刑務官様の名言・暴言(後)・・・いいから、ガマンしろ！

前座の刑務所、「調査センター」

その本丸である、センター工場の影の主役「刑務官様」シリーズです。

今回も、刑務官様の名言、暴言のお話しをさせていただきます。


3．「たかが４週間だ。ガマンしろ」
裁判で判決が出て、懲役が確定し、拘置所で懲役生活をスタート。

本来であれば、数週間～数ヶ月待てば、刑務所に送られ、そこで腰を落ち着けます。


しかし、運悪く、条件に引っ掛かってしまうと、

まだ刑務所に送ってもらうことができず、

「調査センター」とかいう、ワケの分からない前座の刑務所で

足止めを食ってしまい、

さらには「センター工場」という、これまた非常識な作業場で

４週間、理不尽な訓練を受けることになります。


「懲役の何たるかを教え込む」というウラの目的の下、

「初めに徹底してキツイ目に遭わせ、絶対服従を叩き込む」

ために、刑務官様が嬉しそうに張り切ります。


実際、センター工場での生活はかなりキビシク、

作業中は何があろうと、顔を動かすことすらできず、

休憩は、午前・午後とも５分ずつ、立ち上がることもダメ。

昼食は５分、便所は昼間は３回しか行くことができず、

運動は、ひたすら筋トレで、吐く者も出る始末。

整列が遅い、行進が合っていない、指先が伸びていない、とやり直しを繰り返し、

返事の声が小さい、気合が足らない、やる気がない、と罵倒され続けます。


体力的にもキツイですが、精神的にかなりキツイです。


こんなことに何の意味があるのか、もうどうでもいいんじゃね？と思う頃、

決まって、刑務官様が言うセリフがコレ。


「ココで良い施設に行けるかが決まる」


・・・オイオイ！ウソだろ？

ここで頑張れば、待遇の良い刑務所に行ける、ってか？

後でわかったことですが、待遇の良い刑務所などあるはずもなく、

頑張ったからといって、送られる刑務所が変わるワケでもないのです。


そうやって、ウソも方便で、ヤル気を煽るのはわかりますが、

懲役たちがホントのこと知らないからといって、

矯正、教育、指導する立場の刑務官様がウソを言ってはいけませんよ。


「ここで頑張っても、何か良いことは起きないが、まぁガマンして頑張れ」

と言われても、スッキリはしますが、まぁ頑張れないですけどね。

だーかーらー、調査センターやセンター工場での訓練はいらないんだって！


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センター工場の刑務官様はとくに怒るような出来事がなくても、毎日説教します。

「訓示」とか言って、エラそうに、10分は最低でも話します。

抽象的で、話す前に頭の中でまとめていないから、長いのよ。

「具体性に欠ける、数字を出せ！おまえ、事前に話す内容を考えておけ！」

・・・なんて、会社だったら、この刑務官に確実に説教しています(笑)。


そして、刑務官様がさんざん説教した後に言う、決めセリフがコレ。


「努力は人を裏切りません」


・・・ガハハハ！努力じゃないだろ？

それは忍耐というんだよ！　ガマン、ガマンでしょ？


中学生に説教をしているんじゃないんだからさぁ・・・

大体、刑務所にブチ込まれるような人間に、「努力」って言ったって響かないよ。

懲役たちはみんな、どうにもならなくて、追い込まれた結果こうなったんだから。

努力が足りなくて、とか、好き勝手やったナレの果て、というのは少数です。


もう、自分の言葉に酔っているんだろうが、ピントがずれていて

エラそうに！ちゃんちゃらオカシイ！

刑務官様に「努力」と連呼されても、説得力がないのよ・・・


さて、センター工場での生活、規則、その訓練はキビシイものですが、

ここまでのことは、他の刑務所ではありません。ココだけなんです。


当然、耐えきれず、ドロップアウトするものが1～2割います。

突然、暴れ出す者、刑務官に反抗する者、泣きを入れる者・・・

連行され、調査となり、懲罰。仮釈放に少なからず、影響します。


また今日も、誰かがドロップアウトし、連行され、消えてしまった後、

刑務官様は決まって、こう言います。


「オレだって、ホントはうるさいことを言いたくねぇんだ」

・・・まぁ、これは本音かもしれんが、じゃあ、もうちょっとうまくやってよ。

「ここで、これからの懲役生活の運命が決まるんだ」

・・・だから、待遇の良い刑務所なんて、ないんだから！


刑務官様は、我々懲役を諭すように、しみじみと語ります。

「長い人生で、こんな時があってもいいだろ？」

・・・いや、一刻もここから抜け出したいです！

「どうせ後になったら、いい思い出になるはずだ」

・・・いやいや、消したい過去、思い出したくもないです！


そして、シメのおコトバはコレ。

「たかが４週間だ。ガマンしろ！」

・・・結局、コレかよ。これ言われたら、何も言えねぇ。



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タグ：訓示 刑務官 調査センター 分類

コメント 2

はじめまして。
自分も最近出所しました。調査センターも経験しました。
懐かしいです。
本当、理不尽な思いをしました。自分の頃は、検身はパンツ一丁でしたが。
頑張れば、良い刑務所に行けるなんて期待させて、ハズレ刑務所におくられました。頑張っても行く場所は変わらなかったのですね。
腹が立ちます。
by 十色 (2016-03-12 23:42) 

十色さん、はじめまして

コメントをくださり、ありがとうございます。m(__)m
おつとめ、本当にお疲れさまでした。
やはり、理不尽な思いをしましたか……
おっしゃる通り「頑張れば、良い刑務所に行ける」と言って、アオるんですよね。
私も「んなワケねぇだろ」と思いつつも「ひょっとしたら」と考えてしまい、まんまと術中にハマりました。
仮釈前の調査に来た職員に尋ねたら、最初から送られる刑務所はある程度決まっているらしいです。（やっぱり）

今はPFI刑務所(社会復帰促進センタ―)もありますから、アタリとハズレの差が余計に広がりました。
さぞかし苦労もされたことでしょう。
もしよろしければ、またコメントをいただきたく存じます。
今後ともお引き立てのほど、よろしくお願いいたします。
by きりたんぽ (2016-03-13 00:58)