刑務所用語の基礎知識②・・・懲役に関する「ムショ用語」

刑務所でのお話をするにあたって、避けては通れない

「ムショ用語」・・・刑務所独特のコトバについて、お話しします。


前回は、刑務所用語「食事編」、としてまとめました。

今回は「懲役」に関するムショ用語を集めてみました。


B.懲役のムショ用語

①あかおち（赤落ち）
未決→既決になり、懲役が始まること。

「赤い着物を着る所に落ちる意味。入監することを言う」
（引用：日本国語大辞典　小学館）


まさか、と思い、念のため調べたら、ちゃんと記載されていた！

恐るべし日本国語大辞典。部屋のインテリアにしかならない本だと思っていたわ。

むかーし、懲役は赤い着物を着せられていたという話を聞いたことはあります。


未決とは、判決が確定する前の状態。

既決とは、判決が確定して、受刑者となること。


②たたき（タタキ）
強盗罪、または強盗犯のこと


③ぴんく（ピンク）
性犯罪、性犯罪者のこと。

今はあまりイジメられることはないが、格下に見る傾向がある。

多くがおとなしくて、人がいいのも関係していると思われる。


④つっこみ（ツッコミ）
強姦罪、または強姦犯のこと。

刑務所では、ボケの対義語ではない。


⑤ぜろせん（ゼロ銭）
領置金（手持ちのお金）がゼロかほぼゼロの人。

刑務所はこれでも問題なく生活できる。

年寄りに多い傾向がある。


⑥ろうえき（労役）
罰金が払えずに、もしくは罰金を払うことを選択せず

罰金の代わりに刑務所で作業すること。

１日5,000円換算をする。

詳しくは「刑務所は懲役だけじゃない・・・懲役・禁固・労役とは？」を

ご覧ください。


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⑦えーきゅう（A級・A判定）
初犯であること、暴力団に属していない、受刑者のこと。

以前の犯罪から5年以上経っていれば初犯とみなされることも。

その反対、累犯（再犯）、暴力団関係者がB級（B判定）となる。


送られる刑務所もA級とB級では分けられる。

仮釈放のもらえる期間にだいぶ差がつく。

仮釈放は、もちろんA級の方がもらえる。


⑧ろんぐ（ロング）
懲役が10年以上の長期受刑者を指して言う。

初犯のロングはLA（えるえー）

再犯のロングはLB（えるびー）と呼ばれる。


ロングは刑務所も別になっていたが、

最近はフツーのAの刑務所にLAの受刑者が

フツーのBの刑務所にLBの受刑者が、というように

短期と長期の受刑者を分けずにゴチャ混ぜにして入れる所もあり、

口論などのトラブルが起こりやすい。


⑨ちょうえきたろう（懲役太郎）
何度も犯罪→逮捕→刑務所を繰り返している人。

何度も刑務所に入っている人のことを言うが、

なかには、シャバにいる期間よりも、刑務所にいる期間の方が長いという

恐るべき強者もいる。


警察署の留置場には必ずいると言っていい。

お会いしたければ、留置場へどうぞ（笑）


⑩べんとうもち（弁当持ち）
逮捕された時、執行猶予中だった受刑者

または2つの刑でそれぞれ懲役を言い渡されている人

まずは短い刑が終わらないと、仮釈放の対象にならないと言う。

お塩センセイなんかはコレですね。


次回は刑務所用語「刑務所入門編」をお話しします。



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タグ：刑務所用語 懲役

コメント 8

男→女でかつ性器の挿入を伴わないと強姦罪は成立しない
なるほどツッコミとはよく考えられたものです。下品な話ですがね
by クライヴ (2016-09-13 18:56) 

まさに刑務所くらいでしか使わない、下品な用語です・・・
by きりたんぽ (2016-09-14 02:47) 

懐かしい単語ばかりでニヤリとしましたｗ

チンコロ、ガリ、シャリアゲ、オヤジ、ビックリ箱、ズーズーなんかも良くとかもよく使ってました

そういえば女囚は刑務官の事をなんて呼んでるんでしょうね？
by 美祢太郎 (2016-09-18 19:30) 

美祢太郎さん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

シャバでは絶対に使わないコトバが多いですよね(笑)
いまだに気を抜くと、うっかりムショ用語を使いそうになり、何度か冷や汗をかきました。バレたらメンドくさいですから……

女性の受刑者は刑務官様のことを何て呼んでいるんですかね〜
もしこれを読んでくださった女性の元受刑者がいらっしゃったら、ぜひお教えください！
お願いいたしますm(__)m
by きりたんぽ (2016-09-18 21:54) 

お久しぶりです。
以前、仮釈放について、色々教えていただいたひよこです。
覚えてますか？
おかげ様で、無事、仮釈放をもらい帰ってきました。
これも、全てこのブロクときりたんぽさんのおかげです。
本当にありがとうございました。


女子は、刑務官様は、先生と呼びます。
受刑者の内輪では、数年前までは、先生は名前で呼んでいた時期があり、その時代からいる人は名前で呼んでましたし
名前のわからない先生は、あだ名をつけて呼んでました。

きりたんぽさんのお話しで、たくさん覚悟してましたが
女子は、男子より緩やかなのと、
私は経理工場だったので、割と覚悟してた分、楽でした。

例えば、部屋は解放寮で、鍵はかかってなくて、トイレ、洗面所は外にありました。
カーテンもあるし、出業の時は、窓もドアも開けっ放しだったし、
夕立ちが来ると、先生が慌てて窓を閉めてくれたり、部屋着は、ジャージやワンピースでした。
夜暑くて寝られないっていうと、夜勤部長に確認するねって言って確認してくれて
オッケーが出たら、廊下に扇風機をつけてくれたりしてくれましたし
何よりも、私たち受刑者に敬語で話してくれて、全寮制の学校みたいでした。

お風呂にも、着替えや化粧水の持ち込みオッケーでした。

男子と女子で違うんですね。
by ひよこ (2016-09-20 01:34) 

ひよこさん、こんばんは。
コメントをくださりありがとうございます。m(_ _)m

ご無沙汰でしたね～無事戻られたようで、ひとまずおめでとうございます。
イロイロと不満、不安とおありでしょうが、とにかくお元気そうで良かった！
最新の女子刑務所の内部事情を教えてくださり、本当に感謝です。
話には聞いていましたが、男子刑務所とはまるで違う世界ですね～ちょっとうらやましい・・・

ひよこさんがマジメにつとめていたからでしょうが、周囲の環境も恵まれていたようですね。コレばっかりは運ですから…
刑務官様が受刑者に敬語を使うなんて、男性の刑務所では考えられません。
「オイ、コラ！」とか「オメェ」と呼ばれて、「あぁん？」といつも上から目線のケンカ腰ですから(笑)。

お互い大変ですが、生きていくしかないので、これから立て直していきましょう。
またコメントをお待ちしております。
by きりたんぽ (2016-09-20 22:53) 

覚えていてくださり感謝です。はい。無事に帰ってまいりました。

医務事情は、きりたんぽさんご経験の所より酷い状態でしたが
(何しろ、医務に対しての訴訟を３件抱えてましたから。←いずれも、医務が放置したことによる死亡案件です。)
その他は、女子の方がはるかにゆる～～い状態でした。

もちろん、女子は地域で移送されるので、刑期の長さ、犯罪傾向関係なく
ほんとにいろんな人がいますので、モンダイのある人は集められていて
そこの担当刑務官は、まぁ、オソロシイ方々ばかりでしたが(男子とあまりかわらないかも)
私がいたところは、比較的、信頼されている受刑者のいるところのなので
新人刑務官の修業の場となっていたのです。
そのため、大学卒業後、３～５年の若い女性ゆえ、受刑者の方が年上なので
必然と敬語になってました。

夕点検後、部屋のカーテンは閉めなくてはならないのですが、うっかり忘れていると
「ごめんなさい。〇〇さん、点検終わったので、カーテン、閉めてもらってもいいですか？」

洗面所は部屋の外にあるのですが、刑務官の許可なく入れません。
トイレは許可なく行ってよくて、トイレの横が洗面所なのですが、トイレのついでにズルして許可なく入る人はいないんです。
解放寮なので、報知器がなくて、申し出札というのがあって、それを扉のフックにかけて刑務官が来るのをまって
許可をもらってから洗面所に行くのですが、まぁ、刑務官がいない、来ない。
本来は１５分に一度、回らなくちゃならないのに、回ってこないんだもの。
それは、そういうズルをする人がいないという信頼のもとそうしているという話でした。
なので、扉から顔を出して刑務官が来るかどうか確認していると、飛んできて
「ごめんなさい。何かご用でしたか？」
「先生。洗面所に入ってもいいてすか？」
「はい。どうぞー♪。遅くなってごめんね。」

刑務官の失敗を
「先生～、これ違うよ～、こうでしょ？」と指摘すると
「あっ、そうだった。やっちゃった。ごめんなさ～い。」

新人さんが入ってきた日の夕飯のとき
「先生～、新しく来た人のはしとスプーンがないよ、あと小机も」
「は～い。ご用意させていただきますぅ。」

という具合なのです。
でもって、先輩刑務官の愚痴を私たちに言ったりするのです。
「それは間違ってますって言えばいいのに。」
「え～、言えないですよ～。だって私、一番下っ端だもん」
「がんばって、先生っ」「うん、頑張る」
などと話していました。

ちなみにスプーンは、ステンレス製のもので、個人貸与ではなく
部屋貸与なので、食後、流しで自分たちで洗ってふいて、週一に消毒して使ってました。
折れることはないシロモノでしたよ。

ゆえに、
「先生が大好き」と言って、出所したくないという方々もおりまたし
出所しても先生に会いたい、だの、保護会におりたけれど保護会の方が厳しいから
と言って、やらなくてもいいことをやって、一ヵ月で戻ってきた方々もいましたので
ある意味、ここで受刑生活を送ることが更生につながっているのか謎でした。

私は、戻るつもりはさらさらないので、(先生に会いたいという気持ちがないわけではないけど、そのために戻ろうとは思わない)
笑って聞いていましたが、なんだか、見なくていい世界を覗き見ちゃいました。
生きていくしかないので、これからを頑張ります。
by ひよこ (2016-09-21 10:35) 

ひよこさん、こんばんは。
詳細なコメントをくださり、本当に感謝です。

まさに最新のリアルリポートにて、貴重な情報です！
ご丁寧な報告に恐縮してしまいます。

刑務所も施設によって「カラーがある」のは当然ですが、女子刑務所のあまりのゆる～さに驚きと嫉妬を隠せません(笑)。
しかし一方で、医務は男性の刑務所よりもまだヒドイという、アンバランスさ。

それにしても刑務官様が受刑者に対して敬語を使うなんて、男性の刑務所ではあり得ません。シンジラレナイ！

問題がない舎房とは言え、15分に一回の巡回はしっかりやれよ～ですね。
でも刑務官様が間違いを指摘されたらキチンと謝るなんて清々しく、人としての模範です。
男性刑務官様なら、指摘された瞬間に「逆切れ」ですし、その後必ず「嫌がらせ」をされます(笑)。
「余計なことは言わない、他人に関心を持たない」が男性の刑務所では鉄則です。

ひよこさんの周囲にいた「出所したくない」という問題はとても深くて、ムズカシイ…
すべては自業自得と言えばそれまででしょうが、元々シャバでは自分に向き合ってくれる人がいない、そんな社会に適応しづらい人たちが少なからずいるワケで、どうすればいいのでしょうか…

またコメントをお待ちしております。
何か思い出したら、教えてください。
いつもありがとうございます。
by きりたんぽ (2016-09-21 19:51)