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刑務所には当たり・ハズレがある?⑩・・・追い込まれた懲役が取る行動とは [医療刑務所]

前回、医療刑務所に送られることを狙っていたHさんのお話しをしました。


工場でヘタを打ち、追い込まれ、居場所がなくなったHさん。


考えたのは、重症の「うつ病」を演じ続けることで、

刑務官様に、長期間の治療が必要だと認めてもらい、

懲罰にもならない、作業もない、医療刑務所に移籍をするということ。


しかし、医療刑務所送りのハードルは高かった


そもそも、重症のうつ病を演じるのは、メンドくさい。ていうか、バレる

自殺をしたくて仕方がないヤツが、刑務官様に症状や治療のことを言われて

自分の希望通りでないから、と、ムキになって反論するのはおかしいし


四六時中、ホントに具合の悪い、ホンモノのうつ病を演じるのは大変だ

Hさん、メシは全部平らげるし

運動ではランニングしていて健康そのもの


仲の良い仲間とは、笑顔を交えて話している。

どこに、笑いながら会話するような重症のうつ病患者がいる?

そんなことはシロートの懲役たちにも見破られます。


というワケで、しばらく医務からは放置され

勝ち取ったと思った「医療刑務所送り」の話も保留になっていた

Hさんは、イライラしっぱなしだ。


「ホントに、死んでしまいますよ!」

Hさんはガマンできず、医務の刑務官様に大声で訴えた。


「おめぇ、担当からの報告だと、メシも食えてるし、運動もできるそうじゃないか」

作業中にもかかわらず、周りは失笑に包まれた

医務の刑務官様どころか、周りの誰も、そんな話を信じてはくれなくなっていた。


精神疾患、それもメジャーなうつ病に目を付けて

医療刑務所送りを狙う発想は良かったが

その後の「ホントにうつ病ですよ」という演技を続けることができなかった!


さすが、刑務所

長い歴史の中では、同じことを考えて、医療刑務所送りを狙うヤツがいるのだろう。

すぐには手続きには入らないのだ。


それは単に、お役所仕事だから遅いだけ、という理由なのかもしれないが、

しばらく放置して、観察して、ホントに死にそうだったら

「チッ!しょうがねぇなぁ。メンドくさいが送るしかねぇか」

となって、ようやく送られるんだろう。


そんなガマン比べに、あっさり負けてしまったHさん。

万策尽き、医務からは放置され、工場ではますます不利な立場に追い込まれ、

Hさんが苦しまぎれに出した、最後の究極の一手がコレだった。


「ウオォ―ッ!!痛ぇよぉー!」


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「ウオォ―ッ!!痛ぇよぉー!」

工場の食堂にて昼食をとり終え、全員席を立ちあがった瞬間だった。

Hさんは突然苦悶の大声とともに、床に倒れたのだ


腹痛?どうした?・・・全員があっけにとられていたが、

恐るべしは刑務官様


「コラぁ!H!立て!ふざけるな!」


怒鳴り出し、Hさんをムリヤリ立たせようとしたのだ。


「おめぇ、さっきまで笑いながらメシ食ってただろうが!」

―――Hさんは相変わらず、床の上で苦しんでいる(フリ?)


「全部残さず食っているのを知ってるんだよ!立てぇ!」

このセリフに全員失笑


結局誰にも心配されず、怒鳴られて、立場を失ったHさんは

この後、刑務官様に猛烈&長時間の説教を喰らったのだ。


医療刑務所への夢も断たれ

ウソをついて周りを騒がせたので

完全に全員を敵に回してしまった


もう工場にいる場所がなくなってしまい、

その場で刑務官様に「作業拒否」を申し出た


刑務所では、今いる工場にもういたくない、いられない、となると用いる

事実上の最後の一手がコレ


「作業拒否」とは

本来、受刑者は懲役の作業を拒否してはいけない。

与えられた作業を黙々とやるのが義務であり、拒否したら即、懲罰という、

刑務所ではありふれた反則行為の一つだ。


もう、しょっちゅうで見飽きました、というくらいよく使う手で、

工場で1ヶ月に少なくとも1~2件はある。


刑務官様に、「もうこれ以上ココでは作業できません」とギブアップ宣言し、

連行→調査→懲罰を経て、他の工場に移るという作戦の王道パターンなのだ。

それをわかっているので、認めず、そのままムリヤリ作業をさせる刑務官様もいる。


もちろん反則行為なので、懲罰となり

5日間前後、独居房にて座っているだけ、という「閉居罰」を受ける。


もちろん、仮釈放にも響くし、日々の処遇も悪くなる

別の工場に移る、と言っても、そこではまたイチからやり直しだ。


それでも、なお、今の工場にいたくない!という者が

今の工場から脱出するために、お手軽に使う手段として後を絶たない。

人間追い込まれれば、遠くの仮釈放より、目先の逃避・脱出なのだ


というワケで、希望通り、いや医療刑務所という第一希望はかなわなかったが

しぶしぶだが、第二希望の「作業拒否」が受け入れられて、

連行→調査→懲罰となり、Hさんは見事、別の工場に移りましたとさ


やはり、精神疾患を演技で通して、医療刑務所に行くなんて

よほどの覚悟がなければ、また、マトモな神経ではムリ。

ま、それでも行く人はいるんでしょうけど。



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質問

刑務所っていつ坊主頭になるんですか?
by 質問 (2015-05-19 17:42) 

きりたんぽ

お返事遅くなりました。

坊主頭になる機会は何度かあります。
留置場でも月に一回、理容師が来て有料でやってくれます。
裁判が始まり、拘置所に移されると、やはり月1回理髪があります。ただしシロートの受刑者がバリカンで刈ります。髪型もボウズか五分刈りのどちらかしかありません。
未決(判決が確定していない)では、刈るか刈らないかを訊かれます。どちらでもいいワケです。
既決(判決が確定)では、刈るしか選択肢はありません。ボウズか五分刈りのどちらかです。
通常はここでボウズになります。
刑務所に送られると、最初の2週間は新入訓練工場と呼ばれるところで、懲役のイロハを教わります。ここでボウズにされることもあります。(本当はボウズか五分刈りかだが、ボウズにしろと迫られる(笑))
また刑務所で懲役作業につくと、同様に月に一回、シロートの受刑者がバリカンで刈ります。ほとんどが坊主頭を選択します。
by きりたんぽ (2015-06-11 11:54) 

質問

自分も懲役になりそうです。早いうちに坊主頭にしとくほうがよいですか?
by 質問 (2015-07-27 17:40) 

きりたんぽ

こんにちは

いえ、まったく必要ありません。
どうせ拘置所や刑務所に入れば、移送待ちの時や、どんなに遅くても新入訓練工場にて強制的にボウズです。

今のうち、シャバの髪型を楽しんでおいてください。
by きりたんぽ (2015-07-27 22:20) 

ローズ猫

いつもお世話になっております。
受刑者からの手紙で分からない点があって返事に困っているので教えてください。
万が一ガンになったときにどうするか相談されました。治療拒否は懲罰だということと、胃がんで治療拒否し、大阪医療刑務所から戻され、普通刑務所で亡くなった受刑者がいるということを書いてきました。
医療刑務所で、例えばガンで治療したくないと拒否したら治療拒否になって懲罰になるということですか。あるいは、医療刑務所に行けというのを拒否したら懲罰になるということですか。
つまり、治療拒否すると懲罰になるというのは、どういうシチュエーションが分かりません
by ローズ猫 (2016-10-29 20:55) 

きりたんぽ

ローズ猫さん、こんばんは。

受刑中にガンになったら……というお話ですが、ちょっと理解できません。
あり得ないことはないでしょうが、とても確率の低いこと。そんなことを心配するほど心を病んでいるのか、それともバカにしているのか(笑)、しか思えません。
生きたいなら治療を受ければいいだけのこと、刑務所の治療でイヤならば受けなければいいだけのこと。
生きるか死ぬかの問題で、懲罰を気にするのはどう考えてもおかしい……
質問自体がナンセンスです。
ホントにそんな質問をしてきているのなら、別に答える必要はないと思います。
こちらもそのような質問は困りますしね。
by きりたんぽ (2016-10-30 00:23) 

ローズ猫

気を悪くされたのならもうしわけありません。
相手は、発ガンのリスクが高い病気を抱えており、定期的な検査を勧められているために、もし癌ができたらどうするか、と相談されたのです。
私が予想するに、例えば医療刑務所で抗がん剤を提案されて、それを拒否した場合送り返されて懲罰(具合が悪かったら入病)、抗がん剤をうけたら医療刑務所にいられる、という話なのかなと思いました。
一般社会でも、抗がん剤はやりたくない、苦しむだけの期間を延ばしたくないと拒否する人はたくさんいます。そういう人達は、命を粗末にしているのではなく、時間を大事にしています。

by ローズ猫 (2016-11-01 09:18) 

きりたんぽ

ローズ猫さん、こんばんは。
コメントを拝見しました。

あまりにも特殊なご質問過ぎて、確実なお答えをすることができないんです。
「発がんのリスクが高い病気を抱えており・・・」と、心配されるのはわかります。
ただ、それを含めたものが「受刑生活」です。
刑務所内にて治療してくれるだけ、ましてや抗がん剤など高額医療をしてくれるだけありがたい、と感謝しなければ一般の方に怒られると思いますよ。
生きるも自由、死ぬも自由。
死ぬ覚悟をしているのなら、懲罰くらい小さなことですし、一般の刑務所に送り返されても仕方がないと思います。
残念ながら、経験者の実感として受刑者には「一人前の人権」はありません。
自業自得、治療を選択したければ刑務所に入るような事をしなきゃいい、と言われればそれまでなんです。

不満であれば「不服申し立て」の制度がありますから、堂々と申し立てればいいだけのことです。(キビシイですけれど・・・)
真剣に考えるのであれば、弁護士にでも相談してみてください。
by きりたんぽ (2016-11-01 20:32) 

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