ある日突然逮捕されたら④・・・運命の朝（前編）

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

今回は、時間をさかのぼり、逮捕された日のことをお話しします。


以前、「逮捕された時に、まず何をすればいいか」というお話しはしました。

たくさんの人が、逮捕された時の様子を語っていますが、自分も話させて下さい。


ドラマと「同じじゃん！」という所もあれば、「全然違う、ウソ！」という所も。

皆さんに笑って読んでいただければ、私の魂も成仏できるというものです（笑）。


【逮捕の朝】
1．小さな車に男がぎゅう詰め
マンションを出たところの路地に、いつもは駐車していない黒の小さな乗用車が・・・

あれ、こんなところに車が停まっているなんて、不自然だな？と思いつつ歩きます。


その小さな車の中には、目つきの鋭い男4人が体を丸めてぎゅうぎゅうに乗っています。

何かこっちをジロジロと見ているよ、気持ち悪いなあ、とイヤな感じがしました。

横を通る際、目が合います。向こうは私を見て、明らかに驚いています。


「あ、これはなんかやばいぞ！」・・・一瞬にして鳥肌が立ちました。

カツアゲに遭った時も、車で事故って死にそうになった時も、この感覚はありません。

動物的な直感が、経験したことのない危険を察知しました。


人間というもの、良いことのカンは働かないが、悪いことのカンは働くというもの。

案の定、車の中から、目つきの鋭い男が慌てて降りてきました。


バタバタバタっ！

「おい、お前、ちょっと待て！」

私の第一の人生最後に聞いた言葉でした。


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2．捕まりそこねるとこでした！
私は、この日の朝、自宅マンションの正面玄関から出ていきませんでした。

ゴミ捨てがあったので、裏口から出て行ったのです。

さすがの刑事たちも、そこまでは計算していなかったようで、慌てたようです。


「自宅を出たはずなのに、エントランスに現れない！」

そして、慌てて車の中から出て来た刑事が、後ろから走って追いかけてきます。

「おい！待て！」2人の刑事に挟まれました。


「あぶねぇ、危うく逃げられるところだった。お前、どこから出て来たんだよ」

逃げるも何も、いったい、あんたたち誰だよ？


ポカーンとして、突っ立っていると・・・

胸ポケットをまさぐっています。ま、まさか・・・

次の瞬間、あのドラマで見たことのある、写真入りの「警察バッチ」が目に入りました。


「わかってるな？」…あぁ、全身の力が抜けていくのがわかりました。


3．何にも耳に入りません・・・
「おまえ、〇〇△△だな。」・・・は、はい。

「なんで俺たちが来たか、わかっているな？」・・・い、いえ、わかりません。

「はぁ？ふざけるな！自分の胸に手を当てて訊いてみろ！」・・・な、なんですか？


パニックになり、「わからない」とは言ったものの、ほぼ状況を呑み込みました。

「逮捕だ。オレの人生オワタ・・・」

周りの景色がゆがんで見え、すべて黄色みがかった色に見えます。


「ゴォーッ」耳鳴りのような雑音が頭の中に響きます。

刑事たちがさかんに話しかけてきますが、全く耳に入りません。

ふと気づいたら、2人の刑事に両脇を抱えられて、自宅に逆戻りです。


自宅に逆戻りはしましたが、人生の逆戻りはできず、私の人生は終了しました。

まさか、家に帰れない、外に出られない、長い旅に出るとは思いもしませんでした。


いかがでしょうか。次回も運命の朝、逮捕当日の後編としてお送りします。


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タグ：ガサ入れ 刑事