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刑務所で具合が悪くなったら(10)・・・刑務所の理不尽な「カゼ予防」 [医務・診察]

しばらくの間「刑務所でのクスリ事情」について、お話ししていました。

今回から、また少しの間「具合が悪くなったら、どうなる?」話をさせてください。

今回は、刑務所流カゼ予防、マスクあたりの話をご紹介したいと思います。


カゼをひいたら、熱を出したら、どうなるか?の話は、以前にご紹介しました。
(「刑務所で具合が悪くなったら(3)・・・熱を出したら、どうなるの?」)

カゼ薬程度ならばもらえますが、それ以上のクスリや診察はめったにありません。

それならば「カゼ予防」をするしかないんですが、それがちょっとオカシイんです。


1.刑務所流の理不尽過ぎるカゼ予防
カゼならまだしも、工場全体でインフルエンザが流行した年もありました。

いっそのこと同時に半数以上が感染して「学級閉鎖」になればいいのにと思いましたが…

オッサンだからか、全員にも、同時にも、うつるほどではないのです。


刑務所で「学級閉鎖」があるのかどうかはわかりませんが、結局サボれず

しかし、さすがに刑務所もあわてたようで「インフルエンザ対策」をすると宣言

「刑務所のインフルエンザ対策って何だ?」と期待しましたが、ショボかった!


A.全員にマスクを配り、常にマスク着用

B.手洗いのたびにアルコール消毒をする

以上、コレだけ。どこでもやっていることで、ガッカリしました。


ところが、やはり刑務所。指示がズレていました

①マスクは1日1枚支給

②マスクは24時間着用のこと

③夜6時以降は寝ること


まず①。前日のマスクを朝、刑務官様の前で外し、捨てること

それを刑務官様が確認して、新しいマスクと交換。

そんなメンドくさいことを朝からやっていたら、作業はとどこおり、大混乱!


マスクのチェックをしてもらうため、朝の工場は長蛇の列となってしまい・・・

イラついた刑務官様は「自分たちで確認、配布しろ!」と怒鳴り出す始末。

昨日は「マスクをなくしたら連行→懲罰。ちゃんと確認するぞ」と言っていたクセに!


そして②。「24時間マスクは着用」って、どう考えてもオカシイ。

ハズしていいのは朝夕の点検(点呼)の時と、食事の時だけ。

「ん?というコトは、寝ている時もマスクか?


やはり「独居でも雑居でも、寝る時もマスクは着用」との理不尽な指示でして…

雑居ならばまだわかるけれど、独居でマスクして寝るって、意味あるのか?

当然、懲役たちには不評で、翌日から刑務官様に苦情が殺到しました。


さらに③。刑務所の就寝時間は夜9時これでも十分早いのに、6時に寝ろって?

「インフルエンザがこれ以上広がらないための、対策である」との説明。はぁ?

「感染予防のため、受刑者は夜6時になったら、就寝するように」と指示。はぁ?


いくら刑務所とは言え、やり過ぎ、理不尽じゃないか!?

「懲役とは、寝る時以外は自由がない」なんて言いますが、寝る時まで制限かよ!

しかし、この理不尽は意外にもアッサリ終了してしまうんです。


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2.受刑者の健康よりカネが大事
6時に寝ろって、寝ればインフルエンザ予防できるのか?免疫力アップするのか?

平日の夕食は5時。で、寝るのが6時じゃ、まさにメシ食って寝るだけ

夜6時に寝ると、起床時間が朝の6時半なので、12時間以上も寝ていろってか!


寝る時間の繰り上げもマスク同様、「あまりにヒドイ」と苦情が殺到しました。

が、刑務官様は「刑務所が決めたことだから守れ」としか言いません。

ひどい刑務官様になると「オメェらは懲役なんだよ、言うこと聞け!」と一喝。


ところが、この①~③の指示は、わずか1週間で終了となったんです。

「たまには文句を言ってみるもんだ。さすがに寝る時までマスクはないだろ」

と、感心していたら、マスクの配布自体が突然無くなってしまいました


インフルエンザはまだまだ流行しているのに、オカシイ・・・

当時、仲良くしていた若手の刑務官様に探りを入れたところ、意外な事情が判明。

「実は、毎日1枚ずつマスクを配る予算が確保できないんだよ…」


オイオイ、カネがないからアッサリ中止ですかい?

まぁ、受刑者の健康より、予算の方が優先されますよね・・・しょせん受刑者。

そんなワケで、なし崩し的に「夜6時に就寝」ルールも消滅


「助かった!」全員でホッとしたものの、これでいいのかという想いも消えず。

そして手洗い時のアルコール消毒も「厳格に制限」されてしまったのです。

手洗いというカゼ予防に一番大事な部分をやめちゃうとは、やる気ねぇな…


昼食前の手洗い時のみ。一日にたった1回だけのアルコール消毒。大幅ダウンです。

わざわざ刑務官様の監視の前で、ワンプッシュ、という念の入れよう。

コレも予算の問題か?コレくらいどうにかならんのか、と思っていたら・・・


同じ作業班の「ちょっとオツムのユルイ」Sさんが驚きの証言!

S「あのアルコール消毒液ってさぁ、ウマいよね」

「えっ?ウマいって、味がですか?」

S「ほら、ほんのり香りをつけてある上に、アルコールじゃん?」

「まさか、飲んでいるんですかっ?」

S「飲むだけの量はさすがに取れないし、オヤジにバレるよ~」

「じゃあ、ナメているとか?」

S「そうそう、3~4回こっそりプッシュしてさぁ」

「それを、まさか!?」

S「バレないって!やってみぃ」(手を口元に当て、舌を出し、ペローン!


「うっ!・・・(汚いだろ!このオッサン)」


スプレー式の消毒用アルコールをたくさん取って、ナメる

それをウマいという、イカレた受刑者ついていけません

たしかに以前の記事で、アル中の受刑者が消毒液を飲んで懲罰の話をご紹介しました。
(「刑務所では何がツラいのか(2)・・・酒の代わりに飲んだモノ」をどうぞ)


Sさんは、アル中ではない。そんなヤツまで飲んで、いやナメている刑務所って所は!

Sさんだけでなく、同じことをやっていたのは、相当数いたのかもしれません。

だからアルコール消毒液の減りが異常に速かったというのか?


で、予算不足となり、消毒液の使用を大幅に制限されるって、何がしたいんだ!?

本末転倒、結局は自分のクビを絞めるという、受刑者のお約束

マスクにしろ、消毒液にしろ「本気で感染予防する気があるのか」と疑います。


ちなみに「使い捨てマスク」ですが、刑務所によって対応が違いまして・・・

上のように「官からの配布」しかない所、自費で購入できる所、まちまち。

購入できるところは、制限はあるものの、あっさり買えちゃいます。


カゼやインフルエンザが広がるのが怖い雑居では、必ず買わされる一つです。

もっともカゼ予防のためにマスクを買う懲役たちはほとんどいません

以前の記事で話したように「防寒のため」マスクを買っています。


真冬でも暖房ナシ、すきま風が入り放題の古い建物の刑務所では死活問題レベル。

マスクをしていると、していないでは、明らかに寒さが違います

寒さをしのぐのにマスクをするって、ミジメな世界です・・・


次回は「雑居で具合が悪くなると、みな共倒れ」のお話をする予定です。



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9は無いのでしょうか?
by お名前(必須) (2016-04-19 19:21) 

きりたんぽ

3月20日にすでにアップさせていただいております。よろしければ、ご覧下さいませ。
by きりたんぽ (2016-04-19 19:30) 

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