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刑務所の衣服・服装(1)・・・すべて「お下がり」の古着です [刑務所生活]

刑務所では、刑務官様は「神」であり、言うことは絶対!と何度もお話ししました。

それがどんなに理不尽でも、従わなければ「懲罰」を喰らう、メンドくさい場所。

ましてや嫌われてしまうと、やることなすことイチャモンつけられます。


だから日頃から、刑務官様にゴマすりに余念がない受刑者もたくさんいます。

かと言って、いくら気にいられても、融通をきかせてくれないモノもありまして・・・

そこをなんとか、ゴマかし、ウソつき、ダマして、通そうとするのが懲役たち


と言っても、「シャブよこせ」「ケータイを貸せ」とか大胆なモノではなく、

日常のショボ~いことを、チョロまかすような、ヘタレな話です。

今回はヘタレな話の中でも、刑務所の服にまつわる話をご紹介します。


何とか自分に都合の良い服をゲットしようと、懲役たちがセコイことをします。

そんな懲役たちの「セコい悪知恵比べ」、ダマしのテクニックのお話です。


1.服のサイズがメチャクチャです
刑務所では、当然、私服は着られません。

服装は与えられた官物のみ

それもたったの3種類!


①舎房着:部屋で着る、明るいエメラルドグリーンの上下

②工場着:作業で着る、黄緑色の上下

③パジャマ:寝る時に着る、灰色と黒のタテジマの上下


刑務所って、服装は3つしかないんですよねぇ。

支給される時も、ほぼ100%お古

基本的には「お下がり」のお古で、官物はパンツまで「お下がり」のお古です。


ウ◯コもらすジジイもいる中で、パンツのお下がりは、耐えがたい!

下着はカネさえあれば、後から私物の新品を買えますが、服はそうはいきません。

ただ古着なだけでなく、ハナからボロボロとか、よくあることです。


「毎日ずっと着る服くらい、新品が欲しい!」と、考えるのは当然。

刑務官様にゴマをすれば、新品に取り換えてくれるかもしれない

刑務官様をチョロっとダマせば、新品に取り換えてくれるかもしれない


そう考えて、悪知恵を働かすんですが、刑務官様の方が一枚上

絶対に新品には交換してくれません

支給が懲役なりたての頃なので、ワケわからないまま押しつけられて、終わり。


一応、サイズの希望を聞き、試着もするんですが・・・

サイズが、コレがまたいい加減

Sは存在せず、MからL、LL、3Lとありまして、標準サイズがLLなんです。


特に何も申し出ないと、LLが支給されちゃうんです。

小柄なヤツは、Lを申請します

Mじゃないんです。Mを頼もうとすると・・・


「あぁん?Lでいいだろ?Mなんか、ねぇよ!

と、刑務官様がものすごく不機嫌となり、Lを押し付けられます

Mは存在するらしいのですが、数が少なく、メンドウ?刑務所の伝説の存在でした。


つまり、LかLLか3Lかの3種類

もうこんな言い方やめて、小・中・大でいいだろ?

あとは各自の体型に合わせて、布をツギハギして調節するんです。


だから、この新入時の「試着」がかなり大事になってくるんですが・・・

刑務官様が監視・確認の下、全員一斉にやるので、もうゴタゴタ!

刑務官様はすぐにイライラし、メンドくさくなって、テキトーなんです。


「先生!ズボンの丈が短いんですが」

「あぁん?それくらいガマンしろ!」

「先生!上着がちょっとキツイです」

「工場に行ってから交換してもらえ」


という具合で、やっつけ仕事

よほどのことがないと、刑務官様はメンドくさがって、交換してくれません。

短い、キツイ、破れてるって、かなり問題なんですが、スルーなんですよ・・・


刑務所に入ったばかり、新入りですから勝手がわからず、困ってしまいます。

交換して欲しいけれど、ハナからモメごと起こせば後々マズいと思い、ガマン。

「工場に行ってから頼め」と言う、刑務官様のコトバを信じて、行ってみると…


やっぱり、刑務所。甘かった!


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2.服を新品にしたいけれど…
工場に配役されてから、衣服の交換、修理を申し出ると、なんと

「オメェ、今頃になって言うな!」

「新訓の時に、頼んでおけよ!」

と、刑務官様に怒鳴られる始末。


――えぇっ!工場に出てから頼めと言われたから、頼んでいるのに・・・

えぇっ!聞いてないよ~、話が違うよ~、の世界です。

刑務所は万事こんな感じ。


「その場ですぐに主張しないと、文句がないものと見なされる」

1年もいればよくわかります。

その時に「主張」して、クレームつけないとダメ


なんか、ゴネ得の世界でイヤです。

ダメだと言われても「服が短い、キツイ、破れてる」は不便で困ります。

そこは粘って、刑務官様にお願いし、頼まないといけません。


「先生!上着が破れているので『交換』お願いします!」

「あぁん?わかった、出していいぞ」

よっしゃーと思ったら、届いたのは「交換」の新品ではなく、修理して古いまま


「先生!上着の袖が短いので『交換』お願いします!」

「あぁん?わかった、出していいぞ」

よっしゃーと思ったら、届いたのは「交換」の新品ではなく、修理した「リムジン」


ホント、意地でも修理してきます

舎房着も工場着もみな、刑務所で作った粗末なモノなので、新品に交換してもいいハズ。

工場着は2着、舎房着・パジャマは1着のみなので、結構ボロボロなのに・・・


ところで「リムジン」って、わかります?

ソデやタケが短いと、真ん中あたりで切って、伸ばす分の布を縫いつけるんです。

ツギハギをして伸ばすという、何とも貧乏くさい、工作のよう。


この「後付けの布で伸ばして」長くなった衣類を「リムジン」と呼んでいました。

身長の高い者は、こうして衣類を合わせるしかないんです。

ジャストサイズの新品なんて、まずないので、リムジンでも喜んでました。


でも、どーしても新品に交換してもらいたい!

だから、せこいヤツになると、わざとハデに汚したりするんです

製品に使う塗料をこぼし、工場着にブチまけて「先生!交換お願いします」


さすがに塗料で真っ黒になった工場着は新品に交換となりました。

「やったぜ!オレの読みが当たったな。新品ゲットだ!」

しかし、塗料をこぼしたのは刑務官様の怒りを買い、「誓約書」もゲット!


この誓約書、懲罰の手前であり、確実にマイナス評価となるモノです。

まさに本末転倒。そうウマくはいかない。

他には、わざと破いて、新品と交換を狙う手がありますが、コレがうまく行かない。


破いた時は、しつこいくらい縫い直して、修理の状態で帰ってきます

薄汚れたシーツを交換したくて、ワザと大きくカギ型に破いて、申し出したら・・・

何と!当て布をして、縫って修理。そこまでしたら、新品の方が早いだろ!


シーツなんて、うすーいタダの白布。新品に交換した方が安上がりです。

しかし、ワザと破いて交換しようと企む「セコいヤツ」が多すぎるんです

衣類担当の刑務官様にはバレバレで、意地でも修理して、戻ってくるワケです。


衣類に関しては、とてもキビシイ刑務所。

シーツ、枕カバーは2年は経たないと新品には交換してくれません。

舎房着、工場着、パジャマは使える限り、ずーっと交換はナシでした。


シャバに戻って、シワのない服、洗剤の香りのする服を着る。

こんなモンでも、幸せを感じます。

今考えても、パンツのお下がりだけはイヤだなぁ・・・



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V(-¥-)V ごとう さとき

素朴な疑問・・・
服を修繕しているのは誰でしょう?

食事と同じで、「修繕工場」があるんですか?
by V(-¥-)V ごとう さとき (2016-01-10 16:53) 

マーチン・ターシロ・マサシ

↑上の質問の付属ですが、、、

服を修繕している間、当該懲役様は何を着ているのでしょうか?
お直し期間は瞬時とは思えませんので、その間どのような出で立ちでお過ごしされているのでしょうか?


by マーチン・ターシロ・マサシ (2016-01-10 22:44) 

きりたんぽ

ごとうさん、こんばんは(^o^)

コメントをくださり、ありがとうございますm(__)m。
衣服を修繕している所は「洗たく工場」です。
修繕する部門があるそうです。

またコメントをお待ちしております。
by きりたんぽ (2016-01-11 00:25) 

きりたんぽ

マーチンさん、こんばんは(^o^)

コメントをくださり、ありがとうございますm(__)m。
鋭い質問ですねぇ!
修繕はその日のうちには出せません(担当の刑務官様が許可を出せば別だが)。
事前に担当の刑務官様に「衣服の修繕に出してよいか」の許可をもらった上で、修繕に出します。
その上、修繕に出せる曜日が決まっています。
刑務所は何でも時間がかかるというか、思い通りには行きません。

工場着に関しては1人2着あるので、修繕に出している間はもう1着を着ます。
舎房着やパジャマは、作業のある平日の朝に出し、夕方までには帰ってくるので、代替で何を着ればいいのかという心配もありません。

スキがないんですよね~

またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-01-11 00:31) 

まろん

こんにちは(^^)
舎房着、工場着、パジャマ、どれもほぼお古なんですね(>_<)
その決まったお古に自分の番号なりを縫い付けるのですか?
最初ぐらい身体に合った物を新調してくれてもと思っちゃいますが…甘いですね?(^-^;

リムジンとかの修繕は誰がどこでしているのか気になりましたが、皆さんのご質問でスッキリしました。
有り難うございます(*^^*)
by まろん (2016-01-11 15:15) 

めい

明けましておめでとうございます。
いつもブログ更新、お疲れ様です。

以前、差し入れの事や年賀状のことを
質問させていただいた者です。

服役中の家族の者から、元日に年賀状が
届いたと手紙が届きました。
とても喜んでいて、送ってよかったです(^O^)

出所は来年なので、まだまだ長いですが、
すこしでも支えになるように、手紙を送って
あげたいと思います。

すこし前の話題ですが・・・・
メリヤスや靴下が高くて驚きました。
家族は栃木に入っていますが、とても寒くて
廊下が凍ってるらしいです(^-^;
まだ新しい建物みたいなので、長野や川越より
マシみたいよと教えてあげました(笑)

これからも更新、楽しみにしています(*^-^*)
by めい (2016-01-11 17:37) 

きりたんぽ

まろんさん、こんばんは(^^)/

コメントをくださり、ありがとうございますm(__)m。
どの衣服も裏側にタグが縫い付けてあり、そこに自分の称呼番号が刻印されています。
ですから勝手に他人のモノとは交換できません。
タグですら、前の番号に二重線を引いて、自分の番号を刻印しているという、徹底したお古です。

サラ(新品)なんて、滅多に巡り合えないですね…

またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-01-12 00:47) 

きりたんぽ

めいさん、こんばんは(^^)/

遅くなりましたが、新年おめでとうございます。
年賀状も無事届き、喜んでもらえたようで何よりですね!

あのような所に入っていると、外から手紙をもらうのはとてもうれしいです。
メリヤスやくつ下……差し入れ物品、とくに衣類は割高なので、結構な金銭的負担になります。

黒羽や川越は建物が古いので、建物の中でも外気温と変わらず、寒いハズです。

またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。

by きりたんぽ (2016-01-12 01:00) 

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