刑務所の前座、「調査センター」。
誰しもが行くワケではなく、
選ばれし者たちだけが行けるのです。
若者、生命犯、性犯・・・
ざっくりいうとこんな感じの者たちですが、懲役の中でも
「負け組」と言っていいでしょう。
だって、
「調査センター」に来たことが、もう痛恨の「敗戦」です。
今回は、調査センターの作業場、「センター工場」の日常をお話しします。
1．受刑者にお守りを作らせるとは！
調査センターで、なんだかよくわからない「調査」をされている間、
４週間という期間、必ず「センター工場」に行かされて、しごかれます。
そこで、過剰なくらいの「懲役のイロハ」を叩き込まれるわけです。
もちろん、懲役ですので、
昼間は基本的に「作業」をさせられます。
いろいろと、細かい作業があるのですが、
一番ウケたのがコレ。
「お守りストラップを製作」
某神社、あ、隠すことないか・・・
「高◯穂神社」で売る商品、
ケータイのストラップになるお守りを製作するというモノ。
犯罪者にお守りを作らせるのか？
んで、懲役の作業でやらせることか？
お守りじゃなくて、悪い事が起きるな
と、一般の方は絶対に思うはず（笑）
何と、ブラックジョークなグッズだ！
作っている懲役たちですら、苦笑いですよ。
「こんなモノ、買うヤツの気がしれねぇよ」
「ま、誰が作っているかわからんからね。それにしても、詐欺だろ、こりゃ」
「懲役たちの怨念がこもっているので、呪いにかけられる」
「あー、確かに、悪いことばっかり起きそうだな」
こんな会話で、懲役たちは盛り上がっていました。
ところが、このストラップお守り、作るのが結構難しいんです。
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2．丁寧だけどエゲツない若造の指導
このありがたくない、
「ストラップお守り」ですが、
完全手作り。
短いひもの先っぽには、小さなひょうたんがくっついていて、
このひもを５本、ねじって、合わせて、完成させます。
この「ねじる」時に、木工用ボンドを使って、くっつけながら固めるんですが、
これが、
意外とムズカシイ。
このような作業というのは、
刑務官様は一切教えてくれません。
作業担当の
「技官」という人もいますが、まず教えることはないです。
その代わり、
ベテランの懲役が「作業指導補助」という役で教えます。
刑務所は、何でも自分たちで自分のことをやる所なんです。
で、「センター工場」にも、ここに専属として配役となった懲役が３人ほどいます。
彼らは、
全員20代前半の見るからに若造で、「衛生係」と呼ばれます。
彼らが、ストラップお守りなどの作業を教えてくれるのですが、
まぁ、懲役っぽくて、オモシロい！
言葉遣いは丁寧なんだが、言っていることはキツくて、責めまくる・・・
「さっき説明しましたよね？自分の話聞いてました？」
「こんなのもできないんですか？作業するの、やめてもらえます？」
「説明をわかってないですよね！本当に日本語わかるんですよね？」
できた！と思って、彼らに見てもらうと、
「まぁ、できてますけど、何分時間かかってるんすか？仕事になんないっすよ」
と、キビシイお叱りを受けるワケです。
まぁ、マシンガントークで責めまくる。
不器用なオジサンとかは、大変ですな。
二十歳そこそこの若造に罵倒され、ズタズタです。
悔しくてプルプル震えてますわ。
横で聴いていて、
こっちは思わずガクブルです。
刑務官様も理不尽ですが、懲役も理不尽です(笑)。
「もう、あなたやらなくていいから、座っててください」
と、終いには怒らせて、放置プレイのお仕置きに。
さすがに、これは刑務官様も黙っちゃいないだろうと思ったら、
「おめぇ、作業できねぇのか！衛生係にメンドウかけるんじゃねぇ！」
と、ダブルで怒る始末。
そうして、ますますお守りに怨念が込められていくのでした。
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2015-04-27 17:00
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共通テーマ：日記・雑感
米国の大手製品の多くが受刑者によって作られていることはマイケルムーアの映画で見ましたが、日本でもあったとは。
しかもお守り。
僕は知りたいことが一つあって、アメリカの逮捕・誤審率は9割を超えるんですが、日本の場合どれくらいなんでしょうね?
実は弟のアパートが火事になって、放火だったんですが、被害届を出した弟が逮捕されたんですよ。
まったくトンチンカンな話です。
幸い国選さんが割といい方で、どうにか不起訴になりましたが、何ヶ月も拘束されて大変でした。
by ss (2018-12-02 10:03)