留置場はつらいよ⑩・・・人間扱いじゃない？

いつも読んでいただきありがとうございます。

今回も前回に引き続き、留置場ならではの、カルチャーショックなモノをご紹介します。

これらを受け入れるには、ちょっと時間がかかりました。


③紙がないんですけど！
前回、便所（トイレとは呼びたくない）の様子についてはお話ししました。


便所ネタで、もう一つ。

トイレットペーパーがないんです！


じゃ、留置場ではお尻を拭くことも許されていないのか？と思っちゃいますよね。

トイレットペーパーの代わりに、「チリ紙」と呼ばれるものを使います。


留置場では「チリ紙」というものが支給され、個人では持てません。

だから、便所に備え付けておき、好き勝手には使えないのです。


―――ところで、「チリ紙」って、ご存知でしょうか？

ノートくらいの大きさで、薄汚れた感じで、ティッシュの様には白くない紙です。


40代以上の方ならご存知かもしれません。

昔、田舎の汲み取り便所に備え付けてあった、肌に優しくないアレ、です。


さて、チリ紙があることを確認せず、あわてて便所に入ると、トンデモナイことに・・・


「あの、〇〇さんすいません！チリ紙ないんですけど！」と大声で救助を求めるハメに！

「おめぇ、確認しておけよ！・・・オヤジさん（警察官のこと）チリ紙ください！」

「この房はチリ紙の消費激しいぞ。大事に使えよ」と監視の警察官に渋られたりします。


警察官に怒られ、同房の人からは舌打ちをされ、便所も気軽には行けません。

ウォシュレットが当たり前の21世紀の日本に、こんなものがまだ生き残っていました。

もう、まさにある意味、奇跡です。


時間が「昭和」で止まっています。

留置場や拘置所という所は、こういった数々の絶滅危惧種が保護されています。


刑務所に行くことになる私は、懐かしくもない幾つかの絶滅危惧種と出会うことに・・・

いったい、チリ紙って、どこで作っているんだよ？（のちに、静岡県の工場と判明）

ていうか、留置場・拘置所・刑務所の人間しか使わないだろ？と勘ぐります。


トイレットペーパーしかない状況でも抵抗あるのに、チリ紙で拭くしかないのです。

痔持ちの私には、これはきつかったです。


ちなみにこのチリ紙、懲役の間では「ちりし」と読みます。

どうでもいい、「懲役あるある」でした。


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④ゴハンはポチのように・・・
留置所では、食事が唯一の楽しみになります。

市価400円の地味な仕出し弁当ですが、それでも気になります。

周りの方達も、マズいだの文句を言う割には、話題にして盛り上がります。


退屈で変化のない環境では、毎回変わるおかずを空想するまでになります。

小学生の給食時間じゃあないんだから、いい大人が恥ずかしいもんです。


その楽しみな弁当ですが、配られる時に、いつもミジメな気分になります。

ここは留置場なんだ、まともな人間扱いではないんだ、と。


それは、「弁当の配られ方」です。

配るとき、牢屋の鉄格子のトビラは、いちいち開けたりしません。

どこから弁当を入れるかといいますと・・・


鉄格子の足元に、頭が入らないくらいの小さなトビラがあります。

ちょうど、イヌやネコの出入口のイメージといったらいいでしょうか。

「食器口」と言い、そこから弁当が投げ入れられ、床に置かれます。


「はーーーい。ポチ！ゴハンだよ」　ちょうどイヌ小屋にエサを置く感じです。

自分も落ちるとこまで、落ちたな・・・とミジメな姿に落ち込みます。


次に、薄過ぎて味のしないお茶が、プラスチックのどんぶりで配られます。

これがまた、イヌにやる「お水」のようで、一層ミジメさを引き立てます。


じゃあ、食べないのかというと、空腹に勝てず、５分で完食です。

ためらうどころか、イヌの様に地べたに這いつくばり、メシをがっつく浅ましい私です。


まともな神経なら、メシがのどを通らないのが当たり前だろう、とお思いでしょう。

しかし、それでは刑事や警察官に怒られますし、目先の責任逃れだ、と言い訳します。


いつもこの時に頭に浮かぶ言葉は、
「衣・食・住、足りて礼節を知る」であり、一瞬自分の姿に恥ずかしくなります。

でも次の瞬間、「腹が減っては戦はできぬ」と都合よく考え、完食します。


最後は、「にんげんだもの。みつを」という最強ワードで済ませます。

勝手なもんです。本当に、恥知らずで、ごめんなさい。


いかがでしょうか。

次回も、留置場でのビックリした出来事をお送りします。


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タグ：留置場 便所 食事 警察官

コメント 2

留置場のお茶ははてしなくうすかったですね。
それよりも食事時のゴザがみじめったらしかったですね。
留置場は机がありませんからね。
by きなこ (2016-03-25 20:24) 

きなこさん、コメントをくださりありがとうございます。
そうでしたねぇ。留置場のお茶はうすかった！(笑)
味など当然ナシ。香りもナシ。色すらほんのりついている程度でしたね。

タタミの地べたに座り込んで、机もないところでメシを食う…TV番組のコーナー「芸能人格付けチェック」でいう「移す価値なし」の待遇に似ているなぁとちょっと思いました。あれより悪いか…
またコメントをお待ちしています。
by きりたんぽ (2016-03-25 20:50)