「担当の刑務官様が暴君で、理不尽されたら」というイヤな話を続けています。
前回まで
「受刑者Sくんが、刑務官様に悪態をついて懲罰を受ける」話をしました。
（「
刑務所の中心で文句を叫ぶ(6)・・・まさかの刑務官様がでっち上げ！」）
懲罰は当然ですが、それが
「懲罰60日間」という
MAXの懲罰で、あり得ないモノ！
相場は懲罰5～10日間なのに、
どーしてMAXになってしまうのか!?
それはSくんの反則行為が
「刑務官様を殴った」と、スリ変わっていたのです。
つまり暴君の刑務官様が
「でっち上げ」、取り調べでも
黙認されたということ。
「そんなムチャクチャなことが刑務所で起こっていいのか!?」
刑務所だから、刑務官だから、不正は起きないだろうなんて、
甘かった…
私はこの事件で、被害者でも加害者でもありませんが、
ブルッてしまいました…
それは、私が事件のすぐ近くにいたので、事情聴取を受けた時のことです。
参考人なのに、圧力をかけられるという・・・
今回はこの
「参考人の事情聴取」についてお話しします。ホント、茶番劇だわ。
1．都合の悪い話は受け付けません！
Sくんが連行されて数日後、私は
事件の「参考人」として取り調べを受けました。
取り調べ担当の刑務官様が工場に来て、誰もいない食堂で事情聴取されます。
まず、イヤだったのが、
その直前に我が「暴君」刑務官様から、脅されたこと。
「余計なこと言うんじゃねぇ」と言うんですよ！
つまり
「取り調べで訊かれても、オレ様が不利になること言うな」と
脅すワケで…
まさか参考人の受刑者にまで圧力かけてくるとは・・・レベルが低い。
これには出鼻をくじかれ、迷ってしまいました。
実は、私は
「暴君」刑務官様に不利になる証言をしてやろうと狙っていたんですよね。
「日頃から理不尽なコトしやがって！恨みを晴らすチャンス！」と思ったのですが…
さすが「暴君」刑務官様、気づいていたらしい・・・
大キライなSくんに「おしおき」するため、刑務官様を殴ったと
「でっち上げる」
だから事情聴取の前に呼び出して、
有利な証言をするようプレッシャーをかける！
私はまさに
「ヘビにニラまれたカエル」
日頃からキライな刑務官様に対し、ゴマを擦るため、
ウソの証言はしたくないし・・・
かと言って正直に話して、後で証言がバレて、
冷遇されるのもイヤだし・・・
ところが、そんな迷う必要もなく、
事情聴取は「茶番」だったのです。
参考人の事情聴取なんて、淡々と質問に答えるだけと思っていたら、
大間違い！
「自由に証言はできない、認められない」という、警察の取り調べとまったく同じ。
つまり、
ハナから取調官が描いたストーリーに沿って証言しないと、ダメなんです。
官に都合の悪い話は「スルーされる」
もしくは
「もう一度聞き返される」
これじゃあ、最初から結論ありきの茶番だよ・・・
後半はその事情聴取の様子をお伝えします。
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2．誘導尋問の取り調べ
事情聴取は、重々しい取調室ではなく、工場の隅にある食堂で行われます。
私は被害者でも加害者でもない
参考人です。本来なら気楽な「取り調べ」のハズ。
が、直前に「暴君」刑務官様に脅されていたので、
もう落ち着かないの、なんの。
事情聴取には、
警備を担当する刑務官様がやって来ることが多いのですが・・・
せまい刑務所という世界。
我が「暴君」刑務官様とは同僚か部下という関係です。
今回来た刑務官様も、日頃から我が「暴君」と笑って立ち話をしている人。
そんな「近い関係」の刑務官様に、
ホントのことしゃべって大丈夫か？
あとで「暴君」がさぐりを入れたら、
ポロっと話を漏らしそうだし…
それ以前に
「アイツ、こんなこと言ってました」と言いそうだし…
そんな心配をアレコレしていたら、取り調べの刑務官様は
ニコニコして言うのです。
「事件の時、見聞きしたことを、正直に話して欲しい」
うわっ！ 笑顔も、言うことも、
まるで信用できない！
私
「いやぁ、なんか正直に話すのは怖いですねぇ…」
刑
「どうしてだ？ 君には何の影響もないよ」
私
「いやぁ、証言が漏れて、自分が不利な立場に追い込まれたら、イヤです」
刑
「大丈夫。秘密は守られるから、安心して」
私
「・・・（ウソつけ！）」
刑務所生活の経験から思うに、
刑務官様が言う「大丈夫」は相当アヤシイ。
刑
「ところで、Sは担当さんをどう殴ったの？」
私
「いやぁ、ハッキリ見ていないんです」
刑
「君は近くにいたんだろ？何か殴った時の様子を教えてほしい」
私
「いやぁ、Sくんは殴っていないハズですよ」
刑
「オカシイな…殴ったということになっているんだが…」
私
「Sくんが口ごたえしたら、すぐにアガっちゃいましたから」
刑
「そんなハズは…Sがつかみかかった、とか見ただろう？」
私
「ホントにそんなことは起きていないんです」
刑
「もう一度聞く。Sはどう殴ったんだ？」
私
「いや、だから、殴っていないハズですよ…」
刑
「じゃあ、殴ったかもしれない、ということだな」
私
「いや…だから、あの状況では殴るのはムリですって」
刑
「オカシイなぁ…殴っていないと言うのは君だけだ」
私
「・・・（そんなワケねぇだろ！）」
こんなやり取りで、もうこれ以上話す気には、なれませんでした。
誘導尋問もはなはだしい！
結局
「近くにいたが、よく見ておらず、わからない」との証言になってしまい…
事情聴取なのに、
こちらの証言をその通りに調書には書かないという、茶番劇。
腹が立つし、悔しいけれど、自分の証言を主張するのはやめました。
そりゃ、
こんな強引な取り調べに、身の危険を感じたからです。
実際、事情聴取の後、取調官は暴君の刑務官様と立ち話をしていました。
それも2～3分ではなく、
30分くらいずーっと、です。
刑務官って、どんだけヒマでテキトーな仕事なんだよ！
単なる世間話かもしれないけれど、取り調べの話をバラされているかもしれない。
「アイツ、殴っていないと主張していました」
なんて、バラされたら、
我が「暴君」刑務官様に反逆したと見なされます。
悪さをしていないのに「暴君」刑務官様に目をつけられるワケですから、大迷惑。
そして、
その日から「暴君」にイヤがらせをされ続けるハメに！
懲役作業、事務手続き、舎房生活・・・実際、冷遇された受刑者を何人も見ました。
最後には、ささいなことで「反則行為」だと因縁つけられ、懲罰送り！
関係のないSくんの事件で、懲罰送りにされるなんて
冗談じゃない！
Sくんのせいで、出所が遅れるのはカンベンしてくれ。とばっちりだよ。
小心者の私は正直ブルッてしまいました。
その後しばらくの間、「暴君」
刑務官様にゴマを擦ったのは言うまでもありません。
それでもその後、私はチョイチョイ冷遇されたのです。
やはり、事情聴取の話は漏れているのね・・・
「オレ様に逆らうと、こうなる」
我が暴君の刑務官様は、MAXの懲罰をブチかまし、そう思っているに違いない。
どんなに間違っていても、刑務官様は「神さま」
刑務所の中は密室。刑務官様の気分次第で
「でっち上げ」できちゃうワケで…
一日でも早く出所したけりゃ、
受刑者はひたすらおとなしくしているしかないんです。
次回より、夏場にピッタリな新しい話に入ります。
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権力は脅威ですね。
by lamer (2016-06-30 22:23)
こんばんは〜( ´ ▽ ` )ﾉ
「地獄の沙汰も金次第ならぬムショの沙汰も官次第」ですね。
捕まってしまうと全てが官次第(警察官、検察官、裁判官、刑務官)そのラスボスが刑務官なんですね。
殴られた跡などの証拠もないのに、よくもまぁこんなゴリ押しが通るもんだなぁと、呆れたのか感心したのかワケが分からない気持ちになりました。
他の受刑者に対する見せしめも含まれてるのでしょうか？
このテーマの間に思い出したのですが数年前地元のニュース出たのてすが、刑務官が何かをやらかして(スミマセン事件の内容は覚えていません)有難くも(笑)実刑を頂戴してました。
こういう人は刑務所に入ったら、どうなるんだろう？ヤッパリいじめられたりするのかなぁ？刑務官は扱い辛いのかな？なんてコトを考えてました。
きりたんぽさん的には、どうなると思います？ヤッパリいじめられちゃいますかね？
良かったらきりたんぽさんの見解を教えてください。
by ちい (2016-06-30 22:25)
lamerさん、こんばんは
コメントをくださり、ありがとうございます。
理不尽でも、ただひたすらおとなしく過ごすしかありません…
by きりたんぽ (2016-06-30 23:08)
ちいさん、こんばんは。
コメントをくださり、ありがとうございます。m(__)m
「ムショの沙汰も官次第」
相変わらずウマいことをおっしゃいますね～
ラスボスの割には大物感はないですけれどね(理不尽ですが)
担当の刑務官様の言うことはすべて正しく、それが絶対の世界。
よほどのことがあっても、刑務官様に不利な証拠や証言はカンタンにニギリ潰されちゃいますから……
だからと言って、私は受刑者に配慮しろだとか、人権を認めろなど言うつもりはありません。
ただ淡々と現実をお伝えしたいだけです。
法の下の平等だとか、官は公平・正義だとか、単なる幻想、勝手な期待に過ぎないと知っていただければいいです。
刑務官が実刑喰らったら・・・
さすがに実名報道されているでしょうが、待ち構える受刑者に名前まで覚えられている場合は少ないでしょう。
最後までシラを切り通すでしょうね。
自分からカミングアウトしない限り、バレないでしょう。
滅多にないでしょうが、誰もが知っている事件であれば、一般の受刑者と一緒の工場で作業させないでしょうね。100％イジメられますから…
「元刑務官とか元警察官が実刑喰らって、自分の工場に来ないかなぁ」とかすかに期待して、新聞で報道されたそれら関係者の名前はノートにチェックしていたこともありました(笑)。
そのくらい、刑務所生活はヒマで鬱屈していました。
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-06-30 23:24)
いつもご苦労様です。
これが発展して、懲罰の沙汰も官次第ってのを思い出しました。
ホントに理不尽な空間を、いつも生々しい記述で思い出させてもらってます。
これからも楽しみにしてます。
by 元炊場 (2016-07-01 20:14)
きりたんぽ様、いつも拝見させて頂いております。
タメになるお話を何時も有難う御座います。
此方には初めてコメントさせて頂きます＾＾
うちの旦那様の担当官は面会に行った限りと旦那様の手紙の感じでしか分かりませんが、とてもよくして下さっているようです。
しかし刑務官といえども一人の人間、今回の旦那様の担当官がたまたまよい人だったのかなぁと・・・＾＾；
訳のわからない事で懲罰ＭＡＸ６０日とはすごいですよね。
懲罰を受けた本人も、見ていた(近くにいた)人も、でっち上げをやられたらたまったものではないですよね・・・
本当の事を伝えても何の意味もないというのは理解に苦しみます。
きりたんぽ様のブログを読みながらいつも「せめて担当官や同房の人が旦那様に何もしませんように」といつも想ってしまいます＾＾；
乱文失礼致しました┌●))
by 要♡和 (2016-07-01 21:17)
元炊場さん、こんばんは。
コメントをくださり、ありがとうございます。m(__)m
経験者でなければ、単なるひどい話にしか思われないのかもしれません。
が、経験者の方には「こういうことはあるよね」とリアルに感じていただき、うれしいです。
いや、本来はこんなことがあってはマズイわけで、喜んではいけないのですが……
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-07-02 00:33)
要♡和さん、はじめまして。
コメントをくださり、ありがとうございます。
毎度の面会へのご足労、お疲れ様です。
こちらのブログも少しはお役に立てているとしたら、とてもうれしいです。
担当の刑務官様が情に篤い人なのか、旦那さんが個人的に好かれているのか、その辺はよくわかりませんが、とにかくウマく行っているようであればよかったです。
どんな人が担当の刑務官になるかはホントに運次第ですから、こればかりは祈るしかありませんでした。
ちょっとのことでは驚かない懲役たちも、この「懲罰でっち上げの特盛60日間」にはビックリして、ため息しか出ませんでした。
おっしゃるように自分が気を付けていても、巻き込まれることがあるので、それだけは避けたいですよね。
またコメントをお待ちしております。
今後ともお引き立てのほどよろしくお願いいたします。
いつもお読みくださり、感謝です。
旦那さんが一日も早く、無事に帰って来られることをお祈りしております。
by きりたんぽ (2016-07-02 00:43)
目的のためなら・・・というコトですね。刑務官様目的達成？
by hanamura (2016-07-02 10:33)
hanamuraさん、コメントありがとうございます。m(__)m
はい、してやったりでしょうね。
「オレに逆らうとこうなるんだ」と見せつけ、気に入らないヤツは徹底的に落とす…チンピラと何ら変わりません。
おとなしくしているしかないんですよ・・・
またコメントをお待ちしております。
by きりたんぽ (2016-07-02 10:45)
きりたんぽさん、お久しぶりです(*^^*)
暑い日々が続いてますが、お元気ですか？
先月旦那さんが類が上がりお菓子を購入できるようになったみたいなんですが、久しぶりに食べたら体調が悪くなってしまったようです（笑）
以前きりたんぽさんもそんなような記事書いていらっしゃいましたよね？
本人はつらかったみたいなんですが、笑ってしまいました。
彼は今の所刑務官さんの事は何も言わずなので、上手くやっているみたいですが、こういう記事を読んでいるとすごく不安になります。
世渡り上手な方なので出所まで何事もなく生活をすることを祈るばかりです。
by ひろ (2016-07-02 15:32)
ひろさん、こんばんは。
コメントをくださり、ありがとうございます。m(__)m
旦那さんはおそらく３類に上がったのでしょうかね。
ひとまず無事に過ごせた証拠、おめでとうございます。
「久しぶりにお菓子を食べて、具合が悪くなる」…もうコレは懲役あるあるなのかもしれませんね。(笑)
甘いお菓子の油脂がもたれるのか、胃腸が対応できていない感じなんですよ…
旦那さんは担当の刑務官様とウマくやっていらっしゃるようで、何よりです。記事に書いたようなヒドい刑務官様がごくまれ、少数ならば「心配いらないです」と返答できますが、こんな感じの刑務官様はそれなりにいて、珍しくないんですよ…
そんなヒドい人に当たらないよう、もう祈るしかありません。
これから暑い時期、懲役たちにとってツラい季節となります。
旦那さんが体調崩さず乗り切れるよう、お祈りしております。
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-07-02 22:47)
なんて世界なんだ、、、
ありえないこんな世界が実在するとも
知らずに生きてきた私は本当に情けない
もっと早くに理解してあげなきゃだった、、
by 心配 (2017-12-11 14:13)