刑務所でお菓子が食える？③・・・新入りは特食を食べられません？

「刑務所でお菓子が食える」ことについて、お話ししています。

刑務所では祝日になると「祝日菜」と言って、お菓子一品が全員に配られます。

懲役たちはコレを「特食」と呼んでいます。


予算は60円、品数は１品で、ささやかなモノですが、懲役たちは大喜び。

いつも腹を空かせて、甘いモノに飢えているので、何日も前から楽しみにしています。

懲役なりたて、懲罰繰り返しの者にとっては、菓子を食う唯一のチャンスなんです。


前回までは、そんな「特食」について、どんなものが出るのかなどを

「刑務所でお菓子が食える？①・・・「特食」というシステム」
「刑務所でお菓子が食える？②・・・正月とGWは懲役たちの「祭り」です」

にて、詳しくお話ししました。アタリ・ハズレ、そして懲罰まで…ぜひご覧ください。


と、まぁ、前回までは特食にまつわる「ほのぼのエピソード」をご紹介しましたが

ココは刑務所。そんなに甘くない。

腹を空かせ、甘いモノに飢えた懲役たちが、平和に食って終わりのワケがありません。


今回は「特食」にまつわる、懲役らしいパワハラ？イジメ？を話します。

これこそが、刑務所らしいエピソードですが、どれもくだらねぇ・・・

「いい歳したオッサンたちのやることか！」と、怒らずに最後までお付き合いください。


1．新入りは特食を食べられない？
特食のお菓子は、必ず１人に１個配られて、全員が食べられることになっています。

しかし、これは建前の話。

独居房なら問題ないですが、雑居房であれば、スンナリとは食べられません。


雑居房でも、年齢が比較的上の、オッサン・ジジイ部屋なら、問題はナシ。

全員20代の若者が集まった雑居房だと、かなりの確率でヤバいんです。

まぁ、チンピラ体質の若造が集まれば、想像に難くないと思います。


早い話が、新入りは特食を先輩たちによこせ！ということなんです。

「サラ（新入りのこと）が、一丁前に特食を食うなんてどうなの？」

雑居によって、口に出すか出さないかの違いで、そんなプレッシャーをかけてきます。


つまり「特食を取り上げる」パターンにも２通りあるんですね。

①下がみかじめ料として自主的に上納

②恫喝し、世話代として強制的に徴収


ま、ジャイアンが直接ブン取るか、スネ夫が諭して取り上げるかの違いでしょう。

①の場合は、新入りが気づくように、下っ端たちが先に、特食を上に差し出します。


下「◯△さん、いつもホントお世話になってます。良かったら食べてください」

上「いいよ、オマエ食えよ」（一回、とりあえず断るのがお約束）

下「いえいえ、自分、これキライなんで」（もちろんウソで、死ぬほど食いたいが）

上「そうか？そこまで言うなら、もらっといてやるよ」


こうやって、クサい芝居が成立。

この形を踏んでおけば「ムリヤリ特食を取り上げた」ことにならないのだ。

万が一、見つかって懲罰になる事態になっても、下っ端の方が悪くなる・・・


まぁ、先輩が悪くならないように、メンドウでも必ず打つ芝居なんです。

こうしてサラ（新入り）は学び、マネをするよう無言の圧力をかけられます。

逆らってもいいことがない、とわかっているので、ほとんどがマネします。


と言うのも雑居では、先輩たち、とくに部屋長の顔を立てないといけません。

工場でトラブった時、刑務官様に願い事する時、困った時が必ず出てきます。

そんな時、多方面に顔が利く部屋長が口をきいてくれれば、たいていは解決。


まさに「長い物には巻かれろ」

特食なんか「みかじめ料」として安いモンです。

取り上げるけれど、ちゃんと下の世話をする部屋長なら、問題が起きません。


ちゃんと下の世話をしないクセに、取り上げるだけの部屋が問題なんです。

遺恨を残して、いずれもめ事になり、部屋ごと連行⇒懲罰になることも多いです。

それでは②のムリヤリ取り上げるパターンを見てみましょう。


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タグ：食事 特食 イジメ シャリあげ

刑務所でお菓子が食える？②・・・正月とGWは懲役たちの「祭り」です

「刑務所でお菓子が食える」ことについて、お話ししています。

刑務所では祝日になると「祝日菜」と言って、お菓子一品が全員に配られます。

懲役たちはコレを「特食」と呼んでいます。


予算は60円、品数は１品で、ささやかなモノですが、懲役たちは大喜び。

いつも腹を空かせて、甘いモノに飢えているので、何日も前から楽しみにしています。

懲役なりたて、懲罰繰り返しの者にとっては、菓子を食う唯一のチャンスなんです。


前回はそんな「特食」について、出るモノや、人気・不人気をご紹介しました。

「刑務所でお菓子が食える？①・・・「特食」というシステム」

にて、特食のイロハを詳しくお話ししています。ぜひご覧ください。


「特食」は一品しか出ないので、すぐ食べ終わってしまい、むなしさが残りますが

年に２回、ゴールデンウイークと正月だけは、別。

祝日が連日続くので、特食が毎日出ちゃうワケです。


懲役たちにとっては、まさに「祭り」で、フィーバー期間、ハレの日です。

今回は、そんな「ゴールデンウイークと正月の特食」についてお話しします。


1．連日お菓子が食える「祭り」期間
祝日が連日続く、ゴールデンウイークと正月は、懲役たちにとって最高の期間です。

それは「連休」で作業が休めるからではなく、「特食」が連日食えるからです。

ゴールデンウイークは４日で４回、正月は３回分をまとめて、特食が出ます。


正月を祝日何日分とカウントしているのかが、結局わかりませんでした。

刑務所のカレンダーを見ると、1月1・2・3日が祝日マークになっていることと

大みそかの日に、いっぺんに出される特食の量が3回分相当なので、この予想です。


とにかく多けりゃ、そして甘けりゃ、懲役たちは何でもいいのが本音です。

ゴールデンウイークと正月の前には、懲役たちはヒマなので必ずこんな会話をします。

「お菓子が毎日食えるね」

「いやぁ、幸せだねぇ」

「何が出るんだろうね？」

「いやぁ、量が多いヤツがいいな」

「やっぱ、クッキーかな？」

「いやぁ、甘いヤツがいいよね」


オッサンたちが、まるで小学生のように、お菓子の話を真剣にしているのです。

たかが小さなお菓子一袋を食べられるだけで「幸せ！」とか言っちゃうんですよ。

「ムショ慣れ」しているんでしょうが、完全に刑務所にコントロールされちゃってる。


「そんなに幸せのラインが低くていいのかよ？いいオッサンが恥ずかしい！」

こんなことじゃシャバに戻った時、ゼッタイヤバいよ、と内心軽蔑しているんですが、

寝る時フトンの中で「どんなお菓子出るのかな？」と自分も同じこと考えています。


何が出るかは、刑務所によって、その年によって変わるので、予測不可能です。

しかし、私のいた刑務所では、5月5日と正月の特食は、ほぼ毎年固定でした。


5月5日は「子どもの日」なので、わかりやすいと思います。

毎年「かしわもち」が出て、終わり。一口で食べ終わってしまうんで、さみしい…

これは別の刑務所でも「かしわもち」が出ており、同じ所が多いらしい。


しかし、入った頃は「かしわもち」が２個出ていたのに、いつの間にか１個に・・・

小さいのが２個出ていて、そのうち大ぶりの１個に変わったのか？

それとも「食い意地を張り過ぎて」２個出ていたとカン違いしているだけなのか？


特食は、物価は上昇しているのに予算は変わらないので、縮小傾向なのです(笑)。

まぁ、子どもの日＝かしわもちは当然すぎて、オモシロくないので終了。

サイズも小さく、１個なので、懲役たちもさすがに変わった食い方をしません。


一方で、正月はちょっとクセが出ていて、オモシロい。

年末30日か31日にまとめてドサッと、特食のお菓子が配られます。

それを正月の3日までに、好きなペースで食って良いワケなんです。


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タグ：正月 特食 食事

刑務所でお菓子が食える？①・・・「特食」というシステム

前回まで「刑務所の食事」について、続けてお話ししていました。

まだまだ聞いていただきたい「ムショめし」のネタはあるんです。

食事のマナー、イジメ、メシをめぐるもめ事、ケンカ・・・などなど


しかし前回、「正月の食事」について、おせちやモチをご紹介しました。

となると、正月ネタに「特食」の話を避けては通れないのです。

懲役たちの正月の「三大楽しみ」と言えば、おせち、モチ、特食ですので・・・


正月の食事については、前回までの記事
おせち料理：「刑務所の食事のウワサ⑨・・・ムショでまさかの「おせち料理」」

モチ：「刑務所の食事のウワサ⑩・・・正月のモチにまつわる話」

銀シャリ：「刑務所の食事のウワサ⑪・・・正月は銀シャリ出るけれど、不人気なワケ」
にて、詳しく書きましたので、ぜひご覧ください。


今回は「特食」という、刑務所で出るお菓子についての話です。


1．「特食」のために懲役やってます
刑務所では、年に十数日ある祝日に「祝日菜」というモノが、食事と別に出ます。

これを懲役たちは「特食（とくしょく）」と、呼んでいます。

刑務所のありがたい配慮で「お菓子が１品」支給されるのです。


少し前の話では、祝日１回につき１人60円の予算がとられているとのこと。

イメージは「100円のお菓子が１袋出る」という感じです。

まさかの刑務所サプライズ！

腹を空かせ、甘いモノに飢えた懲役たちが喜ばないワケがありません。


そしてこの「特食」のスバラシイ点は、収容者には誰でも支給されるということ。

（あっ！懲罰を受けている最中の受刑者は例外ですが・・・）

懲役なりたてだろうが、懲罰を何度も受けている者だろうが、全員もらえる。


「集会でお菓子が食える」のもホントですが、これは優遇区分が上がってからの話。

懲役をマジメに勤めて、最低でも半年過ぎないと、この権利は得られません。

素行が悪くて懲罰を繰り返しているヤツは、永久に集会で菓子は食えません(笑)。


だから、新入りや懲罰クンにとっては、お菓子が食える唯一のチャンスなんです。

「いいオッサンたちが、たかがお菓子にみっともない」

私も最初は思いましたが、制限され、飢えた生活だと、死ぬほどお菓子を食いたい！


その月に出る「特食のお菓子」のことで、2～3週前から頭が一杯になるのです。

出所後の今、あんなに食いたかったお菓子を見ても、何も思わない・・・

「なんであれほど、お菓子に執着していたんだろう？」恥ずかしい思い出です。


全員にタダで配られる「特食」は退屈な懲役生活において、希望の星です。

「やったよ！来月の特食はクッキーだよ！」

月末に配られる翌月のメニュー表を見て、オッサンたちが無邪気にはしゃぎます。


オッサンが「お菓子」ではしゃぐのは不気味ですが、ポイントを突いているんです。

それは「特食」にも、アタリ・ハズレがあるということなんです。

次に「特食」とは、どんなものが出るか、ざっとご紹介しましょう。


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タグ：食事 特食

刑務所の食事のウワサ⑪・・・正月は銀シャリ出るけれど、不人気なワケ

「刑務所の食事」について、続けてお話ししています。

今回で、年に一回の「正月の特別なメニュー」の紹介も最後。

前回までは、おせち料理の折詰め、モチ、と紹介してきました。

まさかの刑務所でおせち料理やモチが出る話は
「刑務所の食事のウワサ⑨・・・ムショでまさかの「おせち料理」」

「刑務所の食事のウワサ⑩・・・正月のモチにまつわる話」
にて、詳しくお話ししています。ぜひご覧ください。


刑務所によって違うものの、おせち料理もモチも出るが、それ以外のメシはどうか？

年に一回の「ハレの日」に合わせて、オカズも良いモノになるのか？

麦メシじゃなくなって、白いメシになるのか？


今回はそんなところをお話ししたいと思います。


1．正月は「銀シャリ」が出る？
元旦の朝だけは、起床が８時、朝食８時半ごろ、と遅くなります。

シャバの「寝正月」というワケではありません。

大みそかの夜だけは深夜0時過ぎまでTV視聴がOKなので、朝も遅くなっただけです。


実は「おせち料理の折詰め」と「モチ」以外にも、楽しみにしているモノが！

それは「銀シャリ」・・・平たく言えば、麦メシではなく100％コメの白いメシ。

正月の三が日だけは、「銀シャリ」が出るという。


懲役なりたてのころは、麦メシにウンザリしていたので、銀シャリはありがたい！

「正月って、白いメシが出るんですよね！？」

懲役の先輩たちに、コーフンしながら尋ねると、意外に冷静な返事なんです。


「うーん、そうだね。白いメシが出るね・・・」

「楽しみっちゃあ、楽しみなんだけど、それほどでもないよ」

あれっ？年に一回の「銀シャリ」なのに、みんなテンション低いなぁ！


おせち料理やモチと比べれば、白いメシなんて地味でかすんじゃうのか？

おせちやモチや特食のお菓子に心を奪われて、白いメシなんてどーでもいいのか？

しかし、そのワケは正月に「銀シャリ」が出たら、すぐにわかりました。


まず、正月の１～３日の計９食、すべて「銀シャリ」が出るのはホントでした。

シャバでの「銀シャリ」は、真っ白で、粒が立ち、つやつや、ホカホカなおコメのハズ

ところが、モッソウ（物相：ご飯茶わんのこと）のフタを開けると、ちと違う！


銀シャリなのに「真っ白」じゃない！

ベチャっとして「モチ」みたい！

食べたら、いまいちウマくない！


たしかに、コメ100％の「銀シャリ」には間違いないんだが、何だろうこの違和感。

「また、刑務所にダマされた！」

シャバでの銀シャリ、イメージしていた銀シャリとは、だいぶ違うのである。


オカシイ、こんなはずじゃなかった、どうしてなんだ・・・

正月早々、メシを食いながら、軽くパニックに陥るという事態に。

必死に「ウマくない銀シャリの理由」を考えてみた。


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タグ：都市伝説 食事 正月

刑務所の食事のウワサ⑩・・・正月のモチにまつわる話

「刑務所の食事」について、続けてお話ししています。

今回も「正月」のメニューをご紹介します。

前回がおせち料理だったので、今回は「モチ」でしょう。


刑務所のモチってどうやって出るのか？どうやって食べるのか？

そうなると、麦メシってなくなるのか？正月くらい白いメシになるのか？

元旦の朝食に配られる「おせちの折詰め」以外はフツーのメシなのか？


そんな正月のメニューについて、今回はまず「モチ」についてお話しします。


前回は「ムショのおせち料理」についてお話ししました。

「刑務所の食事のウワサ⑨・・・ムショでまさかの「おせち料理」」

まさかムショでおせちが食えるとは！ぜひ、ご覧ください。


1．意外とマトモなムショのモチ
日本の正月のメニューと言えば、おせち料理と「モチ」ではないでしょうか？

おせち料理は出なくても、モチがあれば正月気分が味わえる！

麦メシに飽き飽きしているので、３食ともすべて「モチ」出てくれ！と思いました。


実はこれも刑務所によって回数が違うのですが、モチは出ます！

正月1日、2日、3日の昼食時、つまり３回も出してくれるところもあります。

サ◯ウの切り餅を、少し小さくしたサイズのモチが１人２個出ちゃいます。


さすが正月、なかなかやるな！と思ったことがいくつもあり、

①ちゃんと焼かれ焼き目もついている

②ほのかに温かいうちに食えること

③まだやわらかいうちに食えること

こんなこと、シャバでは当たり前、最低条件ですが、刑務所ではこれすら奇跡的。


まず、わざわざ焼いてあることにビックリしました。

いつもなら、食べるころにはもうすっかり冷え切っているからです。

冷え切ったモチは硬くなってしまうから、どうやって食べようか心配していたんです。


お茶くらいしか熱いモノがないので、ぶっかけて戻して食おうかとか・・・

口の中に入れて、アメのように舐めて、徐々に戻して食うしかないのか？とか・・・

正月早々、オッサンたちはそんなことに頭を悩ましているのでした。


だから、ほのかに温かく、やわらかいモチが配られたので、ちょっと感動です。

これをどうやって食うかと言いますと・・・

①雑煮 ②のりモチ ③ぜんざい

この３つが１日１つずつ出てくるというワケです。


①の雑煮は、野菜の具が入った汁物が配られるので、そこにブチ込んで食う。

②の「のりモチ」は毎回朝食で出る味付けのり(５枚入り)としょうゆの小袋１つ。

あのちっちぇーのりでどうやってモチを巻くんだ？という感じですが、仕方ない。


③のぜんざいは、刑務所では1～2ヶ月に1度は出る定番の人気メニュー。

というワケで、既存のメニューを活かして、正月っぽいメニューにしています。

「のりモチ」とかムムッ？という感じですが、出してくれるだけありがたい。


それを考えれば、刑務所の既存のメニューを活かすと、その他にも

きな粉モチ、あんこモチ、納豆モチ、おろしモチなんかはできちゃいます。

でもＮ刑務所は毎年この雑煮、のり、ぜんざいが不動のレギュラーでした。


毎年これを繰り返していれば、これが常識だと思うのが人間。

しかし、刑務所によって全然違い、キビシイ所もあるんです。

実は正月にモチ３回というのは、かなり良い扱いだと思い知ったのです。


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タグ：食事 都市伝説 正月

刑務所の食事のウワサ⑨・・・ムショでまさかの「おせち料理」

「刑務所の食事」について、続けてお話ししています。

今回は「正月」のメニューをご紹介します。

一年に一度の「ハレの日」であり、完全に別モードに入ります。


前回までは「季節の行事のスペシャルメニュー」をご紹介してきました。

節分、ひな祭り、クリスマスなど、何か一品プラスされる、ウレシイ日があります。

その中でも「正月」は格が違います。


予算も750円程度、別枠で確保されており、他の行事とは力の入れようが違います。

正月と言えば「おせち料理」「モチ」ですが、これが刑務所でも出るんです。

さぞかし豪華なイメージをされているかもしれませんが、そこは刑務所。


高価で、ウマいもんを、腹いっぱい食えると思ったら大間違いです。

しょせんは「ムショめし」

量も、質も、中身も、冷静になってみると「また、ダマされたよ！」です。


どうもシャバでは「刑務所の正月は豪華らしい」とカン違いされているようです。

今回はその中身を詳しくお話しし、誤解を解きたいと思います。

「なんだそんなもんか」「やっぱりシャバの方がいい」と感じて下されば幸いです。


前回は「大みそかのメニュー・年越しそば」について
「刑務所の食事のウワサ⑧・・・ムショで年越しそばは食えるのか？」
にて、詳しくお話ししましたので、ぜひご覧ください。


1．おせち料理は出るのか？
「刑務所でおせち料理なんか食えるわけがない」最初はそう思っていました。

「受刑者に、おせち料理なんて食わせる必要はない！」とシャバの人も言うでしょう。

ところが、刑務所は「日本的な季節の行事」を大事にするんですよね。


だから「正月」は大事にされていて、おカネもかけている。

「おせち料理」が出ちゃうんですよね。

刑務所でおせち料理が出るなんて、スゴイことだな。うーん、ゼイタク！


しかし、おせち料理って、組み合わせによっては、必ずしも高級食材ではない。

伝統的なおせち料理の「高級食材」って、エビと数の子くらいかもしれない…

見栄えが良いだけで、「日持ちのする」「割と安い」食材で埋められますよね。


だって、紅白のなますと紅白のカマボコで埋めても「おせち料理」でしょう？

これならば、かなり安く抑えられるし、外注せずとも刑務所で作れちゃう。

「おせち料理」というコトバでダマされてはいけない。問題はその中身です。


たしかに、刑務所側も説明の時「おせち料理」とは一言も言っていないんです。

メニューにも「正月折詰」とか、単に「折詰め」としか書いていない。

だから何が入っていようとも、文句は言えないんですねぇ。


「今年のおせち料理は、おせち料理らしいものが入っていないじゃないか！」

と、官に苦情を言ったところで、まったくのムダ。

「は？誰がおせち料理を出すって言った？カン違いするんじゃねぇ！」と一喝です。


憎たらしい・・・さすが刑務所、屁理屈？逃げ道？がウマいな。

それよりも、肝心のおせち料理をサッサと紹介しましょう。

実は「折詰め」も刑務所によって、年によってバラツキがあるんです。


せっかくですから「一番良かった」おせち料理をご紹介しましょう。

元旦の朝食の時に配られますが、容器は「コンビニの幕の内弁当」の大きさです。

まさか重箱で２段、３段で出てくるなんて思ってませんよね？刑務所ですよ！


「なんだよ！これじゃあ弁当じゃねぇかよ！」

シャバっ気が抜けていない懲役初心者は、この大きさに文句タラタラです。

だから、ココは刑務所だって―の。おせち料理出るだけ上等。


問題は中身ですから。中身はどうなっているかと言うと・・・


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タグ：食事 都市伝説 正月

刑務所の食事のウワサ⑧・・・ムショで年越しそばは食えるのか？

「刑務所の食事」について、続けてお話ししています。

不自由で単調な刑務所生活において、マズくても食事は楽しみなモノです。

甘シャリ、めん類、パン食の日は、その話で懲役たちは盛り上がります。


何年もいれば、メニューは何周もして、その中身はわかっているのに、期待する。

出てから、そして食べてから「こんなもんか」とガッカリするのに、期待する。

そんなことを毎回毎回繰り返す。だから刑務所にも入っているんでしょうけど・・・

懲役たちはホント、おバカです。


その期待が一番高まり、テンションがMAXになる時・・・

それは、年末年始の食事

暮れと正月は、たしかに普段とは違ったメシになり、豪華にもなるんです。


と言っても、ムショめしですから、たかが知れてんですよ！

でも普段が粗末でマズいモノなので、飢えた懲役たちはハンパなく、期待する。

去年の年末年始の食事の記憶が脳内で美化されて、やたら「豪華」になっちゃう。


そんな、脳内と現実のギャップが激しい「年末年始の食事」についてご紹介します。

まず今回は、「大みそかの食事風景」についてお話しします。

気持ちよく年越しを迎えられるか、ガッカリして「ふて寝」することになるのか？


前回は、「季節の行事のスペシャルメニュー」の一連のお話
「刑務所の食事のウワサ⑦・・・ムショでクリスマスパーティー？」
にて、クリスマスのメニューについて詳しくご紹介しました。ぜひご覧ください。


1．ムショで年越しそばは食えるか？
刑務所では、年末年始は世間と同じく、12月29日から1月3日まで正月休みです。

作業がなくて、ラクでいいかと思ったら、「ツラい」の一言でした。

ほぼ一週間、舎房と言う名のオリに閉じ込められっ放しですから・・・


正月休みの間に２回、フロに入る時だけ「オリ」から出られるチャンスです。

が、フロと言っても15分間ですし、外に出るワケではありません。

雑居なら、24時間ずっと一緒が一週間も続き、ホント息が詰まりそうになります。


そして、暖房などない環境ですから「とにかく寒い」

じっと座って読書とか、寒すぎてカラダが持たないんです。集中できない・・・

せっかく一週間の休みがあっても、有効に使えないんです。持て余しちゃう。


オッサンらに囲まれ、ずっと閉じ込められ、寒さで読書すら楽しめない環境なんです。

となると、残る楽しみは「年末年始の食事」と「年末年始の特食」だけです。

正月のメニューと特食のお菓子については、次回お話しします。


今回のお話は「大みそかのスペシャルメニュー」に、ついてです。

正月は３度の食事のメニューもお祝いモードでグレードアップするんですが

残念ながら、大みそかの食事のメニューは、通常と変わりません。


ところが、一つだけ希望があります。

それは「年越しそば」が出るということなんです。

てっきり夕食が「年越しそば」になると予想し、夜中の空腹を心配していました。


が、刑務所にしては珍しく、良い方に予想が裏切られました。

夕食はいつも通り16時（まだ夜じゃねえって!）だが、なんと別にソバが出るという！

17時に年越しそばを出すと言う。17時でも早いが、別に出すだけでもありがたい。


さらに、ウレシイことに「カップそば」らしいというウワサなのです。

刑務所にいると、普段の食事が極端にうす味なので、「濃い味付け」に飢えています。

レトルト、インスタント・・・シャバの味が大変貴重です。


だからカップラーメンなんて、ごちそうです。

「カップそば」が出ると聞いて、濃い汁を思い出し、テンション上がりまくりです。

「ウフっ。緑のたぬきかな？どん兵衛かな？」勝手に予想して盛り上がります。


みなさんも「カップそばが出る」と聞いたら、この２つがまず思い浮かびますよね？

そして、カップそばなら定番は「天ぷらそば」だと思うんです。

ところが、ココは刑務所、甘かった！


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タグ：都市伝説 食事 正月

刑務所の食事のウワサ⑦・・・ムショでクリスマスパーティー？

「刑務所の食事」について、続けてお話ししています。

刑務所は意外なことに、花見や正月など、季節の行事を大事にします。

ここら辺が、おカタイけれど日本の刑務所、官の良いところと言えます。


ただ、管理・監督がメンドウですから、季節行事でイベントをやるのは花見くらい。

ではどこで季節の行事をアピールしてくるかというと、食事のメニューです。

ウマくもなく、豪華でもないですが「季節の行事のスペシャルメニュー」は小さな幸せ。


前回はその前編ということで、節分・ひな祭り・バレンタインデーについて

「刑務所の食事のウワサ⑥・・・行事ごとにスペシャルメニューがある？」

にて、詳しく書きましたので、ぜひご覧ください。


今回は、その後編としまして、クリスマスを中心にお話しします。

出るメニューに驚き、というよりも、懲役たちの斬新な「食べ方」に驚きです。


1．その行事のメニューは存在する？
季節の行事はひと月に１回くらいの割合で、存在すると言えます。

２月なら節分、３月ならひな祭り、４月なら花見、といった感じです。

毎月毎回行事のたびに「スペシャルメニュー」が出れば言うことないんですが・・・


やはり刑務所、毎月季節行事のたびに出るワケがありません。

お彼岸：おはぎが・・・出ません！昔は出たらしいです。

月見：ダンゴが・・・出ません！ちょっとムリか。

ハロウィン：お菓子が・・・出るワケがない！日本の刑務所ではムリ！


というワケで、出るのは、前回紹介した節分、ひな祭りに加えて、

端午の節句（こどもの日）：柏もちがでますが、祝日の特食として出ます。

花見（４月）：工場ごとに外に出て、どら焼きと缶コーヒーで、15分花見をします。

お盆：3日間休みとなり、昼食に冷たいココアとくずきりが出る。


お盆になぜ、ココアとくずきりなのか？まったく不明だが、毎年コレだ。

あとは、後ほど紹介する、クリスマス、正月、とそんなに回数はないです。


2．刑務所でクリスマスパーティー？
懲役なりたての頃、刑務所ではクリスマスは豪華な食事になるウワサを聞きました。

「どうやらショートケーキが出るらしい」

「かなり大きな照り焼きチキンが出て、食い切れないらしい」


今となって考えると、こんなウソを信じたことが恥ずかしいですが、コーフンしました。

「そうか！年末だし、刑務所でも１年に１回くらいは豪華なメシが出るんだ！」

どうして、こうも懲役というのは自分に都合よく考えるのでしょうか？


大きなチキンは出るワケがなく、別の日にひっそりと「鶏のから揚げ」が出ました。

ケーキを前に、みんなでパーティーをするワケもなく、いつもの昼メシです。

昼メシの時に、ケーキが一品付くだけ


残念。１年に１回の豪華なメシは正月で、クリスマスは大したことがありません。

しかし、クリスマスに合わせて「ケーキ」が出るのは、本当でした。

笑ってしまうのは、懲役たちの行動です。


その日は朝から全員「昼にケーキが出る！」とソワソワしています。

「味わって食うんだ！」とか言っていたクセに、いざ昼メシの時になると・・・

いつも通り、猛然と食べ始め、ものの５分で食べ終わってしまう。どうして急ぐ？


味わって食うほどのケーキではありませんが、もう少しゆっくり食べればいいのに。

実はこのケーキ、刑務所によって、年によって、全然違うモノが出るんです。

ケーキと言うと、すぐ思い浮かぶのが「イチゴのショートケーキ」でしょうか？


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タグ：食事 都市伝説 行事

刑務所の食事のウワサ⑥・・・行事ごとにスペシャルメニューがある？

「刑務所の食事」について、続けてお話ししています。

シャバに出回る「ムショめしのウワサ」の誤解を解きたい、と思って書いています。

実際の刑務所の食事は、粗末で単調なモノです・・・


「人間が食うモノではない！」と言うほどヒドイ食事ではないけれど、

かと言って「ウマい」わけでも「豪華」でもない。

さすが日本の刑務所、メシも「生かさず、殺さず」だなという感じでしょうか。


また「栄養バランスが取れていて、健康的」だなんて言われますが、どうして？

それはゼッタイに違います。


生野菜などはなく、明らかにビタミン不足だし、

炭水化物にかたよっていて、明らかにタンパク質が不足しているし、

トータルでカロリーを取り過ぎないから、結果として「やせる」だけのこと。


だから「健康的」に見えるだけの話

さんざん暴飲暴食してきたメタボなオッサンが「やせる」＝「健康的」とカン違い

筋トレしてもマッチョにはなれないし、肌はガサつくし、健康的じゃないです。


と、まぁ、さんざんコキ下ろしてきましたが、今回も良い面の話をしましょう。

刑務所は「花見」とか「正月」とは季節の節目の行事を、意外と大事にします。

そんな時「スペシャルメニュー」が、食事でも出るんですね。


今回は「季節の行事のスペシャルメニュー」について、ご紹介します。


1．季節の行事のスペシャルメニュー
前回「刑務所の食事のウワサ⑤・・・ムショのナンバーワンメニューとは？」

にて、昔は土用の丑の日に「ウナギのかば焼き」が出たというお話をしました。

それがまさに「季節の行事のスペシャルメニュー」なんです。


刑務所は食事に「オマケ」をつけて、受刑者にヤル気を起こさせようとするのか？

それとも、季節感を忘れないようにさせるための粋な計らいなのか？

正月、節分、ひな祭り、盆にクリスマス・・・ちょっと良いメシになるんです。


春分の日などの祝日は、それとは別に「祝日菜」と言って、別にお菓子が出ます。

懲役たちは「特食」と呼んでいますが、予算60円ほどで、全員に配られます。

たった一品、ごくわずかな量ですが、オッサンらは指折り数えて楽しみにしています。


この「特食」については、また後日まとめてお話ししたいと思います。

今回の話題も、正月だけはご紹介する内容が多いので、次回にでもお話しします。

今回はそれ以外の「季節の行事のスペシャルメニュー」をご紹介します。


①節分
節分と言えば「豆まき」。 いや、刑務所で豆まきってブラック過ぎますよね～

「鬼は～外！ 福は～内！」って言いながら、お家では豆をまきますが・・・

鉄格子に金網の網戸が固定され、開かずの窓から豆なんかまけるワケがないし…


そもそも、刑務所で「福は内」って、コッチは内じゃ困るんだよ！

一刻も早く外へ出たいんだ！

刑務所は、日本で唯一「鬼は内、福は外」という、例外の場所ですから！


それはさておき、「節分では豆が出る」というウワサは聞いていたので期待した。

味気ない大豆か？それとも北海道みたいに落花生か？

まさか麦メシの代わりに「年齢の数だけ、豆が配られる」とかじゃないよな？


実際は「甘納豆」の小袋が一つ

うえっ？甘納豆？豆まで「甘シャリ」？ 甘いモノで攻めてくるのかよ！

甘納豆という完全に「昭和」な発想だし、シャバでは見向きもしなかった食べ物だ。


ところがどうだろう。刑務所にいるからだろうが、しみじみウマい。

また、甘納豆が配られたせいでオカズ一品減らなかったので、心の底からホッとした。

夕食時に配られた甘納豆は、就寝前までに食べればOKで、ゆっくり食べられる。


節分という寒い季節、少しでも腹を満たされると、何だかカラダが温まる。

別の懲役仲間に確認すると、豆など出ない刑務所もあるとのこと。

つまりこの刑務所の粋な計らい、配慮ということで、出るだけありがたいです。


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タグ：食事 行事 都市伝説

刑務所の食事のウワサ⑤・・・ムショのナンバーワンメニューとは？

「刑務所の食事」について、続けてお話ししています。

実際は、質素で、単調で、そこそこマズい、つまらない食事です。

でも、シャバではありえない「かたよった」メニューがたくさんあります。


前回は、やたら出てくるメニューをご紹介しました。
「刑務所の食事のウワサ④・・・一番出てくるメニューは何なのか？」
にて、詳しく書きましたので、ぜひご覧ください。


シャバの方がイメージする「ムショめし」の誤解を解きたいなと思い、書くのですが

特徴を書いているつもりでも、悪いところばかりあげて、ディスってばっかりです。

が、しかし、今回は、そうなりません。


今回は、やや主観が入ってしまいますが「ムショのNo.1メニュー」をご紹介します。

受刑生活中、毎日のように懲役どうしで話し合ったことなので、一応多数の意見です。

結局のところ「シャバの食べ物には、かなわない」ですが、読んでやってください。


1．幻のNo.1メニュー
刑務所で出るメニューでは「ウナギのかば焼き」がNo.1ではないでしょうか？

味はもちろん、言うことなし。ウマい。

豪華という意味でも、滅多に出ないという意味でも、ズバ抜けているでしょう。


年に１回「土用の丑の日」に合わせて、暑い夏の夕食に出ました。

真空パックに入ったウナギは、シャバの味そのもの

「まさか刑務所に来て、ウナギが食べられるとは！」ちょっとした幸せです。


と、まぁ、絶賛して事実を書いてみましたが、実際はそんなに甘くない・・・

まず、現在ウナギの値上がりによるものなのか？廃止されてしまいました。

今はもう出ない。「昔は良かった！」幻のメニューになってしまいました。


真空パックに入って、シャバの味なんですが、なんせサイズが小さい。

名刺ほどの小さなサイズに、ゼッタイに国産ではない薄っぺらさ。

安いウナギにありがちな、小骨が引っ掛かり、皮がカタイというヤツです。


「刑務所でゼイタクだ！何をワガママを言う！」

「食わせてもらえるだけ、ありがたいと思え！」

そんなお叱りの声が聞こえてきますが、それならばもう少しボリュームが欲しい。


麦メシの多さに対して、ウナギがあまりに小さいため、麦メシを持て余して困る。

「だったら、もうちょっと安いモノでいいから、お腹いっぱいになりたい！」

そんなバチ当たりなことを言っていたら、ホントにウナギが廃止になっちゃった。


その代わりに「土用の丑の日」に出るようになったのは「カルビ丼の具」

レトルトの味付け焼肉だが、牛肉がポイントが高い。そして量もフツーにある。

うす味に慣らされた懲役たちには「タレの味付け」がビックリするくらい濃い！


「肉の脂」「濃い味付け」懲役たちが喜ぶ要素がギッシリです。

刑務所の粗末な食事を食べていると、何に飢えるかハッキリわかります。

①揚げ物、脂身、つまりアブラ

②甘いモノ全般、つまり砂糖

③とにかく濃い味付け

人間って糖分・脂肪が「ウマい」と感じるんだ、と体で痛感します。


だから、この「カルビ丼の具」は２つの要素を満たすので、ウマいに決まってます。

味付け濃いからメシは進むし、シャバのマトモな牛肉は食べられるし、大好評。

袋に麦メシをブチ込んで、袋についたタレをなめるように取って食べる者が続出。


高級感はあまりないですが、ウナギより満足度は高いです。

となると、これがNo.1メニューか？と思うのですが、周りに尋ねると違いました。

ウナギでも、レトルトのカルビ丼でもない、意外なメニューがNo.1でした。


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