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刑務所での荷物事情(1)・・・荷物を増やしてミエを張る [宅下げ]

1.荷物がイッパイなのがステータス
刑務所は「モノのない生活」だというのは、イメージしやすいと思います。

実際、購入や差し入れで手に入るモノは、すべて指定、品数も少ないです。

「どうやってモノを入手するか」については、多くの媒体で紹介されています。


このブログでも「インプット」の購入・差し入れについては、お話ししました。

しかし「どうやってモノを処分するか」については、盲点ではないでしょうか?

マニアック過ぎる?必要ない?から、紹介されていないのかもしれませんが・・・


今回は、処分という「アウトプット」の方について、お話させてください。

「刑務所なんて、私物があまりないだろう?ため込んでおけばいいじゃないか!」

と、フツーは思いますよね?


ところが、懲役生活が長くなってくると荷物が増えて困るんです。

手に入るモノは限られているんですがねぇ・・・

増えて困る理由は、60リットルという「荷物の総量制限」があるから。


刑務所では、手に入るモノも限られていますが、保管できる量も限られています。

制限の60リットルとは、灯油を入れるポリタンク約3個分のイメージ。

大きな布のバッグや、鋼製のロッカーに持ち物を収納しておくんですが・・・


「かなりデカい容量だから、イッパイにはならないだろう?」

新入りの頃はそう思ったのですが、そんなコトないんです。

こまめに荷物の整理をしないと、あっという間に収まりきらなくなります。


まず、衣類が相当かさばります

冬の防寒着「メリヤス」(うすいスウェットみたい)は官物でも3組支給されますが、

コレが結構かさばり、くつ下、下着などで20リットル・1/3は超えてしまうんです。


そして、雑誌・本が追い打ちをかけるんです。

なけなしの作業報奨金や、手持ちの領置金で、コツコツと買った雑誌や本。

シャバでは読んでしまえばゴミな雑誌や本も、懲役たちには貴重な財産なんです。


ある程度自由に買えて、持てるのは雑誌・本だけなので、他人と差がつくのはココ

「雑誌・本をズラリと揃えている」ことは、ステータス

貧乏ではない証明となり、懲役たちは本を持って「ミエを張るんです。


くだらねぇと思うでしょ?でも、コレはけっこう的を得た分析なんです。

本を持っているのは、差し入れの本が多いか、たくさん購入しているかのどちらか。

差し入れが多いのは恵まれた人間関係、購入多いのは恵まれた所得・財産の証明です。


もちろん一概には言えないですが、その反対の場合は確実です。

差し入れもない、購入もしない、というのは「そんな感じの人」なんですよ。

本もロクに持っていないヤツは、周りから格下に見られ、ナメられます


差し入れもなく、カネもない・・・そんな人は荷物が少なく、カバンはスカスカ。

「アイツ、荷物少ねぇなぁ」 そんな陰口をたたかれたりするんです。

でもナメられたくない!


そういう「どーしてもミエを張りたい人」は、ムリヤリ荷物を増やすんです。

安くて、かさばる「チリ紙」をいくつも買うんですよ。

それをカバンに詰めてパンパンにします。そうすれば、荷物たくさんに見えるカラクリ。


話がそれましたが、本がたくさんあるのはステータス、ミエを張れるんです

また、モノのない生活をしていると、モノへの執着が強くなりまして・・・

「モッタイナイ精神」が染み付いてしまい、ホントに捨てられなくなります


そんなワケで、衣類と書籍がどんどんたまり、容量イッパイに。

荷物が増えて、バッグやロッカーに入りきらなくなったら・・・

外に出して置いておく?いえいえ、ダメです。この点、刑務所はキビシイ。


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2.荷物が多すぎても懲罰
荷物が増えて、バッグに入りきらなければ、コッソリ物陰に置いておきたくなります

しかし、刑務所はコレができないのがツラい。すぐに見つかって、怒られます。

怒られるだけならいいのですが、懲罰の可能性もあるので、油断できないんです。


時折り「捜検(=そうけん)」という、抜き打ちの荷物検査があるんですよ。

コレは主に「他人や工場のモノを不正にかくし持っていないか」とチェックするもの。

しかし、もう一つ「荷物がキチンと制限内に収まっているか」もチェックされます。


カバンからあふれている、ロッカーに入りきらないは、「即、アウト

すぐに呼び出しされ、説教の後、すぐに「廃棄」か「宅下げ」を迫られます

廃棄は、文字通り捨てることなのでわかりやすいですが、宅下げってわかりますか?


「宅下げ」とは、外にいる親族・知人に荷物を引き取ってもらうこと。

宅下げというコトバ自体、留置場~刑務所で使う特殊なモノだと思われます。

宅下げは、①面会時などに窓口での引き取り ②郵送 の2つの方法があります。


話を戻して…制限オーバーが見つかっても、一発では懲罰にはなりません。

よほど悪質でない限り、懲罰の手前の「誓約書」で済むことがほとんど。

しかし「荷物が多すぎること」が悪質にて、懲罰になったヤツもいます。


別件で不正をし、連行されてしまったFさんは、その例。

連行されてしまうと、懲罰か処分が決まるまで、別の舎房に隔離されちゃいます。

隔離されたので、本人に代わり舎房の荷物整理をしに、私も駆り出されました。


Fさんの舎房は独居

まず布の大きなバッグは本でビッシリ、真四角にパンパン

廊下から見えない角度の、バッグの陰、テレビ台の陰には、本が山積み!


まぁ、Fさんはブチ込まれてから3年は経つとはいえ、荷物ため込み過ぎ!

総量制限の倍以上はあるとは思える本をかくし持っていたとは!

そもそも、辞書を「広辞苑」にする時点で荷物を減らすつもりがまったくナシ


その「本だらけ、荷物多すぎ」の独居の様子を見た刑務官様はカンカン!

私たちに早急に荷物を整理するように、命令しましたが・・・

Fさんの荷物をため込んできたやり方に、さらにブチ切れます


「あぁん?どうしてこんなに荷物あるんだ!? どうして捜検でバレない?」

「先生、便器の向こう側にも小説が山積みに置いてあります」

「あぁん?ふざけるな!総量制限オーバーにもホドがあるだろっ!」

「今までバレなかったのが不思議ですよね・・・」

「あぁっ!わかった!オメェ、その辺に『宅下げ願』置いてあるだろ?」
(注:宅下げをするにも毎回毎回、願せんで許可を取らなければダメ)

「あ~ハイっ!ありました。山積みの本の上に乗せてあります」

「入りきらない本の上に『宅下げ願』を置いて、捜検をくぐり抜けたなっ!」

「なるほど、近いうちに宅下げするので、それまでは置かせてくださいって」

「近いうちに、近いうちに、と言って引き延ばすんだ。そうすれば怒られない」

「そうやって総量制限オーバーをくぐり抜けるんですね。頭いいなぁ!」

「頭いいなぁ、じゃねぇよ、あぁん?官をコケにしやがって!」

「捜検なんて、しょっちゅうあるのに、よく今までゴマかせたな・・・」


バカにされ続けてきたことになった刑務官様は、もう大変なお怒りで・・・

便器の物陰まで使って、本をかくすなんて、聞いたことないわ!

捨てられない男なのか、ため込むことに優越感を感じるのか・・・?


結果的に刑務官様をコケにして、激怒させたFさん

連行された原因の反則行為に、この「総量制限オーバー」違反も加えられて

懲罰が5日間も上乗せされてしまいましたとさ。


次回は、荷物をどうやって減らすか、についてお話しします。

刑務所では、単純に廃棄:捨てるというワケにはいかないんですよ。



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ひろゆき

こんにちは。
ブログの内容とは関係ないのですが、
昨日清原容疑者が逮捕されて非常に驚きました。
が、やはり保釈→執行猶予の筋書き通りの
コースなんですかね?
また、きをたんぽさんは
薬物系で捕まった人と
同室になった事はありますか?
また、そういう人は二度とやらないと
反省する人が多かったですか?
それとも「出所したらまたやるぞ!」
という人が結構いたりするのでしょうか?
相変わらずしょうもない質問ですみません。。
by ひろゆき (2016-02-03 15:17) 

きりたんぽ

ひろゆきさん、こんばんは(^o^)

コメントをくださり、ありがとうございます。m(__)m
清原さん、パクられちゃいましたね~
甘利大臣の件をうやむやにするための逮捕劇、陰謀論だと言う人もいますよね。政治家は汚ねぇなぁって……
個人的には、この件によって「次はオレかも!?」ってビビっている人が誰なのかが気になります(笑)。

シャブの懲役仲間はたくさんいましたし、同室にももちろんいました。
共通点は「いかにシャブセックス(キメセク)が良いものか」を訊いてもいないのに力説する点です。

「彼らは反省していたか?」ですか……
人それぞれですし「反省してねぇ!」と彼らが誤解を受けるのもイヤなので、コメントがムズカシイです。
ただ、私が仲良かったシャブの人たちは、遠い目をしながら「いやぁ、捕まりたくないけれど、またやってみたいもんだな。でもカネないしな」と呟いていました。

シャブの懲役仲間は他の罪名の者と違い、悲壮感がなく、明るいんですよ。
家族や妻にも見捨てられていない人が多いし、出所後の就職もメドがつく人が多いし、切羽詰まっていないんですね。その上、刑期も短いですから…
彼らが出所後、どのような生活をしているのか、再犯せずに済んでいるのか、わかればオモシロいんですけれどねぇ。

あまり参考にならないかもしれません、すみません。
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-02-04 00:29) 

miffy

私も清原さんの件すごーく驚きました!!!
と同時に、きりたんぽさんブログで得た知識から、あの警察車両に乗せられてる時の清原が着ていたグレーのスウエットは留置所の物なのか、本人の部屋着なのか気になりました笑
by miffy (2016-02-04 09:18) 

きりたんぽ

miffyさん、こんにちは(^^)/

コメントをくださり、ありがとうございます。m(__)m
さすがmifyさん、映像に注目する点が着ているスウェットとはツウですねぇ(笑)

私の勝手な予想ですが、アレは私物ではないかと思います。
留置場に清原サイズのスウェットがあるとは思えないんですよねぇ……弁護士が衣服の差し入れをしてくれそうですしね。

もし留置場のスウェットであれば、どこかに(留)の文字が書かれているので、遠目からでもわかります。
それにしても、使用中だったのでしょうか?
逮捕時は真冬だというのに、額に汗がびっしょりでしたね。

またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-02-04 11:04) 

V(-¥-)V ごとう さとき

横レスを失礼

清原くんのスウェットは、かなりの確率で自前だと思われます。彼は自宅で通常逮捕されました。こういうパターンだと家を出る前に警察の捜査官は、被疑者に着替を準備させます。

その際、当然留置場内で着られるジャージやスウェットを用意させますので、清原くん本人がそういう服を持っていれば、捜査官の指示の下、自前のスウェットを用意したでしょう。

あと長期間帰ってこれない事がわかっていますので、テレビなどの電源コンセントを抜けだの、細かい指示がされるわけです。

ちなみに留置場で貸し出す服に「留」とデカく書いてあるのは、警察署によって違います。洗濯タグに小さく「トメ」とか「留」と書いて、パッと見ても、わからなくしてある留置場もあります。

これはどこの警察署?・・・とか聞かないよ~に
V(-¥-)Vがどこの警察署にブチ込まれていたかがバレてしまう。

つまり留置場の習慣や間取り、食生活などは結構、警察署ごとに違いがあるということです。


by V(-¥-)V ごとう さとき (2016-02-04 15:10) 

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