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刑務所でTVを見る(10)・・・テレビはゴロ寝で見てOK!? [刑務所生活]

刑務所での「テレビ事情」について、続けてお話ししています。

たかがテレビの話で、もう10回目。長くなってしまいました。

テレビを見せないおしおき、音を立てないオキテなど、理不尽なことばかりでした。


今回でテレビの話も最後。

私自身が経験して「意外だな~」と感じたテレビにまつわる話をご紹介します。

刑務所にブチ込まれていたおかげで、思わぬことが詳しくなっちゃいました。


1.寝っ転がって見てOK
すべてのことに規則があり、制限だらけの生活が、刑務所のハズ。

ところが、意外にも「テレビは横になって見てもよい」んです。

寝っ転がってTVを見ていたら、刑務官様に怒られそうなイメージですが、コレはOK


やはり「ただし」の条件はあります。

①フトンを敷いてから、横になること

②パジャマを着て、横になること

③枕やフトンに乗っからないこと


舎房着のまま、タタミの上で寝っ転がったらダメなんです。

すぐに刑務官様に見つかって、懲罰の手前の「誓約書」を書かされます。

別にいいだろ、とも思いますが、フトンとパジャマという形にこだわるのが刑務所。


「誓約書」は懲罰ではないので、大丈夫、余裕!と言いたいところですが

後で担当の刑務官様に呼び出されて、こっぴどく叱られます。

そして、積もり積もれば、マイナス評価。仮釈放にも響き、出所が遅れます


話がそれましたが・・・

テレビのつく18時以降はフトンを敷き、パジャマに着替えれば、ゴロ寝で見て大丈夫。

ただ、ここでほとんどの懲役たちが気を抜いて、刑務官様に一度は怒られます

横になるとリラックスし過ぎて、ついやっちゃうんですが、どういうことかと言うと…


テレビが見づらいからと言って、枕をタテにして使ったり、背中に入れても、ダメ

掛フトンの上に横になったり、足を置いたりしても、ダメ

巡回の刑務官様がすぐ発見、注意されます。細かいんですよ~


「オイ!誰がそんなカッコウでテレビ見ていいと言った?」

「ハイ?あ、すみませんでしたぁ・・・」

「オメェ、注意されてるのに、寝っ転がったまま返事するのか!」

「いや、すぐに返事しただけっすよ」

「オメェが悪いんだろ!言い訳するのかっ!」

「だから、謝ってるじゃないっすか!」


巡回の刑務官様が注意しているのに、気を抜いて、寝たまま返事、気を抜いた謝罪

何よりメンツを重んじる刑務官様は、こういうのが一番キライです。

この受刑者もアホですが、「担当抗弁」にてその場で連行。懲罰送り


こうして注意された時の対応はカンタン。気を抜かず、手を抜かずにすればいいだけ

①まず「ハイっ!すみませんでした」と、ワケがわからなくても言っておく

②大急ぎで、刑務官様が立つ「食器口」の前に正座で座り、向き合う

③説教を上目づかいのポチのように、大げさにうなづきながら聴く

④絶対に「言い訳」をせず、「すみませんでした」を連発する

⑤翌朝、真っ先に工場担当の刑務官様に、報告とお詫びをしに行く


常識のある?社会人の皆さまであれば、当たり前の対応でしょう。

しかし、一筋縄ではいかぬ懲役たち

ストレスなのか、プライドなのか、コレができない人が多いんです。


さすがに刑務官様に殴りかかったり、怒鳴り返したりは、めったにいませんが

つい言い訳してしまったり、舌打ちしたり、にらみ返したり・・・

感情がコントロールできず、その結果逆鱗に触れ、連行⇒懲罰


刑務所では鈍感さ、聞き流す技術、謙虚さが必要だと思われます。

ペコペコ「あやまり侍」をしたおかげで、私は何度も懲罰の危機を乗り切りました。

ここは刑務所。寝ていても、気を抜いてはダメなんです。


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2.街の女の子より詳しい!?
刑務所に長いことブチ込まれていると、出所後シャバに適応するのが大変。

「刑務所の常識は世間の非常識」で、染み付いた習慣から抜け出すのに苦労します。

当然ですが、刑務所にいることで良いことなどあるワケない!


しかし、懲役生活の習慣で思わぬことが詳しくなったりするんです。

それも「雑居で必死にテレビを見るおかげ」なんですよねぇ・・・

やたらと「グルメ情報」に、くわしくなるんですよ!


その中でも「スイーツ情報」

あの店のケーキがウマいとか、パフェがスゴイとか、乙女か!!

懲役たちは甘いモノに飢えているので、スイーツへの執着がハンパないのです。


シャバでは甘党ではない人も、いつの間にか「甘いモノ、クレクレ」になるんですよ。

恐らく、9割の受刑者は「甘党」に乗り換えています

食えない、行けない、となると、想いがつのるもの・・・


18時のニュースのグルメ情報、19時からのグルメ番組はすべてチェック!

「でもグルメ情報をチェックするのは、シャバでもやるし、フツーだろが!」

と思うでしょう? こちらは立場、イジメがかかっているので気合が違います


「オイ!あれ、何だっけ?、ジェラードがウマそうだった店」

「ハイっ?あ~テレビでやってましたよね」

「ん?チェックしてないの?」

「え~ちょっと、忘れちゃいました」

「あぁん?気がきかないねぇ・・・」

「すみません・・・」

「ヤル気あるの?」

「・・・・・・」


こうして、先輩からの質問に「即答」できないとダメ

答えられないと「気づかいができないヤツ」と、ガッカリされます。

いつも答えられなければ、ヤル気がないとみなされ、最悪イジメられることに!!


というワケで、お店のチェックも気合の入り方が違うんです。

テレビで、流行のスイーツ店の紹介があれば、すぐにメモ!

店名、住所、電話番号、名物メニュー・・・ノートにビッシリと書いてあります。


先輩たちの求めに応じて、すぐに答えられるようにしたり、話題にしたり・・・

グルメ情報で、立場が良くなる場合も、ヘタすればイジメられることもあるんです。

雑居でのポジション確保、生き残りをかけて、今日もグルメ情報をチェックです。


だから、先輩が好きそうな店はノートにこまめにチェックしておくのが大事。

そして、いつでも答えられるように復習しておくのが「デキる下っ端」の条件

そんなコトを気にして、毎日チェックしていると、自然にくわしくなるワケです。


ポップコーンのおいしい店、パンケーキの人気店、スイーツのジャンルごとの情報

そして、渋谷ならココ、新宿ならココ、場所・街ごとのオススメ店の情報

頭の中が「ぐるなび」「食べログ」になっているんです。


「フレンチトーストは、表参道のAより、渋谷のBのほうがウマいらしい」

「自由が丘だったら、この店のケーキがウマいんですよ」

行ったことも、食べたこともないくせに、やたらと情報だけは出てくるという・・・


「アンタ、スイーツ好きの女の子よりくわしいね」

「え、まぁね」

「アンタ、甘党じゃないでしょ?」

「甘党じゃないけど、そのくらい知ってるよ」

「お店に行ったことあるの?」

一つも行ったことない、知識だけ

「バカじゃないの?くわしくなってどーすんの?そんなに女にモテたいの?」

「そういうことじゃなくて・・・中に入って、くわしくなったんだよ」

「ハァ?刑務所でスイーツくわしくなるとか、ワケわかんない」

「毎日必死にメモって、くわしくなったんだよ・・・」


せっかく刑務所で得た知識を、シャバに出てから生かそうと思っても、この有り様。

ヘタに勘ぐられるわ、バカにされるわ・・・さんざんです。

「でも、ヘタな女の子より、スイーツ情報くわしいかもしれない・・・」


シャバに出てからも、チェックしたお店情報はけっこう役に立っています。

結局「シャバに出てから、デートに使えるな」という下心丸出しですけれどね。

勉強もこれくらいすれば、受験も余裕だったろうに・・・


懲役はどーしても「食うこと」に飢えるので、関心はグルメ情報ばかり

毎日、メモして、報告しているうちに、頭の中に記憶されていく感じ。

まさか刑務所に行って、グルメ情報にくわしくなるとは予想しませんでした



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NO NAME

こんばんは。初めて拝見します。
テレビの見かたにも厳しい規則があるんですね。
by NO NAME (2016-01-30 20:22) 

きりたんぽ

はじめまして(^o^)
コメントをくださり、ありがとうございます。m(__)m
すべての雑居がこのような理不尽ではありませんが、若いヤツが多い部屋、少年刑務所ではこういう傾向が強いです。
まぁ、私の場合はメンドくさい刑務所、工場にいたワケですが、もっとヒドイ雑居ももちろんあります。
まだマシな方だった、と思っています。
またコメントをお待ちしております。
by きりたんぽ (2016-01-30 22:23) 

昔の住人

担当抗弁は難しい問題ですね。懲罰も怖いですが、ヘタをすれば生きてシャバに出れなくなりますから。袋をかぶせられて複数の刑務官にボコボコにされた受刑者もいました。私も殴られましたが、生きて出所てきたのは幸運だったと思います。

サラいじめにしても、社会のそれとは次元が違って、いじめる側には殺人犯もいる訳で、最初から相手が死んでもかまわないと思って、いじめてきます。いじめを苦に自殺しても、事故として報告されたら、遺族はそれを立証できない世界です。

ホリエモンが刑務所なんて楽勝などと言うから、勘違いする一般人がいるようですが、生死をさまよう状況が日常的に起こるのが刑務所です。遺言を書いて日々の生活に望む覚悟が必要で、事実、私が服役中はそうしていました。

特に、逮捕暦が初めての素人は、仮釈放などという夢は見ないで、まずは、生きて出所するにはどうすればよいか真剣に考えた方がよいですね。刑務官ですら敵という陸の孤島です。四面楚歌という言葉は、刑務所が語源なのかも知れません。

近年のサラいじめは益々凶悪化しているようで、法学者が社会問題として取り上げていますね。このブログが犯罪の抑止力になって、出所後のご対面が遺骨という、最悪の事態にならないよう、心からお祈り申し上げます。
by 昔の住人 (2016-01-31 12:32) 

まろん

きりたんぽさん、こんばんは(^^)
刑務所でスイーツ情報詳しくなり、実生活でも役にたって良かったですね!
私みたいな酒飲みは別として、たいていの女子はスイーツ好きですもんね!

昔の住人さんのお話驚きました。
それは平成のお話ですよね?
袋をかぶせられ複数の刑務官からボコボコにされるとか(>_<)
お話からすると、自殺、事故だと片付けられ闇に葬られてしまった人もいるのでしょうね。
昔の刑務所怖すぎます。。
by まろん (2016-01-31 20:02) 

きりたんぽ

昔の住人さん、こんばんは(^o^)

コメントをくださり、ありがとうございます。m(__)m
生々しい貴重な体験談を教えていただき、恐縮です。

それにしても、昔の住人さんが入っていた時代の刑務所は凄まじかったんですねぇ!
私はイジメにあったこともなく、のらりくらりとウマくやって出所できました。時代の違いなのでしょうか?
残念ながら刑務官様からは、嫌がらせは数々ありましたが、直接の暴力を受けるということもなく、不完全燃焼でした(笑)。

ホリ◯モンは刑務所側が「後になってメディアを通してアレコレ言われたら困る」と腰が引けてしまっていました。一般人には理不尽なことをするのに、刑務所のふがいなさにはガッカリしましたよね。
そりゃあ腫れものを触るように特別扱いされていれば、本人は「楽勝」って思うでしょうね。
私のいた成人刑務所では、イジメや嫌がらせは日常茶飯事ですが、生死に関わるようなことまではないようでした。

サラいじめに関しては、今でも少年刑務所はエゲツないと思います。
ただ成人刑務所に関しては「デキない方が悪い」と正直思ってしまいます。
初犯のA級成人刑務所であれば、現在はそれほどビビることはないと思います。
やることもやらず、努力も熱意もなく、文句ばかり一人前、他人の言うことを聞かない……成人刑務所でイジメられる「サラ」の共通点です。同情の余地ナシ!?

現在と過去の刑務所の処遇・環境の対比というのは、とても興味深いです。
また色々と教えてください。勉強になります。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-02-01 02:56) 

きりたんぽ

まろんさん、こんばんは

刑務所の中で雑誌をむさぼるように読み、知識を詰め込んだバカタレの私です。
とくに食に関しては、飢えていたせいもあり血眼になってチェックしました。
「知識はA級、舌はC級」そんな感じです。

出所してから、気になるお店に何店か行きました。
表参道に代表される「流行のスイーツ」系は騒ぐほどウマくはないし、一方で老舗や昔からの有名店はたしかにウマいという陳腐な結論しか出ませんでした。
というワケで、今のところ実生活では何の役にも立っていません(笑)。

刑務所では「出所したらアレを食おう、コレを飲もう」と計画していましたが、結局のところ自宅でコーヒーとビールをしみじみと飲む日常です。

またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-02-01 03:06) 

昔の住人

まろんさん、刑務所に逆らうと命の保証が無いという事実は、私が経験した平成の話しです。しかし、決して大げさではなく、有名な右翼の大物の方も、実名で事の顛末を公開しています。歴史上、前代未聞の出来事なのでご存知かと思います。

面会に来てくれる人がいれば良いのですが、更生保護会を引受人にしているような受刑者が獄死した場合、おっしゃる通り、闇に葬られる恐れがあります。名刑事件などは、たまたま表に出てしまった氷山の一角です。

旧刑事訴訟法では、拷問が合法化されていた時代がありました。被疑者ですら拷問の対象ですから、受刑者もまた然りです。法整備された現代でもこの流れは確実に生きていて、岡山刑務所では面会人でも刑務官から暴行を受けて死んでますね。

いじめについては、管理人様のおっしゃる通り、立ち回りで回避できます。しかし、真面目に勤めていている受刑者でさえ、刑務所側がその気になれば、永遠に懲罰房に閉じ込めることができます。ある意味、死を凌駕する恐怖です。

懲罰連鎖については、最近でも行われいるので、ご存知だと思いますが、こうした危機感については昔も今も変わらないですね。暗い話しばかりで恐縮ですが、機会があれば、規則を逆手に取って悠々自適に過ごした日々についてお話しします。
by 昔の住人 (2016-02-01 17:31) 

まろん

きりたんぽさん、こんばんは(^^)
出所されてから話題?のスイーツのお店行かれたんですね?
スイーツに限らず、メディアで紹介されるとたちまち行列とかになりますがそれだけでは続かないですよね~老舗はやはり続くだけの理由があるんですね。騙されないよう、おどらされないよう注意します笑


昔の住人さん、とても興味深いお話感謝致します。
右翼の大物の出来事は恥ずかしながら存じ上げませんでした。きりたんぽさんのブログを拝見させて頂くまで、刑務官なんて職業があることすら知らなかったです(>_<)

死に直面するような、まさかそんなに恐ろしい事が平成になってから行われていたとは…
外部との接触のない懲役が闇に葬られていたかもしれない、もう完全に確信犯ですよね?
名刑事件は氷山の一角…体験されている方のお話はリアルで重くて笑えないです。
今回、私は人を刑務所にブチ込んで何も知らないのはダメじゃないかときりたんぽさんに勉強させて頂いてますが、最近ははまってしまい笑
絶対に知る事の出来ない場所だからか余計に興味深く(悪趣味ですね(>_<))、知れば知るほど奥が深いなと。
規則を逆手に取ったお話、とても興味があります。

by まろん (2016-02-01 20:46) 

きりたんぽ

まろんさん、こんばんは(^^)/

コメントをくださり、ありがとうございます。m(__)m
刑務所の中で食べたチョコレートは死ぬほどウマかったですが、シャバで食べると感動しないし、胸焼けすらします。
人間、環境でここまで変わるのでしょうか?

出所してから何が一番ウマかったか考えてみると、ビールなので元々甘党ではないようです。
訊かれてもいないオッサンの趣向の話、失礼しました。

またコメントをお待ちしております。
いつもコメントで楽しませてくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-02-01 21:35) 

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