刑務所は雑居房であるべきか、それとも独居房であるべきか?
そんなことを続けてお話ししています。
世間一般では「狭い雑居房に押し込んでおく」のがツラくて、あるべき姿。
しかし
刑務所側は、管理がラクな上、再犯防止にもなる、独居房を推進しており
世間の「雑居であるべき」とは真逆の方針で建て替えられています。
また、懲役たちにとっては、雑居はわずらわしいけれども、メリットが多いので
実は、
雑居に根強い人気があり、雑居は懲役としてはラクに過ごすことができます。
という、現実は、世間のイメージや期待とは
まったく逆のことが
刑務所では起こっている
と、ご紹介してきました。
4.雑居にいる方がエライって?
今回から、雑居のトラブルを中心に、雑居と独居にまつわるエピソードを話します。
私は、初犯の成人刑務所に長いこといましたが、雑居・独居の両方体験しています。
そこでの雑居房と独居房の扱いが、ちょっと変わっていてオモシロかったんです。
まず、刑務所に送られると
「新入訓練工場」に、2週間入ります。
ここは懲役のイロハを叩き込まれるところで、
その間は雑居で過ごします。
ここで、マトモにやっていけるかどうか、早い話がポンコツ具合を見られます。
そして、いよいよ一人一人が別々の工場に送られるワケです。
もちろん、工場も作業も選べず、
舎房だって雑居か独居かわかりません。
すべては、刑務官様の独断でお決めになられることなのです。
私のいた刑務所は、
7:3で独居房の方が圧倒的に多いところでした。
本格的な懲役が始まり、これから日々過ごす舎房が雑居なのか独居なのか?
どんな作業をやらされるのかと並んで、これが
不安の二本柱であります。
7:3なので、割合から言えば独居房に当たる確率が高いんですが・・・
その工場、担当の刑務官様の、独自の哲学がありまして、スンナリと行かない。
新しく入って来た受刑者のキャラで決められていました。
私も工場にいるうちに、新入が来ると、大体のキャラが想像できるようになり、
パッと見で「コイツは独居だ!」と
刑務官様の指示を訊く前に、当てられるようになりました(笑)。
なんだよ、その「キャラ」というヤツは・・・
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初犯の成人刑務所にしか当てはまらないとは思いますが・・・
まず、
ジジイと若者(30歳以下)は、雑居に入れられるのがテッパン。
理由は、それぞれ理に適っています。
ジジイは覚えが悪く、刑務所生活に適応できないため、雑居の人間が面倒を見る。
若者はとにかく群れたがり、雑居を希望するので、ヤル気を起こさせるために雑居。
そして
見るからに病んでいるようなヤツ、クスリでヨレてしまっているヤツは
これは
独居に入れられるのがテッパン。
と言っても、本人への配慮ではありません。
雑居に入れると、被害妄想の強い彼らは、同室の者とすぐもめ事を起こすので
同室の者が一緒に懲罰になってしまうなど、工場全体に迷惑を掛けるからです。
つまりは、面倒を起こしそうなヤツは
「最初から独居へ隔離」政策ですね。
そして、必ずいるのが、
ビビりのくせに、空気が読めないヤツ・・・
いよいよ工場に配属され、初日はフツー、緊張もあり、様子もわからないので
おとなしくして、言われるがままに従うものなのですが・・・
彼らは、先輩方のアドバイスなど、まったく耳を貸さず
刑務官様に、初日からズケズケと希望を申し出ます。
「先生、自分は雑居じゃないとムリなんで、雑居にしてください」
もう、周りにいる人間は凍り付きます。
刑
「おめぇ、新入のくせにオレに指図する気か?」
懲
「そんなことないです」
刑
「だったら、そんな口きくんじゃねぇよ!」
懲
「いや、独居はムリなんで・・・」
刑
「あぁん?おめぇは懲役なんだよ!」
懲
「とりあえず、お願いします」
刑
「おめぇ、人の話を聴いていたか?」
懲
「はい、聴いてました」
刑
「・・・おめぇは黙っていうことを聞いていればいいんだよ!」
こんな噛み合わない会話を、刑務官様に向かって堂々とするのです。
まったく悪びれる様子も、遠慮することもなく、当然のごとくです。
おそらく、何らかの障害があるんでしょうが、ここでは知ったことではありません。
刑務官様は激怒、怒鳴り散らします。
それも無理はありません。
刑務官様は、新入に対して特別にキビシク当たるもんなんです。
そうしなければ、懲役たちは「こんなもんか、余裕だな」とナメてかかるので
気を引き締めさせ、ビビらせて、言うことを聞かせようと
初日は何も落ち度がなくても、ビシビシ言われ、怒鳴られるものなんです。
が、そう接していこうとした矢先、
新入の方から無礼な態度をとられて
刑務官様のメンツは丸つぶれです。
刑務官様は、何よりも、ひょっとしたら命よりもメンツを大事にする人種なので(笑)
これは一大事、いわば静かなる暴動、
一揆が起きたのと同じなのです。
ですから、
このままナメられてはたまるか!とムキになって
この空気の読めない新入を「独居に隔離」します。
「おしおき独居」ですな。
あれ?と思いませんか。
そうなんです、あんまり独居房のイメージが良くないでしょ?
「独居はラクで勝ち組でしょ?」
「ご褒美で独居に行かせてもらえるんじゃないの?」
というイメージだったと思います。
むしろ、私がいた刑務所では
独居は「隔離」をしたり「おしおき」をしたりする
落ちこぼれが行かされるところであり、負け組とも言えます。
懲役たちからは
「アイツ、独居だからな・・・」とバカにされます。
刑務所は狭い世界であり、何でも格付けをしたがるので、こんなことになります。
次回は、そんなに雑居はエライのか?雑居はおトクなのか?のお話をします。
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2015-07-06 17:00
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