刑務所の医療とはどの程度のモノか?というマニアックな話を続けています。
とは言うものの、刑務所は診察・治療にたどり着くまでが、メンドウで大変。
その上、クセのある懲役たちですから、
たどり着くまでの話の方が長い!
ホントに具合が悪くてツラい受刑者には、さすがに診察や治療が必要でしょう。
しかし「どこが具合悪いんだ?」という
健康そうな者も、診察・治療を希望します。
どうして「仮病・詐病」を使ってまで、診察・治療を希望するのか?
もちろん、メリットや目的があるから希望するワケですが・・・
サボりたい、イジメから逃れたい、情報を集めに行きたい、官に文句を言いたい…
理由はイロイロですが、そんなエピソードを前回までお話ししてきました。
しかし今回は
「仮病・詐病」もむなしく、バレてしまった例をご紹介します。
「ヘタを打った」例ですから、オモシロくない?
いえいえ、
刑務所では「ウソがめくれるとメンドくさい」ことを知ってください。
1.発熱&ぎっくり腰が定番メニュー
必死になって
「仮病・詐病」を使っても、結局バレてしまう者がいます。
ほとんどが
「イジメられて」いて、雑居や工場を
「逃げ出そう」とするパターン。
医務の診察室、病棟を、イジメられっ子が駆け込み寺に使おうとするのです。
とにかく、
具合悪いアピールして「病棟に入院」をねらうんですが、失敗ばかり。
(⇒コレを
ムショ用語では「入病する」と言います)
本人は追いつめられているので、あせっちゃうんでしょうね・・・
【診察⇒治療が必要⇒入病が決定⇒雑居・工場を脱出⇒イジメから逃れる】
こんな図を頭に思い描いているんでしょうが、アピールがヘタクソで…
「お願いしますっ!!」必死過ぎて、医務の刑務官様がドン引きしちゃうんですよ。
イジメられている受刑者は、
大人になってもイジメられっ子のアピールと同じ。
子どもの頃と変わらないんですよ。悲しいけれど、成長がないです…
(ただ、子どものイジメと違うのは、
イジメられる本人に100%原因があります)
【イジメられっ子のアピール】
①「もう学校行きたくない」
⇒ひたすら駄々をこね、登校拒否する作戦。
②「カゼひいて学校に行けない」
⇒熱が出たとアピールし、寝込んで休む作戦。
刑務所でイジメられっ子がギブアップするのは、
①か②のパターンがほとんど。
しかし
①の「登校拒否」は刑務所では通用しません。懲罰となり、本人が損。
となると、②の「カゼひいて具合悪い」作戦ですが、
コレが結構ムズカシイ。
単に「カゼをひいた」と言っても、刑務所が休ませてくれるワケがありません。
まして、雑居や工場を抜け出そうと、
「入病」して避難するなんて、ハードル高い!
そこでよく使うのが
「発熱&ぎっくり腰」なんです。
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2.仮病がバレると「究極の2択」
とくに
「ぎっくり腰」はイジメで追い詰められた者が、
アピールする定番中の定番。
突然
「あ、いたたたたっ!」と痛みで動けなくなるワケですし、作業できません。
ぎっくり腰は、
割とカンタンに「入病」でき、1週間程度ひたすら寝て過ごせます。
イジメられっ子にとっては願ってもない「お手軽な脱出方法」なんですが・・・
バレないように「ぎっくり腰」の演技をし続けなければいけないのが大変です。
仮病・詐病をやり通すには、それなりの覚悟と頭脳が必要でして・・・
覚悟も頭脳もない「ヘタレ」なイジメられっ子には、ぎっくり腰の仮病はできません。
ヘタレなイジメられっ子の仮病は、
ほとんどが「発熱⇒ダウン」のパターンです。
つまり
「ぎっくり腰の仮病」は、図々しいヤツでないとできないんです。
それは、
今までイジメる方だったのに、イジメられる側に転落したパターンの人。
作業で損害を出した、日用品のカツアゲがバレた、カゲ口が本人に知られた・・・
今までエラそうにしていた分、
一度ヘタを打つと、あっという間に転落します。
雑居・工場での立場がなくなり、全員を敵に回してしまい、追い詰められるワケで。
「このままではヤバい、でも自分から作業拒否ではカッコがつかない!」
となると、
ほとぼりが冷めるまで、一時的に避難できる「入病」は都合が良い。
そんなワケで
「ぎっくり腰」になったフリをして、治療、入病をねらうんです。
どうして、ぎっくり腰の
「フリ」だとわかるのか、ですか?
それは、演技の途中で
「気を抜いてバレる」パターンが多いからです。
―――オイ、医務が迎えに来るから、できる範囲で荷物をまとめておけ。
「先生、あ、ありがとうございます…よっこいしょ」
―――あぁん?オメェ、腰が痛てぇんだろ?そんな動きして大丈夫なのか!?
「あっ、い、いや、大丈夫です。いててててっ」
ホントにぎっくり腰になると、しゃがむ、座るという動作が、かなりしんどい。
にもかかわらず、ロッカーの前で平気で立って、しゃがんで、荷物をまとめちゃう。
「入病」がほぼ決定し、
うれしさのあまり油断するところが、懲役のアホなところ。
こういう
決定的瞬間を、絶対に周りの懲役たちは見逃しません。
「オイ、アイツさぁ、平気で動いていたよなぁ。やっぱり仮病なんだって」
「ふざけんなッ。病棟に逃げやがったなっ!」
バレちゃったよ~!計画失敗だ…さぁ、エセのぎっくり腰、どうする?
周りの怒りが収まるまで、仮病で避難して、何食わぬ顔で戻ろうと思ったのに!
よけいに傷口が広がった!ますます立場がなくなった・・・
チンコロ(密告)でその場で戻される者、そのまま仮病で入病する者、両方います。
意外にも、刑務官様が「仮病」で連行したり、懲罰にするのは見たことないです。
せいぜい怒られるくらい。
ほとんどスルーなのには驚きました。
ハッキリした証拠がないので、刑務官様はそれ以上深く追及できないらしい・・・
が、仮病がバレたことは同じ。悲惨な結果になります。
刑務官様はスルーでも、他の懲役たちが許してはくれません。
仮病で逃げたことがバレたヤツは、この後「究極の2択」を迫られます。
【刑務所流「究極の2択」】
①サラからやり直し
⇒一番下っ端のポジションからやり直し。ウソつき野郎には風当たりも強いです。
②自分から作業拒否
⇒連行され、懲罰。他の工場に飛ばされます。仮釈放や日頃の処遇も悪くなります。
残るも地獄、去るも地獄、どちらの道もロクなもんじゃありません。
さらにイジメられるなら、②作業拒否の方がいいんじゃないか?と思うんですが…
②作業拒否は、仮釈放が遠のいてしまうので、早く出所したい者は選べないのです。
で、何割かの者は、キツい①を選ぶことになるのです。
今まで先輩としてイジメてきたヤツらに、こき使われ、怒鳴られるのです。
自分がやってきたイヤがらせ、イジメを、倍返しさせるワケで、恐ろしい!
せっかく迫真の演技で「ぎっくり腰」認定され、診察・入病にこぎつけたのに!!
最後のツメが甘いから、逮捕されて、刑務所に入ることになるんだよっ!
日々反省し、謙虚に生活しなければダメなんです。
ちなみに「ヘタレの仮病」発熱のパターンは、次回以降お話しします。
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2016-05-10 17:00
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コメント(2)
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共通テーマ:日記・雑感
凄いなw
自分なんかはこんな陰険な人がいる刑務所に
落ちなくてよかったーbって思いますね
でも人の感情が露で参考になります
by shootmind2159 (2016-05-10 20:10)
shootmind2159さん、コメントありがとうございます。
周りの懲役たちが20~30代の若い者だと、イジメ・いやがらせはロコツですね。
やる方もやられる方も問題が大いにありますが…
ブログの記事に書いたやり取りよりも、実際の方がもっと汚いコトバ、低レベルで陰湿ないやがらせがあります。
まんま書くと信じてもらえないので、汚いコトバは割愛しています。
ホント、行くところではありませんね……
by きりたんぽ (2016-05-10 20:23)