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刑務所ではクスリはもらえるのか?(5)・・・まさかのサイズの「外用薬」編 [医務・診察]

刑務所でも「ちゃんとクスリはもらえるのか?」という話をご紹介しています。

ここ数回は「睡眠薬」の話を続けてしまいました。

今回は飲まないクスリ「外用薬」についてお話ししようと思います。


睡眠薬などの「内服薬」に比べれば、ハードルが低そうな「外用薬」

しかし刑務所が、そんなにカンタンにシップや塗り薬をくれるのだろうか・・・?

まずは、刑務所流「外用薬」の扱い方からご紹介していきましょう。


1.その手があったか!
肩が痛い、腰がツラい、コレは刑務所でも定番の症状の一つ。

一日中、座りっぱなしで、頭を動かすことも許されず作業していれば、そりゃ痛い。

そんなワケで、医務回診の日は「肩・腰の痛み」を訴える者で、長い列になります。


まさか、肩・腰の痛みを刑務官様がマトモに聞いてくれると思っていませんよね?

肩や腰の痛みは相当ひどくなっても、診察・治療などありません。

医務の刑務官様が「ハイよ」とシップか塗り薬を渡して、終了


症状を説明しても、途中で話をさえぎられるのがお約束です。

「594番、◯△です。5日前から右の腰痛がひどいん・・・」

「あーわかった、シップでいいな」

「うっ・・・あぁ、はい。お願いします」

ハイ、次!オメェは何だ?」


こんな感じで、マトモには話を聞いてくれません。

つくづく刑務所では重病・重傷にはなりたくない、命が危ない、と思いましたね。

私は作業中に「ぎっくり腰」になりましたが、診察すらありませんでした。


まぁ、腰痛の診察・治療なんてロクなもんじゃないでしょうから、なくても同じ。

とくにぎっくり腰は「作業をサボるため」のNo.1仮病ですから、信じてもらえません。
(追いつめられると、エセぎっくり腰で逃げる話は、今後お話しします)

懲役なりたての頃は、この雑な対応にあっけにとられました。


が、驚くのはまだ早かった

渡されたシップが刑務所らしかった!

シャバでのシップを予想していたので、文庫本サイズの大きさを予想していたら…


なんと、名刺サイズのシップ!

おそらく通常サイズを4ツ切りにして渡していると思われる代物。

この手があったか!ヤラレタ…


腰や肩が痛いと訴える懲役たち一人一人にシップを支給したら、スゴい量になるわね。

よく考えれば、刑務所がまるまる1枚のシップをくれるワケがない

さすが刑務所、自分が甘かったです……


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名刺サイズのシップだなんて、どんだけケチくさいんだ…

それにしても、これじゃ痛い部分にロクに貼れないじゃないかっ!

あっけにとられて、突っ立っていると、刑務官様が不機嫌になります。


「なんだ、オメェ?まだ用件あるのか?」

「いえ、腰痛の相談だけです」

「何か不満でもあるのか?」

「いえ、そんなことはありませんっ!」

「しょうがねぇなぁ、もう1枚やるよ。1度に2枚までだ」

「いや、そういうことではないんですが・・・」

「あぁ、わかった、わかった。塗り薬も欲しいんだろ?」

「へぇっ?」

「まぁ、今回は両方ともやるから、1週間様子見ろや

「あ、ありがとうございます…」

「これでいいだろっ!」

「は、はいっ…」


流れ作業というか、この雑な対応はどうよ? もうちょっと話を聞いて下さいよ

恐らく「目が痛い」「胃が痛い」と言っても、シップが出るんじゃなかろうか?

あぜんとしていれば、塗り薬をもらおうとゴネていると思われるし・・・


「塗り薬」も刑務所らしかった!

なんと、ラップに包んだアメ玉サイズ

ち、小さい!渡された瞬間「何だ、このゴミは?」と思ったほどでしたから。


塗り薬はてっきり「チューブ」か「ケース」で渡されると予想していました。

またまた甘かった!

そんなにくれるワケがない。このアメ玉の量が1週間分だと言うのです


2.クスリにもすべて名前を書け
「コレが刑務所、仕方ない」とあきらめて、席に戻ろうとすると

「オメェ、名前書いて戻したのか?」と、担当の刑務官様に呼び止められます。

実は、シップも塗り薬も勝手にお持ち帰りはダメ


舎房に持って帰るために、それぞれ名前を書いて、検閲を受けないとダメなんです。

マジックが用意してあり、シップの裏地に称呼番号・氏名を書き込みます。

何でも名前を書き、チェックを受けるのは、まさに小学生と一緒


「やれやれ、刑務所らしいお作法だわ」と今度は塗り薬に名前を書こうとすると…

「オイ!塗り薬に名前書いてるんじゃねぇよ!」と刑務官様に怒られるんです。

―――先生、クスリには名前を書くハズでは?

「バカタレっ!ラップの包みに書いたら、マジックが使えなくなるだろっ!」

―――あぁっ、包みがクスリでヌルヌルですね。でもどうすれば?

「オメェ、クスリをもらっておいて、そんなコトも知らんのかっ!」

―――ひぃぃっ。すみません。

「チリ紙に包んで、そのチリ紙に称呼番号・氏名を書くんだよっ!」

―――(意外と刑務所って細かいんですね…)


クスリをもらうなら一連の流れを事前に訊いておけ、と説教されちゃいました。

わからないコトはその場で訊くのはダメ。事前に確認しておくのが刑務所のオキテ

それは懲役たちが新入りに強要するだけでなく、刑務官様も求めるオキテなんです。


それにしてもクスリにまで、いちいち名前を書かなければならないとは・・・

部屋長や先輩に「クスリをもらって来い」と指示されて、もらうヤツも多いんです。

雑居ならやりたい放題、独居でも名前を書かせないと上納・タカリができちゃいます。


たかがシップ1枚、塗り薬1包でも、ゆすり・タカリのネタになるワケです。

ホントにメンドくさい所だ、刑務所は

次回は「メチャクチャな塗り薬の使い方」をお話しします。



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きなこ

きりたんぽさん、こんばんは。
塗り薬は小菅でも出してもらいました。
同じようにチューブから3センチくらい油紙につつまれてました。
小菅は何でも薬は3回分です。
二昔前くらいの強烈なにおいなので、
配当で出るゼリーの容器に入れてました。

ある日恐ろしいことに気が付きました。
プラスチックのゼリーの容器が溶けているのです。
それに気が付いてから、恐ろしくて体には塗りませんでした。
少なくとも口に入っちゃたら毒ですね。
ほんと官はろくな薬をくれません。(ーー;)
by きなこ (2016-04-04 18:48) 

きりたんぽ

きなこさん、こんばんは(^o^)
コメントをくださりありがとうございます。m(__)m

塗り薬の話をわかっていただけるとは、とてもうれしいです(笑)
しかし、どこでも同じようなモンだというのが改めてわかり、シラケますね〜

プラスチックの容器が溶けるって、どんだけいい加減なクスリだよ!という話で、ホントの中身はクスリかどうかもアヤシイですね。
どれをもらっても効かないということだけは確かだと思います。

またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-04-04 19:00) 

夏炉冬扇

予算があるでしょうからねぇ。
でもつらいですね。
by 夏炉冬扇 (2016-04-04 20:59) 

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