どこの刑務所に送られる？⑧・・・VIP扱いの飛行機移送

「懲役」受刑者の運び方は、護送車の「バス」だけではない、というお話をしました。

「飛行機」　「新幹線」　「電車」

長距離になると、こういった公共交通機関で、フツーに移送されます。


今回は、「飛行機」で運ばれると、どうなるのか、というお話をします。


「懲役」受刑者が、駅や空港に、みなさんの前に堂々と現れるのか？

さらし者になってしまうのか？

裏口からコソコソと出入りをするのか？


3．VIP扱いの飛行機のはずが！
実際に、飛行機で移送されたケースをご紹介しましょう。


Aさんは、札幌で逮捕され、札幌拘置所にブチ込まれていました。

懲役が決定し、当然北海道内の刑務所に送られると、思っていました。

「函館かな？釧路かな？・・・東北はないだろ？」


しかし、色々と条件を抱えるAさんは、北海道内ではなかった！

何と、札幌から遠く離れた関東・埼玉県の川越少年刑務所に決定！

「どうして、そんな遠くにわざわざ行くんだよ！」


怒り狂うAさんでしたが、すぐに

「まさかバスで行くワケはないし、飛行機か？」

不安でたまらなくなりました。


まさか、あの多くの人で込み合う

「新千歳空港」に連行されるのか？


空港のロビー、廊下を、

手錠・腰縄の姿で歩かされるのか？

地元の人間もいるのに、そんな姿を見られてしまうのか？


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Aさんはそんな「さらし者」にされる姿を想像して、眠れませんでした。

「地元なんだから、手錠と腰縄の姿を見られるのだけは避けたい」

坊主頭のイカつい男たちが、数珠つなぎで歩くわけですから、抜群に目立ちます。


不安は的中し、やはり「飛行機」で移動と、当日判明します。

「せめて、地元の知り合いには見つかりませんように・・・」

「さらし者」の恐怖に、Aさんは、もう祈ることしかできません。


しかし、さすが国家権力、法務省。

Aさんを乗せた護送車の「バス」は

なんと飛行機に横付けされたのです！


「おお！神よ。まだあなたは私を見捨ててはいなかった！感謝いたします」

空港のカウンターを通らず、人目にさらされることもなく、直で横付けです。


「オレって、政治家？セレブ？　VIP扱いじゃん！」

飛行機に乗り込むのは、

一番最初で、一番後ろの座席

だそうです。


すっかり気をよくしたAさんでしたが、懲役はそんなに甘くない・・・


羽田空港に着陸すると、どうも様子がおかしい・・・

「ん？お迎えの護送車が来ていないな」


「これから結構歩くから、列を乱さず、遅れないように歩けよ」

連行の刑務官様が、おかしなことをおっしゃっております。

なんと！。

羽田空港では、護送車の横付けはなし


羽田空港は、受刑者を特別扱いをしてはくれなかった！

フツーに、一般客と一緒にスポットを通り、長い廊下を歩いたのです。


「結局、さらし者じゃないかよ！それも一番人の多い羽田空港でだよ！」

「やはり、神さまなんかいなかった。裏切られた」

そりゃあ、逮捕され、実刑にまでなっているんだから、神に見放されているでしょうよ。


Aさんは、空港の客にジロジロと好奇の目で見られながら、歩いたとさ。



次回はこの続き、Bさんの「新幹線」で刑務所に送られるお話しをします。


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