前回まで、「飛行機」、「新幹線」 と
派手な乗り物での、刑務所送りのお話をしました。
さて、やはり
多いパターンは護送の「バス」での移動です。
明らかに地味で、退屈極まりなさそうです。
「どうせ、拘置所→刑務所、ドア・ツー・ドアで、何も起きんでしょ」
「バスに乗っているだけだから、寝て、起きて、オシマイだろ」
いやいや、何も起きない方が良いんですよ!
懲役やっている本人からすれば、
何か起こったら困るんです。
それでも、くだらないハプニングは起きます。
5.だから荷物を減らせと言っただろ
全員私服に着替え、あとは移送のバスに乗り込むだけとなりました。
「
どいつもこいつも、おかしな私服を着やがって・・・」
季節外れの格好は序の口、
近所のコンビニに行くのも恥ずかしい部屋着以下の格好や、
大学の名前がデカデカとプリントされたジャンバーを着ている、など
「
この集団、アタマおかしいんじゃないか?」
と言われても仕方ない、格好のお話は
「
どこの刑務所に送られる⑥・・・私服で刑務所に行くんですか?」
にて、お話しした通りです。
バスは、
宴会場や火葬場の送迎用のマイクロバスと同じです。
パッと見、刑務所の護送車とは、わかりにくいです。
屋根に小さな赤色灯がついているのと、
フルスモークなことくらいでしょうか。
バスなので、懲役たちも刑務官様も、どこかマッタリしています。
「
おい!だから、荷物減らしておけといっただろ!」
突然、刑務官様の怒鳴り声が・・・
「
おまえ、この荷物一人で持てるのか?あぁん?」
「いえ、何度かに分けて運ぼうかと・・・」
「
刑務所は荷物の容量の制限があることくらい知ってるだろ!」
いやぁ、スゴイ荷物の人がいました。
カバンに入りきれず、紙袋にも入りきれず、
段ボール箱5箱! 軽い引越しですよ。
我々懲役は、この日のことを考えて、荷物を減らしてきたのです。
まぁ、
バスで運ばれる、とわかってナメてかかっていたんでしょう。
刑務官様は、怒鳴り散らしながら、しぶしぶ段ボール箱を運んでいます。
本人も、
手錠をはめたまま、持ちにくそうに段ボール箱を運んでいます。
懲役になると、モノが乏しいから、捨てられない人、多いんですよね・・・
ていうか、ジャ◯プとかマガ◯ンは捨てていけよ!
「
そんなにツラそうな顔して、アピールしてんじゃねぇよ!」
手錠をはめたまま、両手で段ボール箱を持つのは、かなりツラいんですがね・・・
何をしても、刑務官様に怒鳴られています(笑)
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6.途中トイレには寄らないからな!
護送車の「バス」に乗って、移送されるのは、
2~3時間で着くような、比較的近距離の刑務所です。
というわけで、
この所要時間ですと、直行となるわけで、
途中、休憩とかでどこかに寄ることは考えていません。
刑務官様も、
万が一、懲役たちに逃げられたりしたら大問題ですし、
何よりも、
バスから降ろして、連行するのがメンドくさい。
拘置所を出発する前に、しつこいくらい言うことがあります。
「途中、どこも寄らないからな。
用便を済ませておけよ」
あ、ちなみに
拘置所・刑務所では「トイレ」とは言いません。
ここではそんなコトバはなく、
「用便」と言います。
「いいか、途中停まれないし、寄れないからな。
用便行っとけよ」
・・・小学生の遠足じゃあるまいし、うるせぇな。
そうフテ腐れながら、バスに乗り込みます。
もう、相当な年月、シャバの空気に触れることができません。
これが最後だ!との想いで、目を皿にして、街と街行く人を眺めます。
自転車を漕ぐ女子高生、スーツで出勤のOLさん・・・
なんと、刺激的な!
もう、凝視です。
あ、女性しか見てないですけど・・・
しかし、街中はすぐに終わってしまい、あとはほとんど高速道路、退屈です。
懲役たちはおろか、
刑務官様でさえ、全員で居眠りです。
「
オイオイ!懲役たちがおとなしいからといって、ホントにこれでいいのか?」
なんと日本は平和な国なんでしょうか?
「
先生!先生!お願いします」
あの荷物が多い彼が、刑務官様を起こしています。
「んぁ?なんだ?」
「
用便行きたいんですけど・・・」
「だから、拘置所で済ませておけって言っただろ!
あと1時間ガマンしろ!」
「
いや、ちょっと、ムリそうです」
「あれだけ用便済ませておけといっただろうが!」
刑務官様は怒り狂いながら、運転手と相談しています。
なんと、
途中のサービスエリアに寄ることになったのです。
「刑務官様も鬼ではないんだ!さすがにクソを漏らされたら困るもんな・・・」
ちょっと、刑務官様の優しさ、器の大きさ、に感動していたら
「
スマン。オレもちょっと行ってくるわ・・・」
部下の刑務官に、ボソッとつぶやいているのを、聞き逃しませんでしたよ!
刑務官様も、もよおしてきてしまい、便所に行きたかったのです。
高速のサービスエリアの、トイレのある真ん前にバスを停めます。
腰縄で縛られていますので、3人ずつ数珠つなぎになって歩きます。
まさに、
「イヌの散歩」。
で、
腰縄のまま、手錠のまま、刑務官様に見られながら、用を足すのです。
トイレの中ですれ違った一般の方は
「ギョッ」とした目で見ていましたね。
「トイレに寄ったついでに、自動販売機でジュースとか買ってくんないかなー」
なんて、ふと期待しましたが、
「
キョロキョロするな!さっさと歩け!」
刑務官様に怒鳴られて、アッサリとサービスエリアの休憩は終了しました。
いかがでしょうか?平和ですね~
でも中には、
ホントに脱走するヤツもいるんです。
そのあたりのお話しを、次回はさせていただきます。
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2015-04-19 15:00
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