その弁護士で闘えますか？③・・・泣きたいのはこっちだよ！

逮捕された身にとって、「唯一の味方」が弁護士ですが、

誰もが誰も頼れるわけではない

という、キビシイ現実のお話を、今回はご紹介します。


1．刑事から心配される弁護士って？
私が依頼した弁護士は、知人の経験年数の浅い女性でした。

そういうことで、警察から「舐められる」のはある程度仕方がないと、考えてました。


ところが、取り調べが進むにつれて、担当の刑事から

「お前、あの弁護士で大丈夫か？」

と、深刻な顔で訊かれてしまいました。


最初のうちは「あのお姉さんで、ホント大丈夫なの？」と、からかい半分でした。

が、弁護士と刑事が何度か話すうちに、どうも違和感を覚えたようなのです。


「お前の弁護士、2つ3つ尋ねるとさ、すぐテンパっちゃうんだよね」

―――ええっ！弁護士のくせに、頭悪そうなヤツの話じゃない。

「悪いけど、見てらんないよ。」

―――警察にあきれられる弁護士って、相当ヤバいだろ！


そもそも、テンパっちゃう奴って、どこの世界でも「出来が悪い」よな！

「わざわざ引き受けて下さった弁護士様ですから・・・」

と疑問を持たないで、ただただひれ伏すんじゃ、マズいわ。


注意深く観察し「どうも、おかしいぞ」と、実力不足を疑ったら、

弁護士も「チェンジ」が必要です。


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2．何もあなたが説教しなくても
逮捕された身では、話を聞き、味方になってくれる唯一の存在が弁護士です。

何もできない本人に代わり、作戦を立て、あれこれと動いてくれるのです。


しかし・・・私の弁護士ときたら・・・

「被害者の家族がかわいそうでしょ！」

―――自分の過去を思い出して泣き出したり、


「あなたは被害者の気持ちがわかるんですか？またやらかしますよ!!」

―――怒鳴ったり


いやぁ、お気持ちはわかるんですが、それは弁護士の言うコトバではない。

それじゃあ、裁判の相談ができないのです。


私が反省しない尊大な態度をとっているならわかるんですが・・・

「次の裁判でなんとしゃべりましょうか？」って尋ねていたら

一見冷静な態度で、理論的に質問してきた私を気に喰わなかったらしい。


唯一の味方の、弁護士に怒られたり、泣かれたりしたら、

もう誰に相談すればいいのよ！

私は弁護士に逆らってもなければ、反省ないセリフを言ったわけでもないんですが。


「オレが悪かったから、とりあえず仕事してくれ！助けるのが仕事でしょ！」

ホント、お願いだから、自分の弁護人をやめるか、仕事するか、どっちかにして！


一つ確実に言えることは、

プロの弁護士たるもの感情的になってはダメですよ。

そうなっているなら、すぐにでもチェンジが必要です。


3．あっさり引き下がって来ないで！
裁判を受けるにあたり、それまでの準備として重要なのは、示談交渉です。

被害者と示談の交渉が成立すれば、民事裁判は回避できますし、

何より減刑されます。


しかし、本人は逮捕されていますから、自分では何も交渉できません。

そこで弁護士が、被害者の連絡先を聞き出し、被害者とお会いして、話を進めます。

弁護士の腕の見せ所です。私は、交渉がうまく進むように毎日祈っていました。


弁護士との接見(面会)の際は、交渉がどれだけ進んだのか、祈る思いで尋ねます。

ところが弁護士は、「被害者がお話ししたくないというので、わかりましたと返事した」

と言うのです。


「子供のおつかいじゃねえんだから」

思わず悪態をつきそうになります。


「あっそうですか、って引き下がるんじゃなくて、それをどうにかするのが仕事だろ！」

あまりにあっさりとした弁護士の交渉に、正直怒り狂いました。

こんな言われるがままの対応をする弁護士も、すぐにでもチェンジの対象です。


4．イヤなら代わってください！
刑事からは心配されるわ

感情的になって依頼人を叱るわ

交渉は向こうの言われるがままだわ


そんな私の弁護士でしたが、さすがに私も、

「もうこのままではヤバい！」と焦りました。


「私のやった犯罪が許せなくて、弁護する気がないなら、仰ってください」

思い切って言ってみました。　

本心は、「頼む！『もうやってられない』と断ってくれ！」ですよ。


ところが、「大丈夫です。やりますから」

と、まさかの、かたくなに拒否。

「いや、経験がない、とか、得意ではない罪名なら、申し訳ないので」

と仕向けても、もう意地になって「やりますから！」です。


なんと、チェンジできない悲劇・・・

本当のプロの姿とは、自分のできる範囲を把握していること。

そして無理なものは引き受けないこと。

その線引きが明確であることだと思うのです。


できることはできると言い、できないことはできないと言う、その潔さが重要です。

エラそうに、犯罪者のくせに申してすみませんね。


次回は、トンデモ弁護士続編。ありえないだろ?のお話をします。


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タグ：弁護士 示談 民事訴訟 接見

コメント 1

刑事弁護は、やめ検に頼むんがいっちゃん強いよぉ
by ちちょりーな (2016-10-29 05:46)