SSブログ
SSブログ

刑務所の食事⑬・・・シャバでも食べたい刑務所のメニューとは [食事]

「刑務所の食事」についてシリーズでお話ししております。

今回も、「刑務所では定番だけど、シャバでは見ない」メニューのお話をします。

前回は、懲役たちには大人気「甘シャリ」について、ご紹介しました。


刑務所独特の「甘シャリ」については、前回の記事

刑務所の食事⑫・・・刑務所ならではの「甘シャリ」とは

にて詳しくお話ししていますので、ぜひご覧ください。


私は元々甘党ではないけれど、刑務所であんなに甘いモノに飢えていたはずが

出所後の今、これっぽっちも「甘シャリ」を食べたいと思わないのはなぜだろう?

今回は、「シャバでも食べたいかも」と思う刑務所独特のメニューをご紹介します。


13.シャバでも食べたいムショめし
「刑務所の食事で、一番おいしかったものは何か?」と訊かれたら、2つあります。

怒らないで、ガッカリしないで、ひとまず聞いてください。

1つはカップラーメン、1つはレトルトカレー、レトルトビーフシチュー


「なんだよ!シャバの食い物じゃねぇかよ!」

そりゃそうですよ。ムショで作るメシの方がウマいなんてワケないでしょ!

「ムショで作る」ウマかったメニューの話もしますので、ちょっと待ってください。


1つは「ラ王」つまり、カップラーメン。

この刑務所は変わっていて、月に1回だけ、休日の昼食にカップ麺が出ました。


ただ、いつもは聞いたこともないメーカーの、見たこともないカップ麺で

おそらく、1個50円位でたたき売りされているような、マズいモノでした。

この時だけ、年度末で予算を使い切る事情なのか?ラ王という高級品が出た。


いやぁ、カップラーメンで感動したのは、後にも先にもこれ1回だろう。

うす味で飼い慣らされた懲役たちには、あの豚骨スープが濃いの、なんの!

雑居房全員で「うまいなぁ!」と感激しながら、スープを飲み干しましたよ。


もう1つは「レトルト食品」

やっぱり、シャバで売っているレトルト物はハズレがなく、ホントにウマい。

中でも、年に1~2回だが、非常食として備蓄のレトルトを食事で出す時が良かった。


とくに、レトルトのカレーやビーフシチューはウマかった。

普段、ダシも香辛料も、そもそも塩気も、すべてが薄っぺらい味を食べていると

レトルトがやたらと、スパイスやら、うま味やらがきいていてノドが鳴った


さて、個人的かつ、刑務所オリジナルでないメニューの話は終わりにしましょう。

「刑務所独特のメニュー」で「ウマいモノ」というのは矛盾しているからムズカシイ

ブサイクなジャニーズ、ゆっくり座って飲める立ち飲み屋、を探すのと同じです。


①どぶ汁(どろ汁)
名前だけ聞くと、トンデモナイ汚い?マズそうな名前だが、これは良かった。

関東の某刑務所に昔からある「みそ汁」で、有名な一品だ。

具に「天かす」をたっぷり入れてあり、ドロドロになるので「どぶ汁」と言う。


材料も安価で、手間いらずのお手軽な一品だが、シャバでもやろうと思った。

「天かす」だから、脂とうま味が染み込んでいるので、その汁はウマいに決まってる

刑務所生活でつくづく思ったが、人間の感じる「うま味」というモノは

「砂糖の甘さ」と「あぶら」なのだ


高級食材や旬の野菜もウマいが、結局のところ、この2つなのだ。

よく考えて欲しい。霜降り和牛も本マグロの大トロも「あぶら」がウマいのだ

なんて、エラそうに語ってしまったが、本題に戻します。


それと似たもので「鶏皮のみそ汁」もウマかった。これは味も食感も抜群だ。

みそ汁の具に、鶏皮だけが入っている。鶏肉はナシ。

しかし、あの脂とダシがやたら抽出され、ハンパないうま味になっていた。


「どぶ汁」も「鶏皮のみそ汁」も脂のおかげで冷めにくく、身体も温まった。

説明がヘタで申し訳ないが、これらは想像がつきやすい品だと思う。

もし周りで、みそ汁に天かすと鶏皮を同時に入れていたら、前科者かもしれない(笑)


いくら刑務所の食事とは言え、何年もいれば、いくつかはウマいものはあるな。

まだ、ありましたよ・・・


元受刑者の私でも作ることができた、太っ腹!な楽天カードはこちらからどうぞ↓↓


(続きを読む)


↑↑懲役生活は何といっても本がありがたい!楽天ブックスはこちらからどうぞ↑↑

②サツマイモとリンゴのかさね煮
これも懲役たちには大人気のメニューだった。

厳密に言えば、「甘シャリ」に入るのだろう。

サツマイモとリンゴのさわやかな甘みで、パンと一緒に食べるとウマい


甘党ではなく、甘シャリが苦手な自分も、この甘さはウマいと思った。

シャバとは違うのが、サツマイモとリンゴと砂糖しか入っていない点だ

あまりにも素朴なメニューだが、素材のウマさで何とかなっている。


もっとバターを入れ、レーズンでも入れたら、ウマいのに!と思って食べていた

しかし、それではシャバの味になってしまい、ムショめしにはならないのだろう。

ヘタに料理するより、素材の味そのままの方がウマいと教える「ムショめし」だ


これと似たメニューに「いとこ煮」があった。

こちらは、かぼちゃとあずきの煮物であるが、これもほんのり甘い。

素材の味だけで勝負の「ヘタに料理していない」メニューで、人気が高かった。


「いとこ煮」というネーミングのメニューを出すのが、また刑務所っぽい

硬い素材から「追い追い」煮るのと「甥(おい)」をかけて「いとこ煮」と言う。

そんなモノを出すことが、昭和な香りを感じ、時間が止まっている刑務所らしい


③たくあん炒め
これは、関東の某刑務所の独特のメニューだと思われる。

小皿にひと口、ふた口くらいの少量で、朝食に出てくる人気メニューだった。

これもシャバではお目にかかったことがない、斬新なモノだ。


うすく輪切りにしたたくあんを、炒めてしまうという発想がスゴイ

にんにくのきいた、しお・こしょうと七味唐辛子で炒めているようだった

すべてがうす味の刑務所では、パンチの効いた異色の味で、麦メシが進む、進む


いたく気に入った懲役仲間が、「たくあん炒め」のレシピを知りたがった。

「出所の記念に、教えてください」と担当の刑務官様に、しつこく迫って聞いた。

出所後、その通りに自分で作ってみたものの、再現できず、ガッカリしていた。


ゴハンのオカズにはもちろん、酒も進み、そして手軽に作れる「良いムショめし」だ。

材料は単純、調理もカンタンなハズなのに、再現ができないというのが気になる

刑務所で食べたからウマかったのか?、刑務所では隠しているレシピがあるのか?


④中華ポテト
これは名前もオカシイし、食べ方もオカシイ一品だった。

一言で言えば、タレがほとんどない「大学イモ」だ。

中華料理とはまるで関係がないし、ポテトと言ってもサツマイモの方だ


さらに不可解なのが、温められていないどころか、まだ半分凍った状態で出されるのだ

はじめてこの「中華ポテト」を食べた時は、衝撃だった。

なんせ解凍すらしていないモノを食わせようとするワケだ。ナメられたものだ


いくら受刑者だからといって、ここまでひどいことをしなくてもいいだろう・・・

「ふざけるなよ!」イライラしてきて、ガマンができなかった。

「すみません、凍っているんですが」と刑務官様に申し出て、取り替えるよう訴えた。


「いやいや、いつもそうやって出していて、みんなそのまま食べているから」

おめぇ、わかってねーな、これはそういう食い物なんだよ、と刑務官に笑われた

納得がいかなかったが、食べると不思議・・・


まだ半分凍っているが、この冷たい感じがデザート感を出し、ウマいのだ

大学イモはメシのオカズだが、こちらは素朴なデザートといった感じだ

タレもほとんどかかっていないのが、ヘタに味付けしていなくて非常に良い


当然、懲役たちには大人気で、これを食事の最後まで残しておき、ゆっくり食って

「いつまで食ってるんだよ!空下げ来るよ!」と怒られているヤツもいた。

最後までとっておくなんて、ホント、懲役って子どもみたい・・・


でも、しっかし、なぜ「中華ポテト」と言うネーミングなのか、謎である


次回は、「どうして、そうやってわざわざ食べるのか?」というムショめし、

フツーのメニューに「ひと手間」を加えると、あら不思議!

どこで思いついたのか?おいしく食べる懲役たちの工夫を、ご紹介します。



無職 ブログランキングへ
にほんブログ村 その他日記ブログ 社会不適合者日記へ
にほんブログ村
↑↑ランキング参加中です。クリックしていただけると、感謝感激、生きる希望が湧いてきます。

↓↓出所後もカードは必需品。だったら使いやすい楽天カードはこちらからどうぞ↓↓



↑↑差し入れには本が一番。お得で節約できて、出所後に助かる楽天ブックスはこちらから↑↑
タグ:食事
nice!(0)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 3

さばちゃん

たくわん炒め 自分なりに作ってみたんですけど
かなり美味しくできました
レシピ 簡単に書きますね

たくわん 黄色たくわん 白いたくわん なるべくなら
たくわんを水に浸し 軽く塩抜きしてください
20分くらいで大丈夫です
たくわんを好きな厚さに おうぎぎりにしてください

フライパンにたくわん入れます

最初は焦げない様に弱火で軽く炒めます

そこに醤油を入れます(お好みで)

酒(ワンカップ) 大さじ4杯くらい

みりん さっと 円を書く感じでたらします

砂糖 大さじ1杯

少し水を入れます (コップ半分行かないくらい)

蓋して弱火で少し置きます

ある程度水分が飛んできたら

七味 ガーリック(粉) 胡椒
お好みでかけてください
ガーリックは多めがいいですよ

焦げないように 弱火で混ぜながら水分が飛んだら
完成です

出来上がり2日後が美味しく頂けます
冷蔵庫でねかせれば完成です

参考になれば嬉しいです

by さばちゃん (2018-12-20 20:22) 

お名前(必須)

中華ポテトは関東の大学芋と違ってゴマをふってなくて外側が飴状になっていてカリッとしてませんでしたか?
関西のスーパーで同じ名前で売ってるらしいですよ。
名前は違うけど関東のスーパーでも同じ物を惣菜として売ってます。
なので刑務所だからということはありません。
by お名前(必須) (2020-06-27 05:21) 

名乗るほどのもんじゃ焼き

中華ポテトは中国では「抜絲紅薯」あるいは「抜絲地瓜」と呼ばれる料理で、要するに中華料理なので、中華ポテトと名前をつけられたようです。
抜絲とは糸を引くという意味で、紅薯や地瓜はサツマイモのことです。
なお紅薯は紅いサツマイモ、地瓜は黄色やオレンジのサツマイモを指すそうです。
ほかにも蕃薯、甘薯、白薯など、サツマイモを意味する言葉はたくさんあるみたいですね。

抜絲紅薯は、熱々の飴を芋に絡めたら、次に芋を一つずつ取って水にくぐらせて飴を冷やし、パリパリに仕上げるのが大学芋との大きな違いです。
大学芋よりずっと粘度の高いドロドロの飴を使います。大学芋だとかかっているのは飴というより蜜ですね。この飴は砂糖に水を加えて加熱して作りますが、水ではなく油で溶く場合もあるようです。

中華料理店……というか中華レストラン(ちょっと高いとこ)に、抜絲地瓜とか芋の飴炊きという名前でメニューに書かれていることが結構あります。
冷やした状態で出てくることもありますが、大きめの皿に油を塗って(冷めると皿にも飴がはりつくので)、そこへ熱々の抜絲地瓜を盛り、さあみなさん冷めて固まらないうちにとってください、みたいな食べ方をするデザートです。


ということで中華ポテトはシャバでも食べられますね!
by 名乗るほどのもんじゃ焼き (2021-10-15 00:10) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました
Copyright © 犯罪予備軍のための刑務所マニュアル All Rights Reserved.
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます
Designed by KAETENテンプレート
FXデイトレードのメリット

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。