いつも読んでいただきありがとうございます。
以前、刑事の渾身の名(迷?)セリフについて、お話ししました。
今回は、逮捕されてから留置場にいる、「初期」の頃の記憶を紐解きます。
それぞれの立場からの、
心に突き刺さった名セリフです。
彼女、友人、被害者、看守・・・迷惑を掛けた方々の想いの詰まった言葉の数々です。
【犯罪者へのお言葉・前編】
①担当の刑事
「君には黙秘権があります。言いたくないことがあれば、言わなくてもいい。」
これは取り調べ時に、毎回お約束で言われた言葉です。
真に受けて、本当に言わなかったら、刑事に怒鳴られ、脅され、大変なことになります。
「てめぇ、迷惑をかけておいて、その態度は何だ!」
「言わないなんて選択肢はないぞ!だったら怪しいのも含めて全部起訴してやる!」
「お前がそういう態度を取るなら、取り調べをやってやらない。ずっと留置場にいろよ」
これが、私が毎回のように取り調べ時に言われていたセリフでした。
これで
黙秘権を行使し、都合の悪いことはしゃべらない、と言うのはとても
ムリでした。
よっぽどの大物か、根性のある人でないと、実際のところ、できないです。
もう一つ、セリフがありました。
「これから調書を読み上げるが、おかしいところ、違うところは直すから、言って!」
これも建前のセリフで、実際は、烈火のごとく怒りだし、直してもらうなどムリでした。
お約束のこのセリフ、忘れられないです・・・
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②留置場のおとっつあん
「そんなんじゃ、刑務所でイジメられるぞ!」
これが、おとっつあんから私が、毎日のように言われていた言葉でした。
「おとっつあん」とは、留置場の看守をしている、定年後再雇用の警察官のようでした。
留置場生活3か月を過ぎたあたりから、厳しく注意を受けることが多くなりました。
後で聞くには、私が房の中で天井をポカーンと眺めてばかりで、心配したそうです。
当時、もう心が折れていて、すべての気力を失っていたのだと思います。
誰かが何を話しかけ、喝を入れ、励まそうとしても、すべて虚しく、耳に入りません。
私が、牢屋の中から出る時、あまりの動きの緩慢さに、我慢ならなかったようです。
「おとっつあん」は日に日に、イライラしてきたようで、
「刑務所は連帯責任なんだからな、ちゃんとやらないとダメだ」
「姿勢もしっかりしろ!整列から行進から、すべてやり直しになるぞ!」
と、怒っている割には、心配が伝わってくる優しい人でした。
刑務所に行ってみたら、確かに言ってることも本当でした。
どこに行っても、かまってもらえるというのは、有り難いことです。
③彼女
当時付き合っていた彼女は、年上の女性でした。
年齢的にも、そろそろ結婚、出産をしないと…と焦っているのがわかっていました。
彼女のためにも、覚悟を決めて結婚しないとな、と考えていた矢先に逮捕されました。
彼女は、自分の人生の計画を、メチャクチャにされて、激怒したことでしょう。
友人からは、「あんたがしっかりしないから、彼氏が犯罪に走ったんじゃないの!」
と理不尽に怒られたそうです。
それでも最初のうちは、面会所の板越しに、泣きながら心配してくれました。
「頑張ってね。待ってるからね。全力で支えるよ」
なんとありがたい言葉でしょうか!ボロボロ泣きました。
しかし、
3か月、半年と過ぎていくと、彼女に変化が出てきました。
「最近ね、仕事が忙しいの・・・」
手紙の言葉の歯切れが悪くなり、回数が減ってきます。
「もう、ご両親とは、会えない・・・」
それまで、自分に代わり、両親の安否を気遣ってくれていましたが、ギブアップ宣言。
「もう、手紙は書けない・・・」
とうとう、手紙も拒否、両親との時折のメールしか連絡が取れなくなりました。
「新しい人生を歩んでいます。私のことは心配しないでください・・・」
関わってくれるな、と両親経由のメッセージ。
「私に対する償いは、今後一切連絡を取らないことです。さようなら」
勝手に彼女の存在を励みに、塀の中の生活をしていましたが、終わりました。
よく考えれば、私に関わってよいことは一切ないのに、随分辛抱し、支えてくれました。
今は謝罪と感謝の気持ちですが、彼女が離れたショックからは立ち直れていません(笑)
その後、刑務所でたくさんの人と話し、彼女や奥さんについて尋ねてみました。
やはり、
9割方が、別れたり、離婚されていました。当然ですよね。
近所、職場でのうわさ、経済的な問題、子どもへの影響・・・かける負担が大きすぎます。
残念ですが
これを機に、キッパリと「離れる」のが健常な人の反応だと思います。
いかがでしょうか。しめった話で、すみません。次回もうちょっとお付き合いください。
直接、すぐには役に立たないかもしれませんが、社会復帰の際に踏ん切りがつきます。
一度でも転落したことのある方、お互いに頑張りましょうね。
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2015-02-22 16:00
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共通テーマ:日記・雑感
がんばりましょう!
by がんばり隊 (2016-01-24 23:08)
ありがとうございます。でも心が折れています。
by きりたんぽ (2016-01-25 02:41)
ご多分に漏れず、私も逮捕され彼女と別れました。
3年の執行猶予となり、刑務所行きはかろうじて免れたものの、警察のお世話になると、やはりダメですね。
釈放され、当初は彼女自身、関係を続けたい考えだったようなので、私もそれに応えようと、何度か修復を試みましたが、
やはり何かある度に、彼女が逮捕の件を持ち出すので、
もうダメかなと思い、最低男を演じ、振られる形にしました。
彼女の年齢も33歳と、ある意味結婚適齢期で申し訳ないことをしたと今でも後悔と謝罪の気持ちで一杯です。
現在、彼女に負わせた借金1000万ほど、コツコツ稼いでるところです。
自業自得とは言え、こんなはずじゃなかったのに・・・と思うところしたりですね。後悔先に立たずですけど。。
犯罪に手を染めるのは簡単ですけど、すべてを失うのもこれまた一瞬ですね。
そして、失ったものはもう取り戻せない。
彼女との関係は終わりましたけど、借金を負わせた手前、
一日も早く、彼女を楽にさせたい、それだけを生きる気力とし、
毎日、孤軍奮闘しています。
誰からも応援もされることなく、一時的だったとは言え、愛する(元)彼女からも罵倒され、恨まれ、憎まれ、そして嘘つき呼ばわりされてる現在。
それでも、やらねばならぬと自分を奮い立たせています。
無事、借金返済し終わり、キレイな状態になったら、また書き込みますね!
by ソフィー (2016-02-01 15:36)
ソフィーさん、こんばんは
コメントをくださり、ありがとうございます。
ご自身のつらい経験を分かち合ってくださり、恐縮です。
逮捕された者としては、一番触れたくない話題かと思います。
理由はどうであれ、一番身近な人を傷つけ、不幸にした事実は動かしようがなく、ずっと心の重荷になっています。
何とか幸せになってもらえれば、と祈ることしかできませんが、どうにかして埋め合わせをしたいとも思います。
前科者は多少の違いはあれ、ソフィーさんと同じように罵倒され、恨まれ、憎まれているハズです。私もそうです。しかしそれを受け入れ、いつか埋め合わせができる時が来ることを信じて、その準備を地道にするしかないようですね。
あまり無理をされてお体を壊すことのないよう、ご自愛ください。
キレイな状態にならなくても、また愚痴でも何でも書き込みお願いします。
経験者のリアルなお話は、必ずみなさんのお役に立つはずです。
by きりたんぽ (2016-02-01 17:43)
彼女を失った喪失感で、いまだに引きずっています。
来るはずもないメールをただ、待っている。
(もちろん、私から出すことはありませんけど。)
彼女と付き合って4年。
私が逮捕されて、彼女と別れるまで、約7か月。
彼女もその間、さぞかし悩んだろうし、苦しんだと思います。
今は、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
きりたんぽさんは、逮捕され、
彼女から別れを切り出されるまでの期間ってどれぐらいでしたか?
もし、差し支えなかったら教えてください。
by ソフィー (2016-02-15 01:26)
ソフィーさん、こんばんは
コメントをくださり、ありがとうございます。m(__)m
イロイロ事情がありますし、言いたいこともあるかと思います。
しかし我々が相手(彼女)に迷惑をかけ、傷つけたことは動かしがたい事実であります。
我々がスパッと身を引き、相手が幸せになることをひたすら祈るというのが大事な「償い」の形であるかな、と思います。
もちろん何か要求されているのであれば、その限りではありませんが。
彼女のことは触れずに、そっとしておくことも大事ではないでしょうか。
ブログのネタとして記事にしてしまいましたが、反省しております。
エラそうに申し上げてすみません。
またコメントをお待ちしております。
お互い、まったく新しい人生を歩む努力を地道にしていきましょう。
by きりたんぽ (2016-02-15 01:52)
コメントありがとうございます。
彼女に背負わせた借金のため、
別れたとは言え、完全に切れていない状態のため、
つい、こんなコメントをしてしまいました。
私自身、お恥ずかしい限りです。
申し訳ありませんでした。
今は、一日も早く、彼女の借金を無くすのが
私が彼女にできる唯一の、そして最後の償いと肝に銘じ、
明日も頑張ります!
by ソフィー (2016-02-15 02:20)
私の場合15年連れ合った嫁さんと5歳の娘、2歳の息子が居ました。
残された妻の生活が大変だろうと思い、母子手当が貰える様にと(偽装)離婚を決意し離婚届けの印をすぐに押しました。
そしてその日の面会で嫁さんが泣きながら
『ずっと待ってるから!
子供らと一緒にずっと待ってるから!』
と言われましたよー。
あの面会室で泣きじゃくる妻の姿は今でも鮮明に焼き付いています。
未決では、手紙のやり取りが週一回でしたので毎週文通をしてましたねぇ。
それが返事が2週に一回になり、月に一回になり。
その頃から、返事の回数も枚数も減り内容は何かと『大変だ、忙しい』という素っ気ないものに。
そして、未決になってから1年過ぎ位には全く返事も帰って来なくなってしまいました。
姉に妻の事を訊いても言葉を濁す。
さすがにアホな私でも何がどうなったかくらい察しがつきます(笑)
それ以来、現在も音信不通です。
会っても居ませんしどこに居るのかもわかりません。
調べれば消息くらい掴めるのでしょうが、もはやその行為に何の意味もない事も解ります。
きりたんぽさんとほぼ同じセリフをのたまわれたので面白くって投稿した次第です(笑)
肉親以外の繋がりってそんな程度かも知れませんね(^^;
ちなみに、私の出所日は妻はおろか、肉親も誰も迎えがありませんでしたが(笑)
by 跳馬蔦廊 (2016-02-24 18:51)
跳馬蔦廊さん、こんばんは(^^)/
血のにじみ出るようなコメントをくださり、ありがとうございます。m(__)m
ここ最近では一番グッとくるお話でした。
いくら自業自得とは言え、自分と同じようなツラい部類の経験をしている方に「私も同じです」と言われるのは、とても力が与えられます。
思い出したくない内容のお話を赤裸々に教えてくださり、本当にありがとうございます。
手紙の経過など、痛いほどわかるつもりです。
跳馬蔦廊さんの場合、お子さまに関しては痛恨の極みかとお察しします。
数は少ないでしょうが、お読みくださっている同じような境遇の人たちに、たしかな力や癒しを与えてくださるメッセージだと思います。
逮捕され、刑務所にブチ込まれる、苦しい状況に追い詰められ、妻や彼女の救いの手は何としても欲しいところです。
しかし、自分の場合は間違っていました。
今まで好き勝手にやってきて、パートナーから与えてもらうことばかりを考えていました。
「奪いグセ」が染み付いていたんです。
逮捕、実刑とトンデモナイ迷惑をかけてもなお、都合よく「助けて欲しい」と、さらにパートナーから与えてもらうことを考えていました。どうしようもない奪いグセです。
私は今までどれだけのことをパートナーに与えてきたか?そう考えると恥ずかしく、申し訳なくなり、何も言えなくなりました。捨てられて当然の人間です。
そして冷静に考えれば、そのような人間の元を去っていくのは健全で正常な考えなんだと思います。
私の彼女や跳馬蔦廊さんの奥さまが、正しい反応だと思うのです。
私はそれを邪魔しないように、幸せになってもらえるよう祈るばかりです。
それにしても、ほぼ同じセリフというのは笑ってしまいました。
またコメントをお待ちしております。
いつもお読みくださり、感謝です。
by きりたんぽ (2016-02-24 21:30)