「刑務所の食事」についてシリーズでお話ししております。
前回は、
シャバでも食べたい「刑務所独特のメニュー」をご紹介しました。
数は少ないのですが、ホントこれはウマいな、というメニューもありました。
あなたもきっとマネして食べたくなる「ムショめし」については
「
刑務所の食事⑬・・・シャバでも食べたい刑務所のメニューとは」
にて詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
しかし、皮肉と言いますか、当然と言いますか、そのすべてのメニューにおいて
素材の味を生かした「ガンバって調理をしていないモノ」という結果でした。
今回は、「その真逆」つまらないモノを手間を加えておいしく食べるお話です。
そのまま食べればいいのに、退屈なのか、何かしないと気が済まないのか
平凡なメニューに、わざわざひと手間を加えて、おいしく?食べようとする
懲役たちの涙ぐましい?いくぶん暴走?理解しがたい「ムショめし」をお話しします。
14.ひと手間でウマい!ムショめし
以前の記事でもお話ししましたが、
懲役たちは「まぜメシ」が大好きです。
コーヒーゼリーを麦メシに混ぜてみたり(これはウマいけどね)
桜でんぶを牛乳に溶かして「いちごミルク」と言って喜んで飲んだりと・・・
シャバでは恥ずかしくてできない、キワモノ、ゲテモノと言われるモノでした。
ウマくないモノを少しでもおいしく食べるための工夫なのか?
メシにも飽きているから、食べ物で遊んでいるのか?
いまだに、よく理解できませんが、
今回はギリギリ「アウト」のライン?と思われる
「ひと手間加えて、おいしくな~れ」のムショめしを紹介していきましょう。
①フワフワ納豆
刑務所では、朝食に
納豆が週2回程度出る、定番メニューとなっている。
ただ、中に入っている
小さなタレとカラシの小袋しか、混ぜるものはない。
ネギとかの薬味もナシ、しょうゆも追加でかけられないし、
単調で飽きてしまう。
そして関東の某刑務所は、朝食に
牛乳が出ることが多い。
この
納豆と牛乳が同時に出ると、一部の懲役たちはテンションが上がる。
「おっ!納豆牛乳できるじゃん!」
間違いではない。納豆牛乳なのだ。
まさか、納豆の中に牛乳をブチ込むんじゃあ・・・?
そのまさかのまさか、なのである。
彼らは「罰ゲーム」や「ガマン比べ」をしているワケではない。
ワケあって、大喜びで納豆に牛乳を混ぜているのだ。
フツーにタレとカラシを入れた後、
大さじ3杯程度の牛乳を入れて、混ぜる。
すると、あら不思議。
混ぜれば混ぜるほど、泡立ちが良くなり、フワフワしてくるのだ。
実際に食べてみても、フワフワと食感が良く、牛乳の味もケンカしない。
むしろ牛乳を混ぜたことで、納豆独特の臭みが消えるくらいだ。
物事の固定観念に縛られない、柔軟な考えの懲役たちは、多くがやっていた。
どうも私は、この辺のアタマが固く、抵抗があって、イヤイヤやっていた。
「イヤなら、やらなきゃいいだろ!」
そうなのだが、
懲役どうし「お付き合い」があり、やらないワケにはいかないんです。
小学校と同じで、
みんなと同じことをしていないと、後でイジメられてしまうのだ。
「ちょい足しレシピ」と言えばカッコいいのだろうか?
フワフワ納豆:おススメ度★★
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②たい焼きのシャリづめ
関東の某刑務所では、2ヶ月に1回程度、冷凍モノだが、
たい焼きが出る。
「おぉ!デザートにたい焼きなんて、なかなかいいじゃないの」
いえいえ、
これもオカズ3品のうちの1品と数えられます。残念。
というワケで、たい焼きはウマいのだが、
その分オカズが1品減るのが痛い。
ただでさえ持て余し気味の麦メシを、もっと持て余すことになる。
しかし懲役たちは
「だったら、麦メシと一緒に食べればいい」と考えるのだ。
オモシロいことに、魚を3枚におろすよう、
たい焼きは半分にパカッと開く。
そーっと開いて、そこに麦メシを詰めて、サンドイッチ状態にするのだ。
これを懲役たちは
「シャリづめ」と呼んでいた。
持て余す麦メシをおいしく食べる
『匠のワザ』である。賢い!
もちろん、たい焼き単体で食べた方がおいしいのだろうが、
コメと麦とあんこ、そして皮、
合わないワケがない。
しかし、そっとたい焼きの腹を開き、そこにゴハンを詰める光景は異様だ。
食事というよりも、ちょっとした「工作」である。
シャバでは、うっかりやってしまったら、ドン引き?嫌われそうで怖い。
たい焼きのシャリづめ:おススメ度★★★★
③巨大ダンゴ汁
刑務所では
週に1回、昼食時にメンが出た。
予算の関係だろうか、
メンは週に1回しかないのだ。
そば、うどん、焼きそば、ラーメン、スパゲッティがランダムに出る。
麦メシに飽き飽きしている懲役たちにとって、
メンの日は待ち遠しい。
が、オモシロいことに、刑務所によって配膳の仕方がまるで違う
スープだけが汁椀に用意されて、
メンは1玉ビニール袋のまま出る所があった。
「オイオイ!このままスープにブチ込んで、食えってか?」
メンがビニール袋1玉そのままは、結構カルチャーショックを受けた。
私は、ビニール袋のメンはそのまま食べるモノではないと思っていたからだ。
私の認識が間違っているのか、そんなもんとして受け入れているのか、
誰もこの
「そのまんまビニール袋のメン」に文句を言う懲役たちはいなかった。
さらに
腹立つことには、メンがよーく冷えているのだ。
傷まないように、直前まで炊場の冷蔵庫で保存されていたせいだろうが、
とくに冬場は、この冷えたメンをさめたスープにブチ込んでも、ウマいワケがない。
メンはボソボソするわ、余計に体が冷えて、食べながら体が震えている(笑)。
週1回の楽しみにしているメンを、おいしく食べられないかと、悩んでいた。
ところが、
そんなちっぽけな悩みを根底から覆す懲役たちがいた。
な、なんと、メンを袋から出さず、そのままゴリゴリとこねているではないか!
「メンをこねてダンゴにしている!」
スゲエよ!メンの状態で食う気がないんだ!
そうか、その手があったか!ボソボソなメンで苦しむこともないんだ!
初めて見た時は、その発想に衝撃を受けた。
手で1~2分よーくこねると、野球のボールくらいの大きさになる
うどん作りにて、足で踏んでこねて、メンにするあの過程の
逆送りバージョンだ!
この
「そのまんまビニール袋メン」は、うどん、ラーメンとあったが、
とくに、うどんの時はこねてダンゴにしてから食べる懲役たちが多くいた。
そうなのだ、一部のマニアがやっていることではない。
メジャーな食べ方なのだ。
「モチモチになってウマいし、食べ応えがあるような気がする」
と、ダンゴにしている懲役たちのコメントだ。
う~む、納得してしまう。
私も「お付き合い」で何度もやってみたが、どうもアタマが固くて、ダメだった。
ウマいっちゃあ、ウマいんだが、楽しめないのだ。
私はホント、懲役生活を楽しめない、つまらない男である。
巨大ダンゴ汁:おススメ度★★★
いかがでしょうか?
懲役たちの「ひと手間加えたおいしいレシピ」・・・
どれも
食事というよりは、工作という感じですよね。
私はいつも、小学校の給食の時間の風景を思い出しました。
担当の刑務官様が、これらを見て、毎回苦笑いしながら言っていました。
「おめぇら、別にどう食おうと構わないが、シャバに出てからやるなよ!」
「笑われるじゃ済まねえぞ、頭おかしいと思われるからな!いいか?」
「それはシャバでは相当おかしいことだからな」
まったく至極ごもっとものお話です(笑)。
実はまだまだ、この手の「ひと手間レシピ」はあるのですが、くどいですよね。
シューマイで中華ちまきを作る・・・とかありますが、またの機会にします。
次回、「苦しめられたメニュー」をお話しして、メニューの話は一旦お終いです。
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2015-08-07 17:00
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