刑務所での
「カネ事情」について、お話ししています。
建前では「懲役生活は1円も使わずに生活できる」ことになっています。
たしかに、
食費、光熱費、家賃はすべてタダ。
衣服は決められたモノしか着られず、下着でさえ与えられます。
最低限必要な日用品は「官物」で与えられ、買う必要がありません。
しかし、それはあくまでも建前。
ホントに官物だけで済ます
「完全ゼロ円生活」の受刑者は、ほとんど見ません。
いくらカネがないと言っても、
最低限のモノを自腹で買う人が大半。
ゼロセンの人も、スズメの涙ほどの作業報奨金を使って、日用品を買っています。
ハブラシ、タオル、ボールペン…
やはり、
この3点くらいは自腹で購入しないと不便が多いようです。
余裕があるなら、シャンプー、石けんも欲しいところ・・・
ガマンすれば何とかなる!とは言うものの、
少しばかりはカネを使うのが現実的。
では、
懲役生活ではどれくらいのカネがかかるのか?
平均の想定金額、どケチの場合、ミエ張りの場合・・・と考えてみたいと思います。
1.どれくらいカネがかかるのか?
刑務所で、
カネをかけられるところは、およそ3つ
①衣服
②日用品
③書籍
平均的な受刑者の「出費」を、かたよった経験による、独断で算出してみました。
まず結論から、平均でどれくらいカネを使っているか?
1ヶ月平均1,500円(①衣服+②日用品)
その
「最低限のモノを自腹で買う」内訳は・・・
チリ紙:300円 石けん:200円 ハブラシ150円 歯みがき粉:250円
切手代:328円 便せんなどの文具代:300円
コレだけで、もう月1,500円
ただ、
1年で2万円あれば、最低レベルの生活はできるということ。
しかし
正直、「最低限のモノを自腹で買う」生活はしんどいです。
だから、もうちょっと必要なモノを自腹で買おうか・・・となると
さらに
1ヶ月当たり倍近くのカネが必要になりそうです。
シャンプー、タオルなど、しばらくもつモノ:月当たり200円
一度買ってしまえば、かなりの期間もつモノも考慮しますと・・・
下着、くつ下、防寒着、運動靴、サンダル、電池式ヒゲ剃り…などが挙げられます。
参考までに、およその値段を示すと
シャンプー:300円 タオル:150円(3ヶ月に1度は買うペース)
シャツ:700~800円 パンツ:500~600円 くつ下:500~600円
刑務所では洗たくがいい加減なので、すぐに汚れ、傷んでしまいます。
周りの者たちを見ても、1年もたせれば、相当ガンバった!
シャツは半年、パンツは1年で、3着はお取替えしたいところです。
防寒着(刑務所ではメリヤスと呼ぶキルティング素材):
上下で5,000~6,000円
運動靴:2,000円~5,000円
サンダル:1,500円
電池式ヒゲ剃り:4,000円
これらは一度買ってしまえば、出所までもつモノも多いです。
刑務所で買える品物は、指定のモノしか買えず、
ほぼ定価なので、かなり割高。
その品質の割には、かなりのムダ金を使わされる感じです。
これらをかなりザックリした計算にて、
1ヶ月当たりに換算すると・・・
下着代:1ヶ月600円くらい
その他日用品:1ヶ月600円くらい
最低限の1,500円と併せると、1ヶ月2,700円くらい欲しいところ。
年間にすると3万円超。
コレが安いか、高いかは、判断がムズカシイところです。
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2.悩ましい書籍代
刑務所で快適に過ごすため、自腹で払ったらどうなるか、計算しました。
ただし、
コレは個人差の大きい③の書籍代は含みません。
やはり、本や雑誌、新聞は情報弱者とならないためにも、少しは欲しい・・・
かなり大雑把ですが、
週刊誌1冊、月刊誌1冊、本1冊でも1ヶ月4,000円。
新聞は1誌が3,000円ちょい。ですから、節約する人は買いません。
それでも、
①+②+③あわせて1ヶ月5,000円を越えちゃいます。
本も制限いっぱい買うとなると、刑務所によって冊数がだいぶ違います。
3冊ほどしか買えない所もあれば、10冊も買える所もあります。
その上、
新聞まで買ったら、書籍代だけでも1万円近くかかります。
ということは、かなり乱暴な計算ではありますが・・・
受刑者が、そこそこ快適な生活を送るため、自腹を切ると1ヶ月7,000円
年間8~9万円は必要・・・となってしまいます。
刑務所って、カネを使おうと思えば、けっこうムダづかい?ができてしまう!
カネはないから使いたくないが、かと言って本がないと退屈でたまらない・・・
刑務所の娯楽と言えば、TVか書籍くらいしかないので、悩むところです。
3.雑居の「お付き合い」費用
ここまで、「一人の受刑者の判断」で金額を出しましたが、
雑居房はそうはいかない。
なぜなら
、雑居房によっては「お付き合い」の費用が発生したりします。
部屋員の生活が楽しめるよう、
1人ずつ書籍を分担して購入するのが代表的。
この本を買う
「しきたり」は、断ることもできますが、扱いが悪くなります。
買わないと、部屋では「使えないヤツ」と見なされ、ビミョーに肩身が狭いです。
週刊誌、月刊誌、マンガ、何でもいいのですが、1冊は買うことを求められます。
雑居では、本の回し読みOKなので、カネがあれば、この「しきたり」はありがたい。
カネもないのに、スポーツ新聞を購読し、部屋に提供して、ミエを張る者もいます。
先輩方にゴキゲン取るために、好みのマンガを購入し、提供する者もいます。
こんな感じで、
雑居だと余計な「交際費」も、かかったりしちゃうワケで・・・
最低でも本を1冊、ですから、
1ヶ月に1,000円程度よけいな出費です。
これで先輩にかわいがってもらえて、コミュニケーションが図れれば、安いモノか?
しかし、
ヒドイ雑居になると「教育費」まで、取られちゃうところも。
「先輩が時間を割いて、用務やしきたりを教えてやっているんだから・・・」
こんな理屈で、
見返りに日用品や本を先輩に上納することを求められます。
(注:『お付き合い』の費用については
「
刑務所でのカネにまつわる話(7)・・・カネを使わない人たち」をご覧ください)
ここから先は、エスカレートしてしゃぶりつくされないようにしないとダメ。
貢がせるイジメは、なかなかバレにくいので、出所まで吸い上げられます。
何でも払ってはダメ、かと言って提供・上納しないと立場が悪くなる・・・
シャバと同様、刑務所も人間関係やその線引きがムズカシイです。
もう1つ
「どーしても払わないと、いや、払いたい」出費がありました。
それは
集会で食べられる「お菓子代」
懲役を半年間無事に過ごせば、優遇区分が
「第3類」に上がります。
そうなると、懲役たちの最大の楽しみ「集会」に参加でき、お菓子が食えるように!
しかし、この
お菓子は当然、自腹。作業報奨金から引かれます。
施設によって違いますが、
お菓子は300円~500円。
月に平均数千円の給料では、このカネは痛いワケで・・・
中には集会を辞退して、お菓子を食わない人もいますが、お菓子をガマンはキツイ!
というワケで、食いたいのでほぼ全員払う費用になります。
まさか、集会のお菓子をタダで食べられるなんて、思っていませんよね?
刑務所は結構カネがかかる・・・という結論になりました。
作業報奨金だけでは全然足りない。快適に過ごすためには手持ちのカネが必要。
「地獄の沙汰も金次第」
まさにこのコトバを痛感する、刑務所生活です。
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2015-12-03 17:00
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コメント(6)
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共通テーマ:日記・雑感
集会の菓子が自腹だというのは、このBlogくらいでしか公開してませんねぇ
余談ですが、昭和期のTV番組では、視聴者プレゼントに
「○○1年分! (・∀・)v」
というフレーズが多かったのですが、その中に
「パンツ1年分・・・_φ(・・ )b」
というモノがありました。
毎日履き替え放題 ヽ(´∀`)ノ
・・・と思ったら、実際に提供されるパンツの枚数は
“4枚 ( ̄□ ̄;)!!”
だったそうです。
何でもそこのメーカーのパンツの耐用期間は90日だそうで、
365÷90≒4
という計算でした。
せめて5枚くれれば1年以上保つのにねぇ
by V(-¥-)V ごとう さとき (2015-12-03 17:53)
ごとうさん、こんばんは(^o^)
コメントをくださり、ありがとうございますm(__)m。
集会の菓子が自腹というのは、盲点なのかもしれません。
冷静に考えれば、懲役の菓子代を官が払ってくれるはずがないんです。
懲役たちにとっては、自腹なのは当然すぎることなので、あまり知られていないのかもしれません。
シャバのサラリーマンの税金と同じく、菓子代は天引きされているので、カネを取られている感覚が希薄なのも原因と考えられます。
パンツ1年分の計算はオモシロいですねぇ!
3ヶ月ですか。
たしかに刑務所では、3ヶ月するとシャツもパンツも汚れが目立ってきて、自分でゴシゴシ洗うか(バレたら懲罰)、買い替えたくなります。
それにしても、履き替えの分も考えず4枚とは・・・(笑)。
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2015-12-03 18:46)
ついに年間総額出ましたか(笑)
私の想像額を大幅に上回る額でビックリしました。今は大混乱中です。
ところで電池式ひげそりって購入できるのですね!いつ使えるのですか?また替刃は存在するのでしょうか?
by じじ (2015-12-03 19:31)
じじさん、こんばんは(^o^)
コメントをくださり、ありがとうございますm(__)m。
年間総額を出してみましたが、あくまでも私物を購入して「できるだけ快適な生活をするため」の金額です。
記事でも申し上げた通り、最低限(最低限以下の気がするが)の生活でよければ、すべて官物で済ませ、ゼロ円生活もできます。
この際、すべての物欲を断ち切り、ゼロ円生活もいいかもしれません。私はムリでしたが。
ゼロ円生活をすると、書籍・新聞が購入できず、情報が入って来ないので、情報弱者になります。
出所後の社会復帰を考えると、これは避けたいところです。
電池式ヒゲ剃りは、拘置所でも刑務所でも購入できます。手に入り次第使えます。替え刃は売っていますし、買わなくとも相当期間もちますから、ご心配なく。
参考にして下さい。
by きりたんぽ (2015-12-03 22:24)
きりちゃん 乙です(^-^)
定期的な更新嬉しいですありがとう。
さて先日ご相談した
手紙の裏にナンプレの手書き笑
どうやら問題なく?入ったそうです。やはり場所によるようですね。
相方は よく小さくドラえもんの似顔絵色付きで書いているし(-_-)
寒くなってきましたね 相方は→愛方は
苦労人なので寒くないらしいですが(^_^;)
きりちゃん 風邪ひかないでね。
引き続き 読み耽ります…
by あーちゃん (2015-12-05 08:04)
あーちゃん、こんばんは(^o^)
コメントをくださり、ありがとうございますm(__)m。
ナンプレ、入ったんですね!良かったです。
施設にもよるし、未決・既決でも変わりますので、判断がムズカシイです。
ちなみに、既決(刑が確定)になると、自分のいたところは、手紙にイラストを描くのも一回一回「願せん」で許可を取らなければダメでした。メンドくさいでしょ~(笑)。
古い建物だと、すきま風がハンパなく、コレでやられます。冷たい風がいかに手ごわいかを身をもって思い知らされます。
近いうちに「刑務所の冬」のネタを書きますので、どうかお読みくださいませ。
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2015-12-06 00:26)