前回から、
「移送」のお話しをしています。
刑が確定し、懲役が始まったものの、今いるのは
まだ「拘置所」。
受刑者なのに、刑務所ではない。
スッキリしない立場での懲役生活です。
「どこの刑務所に飛ばされるんだろ?ハズレの所はカンベンして!」
そう、刑務所によってはキビシかったり、ハズレがあるので、気になって仕方ない!
今日こそ移送されるんじゃないか?と、毎日ソワソワしています。
刑務所に送られてしまえば、何かとメンドくさくて、キビシイんですよ。
サッサと行っても何のメリットもないのですが・・・
「早く刑務所に送られて、落ち着きたい!」と、不思議とあせってしまうのです。
1.実は拘置所の方がラク
どうせ、数週間、長くても数ヶ月待てば、刑務所に送られるんです。
移送が早いからといって、出所が早くなるワケではないんです。
ここがカン違いをする最大のポイントですね。
むしろ、
拘置所の方が、刑務所よりはヌルい懲役生活は送れるんです。
その理由とは・・・
①上下関係はそれほどキビシクない。
②一日中、雑居房にこもりっ放しなので、こまかーい規則が少ない。
③作業は、ジジイでもできる超・単純作業。
④オマケに、ノルマもほとんどないようなモノ。
つまり、メンドくさいこと、トラブルが少ないんですよ。
よーく、今になって考えてみれば、
一日も長く拘置所にいれば良かった・・・
それなのに、早く行き先の刑務所が決まらないと、落ち着かず、不安になる・・・
何人もの後輩に、刑務所送りの先を越され、深刻に悩むオッサンもいまして、
別れの朝に、泣き出すんです。
別れがそんなに寂しいのか?と尋ねると、
「
どうして、自分はいつまでも刑務所に移送されないんだ!仮釈放もらえない!」
と、勝手な
カン違いをして、落ち込んで泣いているんです。
みっともないから、オッサンが泣くんじゃないよ!
こういうヤツに限って、懲役が1年前後の
「ションベン刑」 なんですよ!
泣きたいのはコッチだよ!
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2.どこに飛ばされるか教えろよ!
懲役やるなら、実は、拘置所にいた方がラクなのに・・・
そんなことも気付けずに、今日も移送待ちの懲役たちは
焦ります。
別に、自分で日にちを決められる訳でもなく、
努力したところで、自分の力では行き先の刑務所も変えられません。
それなのに・・・
今日も懲役たちは、
血眼になって、事前に知る方法を考えます。
①刑務官様から訊き出す か、
②移送された者のパターンから予測する
くらいしか方法はないんですよ。
でも、そこはムダな悪あがきが得意な懲役たちのことです。
意外な方法で、自分の行き先の刑務所や、日程を探り当てます。
まずは、①ですが、
刑務官様に毎日毎日、ごきげん取り、お世辞を言いまくります。
どこに、いつ、移送されるかは、当日の朝まで
「
絶対に漏らしてはいけない機密情報」
のハズで、刑務官様もちっとも教えてはくれません。
が、ごきげん取りを毎日続けると、時に気を抜いたか?
ポロッと漏らしてしまうことが!
「
おめぇは、もう、かなり近けぇぞ。ま、アッチの方だな、あぁん?」
てな感じで、
懲役の誘導尋問に、ニヤニヤしながら答えてしまうんです!
大問題ですが、刑務官様なんて、こんなもんですよ。
スキ・キライの感情で、本来機密の情報も漏らしちゃうんですから・・・
「信用なんて、できるかよ!」 ですよ。
次に、②ですが、拘置所で掃夫(掃除、配食など)として懲役をしている者から、
できる範囲で、
情報をリークしてもらう方法があります。
「火曜日に移送されるのは、黒羽です」
「来週、〇△さんが移送されそうですよ」
てな具合です。
本来は、彼らと話すことは禁止されていて、見つかったら、
即、懲罰です。
彼らは、自分たちに教えることに何のメリットもないんですが・・・
「
刑務官様に隠れて、悪さをするのが、ストレス発散になる」 そうです。
もう一つは、
確実に日程を知りたいために、使う方法。
「本の宅下げをしたいんで、願せんをお願いします」
「この人が面会に来る予定なので、登録の願せんをお願いします」
わざと、手続きに時間のかかる「願せん」を出してみるんです。
願せんの処理には、数日の時間がかかるので、もう移送が直前だとすると・・・
「
おい、もうこの願せんは、間に合わん。あきらめろ。あぁん?」
と、
刑務官様から、「合法的」な事前のお知らせをもらうことができちゃうんです。
これから移送の方は、ぜひお試しください(笑)。
くだらねー、どうでもいいことですが、大マジメに情熱を注ぎます。
「移送について知りたい!」
懲役は心の平安を得たいために、あれこれ試し、努力するんです。
心配するところは、そこじゃねーんだけどなー・・・
(注)
宅下げ:外部の人間に、許可された私物を引き取ってもらうこと。窓口か郵送。
願せん:懲役の者たちが、許可を申請するときの用紙。いちいち書く。面倒。
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2015-04-11 15:00
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共通テーマ:日記・雑感
楽しく見させて貰ってます
色々と懐かしいですね 笑
移送先の情報入手ですが、
当所執行の掃夫には4,5日前に確定情報が入ります
自分の場合、5日前に移送日、4日前に移送先を教えてもらいました
ちなみに東拘での話です
洗濯物やら食事やらの実務処理上必要なので、何室何番がいつ何処に移送といった確実な情報が入るそうです
掃夫と仲良いのが大前提ですけども 笑
by 名無し (2016-04-25 17:11)
コメントをくださり、ありがとうございます。
掃夫と仲良くしていると、情報を流してくれるかも…というのはどこの施設でも同じなんですね。
刑務所で掃夫をやっていた時は、担当のオヤジが「アイツ、来週移送だからな、本人には言うなよ」なんて、作業の都合上、コッソリ教えてくれることがありました。
多くの場合、せいぜい前日でしたので、東拘の4~5日前というのは情報が早いですね。
by きりたんぽ (2016-04-25 17:26)
環境によっては早く移送された方が良いですよ。
東京拘置所の移送待ちはボロい建物で、真冬の北側はかなりキツかったです。
あかぎれが治らず酷くなる一方で指に穴が開いたような状態にまでなりましたが、
移送されたら1週間も掛からずに完治しました。
このときは3ヶ月の移送待ちです。
刑務官に「お前長いな~、いつまで居るんだ?」と言われたのを覚えてます。
真夏の東京拘置所は蚊に悩まされました。
一晩で10数ヶ所も刺されるんですよ。
座布団を使って食器口等の隙間を全て塞ぐと息が苦しくなる程の暑さで眠れず、結局は蚊に刺される方を選びました。
自分は蚊に刺されると化膿するので苦渋の選択だったんですが、これは冬よりヤバい気が狂うかもって思ったものです。
このときは幸いにも3日で移送されたので狂わずに済みました。
by お名前(必須) (2019-07-10 23:53)