刑務所に面会に行く⑥・・・面会所の売店で5年も着服する裏ワザって？

刑務所・・・厳格で、不正など絶対に許さない場所

私はそう思っていました。良くも悪くも融通が利かない。

規則をタテにして、かたーく守っている、そんなイメージ。


ところが前回、刑務所の面会所横にある売店のオバちゃんが、な、なんと

5年間もの間400万円の売上金を着服していた、ことをご紹介しました。

さらには、何のおとがめもなし、という驚愕の結果も・・・


オバちゃん退職金もガッポリもらって、今頃ウハウハだろーな。

それにしても、どうやって5年もの間、売上金を着服していたのだろう？

今回は、そのオバちゃんのテクニックについてお話しします。


2．刑務所から着服するせこい裏ワザ
売店のオバちゃんが着服した金額は、5年間で400万円。

年間80万円、月6～7万円。少額とは言えない。

どうして5年間もバレなかったのか？


もちろん、刑務所側はその手口など公表するワケもなく、

このまま闇に葬り去られると、懲役たちはガッカリしていました。


ところが、その真相は意外にも、私の家族から判明することになります。


以前に家族が面会に来たときに、私は大量の本を宅下げしました。

（宅下げとは、受刑者が本や手紙を外の人に引き取ってもらうこと）

かなりの量だったので、予告しておき、家族はスーツケースを用意。


それを窓口で受け取り、家族はスーツケースに入れ、持ち帰ろうとしました。

ところが、それを見た売店のオバちゃんが、声を掛けてきたのです。

「お荷物たくさんで大変でしょうから、こちらからお送りしますよ」


オバちゃん、梱包して、刑務所出入りの宅配便で送ってくれるというのです。

―――でも、刑務所から送られて来た、って伝票でわかっちゃうからイヤです。

「いえ、伝票には『長野刑務所』とは書かないので大丈夫ですよ」

―――本当ですか？でも、ゴロゴロと持って帰れるし・・・

「きちんとカバーをかけて、こちらから責任もってお送りします」


オバちゃんがグイグイ勧めてくるので、家族は頼むことにしました。

ところが、荷物が自宅に届いて、ビックリ！


まず、頼んだはずのない佐川急便から届いてビックリ！

確かに、売店では「ゆうパック」か「クロネコヤマト」が出入り業者と言われ

「クロネコヤマト」の伝票を書いたはずなのに・・・


そして、荷物はカバーではなく、段ボールをくるんだだけだった。

もちろん、使い古しの段ボール箱の切れ端を再利用したもの。


最後に、ヒドイのは「長野刑務所」と書いてあったこと。

雑にくるんだ使い古しの段ボールに、「長野刑務所」と書いてあるシールが！

以前、納品の際に貼ったと思われるシールが貼り付けたままなのです。


ツッコミどころがいくつもあって、ポカーン(　ﾟдﾟ)です。


これはおかしい！と思い、後日家族が刑務所に面会に行ったとき、

面会所の売店で、このことを尋ねてみたら・・・あらあら


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このときは、もうすでに、売店にはあのオバちゃんはいませんでした。

逃げ足早いなぁ～

売店で、別のオバちゃんに荷物のことを尋ねてみました。


―――あの～この前こちらから荷物を送ってもらったら、佐川急便で届いたんですが

「えっ！ゆうパックかクロネコでしか、送られないハズですよ」

―――カバーかけてくれる、っていう話だったんですが・・・

「こちらで荷物に何かする、ということはしておりませんが」

―――荷物は、長野刑務所から届いたって、わからないって言われたんですが

「ええ、伝票にも刑務所の名前や住所は書かないから、大丈夫ですよ」

―――いえいえ、荷物の段ボールに「長野刑務所」ってシールが貼ったままでして

「ええっ？そんなことがあったんですか！それはおかしいですね」


こうして、明らかにおかしいことが判明。

「それは刑務所の職員にお話を聴いてもらったほうがいいですね」

すると、受付にいた刑務官は危険を察知したか、スーッといなくなっているし！


つまり、オバちゃんは売上金を着服していただけではないのだ。

ゆうパック・クロネコと比べると、佐川急便の料金は安い。（条件あるが）

オバちゃんはそれを狙って、差額をコツコツと懐に入れていたのだ。

それに、この差額はバレていないから、400万円とは別に、丸儲けだよ。


せ、せこい！

驚くべきが、わざわざ伝票を書き直し、荷物を梱包し、持ち込みしていたこと

だって、業者の所に持ち込むというのは、一度刑務所から荷物を出している！


オバちゃんが他人の荷物を勝手に刑務所の外に持ち出しているというのに

刑務所は疑いも持たず、調べもせず、スルーで許していたんですよ！

何やってんだ、刑務所！


せこいが、オバちゃんはこの手で相当な小遣いを稼いだことだろう。

気をつけていなければわからないし、今となっては闇に葬り去られてしまった。

オバちゃん、いくら稼いで逃げ切ったんだ？


差し入れ物品は、口頭で指定だし、オバちゃん一人でやっているから、

タオルを3枚差し入れしたところを、2枚にごまかして入れても

受刑者には、わかりっこない。


で、差額はオバちゃんのフトコロに。

この手口で5年間、コツコツと400万円をたたき出したんだろうな。

こんなタチ悪い方法でお金をくすねても、身内なら逮捕されないんだからな・・・


このオバちゃん、売店の店員とは似つかわしくない派手な化粧だったらしく、

面会人がブランド物のカバンや財布を持っていると、それに目が釘づけ（笑）

まぁ、普段から明らかにオカシイ人だったらしい。


懲役の面会人たちのなけなしの金が、

オバちゃんの物欲にまみれた生活に、貢がされていたなんて

そして不問に付されるなんて、刑務所っていったい何なんだ？



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タグ：面会 差し入れ 不祥事