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刑務所は雑居と独居、どちらがいいのか(3)・・・雑居のホントのメリット [刑務所生活]

【雑居房のメリット】
前回は、世間一般では独居がラクで、雑居はツラいというイメージで通っているが・・・

実は、現場の懲役たちに言わせると、そうでもなく、むしろ・・・

雑居房の方が、メリットが多く、人気があるということをご紹介しました。


わずらわしいことも多く、イジメやトラブルもあり、デメリットもあるけれど、

思ったほど雑居は荒れることはなく、メリットのほうが上回る、と思われています。


じゃあ、メリットって何よ?

「驚くほど時間が経つのが速い」と前回はお話ししましたが

もっと現実的で、自分の利益に直結するメリットがあるから、雑居に人気があるんです。


今日は、その打算的な「雑居にいるメリット」を続けてご紹介します。


・雑居にいるホントのメリットとは

②自分の身を守ってもらえる
受刑者というシケた立場ではあるが、同じ部屋で寝食を共にするワケです。

本当の家族より一緒にいる時間が長く、濃厚な付き合いになります。


となると、雑居で一緒の者には、どうしても情が湧くというモノ。

どんなにデキの悪いヤツでも、子分のように言うことを聞けばカワイイですし、

何かトラブルに巻き込まれたら助けてやりたくなるし、味方する。


雑居は刑務官様が管理がしやすいよう「部屋長」を指名していることが多い。

たいがい、その工場において懲役を勤めている期間が長い者が指名されるが、

それは同時に、部屋長が工場内でもボス、実力者となっている場合が多い


「アイツ、今度うちの部屋入ってきたんで、よろしくお願いしますよ」

なんてことを、実力者の部屋長に言われたら、手出しはできないし


「先生、アイツ作業できるので、任せてもいいですよね」

なんてことを、刑務官様に申し出て、作業のいいポジションに就かせてくれる


つまりは、雑居にいるおかげで、ビビらなくてもイジメに遭いにくいし

作業では、大して努力をしなくても、ラクで上の立場に引き上げられる

こんないいことはない、というワケである。


トロいヤツ、弱いヤツ、自分で何もできないヤツにとっては

孤立することほど恐ろしいことはないワケで・・・

むしろ雑居に属していることが、生命線になるワケです


そんな理由で、多少の煩わしさがあったとしても、メリットのほうが圧倒します。

雑居のおかげ、雑居サマサマ、「自分の身を守る」のが大きな理由なんです。


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③情報が入って来て、退屈しない
「今度の新入は、コンビニのタタキで6年打たれたらしい」

―――どうして、個人情報がそんなに早く流れるんだ?

「オヤジ(刑務官様のこと)、どうやら高校生の娘がいるらしいよ」

―――刑務官様のプライベート情報をどうやって訊き出したのよ?

「近いうちに、舎房の捜検があるらしいから、気をつけた方がいい」

―――マジか!これは助かる!あぶねぇ・・・

「アイツ、自称ホストだって言うけど、絶対にウソだよなぁ!」

―――シャバの時の仕事はホストだって見栄張るヤツ多いんだよなぁ。


こんな具合に毎日毎日、舎房に帰ってから、話で盛り上がります。

どこで仕入れたんだよ!というトップシークレット級の機密から

8割方ウソのどうでもいい話まで、まぁ、いろんな話が飛び交います。


独居房であれば、舎房では一言もしゃべりませんが、雑居房は退屈しない!

ホント、刑務所というのは工場という作業場しか行くところがなく

狭くて、変化のない世界なので、死ぬほど退屈なんです


退屈って、結構ツラいんですよ

生きているんだか、死んでいるんだか、わからなくなる時がありますから。

こんなしょーもない情報でも、毎日を楽しく過ごせるので、貴重です。


部屋長が実力者だと、刑務官様とも親しく話せるので、貴重な情報が流れます。

もちろん、そんなキレイごとだけではありません。


「アイツむかつくから、ハメてやるか・・・」

という悪だくみが持ち上がっても、自分がターゲットにされることもないし

「あのグループはオヤジにも嫌われているから、近づかない方がいい」

という事前の危険回避の情報が流れ、ハブにされずに済むし


刑務所でしたたかに生きていくには欠かせない情報が満載なのです。

とは言っても、ほとんどが小学校高学年のレベルの話ですがねぇ


「くだらねぇ」のですが、ここは刑務所。

トラブルなく、肩身の狭い思いをせず、懲役生活を送るにはこんな情報が大事です。

何にせよ、独居にいたら、絶対に入っては来ない情報です。


④懲役生活に適応しやすい
刑務所という狭い世界では、くだらない独自のルールが多いんです。

服のタタミ方、メシの準備・後始末、フトンの敷き方・・・など

どーでもいいことを、言われた通りに守ってやらないといけないんです。


でも、入ったばかりの頃や、ジジイには覚えるのがキツイんです。

独居であれば、できなくて刑務官様に怒られたりしますが

雑居であれば、誰かが教えてくれて、カバーしてくれます


自分で覚えられなくても教えてもらえるので、緊張感も抜けてしまいます。

デキの悪い、そしてもうろく入ったジジイには、面倒見てもらえて最高です。


⑤精神的なケアが大きい
長期の受刑者や、群れたがり、寂しがり屋にとっては、沈黙は苦痛だそうです。

つまり、独居は苦痛の他何物でもない、ことになるらしい。


実際に独居にいたら、どんどんネガティブ思考に陥り、ふさぎ込んでしまい

抑うつ状態になり、すっかり元気がなくなってしまった人は何人かいました。


ほとんど泣きながら、刑務官様に

「もう、独居では耐えられません。お願いですから雑居に行かせてください」

と訴えて、刑務官様もしぶしぶ雑居に移らせる、ということはありました。


いつも調子のいいこと言って、テンションの高いヤツに多いパターンですが

それだけ、他人と話していると、気がまぎれるということなんでしょう。

現実逃避できて、不安から逃れられる


いい大人が、現実を受け止められず、一人だと抑うつ状態になるなど

「懲役やって、落ち込んでいる場合かよ」

「一人で部屋にいることもできないのかよ」

「どんだけハッタリのチキン野郎だよ」と言いたくもなりますし、

シャバの人が聞いたら、甘ったれるな、と激怒されるでしょう。


でも、現実として、雑居はこのような精神不安定な懲役たちに対して

ヘタな精神科のクスリよりも効く

セラピー効果もあるんです


次回は、官・刑務所側は舎房について何を考えているのか?

そして、雑居でのトラブルをご紹介していきます。

「いい大人の男が、くだらねぇ~」って感じのことばかりです。


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miffy

昨日、留置場にいる彼氏から来た手紙に「生きているけど、生きてないってゆうかー、生きているフリをしている感じがはんぱねー!!!ってかんじ」というような内容の手紙が来たばかりで、今回のブログ内容がすごくタイムリーでした!!
相当病んでるんでしょうか( ;´Д`)

雑誌の差し入れを毎週していきたいと思うのですが、この雑誌持ってたら人気者になれる!!みたいなのってありますか?
毎週2冊ずつくらいと考えてます。
女子的にはフ◯イデーとか、もろヌードグラビアが載ってる雑誌は、あんまり買いたくないというか…買うのも恥ずかしいし、別の女の裸見てほしくないなーという思いから今まで差し入れしなかったんですが、男社会のことは分からないので…
具体的な雑誌名でアドバイス頂けるととても助かります!!(^^)
by miffy (2015-07-05 08:35) 

きりたんぽ

miffyさん、こんにちは

メッセージありがとうございます。
そしていつもブログをお読みいただき、恐縮です。

留置場は刑務所と違って、作業するわけでもなく、運動場に出られるわけでもなく、完全にオリの中にブチ込まれている状態なので、何か月もその生活が続くと、やっぱりキツいです。

差し入れの雑誌ですが、これがまたムズカシイ。
刑務所と留置場では喜ばれるモノが違うんですよね。

刑務所では「シャバを感じられるモノ、シャバに出たらやりたいモノ」系の本が喜ばれます。
例えば、グルメ本、お店の案内、今はやっているモノの特集、が喰いつきますよね。

留置場ではまだシャバから遠ざかって日が浅いので、そうはならないんですね。
そして、留置場のオリのメンバーの世代によっても喰いつくものが違う。
40代以上のオッサンであれば、miffyさんが「買いたくない!」と言っているモノがまさにドストライクです。
週刊誌だと大衆、実話、アサヒ芸能、フライデー・・・
買いたくないでしょう?(笑)
駅売りのスポーツ新聞の紙面に載っているモノが「オッサンたちの興味」と言っても過言ではありませんから、あの中に載っていることは参考になりますが・・・
そこまで配慮する必要はないでしょう。

20代の若い人だと雑誌をあまり読まないですよね。
マンガばっかりでしたね。
あとは「実話ナックルズ」とか「BLACK BOX」とかは若い人たちにも人気があると思いますが、miffyさんが「買いたくない!」という雑誌です(笑)。

となると、結局無難なのはマンガになってしまうんですよね。
ジャンプ、マガジン、ヤングジャンプ、モーニング・・・
オッサンなら、ビッグコミック、ゴラク・・・
しかし、マンガはすぐに読み終わってしまうのが欠点でして・・・

自分だったら、楽しめて、買うのも恥ずかしくなく、かつ時間も潰せるモノ、という考えで
Tokyo Walker、BRUTUS、サイゾー、宝島、DIME、Gainerあたりを差し入れするでしょうか。
コンビニでも売っていますし、書店なら必ず置いてあるメジャーなモノですので、よろしければ一度立ち読みしてください。

差し入れの雑誌まで考えてあげるというmiffyさんの深い愛を感じますが、そこまで気を遣わなくてもいいんですよ~
おカタイ本でなければ、みんな退屈なんで喜んで喰いつきますから。

長くなりましたが、参考にして下さい。
面会に行くのも一苦労だと思いますが、どうかお気をつけてお出かけください。

また何かございましたら、お気軽にどうぞ。
by きりたんぽ (2015-07-05 11:45) 

Machibito-R

きりたんぽさん、こんにちは。文章能力の高さにいつも楽しく拝見させて頂いてます。

今日はミッフィーさんのお役に立つかなと思って、この場を借りて投稿させて頂きます。差入れるもの悩みますよね。私も入れたくないと思うものがあなたと同じでした。だから、雑誌はBRUTUSとかCOURRiER等、あと自分が読んだ『女性誌』や小説なども入れていました。どんな服装が私に似合うと思うかとか感想を聞き合ったりして手紙のネタにも出来るし、段々互いの好みも分かってくるので良かったみたいですよ。参考になれば良いのですが…
by Machibito-R (2015-07-05 13:42) 

miffy

きりたんぽさん、Machibito-Rさん、アドバイスありがとうございました!!!

20代の若者でもなければ、40以上のオッサンでもないので、びみょーな所ですがお二人に教えて頂いた雑誌を早速探しに行ってみたいと思います(^^)

女子向けファッション雑誌は思い付きませんでしたー!
参考にします!!ありがとうございます♡

以前、週間新潮を差し入れしたのですが、「新潮は固いなー」とのこと。何でもよくないようです( ̄O ̄;)
また、小説は最近ドラマとか映画化した話の小説を差し入れたんですが、「小説はたくさんありまーす」と手紙に書かれてましたー。
なんてつれない男(−_−;)


まだまだ聞きたいことがあるので、また質問させてください!!
面白いブログいつもありがとうございます(≧∇≦)
by miffy (2015-07-06 23:42) 

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