SSブログ
SSブログ

刑務所でお菓子が食える?④・・・菓子は手で食べてはダメ [食事]

「刑務所でお菓子が食える」ことについて、お話ししています。

刑務所では祝日になると「祝日菜」と言って、お菓子一品が全員に配られます。

懲役たちはコレを「特食」と呼んでいます。


とは言っても、予算は60円、品数は1品で、ショボいんですが、懲役たちは大喜び。

懲役たちは常に空腹、とくに甘いモノに飢えているので、その執着はハンパないです。

また、懲役なりたて、懲罰繰り返しの者にとって、菓子を食う唯一のチャンスなんです。


こんな事情があるので、みんな仲良く食べて終わり、んなワケがない。

前回は、雑居では新入りは特食を食べられないことが多い、というお話を
刑務所でお菓子が食える?③・・・新入りは特食を食べられません?
にて、ご紹介しました。

部屋長に「みかじめ料」として上納しなければならず、結局食べられないのです。


今回は、特食を食べる際の「お作法・マナー」をご紹介します。

たかが菓子を食うのに、イチイチうるさいんですよ!

まぁ、そうやって「パワハラ」して、懲役たちはストレス解消しているんですけどね。


1.特食は、手で食べてはいけない!
祝日に、一人に一つ配られる「特食」は、雑居房ではうかつには食べられません

別に時間が指定されているワケでも、食べ方が決まっているワケでもありません

刑務所側からは「夕食後までに食べて、ゴミは出せ」と言われているだけです。


配られるモノだって、ありふれたお菓子ばかりで、珍しいことはありません。

楽しく食べりゃいいのに、雑居房は先輩たちから「変わった指導」を受けます。

それが「お作法」や「マナー」


シャバでは絶対にやらない、くだらない「決まりごと」を懲役どうしで強要します。

雑居房の懲役たちが「悪しき伝統」で勝手に決めた「ローカルルール」なんです。

それに従って特食を食べないと、説教され、ヒドイ時は工場を追い出されます


「刑務所側から指示されているワケでもないのに、ルールなんてバカじゃないの?」

どーして、楽しめないのか?

自分で自分の首をしめるのか?

ホント、理解できなかったのですが、

他に選択肢のない「必要悪」なんです


色々な人間がいるので「決まりごと」を作らないと、メチャクチャになるのも事実。

雑居房の秩序を保つためには「決まりごと」の下、相互監視しないとダメなのも事実。

自分たちが先輩からされた理不尽な「決まりごと」を、下にも守らせたいのも事実。


そんなドロドロな思惑が合わさって「非常識」な、お作法やマナーが出来上がります

前置きが長くなりましたが、「お作法」や「マナー」をいくつかご紹介します。


前回、若者の雑居房では、新入りは特食を上納し、食べられないお話をしました。

ただ、オッサンたちのフツーの雑居房では、そんなことはまずありません。

バカバカしいし、後々調査・懲罰などしっぺ返しが来るので、全員食べさせます。


「待ちに待った特食!」「久しぶりの甘いモノ!」

懲役たちは、たかがチープなお菓子にテンション上がりまくりです。

ガマンできず、さっそく食べようとするんですが・・・先輩に注意されます


「オイ!どうやって食べる気だ?」

「はい?えっ、あの・・・」

「まさか、手で食べないよな?」


えええぇぇぇっっ!!!お菓子を食べようとしているのに、手で食べないって?

何かのトンチ? それとも特食を食わせないための「いやがらせ」なのか?

お菓子をどう食べればいいんだ!?


元受刑者の私でも作ることができた、太っ腹!な楽天カードはこちらからどうぞ↓↓


(続きを読む)
↑↑懲役生活は何といっても本がありがたい!楽天ブックスはこちらからどうぞ↑↑

2.ムショ流・お菓子を食べるお作法
「お菓子を手で食べてはいけない」と、いきなり先輩からの無理難題。

フツーはいやがらせ、理不尽としか思えないハズです。

が、しかし、そこには「ムショ流」の至極真っ当な理由があるのです。


「そのまま手でつかんで食べたら、汚いだろ?」

「はい?手を洗って食べるので、そんなに汚くないような・・・」

「違うよ!食べた手で、他の所を触ったら、油とかで汚れるだろ!」

「はい・・・たしかにそうです」

「オマエが一気に食って、すぐ手を洗うんなら、手で食ってもいいけど」

「いえ、ゆっくり食いたいです」

「だろ?だったら、手づかみで食うんじゃないよ!」

「すみません、どうすればよろしいんでしょうか?」

「今日特食が出るのはわかっているんだろ?前日までに聞いておけよ!」


粘着質な先輩だと、ここから説教が2~3時間続くことはザラである。

まぁ、説教を書いても仕方がないので、続けよう。


「ハシを使って食うんだよ」

「ハシで一つ一つ、つかんでお菓子を食うんですか?」


ちなみに、ハシで食えと言っているこの日のお菓子は「ポテトチップス」だった。

ポテチだけでなく、クッキーやせんべいだろうと、ハシで食わないとダメだ。

乾ききっているお菓子を、わざわざハシを使って食うとは、潔癖症か?


「手で触れず、ハシを使って食う」

受刑者って、何だか行儀がいいんだか、アホなんだか、よく分からん・・・

でも、ポップコーンの時は、一つ一つハシで食うのはイライラしたもんです。


そして、ここにはもう一つ「笑っちゃう矛盾」があるんです。

雑居では、普段の食事の際、ハシはほとんど使っていないんです

雑居では、食事にはスプーンを使う


これが、どこの雑居でも決められて、みんな守っている「ルール」なんです。

「ハシだと、洗い物担当の者の手間が増える」という、よく分からん理由ですが

とにかく、普段はハシを使わない!


「ハシはお菓子を食う時のためにあるのか!」

懲役なりたての新入りは、ハシの使い方に、軽いカルチャーショックを受けます。

まぁ、ゼッタイに食事の時にハシを使ってはいけないワケではないんですが・・・


先輩のありがたいレクチャーを受け、ハシも用意して、いよいよ食おうかと・・・

その時、また先輩があわてて注意してくるんです。

「オイ!そのまま食う気じゃないよな?」


ハシも用意したし、小机にお菓子を置き、姿勢を正して食べようとしている・・・

まだ何か、ケチをつけたいことがあるのか!

いいから食わせろよ!


「小机の上はどうするんだ?」

「菓子を置いて、ハシを用意して、食べます」

「そのまま食べたら、こぼれたりして汚いだろ!」

「・・・すみません」

「チリ紙を敷くのは常識だぞ!」

先輩が言うには、ハシを使って食べても、小机の上にはカケラや粉が落ちる。

それでは汚いので、事前に「チリ紙」を敷いておけ、と言う。

たしかに、お上品で、理屈はもっともであり、反論はできない・・・

でも、どんだけ潔癖症だよ!


オッサンたちが、小机の前にかしこまって座り

机の上には、テーブルクロス代わりの「チリ紙」をキレイに敷き並べ

ハシを使って、一つ一つスナック菓子を食う


なんともシュールな光景です

こんなシャバでは非常識な食べ方をしながら、懲役たちは笑顔で話します。

「TV見ながら菓子食えて、幸せ!」

「ホント、最高っすよね!」

刑務所に適応しているとはいえ、どんだけ幸せの基準が低いんだよ!


次回は、懲役らしい「特食の食べ方」をお話しします。



無職 ブログランキングへ
にほんブログ村 その他日記ブログ 社会不適合者日記へ
にほんブログ村
↑↑ランキング参加中です。クリックしていただけると、感謝感激、生きる希望が湧いてきます。

↓↓出所後もカードは必需品。だったら使いやすい楽天カードはこちらからどうぞ↓↓



↑↑差し入れには本が一番。お得で節約できて、出所後に助かる楽天ブックスはこちらから↑↑
nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 2

まろん

こんばんは(^^)
房の先輩は懲役になられて潔癖になったのか、元々そういう気質の方が多いのか…
以前の記事の、レトルトのパックや牛乳の飛び散らしのお話もそうですが、なんだかピリピリしてて怖いですね~(>_<)
だらしない人は格好の餌食ですかね?[あせあせ(飛び散る汗)]
ただ、それだけ細かかったら房の中やトイレは綺麗が保たれてそうですね!
by まろん (2015-09-15 21:04) 

きりたんぽ

まろんさん、こんばんは(^o^)

いつもコメントをくださり、ありがとうございますm(__)m

まろんさんのおっしゃる通り、元々潔癖症の人間も結構いますが、刑務所のストレスフルな環境のせいで、病的な潔癖になってしまうようです。
潔癖が原因という人もいますが、他人のミスや違いは許せないという理不尽な人が多くなるんですね(笑)。
常にイライラしていて、他人のアラがよーく見えてしまい、それを流すことができない。許せない!ってなるんですよね。

記事ではやたら細かいお作法やルールが出てきますが、これにはワケがあります。
その工場や雑居に入って、学んで、慣れないとわからない「ローカルルール」を作ることで、先輩たちが絶対的に優位に立てるから、たくさん作っちゃうんです。
新入りはわからないワケですから、教えてもらわないといけないし、初めはうまくいくハズがない。
そうすれば先輩は怒鳴り散らして罵倒することもできるし、上から目線でエラそうにどうでもいいローカルルールを教えて、恩を着せることができる。
どちらにしろ、先輩たちは「コントロールしたい」という支配欲が満たされるワケです。

これは刑務所のような管理・抑圧されたところで生活していると、その反動で「他人を思いのままコントロールしたい」欲求がハンパなく高まります。
だからそれが「合法的にできる」ローカルルールをどんどん作って、キビシクしちゃうんですね。

他人をコントロールする「麻薬のような魔力」に憑りつかれ、自分で自分の首をしめていることに気づかない。それに従わなきゃならない下っ端は、もうメンドくさく、息苦しく、ピリピリしちゃうんですよ(笑)。

以前の記事にも書きましたが、だらしのないヤツをイジメの対象にすることで、平和が保たれたりします。
そいつが標的になっている間は、自分たちは標的にならない。だから、イジメ・いやがらせがなくならない、という側面もあります。
コレって、中学生くらいの時のイジメと同じですよね。
レベルが低いんですよ、刑務所は・・・

ちなみに雑居の便所や房内は、掃除が行き届いていて、キレイですね(笑)。

くどくなりましたが、少しはお役に立てたでしょうか?
いつもお読みくださり、ありがとうございます。
またコメントをいただければ幸いです。
by きりたんぽ (2015-09-16 00:24) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました
Copyright © 犯罪予備軍のための刑務所マニュアル All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます
Designed by KAETENテンプレート
FXデイトレードのメリット

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。