「刑務所のフロ事情」について、続けてお話ししています。
もう10回目なのですが、まだご紹介したいお話がありまして…お付き合いください。
今回は
「刑務所の入浴グッズ」について、
小ネタをお話ししようと思います。
1.ぞうきん?でカラダを洗う受刑者
以前にも書きましたが、
刑務所のフロには持ち込めるモノが少ない!
許可された入浴グッズは、たった4つ。
①タオル1本
②シャンプー
③石けん
④石けん箱
コレ以外は、基本的に入浴場の中には持ち込めないのです。
えっ?
バスタオルですか…? そんなモン、刑務所には
存在しません。
身体を洗うも、身体を拭くのも、フツーのタオル、これ1本。
だから
2~3ヶ月で小汚く、ボロボロになってしまいます。
で、ちょっと迷惑なのが、この汚くてボロボロのタオルを使い続ける懲役仲間。
向こう側が透けるほど布がすり減り、白の布は茶に汚れ、干すとやけにクサい。
「んなモン、さっさと新しいヤツに買い替えろ!」と言いたいのですが・・・
このタオルが「
官物(かんぶつ)」だと、そうはいかない。
刑務所では、最低限のモノは支給・貸与され、コレを「官物」と呼びます。
タオルも「官物」があり、「持っていない」と言えば、もらえるんです。
が、しかし、
もらえるのは3カ月に1度。
それまで交換はダメ。150円程度で私物を購入できるので買えばいいのですが…
官物タオルを使うのは、手持ちのカネがない
「ゼロ銭のジジイ受刑者」がほとんど。
ゼロ銭のジジイ受刑者は、
カネをケチり、官物タオルを使い倒すのです。
ホントにカネを持っていないジジイ受刑者に
「買い替えろ!」とは言えません。
ゼロ銭のジジイ受刑者は、
ぞうきんのようなボロタオルで今日もフロに入ります。
2.ボウズのくせにリンスにこだわる
そして
シャンプー。ゼロ銭のジジイ受刑者は、シャンプーなんか持っていません。
シャンプーは
「必要最低限」のモノに含まれず、官物として支給されません。
だから、
ゼロ銭のジジイ受刑者の入浴グッズは、さらに少ない「たったの3点」
まぁ、
受刑者はほぼ全員ボウズ頭なので、シャンプーも必要ないかもしれませんが…
それでも受刑者は
頭皮を気にし、シャンプーを使う者がほとんどというのが泣けます。
刑務所で購入できるシャンプーは、
2~3種類くらい(施設によって違います)。
中には
「リンスインシャンプー」があり、コチラが
人気なんですよ。
「ボウズのくせに、リンスなんか必要ないだろ!」って、思われて当然でしょう…
そしてシャンプーは、
舎房(各自の部屋)
において、刑務官様の監視の目がキビシイ!
「夏場の暑い時に、舎房でコッソリ頭を洗うのを監視しているんだろ?」
コレも正解ですが、
それよりもうるさいのが「便所に使うな!」
以前の記事で、ウォシュレット代わりに使って、懲罰喰らった話をご紹介しました。
(「
刑務所の夏(7)・・・「ウォシュレット」で暑い夏を乗り切る?」)
シャンプーの
カラ容器に水を入れ、それを排便後のケツにピューッとまき散らす。
うーん、痔になりやすい
懲役の知恵。いえいえ、コレはダメ。
懲罰モンです。
今回の話は、便所掃除の際に、
シャンプーを洗剤&芳香剤代わりに使うこと。
コレを刑務官様は怒るんです。
▼借金問題に専門特化した妥協なき債務整理!
元受刑者の私でも作ることができた、太っ腹!な楽天カードはこちらからどうぞ↓↓
(続きを読む)
↑↑懲役生活は何といっても本がありがたい!楽天ブックスはこちらからどうぞ↑↑
3.シャンプーでタタミを洗います
夏場になると、便所はとくにニオイます。
ドアの仕切りがある雑居房はまだしも、
独居房はニオイが直接来ます。
ご存知の方も多いでしょうが、独居房は
便所と食う・寝るスペースが一緒。
3畳一間という狭い空間に、
仕切りもなく便器があるので、
ロコツにニオイます。
ですからニオう夏場は、毎日のように入念に便所掃除するのですが・・・
古い建物の刑務所は、
いくら掃除をしても、プーンとニオってくるからツラい!
一番ツラいのが、休日の夕食時でしょう。
カーテンもなく、西日がモロに差し込む舎房は、まさに
「温室」
そのような暑い舎房で、なんと
16時には、もう夕食を食うのです。
腹が減っているのに、メシが食えない。汗だけが出ていく。夏バテです。
その上、
便器からはプーンとクサいニオイが漂い、追い打ちをかけます。
まさに
「クサいメシ」 何とかニオイだけでもどうにかしたい!
となると
「芳香剤がわりになるモノ⇒シャンプー」を便器に撒いておくのです。
ところが刑務官様は
「目的外使用だ!反則行為だ!懲罰だ!」と、ウルサイ。
自費で買うシャンプーなので、この程度は大目に見て欲しいのですが…
が、さすが刑務所。
上には上がいます。
便所にシャンプーなんか、カワイイもの。
舎房のタタミにシャンプーをブチまけて、拭き掃除をするツワモノがいました。
そんな発想をされるのは、日本人ではなく、お隣の大きな国の方でした…
せまい3畳とは言え、タタミ全体をシャンプーで拭きまくれば、
ニオイがプンプン。
ちゃんと拭いてくれればまだしも、掃除が大ざっぱで、拭き取っていないようでして…
タタミをシャンプーで洗うなんて、さすが大陸的発想!
気づいた
刑務官様はあわてて、もう、お怒りです。
「オメェ、部屋がシャンプーくせぇじゃねぇか!何やってるんだよ!」
―――タタミのソウジをシマシタ。
「あぁん?シャンプー使って、拭いたのか?」
―――ソウデス。キレイにナルし、ニオイもヨクナッテ、ベンリね。
「あぁん?シャンプーを掃除に使うな!目的外使用で懲罰だぞ!」
―――ベンジョがクサイカラ、シャンプーツカッタ。ドウシテ、ダメ?
「あぁん?ココは刑務所なんだよ!決まりを守れ!」
―――ソウジしてナゼオコラレル?シャンプーもワタシガ、カッタヨ。
「官物・私物の問題じゃねぇ!タタミもベトベトしてんじゃねぇか!」
はぁ・・・
外国の方には「日本の刑務所のしきたり」が通用しないのか?
それとも、懲罰を逃れるために
「すっとぼけ」ているだけなのか?
日本人受刑者ならば、連行⇒懲罰だが、刑務官様もあきれて、
誓約書でオシマイ。
ちなみに入浴グッズには、「あったらいいな」と思う
スポンジやネットもありません。
ただ、施設によっては無事故無違反を続け、
優遇区分2類に上がると「特典」が!
(優遇区分2類は2~3年無事故無違反を続けていれば、おおむね上がれます)
昔なつかしい
「アカスリ」と呼ぶ
ナイロンタオルが買えるようになるんです。
その他にも、施設によっては2類に上がると
「洗顔フォーム」のチューブが買えます。
こんなモン、シャバでは当たり前以下の入浴グッズでしょうが、たまらなくうれしい。
でも
「アンタは2類だから、買えていいよなっ」と嫉妬されるので、メンドくさいです。
今回は刑務所の「入浴グッズ」について小ネタを集めてみました。
セコい話ばかりでしょう?
次回は、刑務所の「フロのお作法」について、お話させてください。
雑学・豆知識 ブログランキングへ
にほんブログ村
↑↑ランキング参加中です。クリックしていただけると、感謝感激、生きる希望が湧いてきます。
債務整理や任意整理の相談はおしなり法律事務所
↓↓出所後もカードは必需品。だったら使いやすい楽天カードはこちらからどうぞ↓↓
↑↑差し入れには本が一番。お得で節約できて、出所後に助かる楽天ブックスはこちらから↑↑
↑↑とりあえず手持ちのおカネで手軽に始められるFXがおススメ↑↑
2016-08-08 17:00
nice!(99)
コメント(7)
トラックバック(0)
共通テーマ:日記・雑感
そう言えば、留置所にぶち込まれて、次の日の朝に、洗面タオル1枚、紙コップ(マジックで留置者ナンバー入り)に歯ブラシ+歯磨き粉を渡されました。
しかも、タオルはどこかの企業名の入った宣伝?タオル。
ご丁寧に他の留置者とはそれぞれ違う色になってました。
(色で区別出来るように。)
それ1本で、毎日の洗面、入浴した際の体を拭くまで全てを賄ってました。
ちなみに留置者ナンバーは再逮捕されると番号は変わります。
私は逮捕、別件・再逮捕だったので、同じ紙コップに番号を
最初の番号をマジックで消した上に新たに番号を書かれました。
その番号と言うのが、恐らく1月1日を起点として1番の番号から割り当てられるようで、自分が今年何番目に逮捕・留置されてるのかが分かる仕組み。
もちろん、私のように、逮捕、再逮捕されれば、一人で複数番号が使わられるので、必ずしも人数は一致しませんけど。
入浴時に衣服を洗濯(浴室の隣に洗濯機が3台設置されてました)してもらうのですが、その時に、風呂から上がって体を拭いたタオルも一緒に洗濯してました。
さすがに、100日弱同じタオルを使うと、タオルがボロボロになってましたねぇ~
留置所では浴室にシャンプーは備え付けで用意されてありました。
リンスインシャンプーでした。
シャワーのお湯の出が悪い上、桶で何度も髪をゆすぐのが
大変だったのが懐かしい思い出。
シャバで、なんの気兼ねもなく、ふんだんのシャワーのお湯で髪を洗えるのがいかに幸せな事なのか、身をもって感じました。
by ソフィー (2016-08-08 22:29)
ソフィーさん、こんばんは。
コメントをくださりありがとうございます。m(_ _)m
留置場のお話「そうそう、あるある」と深くうなずきながら拝見しました。
事細かに覚えていらっしゃいますね~
再逮捕で番号が変わる、番号で逮捕順がわかる、まさに「経験者でないと知り得ない」情報です。
一日も早く忘れたい?強烈な思い出がよみがえり、目頭が熱くなりました…
それにしても留置場のフロって、劣悪でしたねぇ。
薄暗いわ、お湯がロクに出ないわ、浴槽はハンパなく汚いわ、泣けました。
また、石けん1個、タオル1枚あれば何とかなってしまうことも判明し、自分の中では衝撃でした。シャバでは実践したくないですが…
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-08-08 22:53)
シャンプー1つにしても、こんなに
お話しがあるとは…
お隣の国の方、考え方がぶっ飛んで
ますね…日本人にはない発想(笑)
タタミにシャンプーつて、読み違え
たのかと思いました…。
彼の判決出ました。弁護士から3〜4年
は覚悟して…と言われてましたが
実際1年ちょっとでした!!
彼が拘置所の同居人から聞く刑務所
の話が、きりたんぽさんの話と ほぼ
同じ!!規則が同じだから、同じになるん
ですよね…変な所で感心してしまいました。
関係ない話をすみませんです。
by お名前(必須) (2016-08-11 06:57)
コメントをくださり、ありがとうございます。
弁護士は自分の手柄と思わせるために(笑)
悲観的でキビシイことを言うのはお約束ですが、それでも判決が軽く済んでよかったですね。
ブログの記事の内容と、彼の話が一致するというのはウレシイです~
それにしても彼氏さんの話と同じとは、ヘンな感覚に陥りそうですよね……
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-08-11 23:08)
何ヵ月か前に出所してきた知人が、俺は山陰地方の刑務所に入ってたと言ってました。
東京で犯罪しても、管区外の刑務所になるケースは結構あるんでしょうか?
その人は東京と大阪で複数の犯罪をやらかして、最初にパクられたのが警視庁、その後再逮捕で大阪府警にも行ったと言ってたので、判決は東京で受けたと思うのですが。
彼が吹いてるだけですかね?
by お名前(必須) (2016-08-12 05:52)
さきほどのコメントに書いた知人は、初犯(A級)で刑期は5年半だったそうです。書き漏れしてすみません。
by お名前(必須) (2016-08-12 06:24)
うーん、ムズカシイ質問ですねぇ。
本人の話していることがホントかどうかわかりませんし、本人が何かをカン違いしていることもよくあります。
半民間刑務所(PFI刑務所)だと、遠くの地方に行く可能性があると聞いたことがありますが、原則懲役5年以下の初犯受刑者が行くので違うでしょうね。
山陰地方で初犯、ロングでない刑務所はないと思います。
鳥取も松江もB級(再犯)です。
先ほどのPFI刑務所ならば、島根あさひ、美祢とあるのですが、条件に一致しないですし・・・
一番考えられるのは、初犯ではなく、実は再犯だったということですが・・・うーん。
by きりたんぽ (2016-08-13 00:29)