑務所の食事について、しばらく続けてお話ししています。

ムショの食事でツラいのは、マズいとか、量が少ないとか、いろいろあるけれど

一番ツラいのは、いちいちうるさい「食事のマナー」なんですよね。


「シャリあげ」などの不正がないよう、刑務所側が目を光らせ、うるさいのもありますが

お作法というか、ルールというか、「懲役どうしのマナー」が、うるさいんです。

集団生活をしているから仕方ないものもあるにせよ、「自分の首を自分でしめる」感じ


前回は、手始めに熱いモノを食べた時に出る「鼻水」問題について

刑務所の「細かすぎる」食事マナー⑨・・・鼻水がたれてきたら、どうする?
にて詳しく書きましたので、ぜひご覧ください。

鼻水が出ても、すすれない、かめない、対応間違えれば工場追放で、懲罰!という

たかが鼻水で、とんでもない転落、結末になることをご紹介しました。


今回は「めん類はすすってはいけない」問題についてお話しします。

このタイトルだけで、イチャモン・理不尽のニオイがバレバレです(笑)。

「頼むから、メシくらい好き勝手に食わせてくれよ!」


1.めん類はすすってはいけない
めん類は、コストが高いのでしょうか?

刑務所では、めん類は週1回しか出ません。マズいですが一通り出ます。

そば、うどん、ラーメン、スパゲッティ、焼きそば、冷やし中華がランダムに出ます。


日本人であれば、そば、うどんに関しては、豪快にすするのが粋というものです。

ズズーッとやらないと、食べた感じがしない、ウマくないという人もいます

たしかにすするのは「無意識のうちにやる」子どもの頃からの習慣とも言えます。


そんなカラダに染みついた習慣が、刑務所では「絶対にやってはいけない」

ソバだろうが、ラーメンだろうが、めん類は「一切すすってはいけない」のです。

正確に言えば「音を立てて食べてはいけない」となります。


これって、たいしてムズカシイことではありません。

しかし、食事中にうっかり気を抜くと、つい「すすって」音を立ててしまいます。

常に「気を抜かないこと」が刑務所では大事なんです。疲れるし、メンドくせぇ。


めんの時は器を口元に持ってきて、そーっと噛みちぎるように食べます

うっかり音を出すと「おい、ズルズルうるせぇんだよ!」と怒鳴られます。

「ホント気づかいできないねぇ。気ぃ抜いてんじゃねーよ!」と説教です。


前回の「鼻水問題」でもお話ししましたが、刑務所では個性は認められません

雑居房のルールは「一番気にする人の基準に合わせて生活する」です。

つまり、一番キビシイくて、こまかい、基準に合わせないといけないのです。


週1回のめん類は平日の昼食に出るので、工場の食堂で全員で食べます。

50~70人もいて、会話もOKなのに、めん類の日はシンと静まり返ります

「音を立てないように」そーっと食べるので、しゃべる余裕などないのです。


食事の時間なのに、気を張り、神経をすり減らし、味わうどころではありません。

とにかく無事にメンを胃の中におさめること、という作業に成り下がります

スパゲッティはすすっちゃいけない、というのはわかるけど・・・


そばやうどんまで「すすってはいけない」という懲役どうしのルールに疑問でしたが

「そこまで音を気にしなくてもいいだろ?」という刑務官様の一言で動きました。

「めん類はすすってもいいんじゃないか」という話が懲役どうしでもあがって・・・


おっ?珍しい!

刑務所では、すべてがキビシイ方へ、キビシイ方へ行くのがフツーなのに

「食事のマナー」がユルくなるのか?


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2.すすっていいのはメンだけだ!
担当の刑務官様が「メンを食べる様子」の異常さに、見るに見かねて、鶴の一声

「そこまで音を立てないように、やらなくてもいいんじゃないか?」

そのおかげで、工場の懲役の古株たち、計算係、衛生係が話し合ってルールを改めた。


「これからは、めん類はすすって良い、音を立てても良いこととする」

正式に「食事のマナー」として、すすることが解禁になり、みな喜び、ホッとしました。

しかし、いざメンの日となり、メンを目の前にすると、誰もすすりません


ここは刑務所。正式に解禁されたとはいえ、ホントに大丈夫なのか信用できない・・・

何かのワナじゃないのか?

自分からすすったら「おめぇ、うるせぇんだよ!」と言われるんじゃないか?


どいつもこいつも、周りをチラチラ見ながら、誰がやるかとけん制し合っています

「おめぇら、すすって食べていいと言っただろ!やれよ!」

誰もやろうとしないので、しびれを切らした工場のボス「計算係」がすすりました。


それを聞いた工場の古株の懲役が、1人2人と続いて、すすりました。

それでもフツーの懲役たちは警戒して、すすろうとしません

ホント、刑務所に入ると人間不信になります(笑)。後でイジメられるのイヤですから。


古株たちがすするのを見た「懲役なりたて」新人が、何とマネしてすすりました

「ズッ、ズズーッ!」

周りの懲役たちはビックリです


「コイツ度胸あるなぁ、ていうかバカか?新入のくせに空気読んで遠慮しろよ!」

周りで聞いていた懲役たちは全員こう思ったハズです。

コイツ怒られるんじゃないか?と周りがヒヤヒヤしながら見守っていると・・・


「おい!おめぇ、うるせぇんだよ!」

キ、キタ―――!やっぱりすすっていいなんて、ウソなのね。あぶねぇ!

工場の古株だが20代半ばの若造が、ものすごい形相でにらみながら、注意しました


「す、すいません。すすっていいんじゃないんですか?」

「はぁ?誰が汁をすすっていいと言った?」

「い、いえ。言ってません」

「メンはすすっていいけど、汁はすするんじゃねぇよ!」

「は、はい」

「ったく、きたねぇんだよ!」

「すみませんでした・・・」

「そのくらい、気づかいしろよ!」


た、たしかに「メンはすすっていい」と言われたけれど、

「汁はすすっていい」とは一言も言われていない

だから「汁をすすって音を立てる」のは絶対にダメである

まさにイチャモン、チンピラの理屈

おそるべし、刑務所。気が抜けねぇ


まさに正論ではあるけれども、そもそもの決まりが理不尽であるだけに、何かオカシイ

この「メンをすする」問題は、汁はすすらないようメンをすすれば、解決する。

しかし、刑務所では同じような問題がゴロゴロしていて、悩まされるのです。


それは「音の潔癖症」問題です。

清潔・不潔にうるさい「潔癖症」のヤツが刑務所には結構多いと話しましたが、

「音」に関しても、異常に神経質なヤツがごく少数いて、ホントに迷惑します。


こういうヤツが、古株となり雑居の「部屋長」になると、悲劇です。

「音の潔癖症」だけあって、音に関してのルールが異常にこまかい!

もう、神経質を通り越して、イジメです。メシどころではありません。


次回は、この「音の潔癖症」が引き起こす悲劇をお話しします。

音に関する「細かすぎる」食事マナー、というところです。


ちなみに、この私、出所後もこのクセがしばらく抜けませんでした。

いまだにTVの食レポでキレイな女性がメンをすすると「うるせぇんだよ!」と

TVの前で毒づき、勝手に幻滅しています。あーヤダヤダ、「刑務所後遺症」



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タグ:食事 マナー
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