刑務所は外界から隔離されているためか、独特の世界です。
「刑務所の常識は、世間の非常識」
なんてことが、よく言われますが、コトバも独特で非常識?
でも、これが結構オモシロいんですよ。
前回から、
懲罰に関する「ムショ用語」をまとめています。
ところが、思いの外
懲罰に関する「ムショ用語」は多くて
一回ではまとまりませんでした。ごめんなさい。
それだけ懲罰が大きなイベントである証拠ですが、もう一度だけ、お付き合いください。
F.懲罰のムショ用語 その2
①じけんそうち(事件送致)
反則行為をすると、フツーは
連行→調査→審査→「懲罰」となるが、
それどころではない、
重い反則行為をした場合、例えば・・・
―――相手を殴ってケガをさせた
―――暴れて刑務所の備品を壊した
懲罰では済まされなくなる(ひいいぃっ!)
事件送致とは、刑務所側が重大な反則行為とみなして、
一つの刑事事件として立件すること。
②ましけい(増し刑)
前述した「事件送致」は、重大な反則行為をすると刑事事件として立件されるが、
当然だが、裁判にかけられてしまうのだ。
となると、今喰らっている懲役とは別に、
さらに懲役が追加、上乗せ、おかわり、ということになる。
これを
「増し刑」という。
ケースにもよるが、相手を殴ってケガをさせた→懲役6か月追加
刑務所を脱走し、近隣に迷惑を掛けた→懲役1年の追加
そんな実例を見ました。
③しんさかい(審査会)
反則行為をして、調査(取り調べ)になっている受刑者に対して
懲罰などの処分を決定する。
「懲罰審査会」と言う。
週1回ほど行われ、刑務所の幹部が集まり、審査される。
懲罰予定の者はこの場で、質問されたり、弁明の機会が与えられる。
最後のチャンスと言える。
オモシロいのが、ここで「反省の姿」を見せられると、
懲罰が軽くなったり、怒りを買い「激辛」になったりするという、
結構、処分に関しては
幹部のさじ加減ひとつで決まってしまう。
④ちょうさぱい(調査パイ)
反則行為をして、もしくは疑いで、調査になっている受刑者に対して
審査会(懲罰審査会)が
不問、処分なし、の結論を出すこと。
「無罪放免」である。
「調査解除」とも言うが、刑務所では「パイ」というコトバがよく使われる。
「パイ」とは、ナシにする、とか、キレイにする、の意で用いられる。
麻雀用語から来ていると思われるが、真相は不明。
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⑤げんにん(現認)
反則行為をした際、刑務官様に見つかってしまうこと。
「◯時△分、現認!」なんて具合に、刑務官様が宣言して
見つかったヤツは連行されていく。
裏を返せば、
物的証拠がない限り、いくら反則行為をしようとも
「現認」されていなければ、懲罰に至らない。
「この目で見たわけじゃねぇからなー」と刑務官様も手出しができない。
刑務官様がブチ切れて、強引に連行、調査となっても、
「現認」されていなければ、証拠不十分で「調査パイ」になる。
意外にもこのあたりは、社会の常識に近いと言える。
⑥くんかい(訓戒)
調査→審査会での結果、
一番軽い処分の名称。
調査パイ(無罪放免)ではないが、「助かった!」と懲役は喜ぶ(笑)。
反則行為は認定されたが、懲罰にするほどでもない、と大目に見てもらえたワケ。
集会や面会に関わる
「優遇区分」も下がらずに済むので、「助かった!」ワケ。
やらかしてしまっても、普段の懲役生活をマジメにやっていると
この「訓戒」にしてくれる時もあり、これも幹部のさじ加減ひとつ。
⑦へいきょばつ(閉居罰)
通常、「懲罰」と呼んでいるモノは「閉居罰」のことである。
通常の独居房と同じつくりの部屋に、一日中作業をせず、
ただひたすら座って過ごす「罰」である。
短いと数日、長ければ60日もある。
正座はしなくてもよく、あぐらでOK
刑務所に入ったことのない人は「そんなもんか」と拍子抜けかもしれない。
が、しかし、
一日中何もせずただ座っているのはキツイらしい。
経験者に尋ねると、「人生観が変わった」と言うほどである。
逮捕より、裁判より、刑務所の懲罰の方が精神的にキツイと言う。
こればっかりは、わからないが、どん底のさらに底、という感じか?
懲罰は法律上、行政処分という位置付けらしい。
交通違反の青キップの反則金も行政処分だから、同じレベルかな?
経験的に3回以上もしくは、刑期の終盤に、懲罰を喰らうと
確実に仮釈放の審査に響き、出所が遅くなるようだ。
⑧ふせいこうだん(不正交談)
メジャーな反則行為の一つ。
しゃべってはいけない時間(作業中など)
しゃべってはいけない場所(廊下など)
しゃべってはいけない相手(他工場の懲役など)と会話すること。
⑨つうせい(通声)
壁越し、窓越しなど、別の部屋にいる相手と音声で連絡をとること。
「現認」されなければ、「チンコロ」されても、まず懲罰にはならない。
⑩どうきん(同衾)
マイナーな反則行為の一つ。
受刑者どうしが、一つのお布団に一緒に入って寝ること。
⑪ふせいれんらく(不正連絡)
メジャーな反則行為の一つ。
他の受刑者の住所・電話番号などの連絡先を紙切れ、ノートに書き残しておき
それを「捜検」の際に見つかってしまう、というパターンが多い。
⑫ばつあけ(罰明け)
懲罰を喰らった受刑者が、懲罰を終えること。
また、懲罰を終えた受刑者が、新しい工場に配役になった時、
「新入」と区別するため、「罰明け」と呼ぶ。
次回は、「仮釈放」にまつわる「ムショ用語」のお話をします。
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2015-06-13 15:00
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