「刑務所の食事」についてシリーズでお話ししております。
ここ数回は、刑務所の質素で、
イマイチのメニューをよりおいしく食べるために
もしくは、
マズくて、持て余す麦メシを、どうにかラクに食べるために
「まぜメシ」をして乗り切る、「懲役たちの知恵」をご紹介してきました。
言わば、変化球、場合によっては危険球のようなモノでした。
コレではいけない。ちょっと脱線し過ぎたか?
今回は、
「刑務所では定番だけど、シャバでは見ない」メニューのお話をします。
前回までの「まぜメシ」も、懲役たちの「定番」ですから
「
刑務所の食事⑨・・・シャバではやってはいけない「まぜメシ」の話」
「
刑務所の食事⑩・・・刑務所ならでは!奇跡のコラボメニュー」
「
刑務所の食事⑪・・・非常識だがやりたくなる?ムショのまぜメシ」
ぜひ、これらの記事もご覧ください。
12.ムショ独特の「甘シャリ」とは
刑務所では当たり前のように出るけれども、そう言えばシャバでは見ないモノ・・・
たくさんではありませんが、やはり異文化。いくつかあるんですよ。
どこの刑務所でも出るメニューもあれば、特定の刑務所の名物メニューもあります。
どうせなら、
「そんなモノ、シャバではやらない」というモノをご紹介しましょう。
まずは「甘シャリ」から・・・
おっと、みなさん「甘シャリ」は、わかりますか?
甘い味付けのオカズ(ぜんざいなど)やデザート、祝日に出るお菓子を指します。
多くの懲役にとって、楽しみなメニューです。
人間、好きなモノを腹一杯に食べられないと、飢えてくるのは当然ですが
中でも
「甘いモノ」に対する執着は、ハンパでなくなります。
なぜか人間は飢えると、甘いモノに対して目がなくなるようです。
食事のメニューの中でも、甘い味付けのオカズや甘いモノは結構出てきます。
1ヶ月に1回は、パン食の時に小倉あんが出たり、
オカズとして、ウグイス豆煮豆、白花豆煮豆、南瓜の甘煮、などはよく出ます。
こんな
「甘シャリ」を食べ、ムショ生活に慣れると、
9割方の人間は甘党に変わります。
ところが、私は刑務所に行っても甘党にはならず、甘シャリには苦しめられました。
そんな甘党にはたまらない
「甘シャリ」、私には苦痛でしたが、紹介します。
①赤バトの煮豆
赤バトとは、ハトが豆の意味で、うずら豆などを指す、ムショ用語になっていました。
人さし指先くらいの大き目の豆の煮豆なんですが、コレ、シャバでは見ない!
お汁粉よりは
「とろみ」をつけた、甘ーい豆のスープというイメージです。
これは月に1回程度出ますが、
必ずパン食の日に出ます。
多くの刑務所で出るようで、言わば
「ムショめし」の代表選手でしょう。
とにかく甘いのなんの。甘党にとってはたまりません。
刑務所によって、いや、その日の出来具合によって、
とろみが違うのがオカシイ。
シャバシャバで不評の時もあれば、表面に幕が張るほどドロドロの時もある。
そして、パンと、もう一つ
「マーガリン」小袋もセットで出されます。
懲役たちの
「ツウ」な食べ方は、
まずマーガリンを煮豆にブチ込み、溶かす。
そして、
コッペパンを半分に折り、中をくりぬいて空洞を作る。
その空洞に「マーガリン煮豆」を入れて、食べると、至福の瞬間らしい。
私はこの「赤バトの煮豆」が苦手なごく少数派だったので、甘さが苦行でしたが。
ショボくれたオッサンたちが、目を輝かせてほおばる姿は、
鳥肌が立ちます。
それくらい楽しみにしている懲役たちが多かった!
くりぬいた部分のパンは、皿、もしくは汁椀を、キレイに拭うために使います。
一滴も残さず、煮豆をパンで拭うので、
洗ったのか?と思うほどピカピカに!
こんなもんじゃないですよ。まだまだあります。
シャバだったら「嫁さんを怒らせたから、こんなモノ作ったか?」という感じです。
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②マカロニきな粉
これは、関東のある刑務所での
「名物メニュー」ですが、驚きました!
なんせ、マカロニとはグラタン、サラダなどで食べるモノだと思い込んでいました。
それを、
あまーいきな粉と和え、さらに青のりをまぶすという斬新さ!!
「あぁ、そうか!マカロニを甘い味付けにして食べてもアリなのか!」
その発想に目からウロコというか、結構なカルチャーショックを受けました。
でも、ホントにマカロニでなくちゃならんのか?いまだに疑問でもあります。
これも、
「甘シャリ」の一つであり、懲役たちには大人気でした。
たしかに、
甘いきな粉とマカロニはよく合い、意外にも青のりが良いアクセントに。
人気が高く、この魅力に憑りつかれて、痛恨のヘタを打った者も・・・
あまりのお気に入りで、食事中に一気に食べてしまうのがどうにも惜しくなり
「残して、あとで食べようっと!」
と、
コップの中に「マカロニきな粉」を隠し入れ、楽しみにしていたのだが・・・
彼は、
まさか、その「隠していたところ」を刑務官様に目撃されてしまい、
「おめぇ、何かコップの中に入れていただろ!」と詰められて
あえなく連行。そして懲罰(笑)
隠してまで食うヤツもどうかと思うが、
恐るべしは「マカロニきな粉」!!
彼は仮釈放間近だったため、
この懲罰でそれも取り消しとなり、台無しに。
人を狂わせ、ただでさえ転落の人生をさらにオカシクさせるとは!
「スゲエよ!マカロニきな粉!」
懲役たちはしばらく
「仮釈放も取り消すマカロニきな粉」の話題で盛り上がりました。
しかし、また水を差すようで申し訳ないんですが、私、これキライでした。
なぜなら、味は素朴でウマいし、きな粉の甘さはくどくなくて心地いい。
文句を言いたいのは、味ではなく、
食べるのが大変だからです。
マカロニは茹で具合がまちまちで、硬いこともあり、
アゴが疲れるほど噛むことに。
また、きな粉が大量にまぶされている時は、
水分持って行かれて口の中がパサパサに。
噛むに苦労、乾いて苦労、とにかく
飲み込むまでに厄介な甘シャリでした。
すみませんね、文句ばっかり言って・・・
③夏でもぜんざい、もちろんパンで!
ぜんざい、関東ではお汁粉と言うのでしょうか?
これも刑務所では
大人気の「甘シャリ」で、月1回程度出ていました。
汁物ゆえ、日によって盛りのばらつきがあり、これがメンドくさい。
いいオッサンたちが、多い、少ない、をめぐって、本気で文句を言うのです。
「オレんところは、いつも少ねぇんだよ・・・」
「あの配食係のヤツ、マジでムカつくわ!」
食べる方も真剣ですが、配膳する方は文句を言われないよう、よそるのに疲れました。
寒い時期は、温かくて、甘いぜんざいは、嬉しいメニューでしょうが
季節に関係なく、真夏でも月に1回はコンスタントに出るのです。
暑い時期に、温かいぜんざい。もう暑苦しくて、たまりません。
さらには、ぜんざいの時は麦メシではありません。もちろんモチでもありません。
なぜか、ぜんざいの時はパン食なんです。
パンをちぎって、ひたして、ぜんざいをいただく。
ほとんどが甘党になっている懲役たちには、たまらない至福の組み合わせです。
でもねぇ・・・パンにぜんざいは合わないと思うんだけどなぁ。
次回は、甘シャリではない、
「刑務所独特のメニュー」をご紹介します。
もうちょっと、食べ物の話にお付き合いくださいね。
その後、メシをめぐるバトル、いかにも懲役らしいお話をする予定です。
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2015-08-05 17:00
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