「刑務所の食事」について、続けてお話ししています。
今回は
「正月」のメニューをご紹介します。
一年に一度の「ハレの日」であり、完全に別モードに入ります。
前回までは
「季節の行事のスペシャルメニュー」をご紹介してきました。
節分、ひな祭り、クリスマスなど、何か一品プラスされる、ウレシイ日があります。
その中でも「正月」は格が違います。
予算も750円程度、別枠で確保されており、他の行事とは力の入れようが違います。
正月と言えば「おせち料理」「モチ」ですが、これが刑務所でも出るんです。
さぞかし豪華なイメージをされているかもしれませんが、そこは刑務所。
高価で、ウマいもんを、腹いっぱい食えると思ったら大間違いです。
しょせんは「ムショめし」
量も、質も、中身も、冷静になってみると
「また、ダマされたよ!」です。
どうもシャバでは「刑務所の正月は豪華らしい」と
カン違いされているようです。
今回はその中身を詳しくお話しし、誤解を解きたいと思います。
「なんだそんなもんか」「やっぱりシャバの方がいい」と感じて下されば幸いです。
前回は「大みそかのメニュー・年越しそば」について
「
刑務所の食事のウワサ⑧・・・ムショで年越しそばは食えるのか?」
にて、詳しくお話ししましたので、ぜひご覧ください。
1.おせち料理は出るのか?
「刑務所でおせち料理なんか食えるわけがない」最初はそう思っていました。
「受刑者に、おせち料理なんて食わせる必要はない!」とシャバの人も言うでしょう。
ところが、刑務所は「日本的な季節の行事」を大事にするんですよね。
だから「正月」は大事にされていて、おカネもかけている。
「おせち料理」が出ちゃうんですよね。
刑務所でおせち料理が出るなんて、スゴイことだな。うーん、ゼイタク!
しかし、おせち料理って、組み合わせによっては、必ずしも高級食材ではない。
伝統的なおせち料理の「高級食材」って、エビと数の子くらいかもしれない…
見栄えが良いだけで、「日持ちのする」「割と安い」食材で埋められますよね。
だって、紅白のなますと紅白のカマボコで埋めても「おせち料理」でしょう?
これならば、かなり安く抑えられるし、外注せずとも刑務所で作れちゃう。
「おせち料理」というコトバでダマされてはいけない。問題はその中身です。
たしかに、
刑務所側も説明の時「おせち料理」とは一言も言っていないんです。
メニューにも「正月折詰」とか、単に「折詰め」としか書いていない。
だから何が入っていようとも、文句は言えないんですねぇ。
「今年のおせち料理は、おせち料理らしいものが入っていないじゃないか!」
と、官に苦情を言ったところで、
まったくのムダ。
「は?誰がおせち料理を出すって言った?カン違いするんじゃねぇ!」と一喝です。
憎たらしい・・・さすが刑務所、屁理屈?逃げ道?がウマいな。
それよりも、肝心のおせち料理をサッサと紹介しましょう。
実は「折詰め」も
刑務所によって、年によってバラツキがあるんです。
せっかくですから「一番良かった」おせち料理をご紹介しましょう。
元旦の朝食の時に配られますが、
容器は「コンビニの幕の内弁当」の大きさです。
まさか重箱で2段、3段で出てくるなんて思ってませんよね?刑務所ですよ!
「なんだよ!これじゃあ弁当じゃねぇかよ!」
シャバっ気が抜けていない懲役初心者は、この大きさに文句タラタラです。
だから、ココは刑務所だって―の。おせち料理出るだけ上等。
問題は中身ですから。中身はどうなっているかと言うと・・・
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2.ムショのおせち料理の中身は?
大きさも、容器も、ちょうどコンビニの幕の内弁当と同じと、お話ししました。
一丁前に
「寿」の「のし」が巻かれていて、中身が見えないニクイ演出です。
のしを取って眺めてみると、おおっ!意外と品数は入っています。
①トンカツ ②チキンソテー ③グラタン
④エビ塩焼き ⑤卵焼き ⑥さわら西京漬け
⑦数の子 ⑧根菜の煮物 ⑨カマボコ
⑩小魚とくるみの佃煮 ⑪紅白なます
⑫黒豆 ⑬栗きんとん ⑭水ようかん
以上が
「ムショのおせち料理」のメンバー
数の子があるのは驚いたし、エビや栗きんとんもガンバっているなと感じる。
「スゲェ豪華じゃねぇか!ふざけるな!」とお怒りにならないで欲しい。
どれも「一口サイズ」以下なのだ。
「カケラ」的なサイズであり、栗きんとんは栗が破片だし、トンカツは1切れだ。
14品もあるけれど、詰めてみたら「幕の内弁当」サイズに収まっちゃうワケです。
「弁当忘れたら、クラスのみんなが1品ずつ分けてくれました」的な
まさに
「寄せ集めオールスターズ」といった弁当です。
冷静に考えて、
コンビニなら498円でしょう。
中には、「これはおせち料理じゃねぇだろ!」という品も入っていますが・・・
まぁ味もそこそこ、定番おせち料理は入っていますし、ありがたい品です。
なにより「シャバで作られた」いつもは食えないモノばかりでウレシイ!
これを1月2日か3日の昼までに(年によって違う)食べ切ることになっています。
普段は食べられない、豪華なシャバの味を
何回にも分けて食おうと考えるんですが
一度食い出すと、ウマくて、ハシがどうにも止まらない。
元旦の朝食の時点で完食してしまう年もあり、新年の朝から深く後悔。
「ああっ~もう食っちまった!今年もロクな年にならなそうだ」と落ち込みます。
何年やっても、うまくコントロールできず、半分残しておくのが精一杯でした。
このありがたい「おせち料理」
年に一回しかないので、次の正月には忘れるんです。
つまり、
脳内で勝手に「去年のおせち料理はスゴかった」と美化されるんです。
デフォルメされたおせち料理を思い浮かべているもんですから、期待はハンパない。
そしておせち料理が出るたびに、
脳内のおせち料理との落差にガッカリします。
「ああっ!今年のおせち料理はショボい!」
いやいや、メモを見返してみると、ほとんど変わりはないのよね・・・
せいぜい「水ようかん」が「あんこもち」に変わったとか
トンカツのサイズが大きくなった、小さくなったというレベルでしかない。
おそらくある程度の内容と金額を指定して、刑務所で注文しているのは間違いない。
でも、何かを言わずにはいられないのが、退屈な生活を送る懲役たちなんです。
「こんなはずじゃあなかった」と、文句を垂れながら、ニヤけて食う。
これが、刑務所の
「正月あるある」です。
実はこの
おせち料理、刑務所によって差があるんです。
別の刑務所では、大きさがコンビニのカツ丼などの
丼弁当サイズと小さかった!
「ちっちぇーなぁ」このサイズでは、2日や3日に分けて食うのはムリ!
開けてみても、
おせち料理というよりは揚げ物オードブルといった感じ。
から揚げ、一口カツ、コロッケ・・・揚げ物はウレシイんだが
数の子はもちろん、栗きんとん、エビなど
「おせちらしい」高い食材は一切カット
「予算はどこの刑務所でも同じはずなのに、どうしてこうも変わるんだ?」
おせち料理の発注担当者が、
中抜きして裏金でも作っているんじゃと勘繰りながら
「なんだかなぁ」と正月からボヤキまくって、食べるのでした。
次回はもう一回、正月の話。モチなどのお話をする予定です。
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2015-09-09 17:00
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